精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:386

皮膚がんとの関連研究で判明!アルツハイマー病に特異的な神経保護作用

 米国・アルベルト・アインシュタイン医学校のRobert S. White氏らは、70歳以上住民ベースの縦断的追跡研究の結果、非悪性黒色腫皮膚がんの人は、同皮膚がんを有さない人と比べて、アルツハイマー病(AD)の発症リスクが有意に低いことを明らかにした。同関連は、ADが疑われる例や脳血管性AD、その他あらゆる認知症ではみられなかったことも示され、著者は「アルツハイマー病には特異的な神経保護が存在することが推察された」と報告している。Neurology誌オンライン版2013年5月14日号の掲載報告。

てんかん患者の頭痛、その危険因子は?:山梨大学

 神経科医にとって頭痛とてんかん発作の関連は一般的であるが、いまだによくわかっていない。山梨大学の金村 英秋氏らは、前向き調査により小児てんかん患者における発作関連の頭痛についてそのタイプや発生頻度を評価し、危険因子の同定を試みた。その結果、部分てんかん患者や発作頻度の高い患者で頭痛の発生率が高いことが示された。Seizure誌オンライン版2013年5月20日号の報告。

アリピプラゾールと気分安定薬の併用、双極性障害患者の体重増加はどの程度?

 双極I型障害(BPD)患者は多くの場合太りすぎか肥満であり、メタボリックシンドロームを合併している可能性が高い。いくつかのBPD治療薬では、体重増加や代謝パラメータの悪化が認められる。米国・ケースウエスタンリザーブ大学のDavid E. Kemp氏らは、アリピプラゾール(商品名:エビリファイ)と気分安定薬を併用した際のメタボリックシンドロームの発生率および代謝パラメーターの変化を調べた。Journal of affective disorders誌2013年5月15日号の報告。

統合失調症、デポ剤と抗精神病薬併用による効果はどの程度?

 統合失調症治療の主な目標は、機能の向上である。しかし、第一世代抗精神病薬と第二世代抗精神病薬、あるいはデポ剤/持効性注射剤使用や経口抗精神病薬との併用による有効性の相違については明らかとなっていない。スペインのFrancisco J. Acosta氏らは、統合失調症患者に対する抗精神病薬の種類およびレジメンによる有効性の相違を検討した。Nordic Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年5月15日号の掲載報告。

精神疾患患者は、何を知りたがっているのか

 最近の精神疾患患者は、自身の疾患に関して情報過多の状況にある。しかしながら、精神疾患患者が知りたいと思う内容に関する系統的研究はほとんど行われていなかった。英国・ロンドン大学のClaudia Hallett氏らは、統合失調症および気分障害患者が自身の疾患に関して知りたいと思っている内容、情報収集の手段に関するインタビュー調査を行った。その結果、知りたい内容の第1位は「疾患の原因」であり、精神科医と1対1の対話の中で情報を得たいと思っている実態を明らかにした。Psychiatric Services誌オンライン版2013年5月15日号の掲載報告。

日本語版・産後うつ病予測尺度「PDPI-R-J」を開発

 産後うつ病(PPD)は世界中でみられ、日本においては出産後1ヵ月間で約20%の母親が経験している。そこで、一次予防のために、妊娠中および出産後早期にリスクを特定するスクリーニング法が必要とされていた。東京大学の池田 真理氏らは、日本語版・産後うつ病予測尺度「Japanese version of the Postpartum Depression Predictors Inventory-Revised(PDPI-R-J)」を開発し、その予測妥当性を検証した。BMC Pregnancy and Childbirth誌オンライン版2013年5月14日号の掲載報告。

統合失調症に「サッカー療法」その効果は?

 身体活動は誰にとっても健康のために重要であるが、とりわけ生活習慣が不健全となりがちな精神疾患を有する患者にとって重要である。イタリア・パレルモ大学のGiuseppe Battaglia氏らは、重度の精神疾患患者の健康面を改善する手段として近年注目されるサッカーによる介入療法に関して検討を行った。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2013年5月号(オンライン版2013年5月3日号)の掲載報告。

高齢の遅発統合失調症患者に対する漢方薬の効果は?

 統合失調症の発症年齢には個人差があるが、遅発性および超遅発性の統合失調症に関する研究は不十分であり、治療のさまざまな問題点は未解決のままである。島根大学の宮岡 剛氏らは、認知機能障害のない超遅発性統合失調症様精神障害の高齢患者に対する抑肝散(TJ-54)単独療法の有効性と安全性を評価した。Phytomedicine : international journal of phytotherapy and phytopharmacology誌2013年5月15日号の報告。