アレルギー科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:31

新生児期の皮膚バリア機能が食物アレルギー発症予測の指標に?

 食物アレルゲンへの経皮曝露が、食物感作/食物アレルギーを引き起こす可能性がある。アイルランド・コーク大学のMaeve M. Kelleher氏らは、経表皮水分蒸散量(TEWL)を指標とした皮膚バリア機能と食物アレルギーとの関連を調べる出生コホート研究を行い、新生児期の皮膚バリア機能障害が、アトピー性皮膚炎の有無にかかわらず2歳時の食物アレルギー発症を予測することを明らかにした。

ダニ舌下免疫療法、アレルギー性喘息に有用/JAMA

 吸入ステロイド(ICS)でコントロール不良のハウスダストダニ(house dust mite: HDM)アレルギー性喘息に対し、HDMアレルゲン舌下免疫療法(SLIT)が有効かつ安全であることが確認された。HDM舌下錠は、ICS減量期の中等度~重度の喘息増悪を9~10%減少させる。ドイツ・ロストック大学のJ. Christian Virchow氏らが、HDM舌下錠の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験の結果を報告した。HDM舌下錠はHDMアレルギー性鼻炎に対する治療薬として発売されているが、HDMアレルギー性喘息患者において喘息増悪リスクを減少させるかどうかはわかっていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「HDM舌下錠はHDMアレルギー性喘息の新たな治療オプションとなりうる」とまとめている。JAMA誌オンライン版2016年4月26日号掲載の報告。

喘息に対するdupilumab、第IIb相試験でも有効性確認/Lancet

 dupilumabは、コントロール不良の持続型喘息患者において、吸入ステロイド(ICS)+長時間作用性β2刺激薬(LABA)への併用投与により、血中好酸球数にかかわらず肺機能を改善し、重度の喘息増悪の発現を減少することが認められた。安全性プロファイルは良好で、QOLの改善も示唆された。米国・ピッツバーグ大学のSally Wenzel氏らが、dupilumabの4用量を検討した第IIb相試験の結果、報告した。dupilumabは、インターロイキン(IL)-4受容体αサブユニットに対する完全ヒトモノクローナル抗体で、2型ヘルパーT細胞による免疫反応の鍵となるIL-4およびIL-13のシグナル伝達を阻害する。第I相ならびに第IIa相試験において、喘息患者におけるdupilumabの有効性と安全性が示されたが、対象が好酸球数高値の患者に限られ、検討された用法も週1回投与のみであった。Lancet誌オンライン版2016年4月26日号掲載の報告。

慢性特発性蕁麻疹へのオマリズマブ、最も有効な用法・用量は?

 慢性特発性蕁麻疹は、6週間以上持続するかゆみのある蕁麻疹、血管性浮腫、またはその両方と定義される。オマリズマブは、肥満細胞と好塩基球の機能に影響を及ぼす抗IgE抗体で、慢性特発性蕁麻疹の有望な新しい治療選択肢である。ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のZuo-Tao Zhao氏らは、慢性特発性蕁麻疹患者を対象にさまざまな用量で行われたオマリズマブの無作為化二重盲検プラセボ対照試験についてメタ解析を行い、オマリズマブの用法・用量は4週間に1回300mg投与が最も有効性が高く安全性も良好であることを示した。

中国の若者におけるアトピー性皮膚炎の特徴

 北京大学人民医院のPing Liu氏らは、中国青少年/成人の慢性対称性湿疹/アトピー性皮膚炎(AD)の臨床的特徴を調べ、中国版青少年/成人AD診断基準を作成する検討を行った。小児ADの臨床的特徴については広く研究されているが、青少年/成人ADについては大規模な検討がなかったという。42施設から2,662例のデータが集まり分析を行った結果、患者の77.5%が発症は12歳以降と遅発性で、ADの発現形態は不均一であったことなどを報告した。Chinese Medical Journal誌2016年4月5日号の掲載報告。

アレルギー予防、生後3ヵ月からの食物摂取の効果は?/NEJM

 生後3ヵ月という早期からアレルギー性食物の摂取を始めても、食物アレルギー発症防止に関する有意な効果は認められなかったことが、英国・ロンドン大学のMichael R. Perkin氏らが行った1,303例を対象とした無作為化試験の結果、示された。世界保健機関(WHO)が生後6ヵ月までの完全母乳哺育を推奨している一方で、アレルギー性食物摂取の待機的開始を推奨していた欧米の2つのガイドラインはすでに撤回されている。これまでに観察研究や無作為化試験で、早期からアレルギー性食物を与えることの食物アレルギー発症の抑制効果が報告されていたが、開始年齢については明らかになっていなかった。研究グループは、生後3ヵ月での開始の効果について検証した。NEJM誌オンライン版2016年3月4日号掲載の報告より。

アトピーが食物アレルギーの要因にも?

 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは、因果関係が示唆されているものの完全には明らかになっていない。このことが予防と治療に重大な影響を及ぼしている。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのTeresa Tsakok氏らは、システマティックレビューの結果、アトピー性皮膚炎、食物感作および食物アレルギーとの間には強くかつ用量依存的な関連があることを確認したという。