特殊な脳スキャンによって、精神病患者が治療に反応しない(治療抵抗性)統合失調症に移行するかどうかを正確に予測できる可能性があるとする研究結果を、アムステルダム大学(オランダ)のMarieke van der Pluijm氏らが、「The American Journal of Psychiatry」に3月13日報告した。
この脳スキャンは、中枢神経系のニューロメラニンと呼ばれる色素を測定するもので、ニューロメラニン感受性(neuromelanin-sensitive)MRI(NM-MRI)と呼ばれる。この色素を視覚的に示すことで、ドーパミンの機能レベルを知ることができる。ドーパミンは脳の報酬系から分泌される神経伝達物質の一つで、やる気や幸福感、運動調節に関わっている。そのため、ドーパミンの分泌過多は精神病に付随する攻撃性や衝動制御の低下をもたらす可能性がある。