反復性および慢性片頭痛の予防には、いくつかの薬剤が利用可能である。どの治療を、どのタイミングで選択するかを決定することは簡単ではなく、一般的な有効性、忍容性、重篤な有害事象の可能性、併存疾患、コストなどさまざまな因子に基づいて検討される。ベルギー・ブリュッセル自由大学のFenne Vandervorst氏らは、新たに片頭痛予防の選択肢の1つとして加わったカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)またはその受容体に対するモノクローナル抗体の有効性、忍容性について検討を行った。The Journal of Headache and Pain誌2021年10月25日号の報告。
新規片頭痛予防薬である抗CGRPモノクローナル抗体に関するランダム化プラセボ対照試験のエビデンスを収集した。これら薬剤の反復性および慢性片頭痛の予防に対する有効性、有効性に対するロバスト性について、評価した。
主な結果は以下のとおり。
・抗CGRPモノクローナル抗体は、これまで使用されていた予防薬と同等以上の効果が認められた。
・抗CGRPモノクローナル抗体の有効性に対するロバスト性は、各薬剤において多くの患者を含むいくつかのランダム化比較試験により実証されている。
・抗CGRPモノクローナル抗体は、優れた忍容性および長期的な安全性データが示され、副作用プロファイルに対しこれまでの治療薬よりも良好な結果が得られており、片頭痛予防に新たな付加価値をもたらすものと考えられる。
著者らは「ヘルスケアの政策立案者は、片頭痛予防に抗CGRPモノクローナル抗体を推奨するうえで、これらのデータのほか、より長期的の安全性やコストに関する追加データを用いてバランスをとっていくことが重要である」としている。
(鷹野 敦夫)