泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:42

メラノーマ・腎がん・肺がんに対するニボルマブの5年生存率/JAMA Oncol

 進行メラノーマ、腎細胞がん(RCC)、非小細胞肺がん(NSCLC)に対する抗PD-1抗体ニボルマブ治療の5年生存率が報告された。米国・Johns Hopkins Bloomberg-Kimmel Institute for Cancer ImmunotherapyのSuzanne L. Topalian氏らが米国内13施設270例の患者を包含して行った第I相の「CA209-003試験」の2次解析の結果で、著者は「長期生存と関連する因子を明らかにすることが、治療アプローチおよびさらなる臨床試験開発の戦略に役立つだろう」と述べている。ニボルマブは進行メラノーマ、RCC、NSCLCおよびその他の悪性腫瘍に対する治療薬として米国食品医薬品局(FDA)によって承認されているが、これまで長期生存に関するデータは限定的であった。JAMA Oncology誌2019年10月号(オンライン版2019年7月25日号)掲載の報告。

性機能に対するボルチオキセチンの影響~ランダム化比較試験

 性機能障害はうつ病患者においてよくみられるが、抗うつ薬の一般的な副作用として認められるtreatment-emergent sexual dysfunction(治療に起因する性機能障害)の評価は、一部の患者において抑うつ症状の治療と混同される可能性がある。米国・Takeda Development Center AmericasのPaula Jacobsen氏らは、ボルチオキセチンの性機能に対する影響を評価するため、健康なボランティアを対象に、性機能障害を誘発することが知られているパロキセチンおよびプラセボとの比較を行った。The Journal of Sexual Medicine誌2019年10月号の報告。

家族歴が発症リスクに関連するがん種~日本人10万人の前向き研究

 がんの家族歴は、いくつかのがん種におけるリスク増加の重要な因子である。がんの家族歴と、遺伝的に一致するがんリスクとの関連は多くの疫学研究で報告されているが、生活習慣を調整した包括的な前向き研究はない。今回、わが国のJPHC研究において、国立がん研究センターの日高 章寿氏らによる研究から、膀胱がん、膵がん、食道がんなどのいくつかのがん種で、がんの家族歴ががんリスク増加と関連することが示唆された。International Journal of Cancer誌オンライン版2019年10月8日号に掲載。

日本で広域抗菌薬が適正使用されていない領域は?

 抗菌薬の使用量は薬剤耐性と相関し、複数の細菌に作用する広域抗菌薬ほど薬剤耐性菌の発生に寄与する。日本の抗菌薬使用量は他国と比べ多くはないが、セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライドといった経口の広域抗菌薬の使用量が多い。AMR臨床リファレンスセンターは9月24日、11月の「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」を前にメディアセミナーを開催。日馬 由貴氏(AMR臨床リファレンスセンター 薬剤疫学室室長)、具 芳明氏(同 情報・教育支援室室長)らにより、最新の使用量データや市民の意識調査結果が報告された。

カバジタキセル、転移のあるmCRPCのPFSを延長/NEJM

 転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)で、ドセタキセルおよび抗アンドロゲン薬(アビラテロン、エンザルタミド)既治療の患者に対し、カバジタキセルは抗アンドロゲン薬に比べ、画像評価による無増悪生存(PFS)期間を有意に延長することが示された。オランダ・エラスムス医療センターのRonald de Wit氏らが、255例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年9月30日号で発表した。ドセタキセル治療と抗アンドロゲン薬治療を受けるも12ヵ月以内に病勢進行が認められたmCRPC患者について、抗アンドロゲン薬と比較したカバジタキセルの有効性および安全性は不明であった。

新規ADC薬・sacituzumab-govitecan、尿路上皮がんに有望(TROPHY-U-01)/ESMO2019

 転移を有する尿路上皮がん(mUC)に対する、抗体薬物複合体(ADC)である新規薬剤sacituzumab-govitecan(SG)の試験結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・Weill Cornell MedicineのScott T. Tagawa氏より発表された。  本試験(TROPHY-U-01)は、オープンラベル・シングルアームの国際共同第II相試験である。本試験薬(SG)は、尿路上皮がんやトリプルネガティブ乳がんなどの腫瘍細胞表面に高発現しているTrop-2タンパクを標的としたヒト化抗体(hRS7)に、トポイソメラーゼ阻害薬であるSN-38を分子レベルで結合させた新規のADCである。

アパルタミド、転移のない去勢抵抗性前立腺がんのOSを改善(SPARTAN試験)/ESMO2019

 遠隔転移のない去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)に対する、アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬であるアパルタミドの試験結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・Massachusetts General Hospital Cancer Center and Harvard Medical SchoolのMatthew R. Smith氏より発表された。  本試験(SPARTAN試験)は、日本も参加した国際共同のプラセボコントロールの第III相試験である。過去に、1回目の中間解析が実施され、アパルタミドが有意に無転移生存期間を延長したことが報告されている。今回の報告は2回目の中間解析結果であり、全生存期間(OS)、化学療法施行までの期間(TTC)、安全性についての発表。

ドセタキセル+ADTがmHSPCのOSを延長(STAMPEDE試験)/ESMO2019

 転移を有するホルモン療法未治療の前立腺がん(mHSPC)患者に対する、ドセタキセル(DTX)とアンドロゲン除去療法(ADT)の併用療法の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、英国・Queen Elizabeth Hospital のNick James氏より発表された。  本試験(STAMPEDE試験)は前立腺がんを対象に、10群(A~L群)のアームを持ち、1万人以上の症例が登録される国際共同臨床試験である。既にmHSPCの1次治療としてDTX+ADTのOS改善報告がある。今回は2005年10月~2013年3月に登録のあった、A群(ADT群)とC群(DTX群)との長期追跡の結果と、高腫瘍量/低腫瘍量ごとの解析である。

相同組換え修復遺伝子変異mCRPC、オラパリブの2次治療がPFSを改善(PROfound)/ESMO2019

 BRCA1/2やATM遺伝子(相同組換え修復遺伝子:HRR遺伝子)に変異があり、かつ転移も有する 去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対する、PARP阻害薬のオラパリブと標準的なホルモン剤との比較試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・Northwestern University Feinberg School of MedicineのMaha Hussain氏により発表された。本試験は国際共同オープンラベル第III相試験である。

新・夜間頻尿診療ガイドラインで何が変わるか/日本排尿機能学会

 新薬の登場やエビデンスの蓄積を受けて、約10年ぶりに「夜間頻尿診療ガイドライン」が改訂される。40代で約4割、80歳以上では9割以上でみられる夜間頻尿について、専門医だけでなく一般医に対する診療アルゴリズムを新たに作成し、クリニカルクエスチョン(CQ)を充実させる見通し。第26回日本排尿機能学会(9月12~14日、東京)で、「新・夜間頻尿診療ガイドライン:改定に向けての注目点」と題したセミナーが開催され、作成委員長を務める国立長寿医療研究センター泌尿器科の吉田 正貴氏らが解説した。