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うつ病リスクが低下する日本人に適切な魚類の摂取量は

魚類の消費やイコサペント酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)レベルがうつ病のリスク低下と関連していることが、観察研究のシステマティックレビューにより明らかとなっている。また、n-3PUFAの逆J字型効果が示唆されている。しかし、魚類の消費量の多い集団からのエビデンスは限られており、うつ病の標準的な精神医学的ベースの診断を用いた研究はない。国立がん研究センターの松岡 豊氏らは、日本人における魚類、n-3PUFA、n-6PUFAの消費とうつ病リスクとの関連を、集団ベースのプロスペクティブ研究にて調査を行った。Translational psychiatry誌2017年9月26日号の報告。
長野県佐久地域住民1万2,219例(1990年)を対象に、1995、2000年に食物摂取頻度調査を完了し、2014~15年にメンタルヘルス検査を受けた63~82歳の参加者1,181例を抽出した。魚類の摂取量およびPUFAの四分位に基づき、うつ病のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出した。
主な結果は以下のとおり。
・95例が現在うつ病と診断されていた。
・うつ病リスクが低下していたのは、魚類の摂取量の第3四分位(111.1g/日、OR:0.44、95%CI:0.23~0.84)、EPAの第2四分位(307.7mg/日、OR:0.54、95%CI:0.30~0.99)、ドコサペンタエン酸(DPA)の第3四分位(123.1mg/日、OR:0.42、95%CI:0.22~0.85)であった。
・がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病で調整後のORは、魚類およびDPA摂取において有意なままであった。
著者らは「高齢者のうつ病予防に対し、中程度量の魚類の摂取が推奨される」としている。
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