呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:103

RCTでの有害事象の可視化、どんなグラフが有効か/BMJ

 臨床試験の有害事象の伝達において、グラフ化(可視化)は強力なツールであり従来の頻度表に代わる他の視点を提供し、臨床試験の報告書で有害事象の可視化の使用が増加することよって、明確な情報の提示とより有益な解釈が可能となる。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのRachel Phillips氏らが、有害事象を視覚的に提示するための推奨事項を作成するコンセンサス研究の結果を報告した。有害事象のデータは複雑であるが、可視化は安全性プロファイルを明確にし、潜在的な副作用の特定に役立つ可能性がある。著者は、「デシジョンツリーは可視化の選択を補助するが、最終的には統計学者および臨床試験チームがそのデータと目的に最適な可視化を決定しなければならない」と述べている。BMJ誌2022年5月16日号掲載の報告。

抗原検査、感度のピークはいつ?再検査のタイミングは?

 抗原検査の感度は発症4日後にピークを迎え、陰性の場合は1~2日後の再検査で感度が向上することが、米国疾病予防管理センター(CDC)のVictoria T. Chu氏らによる前向きコホート研究で示唆された。新型コロナウイルス感染症の感染経過における家庭での抗原検査とRT-PCRおよびウイルス培養の比較検討結果が、JAMA Internal Medicine誌オンライン版2022年4月29日号に報告された。  本研究は、2021年1~5月にカリフォルニア州とコロラド州で実施された。RT-PCRで感染が確認された成人と小児のうち、自己採取の家庭用抗原検査および、RT-PCR、ウイルス培養検査のための鼻咽頭スワブを少なくとも1回提供した人が対象。家庭用抗原検査は2021年3月31日に米国食品医薬品局から緊急使用許可を取得したラテラルフロー検査キット(QuickVue At-Home OTC COVID-19 Test)を使用した。

コロナ治療薬の効果、観察研究とRCTで一致するか/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬(ヒドロキシクロロキン、ロピナビル-リトナビル、デキサメタゾン)を評価した観察研究のメタ解析と無作為化臨床試験(RCT)のメタ解析を比較すると、4分の3以上で治療効果の要約が一致していることが、米国・イェール大学のOsman Moneer氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月10日号で報告された。  研究グループは、COVID-19の同じ治療薬や対照薬、アウトカムを評価した個別の観察研究とRCTまたはこれらの研究のメタ解析から、治療効果と人口統計学的データを系統的に同定し、これらをマッチさせて比較することで、観察研究とRCTの治療効果が一致するかを評価する目的で、メタ疫学研究を行った(著者の1人であるJoshua D. Wallach氏は、米国国立アルコール摂取障害・依存症研究所[NIAAA]の助成を受けた)。

免疫抑制が強い患者ほど接種後の抗体価に差、モデルナ製vs.ファイザー製

 免疫抑制治療を受けている固形臓器移植患者やリウマチ性・筋骨格系疾患患者において、モデルナ製の新型コロナワクチンがファイザー製ワクチンより強い液性免疫原性を誘導しやすく、この効果は免疫抑制が強いほど顕著だったことが、米国・Johns Hopkins University School of MedicineのJonathan Mitchell氏らの研究で示された。JAMA Network Open誌2022年5月16日号に掲載。  臓器移植患者やリウマチ性・筋骨格系疾患患者などの免疫抑制患者は、新型コロナワクチンに対する免疫応答が低下している。したがって、ワクチンの免疫原性の差は、免疫正常者での差より臨床的に重要である。本コホート研究では、免疫抑制の強さの異なる患者群ごとにファイザー製およびモデルナ製ワクチン2回接種後の抗スパイク抗体価を比較した。

公園の運動ではマスクは不要、電車内は必要/厚生労働省アドバイザリーボード

 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは、5月19日に第84回の会議を開催し、その中で和田 耕治氏(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学 教授)より「日常生活における屋外と、小児のマスク着用について」の資料が説明された。  不織布製マスクの着用は呼吸器感染症対策として、咳・くしゃみなどの症状のある人や会話の際に飛沫やエアロゾルの発散を低減させることを目的に推奨され、ある程度の飛沫やエアロゾルを吸い込むことを予防する効果もある。

米FDA、5~11歳への3回目ファイザー製ワクチンを承認

 米国・ファイザー社は5月17日付のプレスリリースで、米国食品医薬品局(FDA)が、5~11歳の小児に対して、同社製の新型コロナワクチンの3回目接種を緊急使用許可(EUA)したことを発表した。ファイザー製ワクチンの初回シリーズ2回接種完了から5ヵ月以上経過した小児に対して、ブースター接種として、1回目・2回目接種と同量の10µgを投与できる。米国で5~11歳への3回目接種が承認されるのは、ファイザー製ワクチンが初めてとなる。

国内での新型コロナワクチンの有効性~多施設共同研究/日本感染症学会

 新型コロナウイルス感染症の発症予防における新型コロナワクチンの有効性を、全国の医療機関において検査陰性デザインを用いた症例対照研究を行い(VERSUS study [Vaccine Effectiveness Real-time Surveillance for SARS-CoV-2])、国内においても海外で報告されたものとほぼ同等の有効性が認められた。4月22~23日にオンラインで開催された第96回日本感染症学会総会・学術講演会で、長崎大学の前田 遥氏が発表した。なお、本発表に含まれるデルタ株流行期の結果については、Clinical Infectious Diseases誌オンライン版2022年4月19日号2)にも掲載されている。

6~11歳へのモデルナ製ワクチン、50μg2回接種が安全かつ有効/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)mRNA-1273ワクチン(Moderna製)について、小児(6~11歳)への50μgの2回投与は安全かつ有効であることを、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのC. Buddy Creech氏らが、2つの試験の結果を踏まえて報告した。免疫応答および予防を含めて若年成人に対する非劣性が確認されたという。COVID-19予防のための小児へのワクチン接種は、緊急性の高い公衆衛生上必要な取り組みとされるが、小児におけるmRNA-1273ワクチンの安全性、免疫原性および有効性は明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2022年5月11日号掲載の報告。

医師の会食・飲み会参加について、医師1,000人の意見

  医師の飲み会・会食参加について、ニュースで取り上げられる時もあるが、医師自身はどのように捉えているのだろうか。今回、会員医師1,000人に、最近の飲み会・会食への参加状況と感染対策について意見を聞いた。  「直近1ヵ月で、3人以上の会食(同居家族を除く)に参加した回数をお教えください」という問いに対し「0回」と回答したのは、飲酒を伴わない会食で806人(81%)、飲酒を伴う飲み会で757人(76%)であり、どちらも「0回」と答えた医師は全体の68%だった。会食への参加が1回以上と回答した医師のうち、1~2回参加した人は飲酒を伴う飲み会かどうかにかかわらず75%を超え、3回以上参加した医師は少数だった。

中学生以下はクラスで、高校生は部活感染が多い/厚労省アドバイザリーボード

 本格的な学校生活が始まり、児童生徒などへの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が懸念されている。  厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは、5月11日に第83回の会議を開催し、その中で文部科学省から「学校における新型コロナウイルス感染症対策について」が示された。  感染状況では、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校いずれも同一クラス内での感染が1番多く、高等学校では同一部活内での感染が1番多いことなどが報告された。また、学校での感染対策として、臨時休業の考え方を示すとともに、オミクロン株への対応として休業期間の短縮や授業、部活動でのリスクの高い行動の抑制のほか、児童生徒などへのワクチン接種の考え方が示された。