外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

超高齢の乳がん患者における術後の局所再発率と生存率

 超高齢乳がん患者に対する外科的治療の有効性とアウトカムを検討するために、米国・スタンフォード大学のDavid Foulad氏らが、新規発症の原発乳がんまたは温存乳房内再発(IBTR)で手術を受けた85歳以上の患者のデータを解析したところ、手術が満足のいく局所制御をもたらすことが示唆された。Breast Cancer Research and Treatment誌2026年8月6日号に掲載。

日本人の乳がん検診の障壁は「痛み・恐怖・予約」~Xの投稿を解析

 乳がん検診の受診率が米国(70%超)と比較して日本(50%未満)で停滞している現状を背景に、SNS投稿の言葉から異文化間における検診の障壁を比較評価したインフォデミオロジー(情報疫学)研究のデータを、名古屋市立大学の寺田 満雄氏らが報告した。解析の結果、英語圏では主に制度的・経済的負担を反映している一方、日本では「痛み」「恐怖」「予約」が密接に関連する心理的・身体的障壁が支配的であることが示唆された。Journal of Medical Internet Research誌2026年7月31日号に掲載。

選択的Nav1.8阻害薬LTG-001、術後疼痛を軽減/NEJM

 Nav1.8は末梢神経系に発現している電位依存性ナトリウムチャネルで、疼痛シグナル伝達において重要な役割を果たすという。LTG-001は、オピオイドと同等の鎮痛効果をもたらすように設計された、経口投与が可能な非オピオイド系の選択的Nav1.8阻害薬である。米国・Latigo BiotherapeuticsのNeil Singla氏らは、腹壁形成術後に疼痛を訴える患者において、低・高用量のLTG-001はプラセボと比較して、48時間後の疼痛スコアを有意に改善し、高用量ではオピオイドのレスキュー使用量が少ないことを示した。研究の成果はNEJM誌2026年7月30日号に掲載された。

働き方改革で研修医のバーンアウトは減ったのか~2万5千人を調査

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行時、世界中で医師、とくに臨床研修医においてバーンアウトが大幅に増加した。一方、わが国では、医師の過重労働を減らし健康状態を改善するため、2023年に医師の働き方改革の準備を開始し、2024年4月に施行した。今回、千葉大学/英国・グラスゴー大学の小野 亮平氏らは、COVID-19流行時および国の働き方改革の準備期・施行期における、研修医のバーンアウトと労働環境の経時的変化について、多施設共同反復横断研究で調査した。その結果、臨床研修医のバーンアウトは2020年度に最も高く、その後、仕事への満足度、勤務時間、診療負担の改善に伴い減少したことが示された。BMJ Open誌2026年7月21日号に掲載。

乳がんのsBRCA変異とgBRCA変異、生物学的特徴と治療反応が異なる/ESMO Open

 BRCA変異のうち、生殖細胞系列(g)BRCA変異は生物学的および臨床的な重要性が十分に確立されているが、体細胞(s)BRCA変異の意義については不明な点が多い。今回、横浜市立大学の押 正徳氏らが、日本全国のがんゲノム医療データベース(C-CAT)を用いて大規模な乳がんゲノム解析を実施した結果、sBRCAのみ変異ありは、gBRCAとsBRCAの両方変異ありより多くみられ、sBRCA変異はgBRCA変異の有無によって明確なゲノムパターンが示された。また、gBRCAのみ、変異ありがCDK4/6阻害薬の治療継続期間の短縮と関連していた。ESMO Open誌2026年7月23日号に掲載。

HER2+局所進行/転移乳がんへの二重HER2阻害療法と併用の1次化学療法、エリブリンvs.タキサンの最終OS解析(JBCRG-M06/EMERALD)/ESMO Open

 HER2陽性(HER2+)局所進行/転移乳がんに対して、二重HER2阻害療法(トラスツズマブ+ペルツズマブ)と併用する1次化学療法として、エリブリンと医師選択のタキサンを比較した第III相JBCRG-M06/EMERALD試験の最終解析の結果、全生存期間(OS)中央値が6年を超え、2群間に有意差は認められなかったことが示された。福島県立医科大学の佐治 重衡氏らがESMO Open誌8月号に報告した。本試験ではすでに、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)においてエリブリンがタキサンに非劣性を示したことが報告されている。

高齢の転移TN乳がん患者におけるSGの有用性~国際共同リアルワールド研究

 転移を有するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の高齢患者に対するサシツズマブ ゴビテカン(SG)の臨床成績を評価した国際共同リアルワールド研究の結果を、ポーランド・Maria Sklodowska-Curie National Research Institute of OncologyのAleksandra Konieczna氏らが報告した。このリアルワールド集団において、SGを投与された65歳以上の患者のアウトカムは若年患者と同等以上であり、重篤な有害事象の明らかな増加は認められなかった。Oncologist誌オンライン版2026年7月20日号に掲載。

抗TROP-2 ADCはTROP-2発現レベルで効果が変わるか

 抗TROP-2抗体薬物複合体(ADC)は、転移乳がんの治療薬として有効性を示しているが、患者のTROP-2の発現レベルによって効果がどの程度異なるかは明らかではなかった。今回、イタリア・Istituto Nazionale Tumori, IRCCS Fondazione G. PascaleのRoberto Buonaiuto氏らのシステマティックレビューおよびメタ解析により、抗TROP-2 ADCは転移乳がんの無増悪生存期間(PFS)を有意に改善するが、その治療効果はTROP-2発現レベルが高い患者でより顕著であることが示された。Journal of the National Cancer Institute誌オンライン版2026年7月10日号掲載の報告。

プレハビリテーションが高齢患者の脊椎固定術後の合併症を抑制

 プレハビリテーションは、術後の回復を促進する目的で術前に体力や健康状態を向上させる介入で、近年、外科医を中心とする医師の注目を集めている。こうした中、新たな研究で、脊椎固定術の前に4週間のプレハビリテーションプログラムを受けた75歳以上の患者では、術後90日以内の合併症リスクが18%低かったことが示された。首都医科大学(中国)附属宣武医院整形外科部長のShibao Lu氏らによるこの研究結果は、「Annals of Internal Medicine」に6月16日掲載された。Lu氏は、「本研究は、構造化された多面的プレハビリテーションが、高齢者における脊椎固定術後の合併症を減少させる上で有効な方法となり得ることを示した」と述べている。

患者説明に使う資料や情報源は?~がん専門医500人に聞く

 情報過多の現代、医療情報も多種多様なレベルのものが世の中にあふれている。数十年前と比べ医師と患者の立場がフラットになりつつある昨今、患者自身の学習意欲もあいまって、診療時間中のコミュニケーションに費やす時間は増加傾向にある。診療の効率化が求められる中でも、医師にとっては患者に対し、患者自身の疾患に関する正しい知識を端的に提供したいというニーズは根強いのではないだろうか。  患者の視点に立った情報発信については、若尾 文彦氏(国立がん研究センター がん対策情報センター副センター長)率いる研究班や「がん情報の均てん化を目指す会」をはじめとする多くの団体が検証を重ねている。