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太り過ぎの乳がん患者の二次原発がんリスクは有意に高い!肥満による大腸がん発症の相対リスクは1.89

 乳がん患者における二次原発がん発生率とBMI(Body Mass Index)との関連が、いくつかの観察研究で検討されている。この関連の強さを評価するために、フランスのDruesne-Pecollo N氏らがエビデンスの系統的レビューとメタ解析を行った。解析の結果、肥満により二次原発がんのリスクは有意に増加することが認められ、太り過ぎや肥満の患者を減少させるための予防対策が重要であることが示唆された。Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2012年8月5日号における報告。 著者らは、PubMedとEMBASEで2012年5月まで検索を行い、解析に含まれている研究の参考文献リストを調査した(前向き研究13報、コホート研究5報、ケースコントロール研究8報)。 BMIのメタ解析の結果、肥満は、対側乳房(相対リスク(RR):1.37、95%信頼区間(CI):1.20~1.57)、乳房(RR:1.40、95%CI:1.24~1.58)、子宮内膜(RR:1.96、95%CI:1.43~2.70)、大腸(RR:1.89、95%CI:1.28~2.79)における二次原発がんの有意なリスクの増加に関連していた。 また、用量反応メタ解析によると、BMIが5kg/m2増加することにより、対側二次原発乳がんのRRが1.12(95%CI:1.06~1.20)、二次原発乳がんのRRが1.14(95%CI:1.07~1.21)と、それぞれ有意に二次原発がんのリスクが増加した。子宮内膜の二次原発がんでは、5kg/m2増加による要約RRは、1.46(95%CI:1.17~1.83)であった。 今後、体重過多の乳がん患者において、正常体重への減量による二次原発がん発生率への効果を評価するための臨床試験が必要である、と著者らは述べている。

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認知症を予防するには「体を動かすべき」

 超高齢社会に突入したわが国において、認知症の予防は重要な課題である。認知症予防に有効だと考えられている1つの方法に「運動」がある。Bowen氏は運動を行うことで認知症リスクに影響を与えるか否かを検証し、Am J Health Promot誌2012年7月号で報告した。 本研究は、HRSの身体活動に関するデータとADAMSの認知アウトカムデータを使用したプロスペクティブ研究(HRS:Health and Retirement Study、ADAMS:Aging, Demographics, and Memory Study)。対象は、3~7年間の身体活動に関する情報を有する認知症を発症していない71歳以上の高齢者808名である。身体活動はエアロビクス、スポーツ、サイクリング、重労働の家事などの活発な身体活動を週3回以上実施しているかどうかで評価した。認知症の診断は、専門医(神経心理学者、神経科医、老年科医、老年精神医学科医など)による神経心理学的テストにより評価した。分析には、人口統計学的特性などの因子を調整するためロジスティック回帰分析モデルを用いた。主な結果は以下のとおり。・認知症リスクと活発な身体活動には顕著な関係が認められた。・最終的には、活発な身体活動を行っていた高齢者では認知症と診断されるリスクが21%低くなると考えられる(p≦0.05)。・活発な身体活動は、認知症リスク低下の独立した危険因子の可能性がある。関連医療ニュース ・認知症予防のポイント!MCIへのアプローチ ・アルツハイマーの予防にスタチン!? ・なぜ、うつ病患者はアルツハイマー病リスクが高いのか?

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重症敗血症、HES 130/0.42輸液蘇生は死亡リスクが高い

