呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:315

インフルエンザ関連肺炎患者に多いワクチン未接種/JAMA

 市中肺炎で入院した小児および成人を対象に、インフルエンザ関連肺炎患者群と非関連肺炎患者群のインフルエンザワクチン接種率を調べた結果、前者のほうが低く未接種者の割合が多かったことが示された。米国・ヴァンダービルト大学医学部のCarlos G. Grijalva氏らが、市中肺炎入院を評価する多施設共同前向き観察研究Etiology of Pneumonia in the Community(EPIC)のデータを分析し、報告した。これまで、インフルエンザワクチン接種と、インフルエンザの重篤合併症の肺炎との関連を評価した研究はほとんど行われていなかった。JAMA誌2015年10月13日号掲載の報告。

CheckMate-057試験:肺がん化学療法の歴史を変えるニボルマブ(解説:倉原 優 氏)-434

悪性黒色腫を診療している方であればご存じであろう、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)。日本では2014年7月に発売されており、アメリカでは2015年3月に肺扁平上皮がんに対して保険適用が追加承認された。日本でも現在切除不能な進行・再発非小細胞肺がんに対する効能の追加承認を申請中である。

ICU免疫不全患者の急性呼吸不全、非侵襲的換気療法の有効性/JAMA

 急性呼吸不全で低酸素血症を呈するICU入室の免疫不全患者において、早期の非侵襲的換気療法は酸素療法単独と比較して28日死亡率を低下しなかったことを、フランス・Saint-Louis University HospitalのVirginie Lemiale氏らが無作為化試験の結果、報告した。ただし、試験の検出力は限定的なものであったとしている。同患者に対しては、死亡率を低下するとして非侵襲的換気療法が推奨されている。一方で、その有効性については不明なままでもあった。JAMA誌オンライン版2015年10月7日号掲載の報告。

収縮不全患者の中枢性無呼吸にASVを漫然と長期使用することは有害である可能性(解説:原田 和昌 氏)-431

閉塞性無呼吸に対するCPAP治療は確立している。しかし、心不全患者におけるCSR-CSA(チェーンストークス-中枢性無呼吸)の治療には議論がある。夜間酸素療法は一部有効性が認められているが、予後改善は示されていない。また、CPAP治療にはノンレスポンダーが存在するため、CANPAP試験全体で予後改善効果は証明されなかったが、CSAが早期に改善する例の予後は改善した。CSR-CSAは予後不良と死亡に関連しているが、これはむしろ心不全の結果であり、心不全の治療が第一義的であると考えられる。

非扁平上皮NSCLCの2次治療、ニボルマブがOS延長/NEJM

 プラチナ製剤ベースの化学療法を行っても病勢が進行した非扁平上皮非小細胞肺がん(NSQ-NSCLC)の治療において、ニボルマブはドセタキセルに比べ、全生存期間(OS)を有意に延長することが、米国・フォックスチェイスがんセンターのHossein Borghaei氏らが行ったCheckMate 057試験で示された。NSCLCの2次治療では、新規薬剤であるペメトレキセドやエルロチニブは、標準治療薬であるドセタキセルよりも副作用プロファイルが良好だがOSの優越性は確認されていない。一方、完全ヒト型IgG4 PD-1免疫チェックポイント阻害抗体であるニボルマブは、第I相試験でNSCLCの全サブタイプで持続的な抗腫瘍効果と有望なOSが確認され、多くの前治療歴のある進行NSQ-NSCLCでは奏効率17.6%、1年OS 42%、3年OS 16%、1年無増悪生存率(PFS)18%と良好な成績が報告されている。NEJM誌オンライン版2015年9月27日号掲載の報告。

甘くみていませんか、RSウイルス感染症

 10月1日、都内においてアッヴィ合同会社は、RSウイルス感染症に関するプレスセミナーを開催した。セミナーでは、小保内 俊雅氏(多摩北部医療センター 小児科部長)が「秋から冬に流行る呼吸器感染症 侮れないRSウイルス~突然死を含む重症例の観点から~」と題し、最新のRSウイルス感染症の動向や臨床知見と小児の突然死を絡め、解説が行われた。