泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:50

転移リスクの高い前立腺がん、エンザルタミドは転移を有意に抑制/NEJM

 転移のない去勢抵抗性前立腺がんで、PSA値が急上昇している患者において、エンザルタミド(商品名:イクスタンジ)の投与により、プラセボと比較して転移または死亡のリスクが有意に71%低下したことが、米国・ノースウェスタン大学のMaha Hussain氏らによる第III相の二重盲検無作為化試験の結果、示された。有害事象は、エンザルタミドの確立している安全性プロファイルと一致していた。転移のない去勢抵抗性前立腺がんでPSA値が急上昇している患者は、転移リスクが高い。研究グループは、エンザルタミドがそのような患者の転移を遅延し、全生存(OS)を延長するとの仮定について検証を行った。NEJM誌2018年6月28日号掲載の報告。

前立腺全摘除術で知っておきたい合併症

 2018年6月13日、ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社は、「男性の尿漏れに対する先進的な治療法 尿漏れ手術『人工尿道括約筋植込術』~前立腺がん治療後の尿漏れ患者約10,000人のQOLに貢献~」をテーマに、3名の演者(国立がん研究センター 増田 均氏/東北医科薬科大学 海法 康裕氏/原三信病院 武井 実根雄氏)を迎え、都内でセミナーを開催した。本稿では、その概要を紹介する。

ProACT試験-プロカルシトニン値を指標とした抗菌薬使用(解説:小金丸博氏)-877

抗菌薬の過剰な使用は、医療費の増加や薬剤耐性菌の出現に関連する公衆衛生上の問題である。プロカルシトニンは、ウイルス感染よりも細菌感染で上昇しやすいペプチドであり、上昇の程度は感染の重症度と相関し、感染の改善とともに経時的に低下する。いくつかの欧州の試験において、抗菌薬を投与するかどうかをプロカルシトニンの結果に基づいて決定することで抗菌薬の使用を抑制できることが示されており、2017年、米国食品医薬品局(FDA)は下気道感染症が疑われる場合に抗菌薬の開始または中止の指標としてプロカルシトニンを測定することを承認した。しかしながら、プロカルシトニン値を日常臨床へ適用できるかは明らかでなかった。

腎がんの分子標的治療に腎切除は必要か/NEJM

 転移を有する腎細胞がん患者において、スニチニブ単独療法は、腎切除後にスニチニブ投与を受ける標準治療に対し、非劣性であることが示された。フランス・ジョルジュ・ポンピドゥー欧州病院のArnaud Mejean氏らによる、第III相の無作為化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2018年6月3日号で発表された。この20年の間、転移を有する腎細胞がんの治療は、無作為化試験や大規模後ろ向き試験によって腎切除術が標準とされてきたが、研究グループは、近年の分子標的薬の台頭を受けて、腎切除術の役割について評価を行った。

急性単純性膀胱炎に対するガイドライン推奨治療の比較試験(解説:小金丸博氏)-860

膀胱炎に代表される尿路感染症はとてもありふれた感染症であり、とくに女性では一生涯で半数以上が経験すると言われている。膀胱炎に対して世界中で多くの抗菌薬が処方されることが薬剤耐性菌出現の一因になっていると考えられており、2010年に米国感染症学会(IDSA)と欧州臨床微生物感染症学会(ESCMID)は「女性の急性単純性膀胱炎および腎盂腎炎の治療ガイドライン」を改訂した。このガイドラインでは、急性単純性膀胱炎に対する第1選択薬としてnitrofurantoin monohydrateやfosfomycin trometamolなどを推奨しており、これらの薬剤の使用量が増加してきているが、治療効果を比較したランダム化試験はほとんど存在しなかった。

男女の排尿時間はどちらが長いか?~日本抗加齢医学会総会

 「あなたは自分が何秒間おしっこしているか知っていますか?」  男女別の排尿時間という、これまで泌尿器科、婦人科の世界できちんと検証されてこなかったシンプルな疑問を明らかにしたのは、旭川医科大学病院臨床研究支援センターの松本 成史氏。5月25日~27日に大阪で開催された日本抗加齢医学会のシンポジウム中でその研究成果を発表した。