重症敗血症に対するヒドロキシエチルデンプン(HES)130/0.42を用いた輸液蘇生は、酢酸リンゲル液を用いた患者と比較して90日時点の死亡リスクが高く、腎代替療法を必要とする割合が高いことが、多施設共同無作為化試験の結果、明らかにされた。HES 130/0.42は、ICUでの輸液蘇生に広く使われているが、安全性と有効性は立証されていなかった。デンマーク・コペンハーゲン大学病院のAnders Perner氏らによる報告で、NEJM誌2012年7月12日号(オンライン版2012年6月27日号)で発表された。4ヵ国26のICUで無作為化試験、HES 130/0.42 vs.酢酸リンゲル液試験は、2009年12月23日~2011年11月15日の間にデンマーク、ノルウェー、フィンランド、アイスランドの4ヵ国のICU施設26ヵ所から被験者を登録して行われた多施設共同並行群間比較盲検無作為化試験だった。患者は重度敗血症患者で、スクリーニング後、輸液蘇生に6%HES 130/0.42を用いる群と、酢酸リンゲル液を用いる群に無作為に割り付けられた。最大投与量は、33mL/kg標準体重/日だった。主要評価項目は、無作為化後90日時点の死亡または末期腎不全(透析に依存)とした。無作為化された患者は804例で、そのうち798例が修正intention-to-treat解析された。両介入群のベースラインでの患者特性は同等だった。相対リスク、90日時点死亡1.17、腎代替療法1.35、重度出血の発生1.52結果、無作為化後90日時点での死亡は、酢酸リンゲル液群172/400例(43%)に対し、HES 130/0.42群の201/398例(51%)だった(相対リスク:1.17、95%信頼区間:1.01~1.36、P=0.03)。末期腎不全は、両群とも1例ずつだった。また90日間で腎代替療法を要したのは、酢酸リンゲル液群は65例(16%)に対し、HES 130/0.42群は87例(22%)だった(同:1.35、1.01~1.80、P=0.04)。重度出血は、HES 130/0.42群38例(10%)、酢酸リンゲル群25例(6%)だった(同:1.52、0.94~2.48、P=0.09)。これらの結果は、既知の死亡・急性腎障害のリスク因子についてベースラインで補正した多変量解析においても支持された。

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妊婦への新型インフルエンザワクチン接種、出生児のリスク増大認められず

妊娠中へのアジュバント新型インフルエンザ(A/H1N1)ワクチン接種は、重大な先天異常や早産、胎児発育遅リスクを、非接種と比べて増大しないことが報告された。デンマーク・Statens Serum InstitutのBjo rn Pasternak氏らが、新生児5万例超の国内登録コホート試験で明らかにしたもので、JAMA誌2012年7月11日号で発表した。妊娠第1期の予防接種での重大先天異常リスクは接種群5.5%、非接種群4.5%研究グループは、2009年11月2日~2010年9月30日にデンマークで生まれた単胎児5万3,432例を対象とする登録コホート試験を行った。傾向スコアによるマッチング解析を行い、妊娠中のアジュバント新型インフルエンザワクチン(Pandemrix)接種の有無による、致死的転帰発生リスクを比較した。主要アウトカムは、重大な先天異常、早産、在胎齢に対する過少体重だった。母親が妊娠中にインフルエンザ予防接種を受けていたのは、13.1%(6,989例)だった。そのうち妊娠第1期の接種は345例、第2~3期接種は6,644例だった。妊娠第1期接種者についての傾向スコアマッチング(330例曝露群、330例非接種群)の結果、重大な先天異常が認められたのは接種群18例(5.5%)に対し、非接種群では15例(4.5%)だった(有病割合オッズ比:1.21、95%信頼区間:0.60~2.45)。早産、在胎齢に対する過少体重ともに、妊娠中ワクチン接種によるリスク増大認められず早産の発生についても、曝露群31例(9.4%)、非接種群24例(7.3%)と、有意なリスク増大は認められなかった(有病割合オッズ比:1.32、同:0.76~2.31)。早産については妊娠第2・第3期についても比較したが、同発生は第2・第3期接種群6,543例中302例(4.6%)、非接種群6,366例中295例(4.6%)と、リスク増大は認められなかった(有病割合オッズ比:1.00、同:0.84~1.17)。在胎齢に対する過少体重は、妊娠第1期では接種群25例(7.6%)、非接種群31例(9.4%)に認められた(有病割合オッズ比:0.79、同:0.46~1.37)。妊娠第2・第3期接種群では、6,642例中641例(9.7%)、同非接種群6,642例中657例(9.9%)だった(有病割合オッズ比:0.97、同:0.87~1.09)。

