精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:339

適切な認知症薬物療法を行うために

 英国・クィーンズ大学ベルファストのCarole Parsons氏らは、進行した認知症患者に対する適切な薬物治療を行うための薬物カテゴリーを作成すること、また、それらの患者で用いられている薬物を調べるための、長期前向きコホート試験の実現可能性を評価し、開発したカテゴリーを使用することで進行した認知症患者が入所するナーシングホームで処方が適切になるかを確認する検討を行った。これまで同様の評価や検討は行われていなかった。Drugs & Aging誌オンライン版2014年12月6日号の掲載報告。

統合失調症の心血管リスク、その出現時期は

 統合失調症患者は、心血管疾患の罹患率および死亡率が高いことが確認されている。しかしながら、これまでに、疾患早期におけるリスクの状態やその調整・媒介変数などについては明らかではなかった。米国・ジャッカー・ヒルサイド病院のChristoph U. Correll氏らが、Recovery After an Initial Schizophrenia Episode(RAISE)試験参加者のデータを分析し、初回エピソード統合失調症スペクトラム障害(FES)患者では、心代謝のリスク因子および異常が疾患早期に出現しており、基礎疾患、不健康なライフスタイル、および抗精神病薬治療などが相互に関連していると思われることが明らかにされた。結果を踏まえて著者は、「疾患早期の介入による予防と、低リスクの薬物療法とルーチンの副作用モニタリング、および禁煙指導といった介入が疾患早期から必要である」とまとめている。JAMA Psychiatry誌2014年12月1日号の掲載報告。

聴覚障害と精神疾患リスク、ドパミンとの関連は

 聴覚障害を有する人では精神疾患リスクの増大が観察されている。社会的挫折論(social defeat hypothesis)によれば、長期的に排除されるという経験が、脳内のドパミンシステムの活性や感受性の強化に結び付き、精神疾患リスクを増大するとされている。オランダ・アムステルダム大学のMartin Gevonden氏らは、その関連性を実証するため、重度聴覚障害の若年成人におけるドパミン放出と、前述の社会的挫折論との関連を調べた。JAMA Psychiatry誌2014年12月号の掲載報告。

日本人統合失調症、暴力行為の危険因子は:千葉大

統合失調症患者の暴力行為に関連する広範な危険因子について、多くの研究が行われている。しかし、さまざまな社会的・文化的背景に関係する危険因子は不明なままである。千葉大学の今井 淳司氏らは、精神科救急により入院した日本人統合失調症患者における暴力行為に関連する因子を調査し、他の集団研究で見つかった因子との比較を行った。Schizophrenia research誌2014年12月号の報告。

クリスマスは本当に自殺者が多いのか

 クリスマスの時期は他の休日と比較して、オーストリアにおける自殺率が低いことが、オーストリア・パラケルスス医科大学のMartin Ploderl氏らによる研究で明らかになった。このことは、楽しい休日を過ごすはずだったのに期待外れに終わった失望が自殺率に影響するとした「broken-promise effect」の仮説を打ち消すものであり、より適切なタイミングで自殺予防を行う手助けとなりうるかもしれない。European journal of public health 誌2014年9月 22日号の掲載報告。

過食性障害薬物治療の新たな可能性とは

 過食性障害に対する薬理学的アプローチについて、米国・ノースカロライナ大学のKimberly A. Brownley氏らが現状を紹介している。これまでに、食欲過剰、気分調節、衝動制御に関連する神経伝達物質を標的とした検討が行われており、なかでもグルタミン酸シグナル伝達回路に着目した研究に新たな可能性があることを示唆している。Drugs誌オンライン版2014年11月27日号の掲載報告。