大腸がん術後合併症、電動自動吻合器の活用でリスク削減の可能性
吻合部出血や縫合不全など、大腸がん術後の吻合に関する合併症は依然として深刻な問題となっている。大阪大学の三吉 範克氏・水元 理絵氏らは、単施設の後ろ向きコホート研究および同研究を含む2,700例以上を対象としたメタ解析を行い、吻合部合併症リスク削減のための電動自動吻合器(以下、電動吻合器)の有用性を検討した。Oncology Letters誌オンライン版2024年8月22日号掲載の報告より。
2018年1月~2022年12月までに大阪大学医学部附属病院で円形吻合器を用いた大腸がんの根治切除および吻合術を受けた患者を対象に、後ろ向きコホート研究が実施された。緊急手術、炎症性腸疾患を有する症例、およびほかのがんと同時手術の症例は除外され、主要評価項目は吻合部の合併症率であった。経験豊富な消化器外科医が電動吻合器(ECHELON CIRCULAR Powered Stapler)または手動吻合器(ETHICON Circular Stapler CDHまたはEEA Circular Stapler)を使用して手術を行い、術者によるバイアスは確認されなかった。すべてのデータは術後 30 日までの医療記録から収集された。