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アジアの臨床腫瘍学のエピセンターを目指すJSMO2012 第10回日本臨床腫瘍学会学術集会プレスセミナーより

今年の日本臨床腫瘍学会(以下、JSMO)学術集会は10周年記念大会として、"Beyond the Global Standard of Medical Oncology 縲弃erspectives from Asia縲鰀"をテーマとして掲げ 、7月26日~28日の3日間、大阪国際会議場で開催される。10ヵ所の講演会場とポスター会場を使い、1,000題を超えるプレゼンテーションが行われる。今年の学術集会の見どころを、13日に行われたプレスセミナーで、会長である近畿大学医学部内科学教室腫瘍内科部門 教授 中川和彦氏が紹介した。設立10周年記念企画 7月26日、10周年記念企画「わが国における臨床腫瘍学の歩みと今後の展望」が開かれる。ここではJSMOがこの10年間どのように成長したか、今後どのような方向に向かっていくのか、歴代会長と現役会員がそれぞれの観点からディスカッションを行う。国際化への取り組みJSMOは、“アジアの臨床腫瘍学のエピセンターを目指す”と宣言しているが、その宣言を反映するように、海外から一般演題を募集するという初めての試みを行っている。その結果、今回の1,135演題のうち122演題が海外からの応募演題となった。これら海外からの演題は12のインターナショナルセッションに配置しているが、予定以上の演題数に、急遽6のミニインターナショナルセッションも設け、プレゼンテーションの機会を与えている。 7月26日にはASCO、27日にはESMO、28日にはCSCO(中国)およびKACO(韓国)の各臨床腫瘍学会とのジョイントシンポジウムが行われる。ASCOからは次期ASCO会長であるDr.Swain、ESMO からは機関誌Annal of Oncologyの編集者でもあるDr.Vermorken、また、CSCO、KACOからもそれぞれClinical oncologyの第一人者が出席する。これらのシンポジウムでは、国内外の最先端の研究報告が期待される。また、このような活動を通し、JSMOは今後、海外、とくにアジアでのコンセンサスを形成する活動を目指していくという。プレナリーセッションすべての演題の中から重要度の高い7演題をプレナリーセッションに取り上げている。腎がん、乳がん、胃がん、大腸がん2題、肺がん2題の演題はすべてPhase3であり、いずれも非常にインパクトが高く臨床に直結した発表である。また、プレナリーセッション開催時は、その他の会場でのプログラムがなく、同セッションだけに集中できるスケジュールとなっている。プレナリーセッション演題は下記のとおり。1:「Phase III AXIS trial of axitinib vs sorafenib in patients with metastatic renal cell carcinoma: Asian subgroup analysis」Hirotsugu Uemura (Department of Urology, Kinki University School of Medicine, Osaka2:「A Phase III, Multicenter, Randomized Trial of Maintenance Versus Observation After Achieving Clinical Response in Patients With Metastatic Breast Cancer Who Received 6 Cycles of Gemcitabine Plus Paclitaxel as First-line Chemotherapy (KCSG-BR 0702, NCT00561119) 」Young-Hyuck Im (Samsung Medical Center)3: 「Randomized phase III study of irinotecan (CPT-11) vs. weekly paclitaxel (wPTX) for advanced gastric cancer (AGC) refractory to combination chemotherapy (CT) of fluoropyrimidine plus platinum (FP) : WJOG4007 trial」Nozomu Machida (Division of Gastrointestinal Oncology, Shizuoka Cancer Center)4: 「Results of a phase III randomized, double-blind, placebo-controlled, multicenter trial (CORRECT) of regorafenib plus best supportive care (BSC) versus placebo plus BSC in patients (pts) with metastatic colorectal cancer (mCRC) who have progressed after standard therapies.」Takayuki Yoshino (National Cancer Center Hospital East)5: 「Results of ML18147: A phase III study of bevacizumab in 2nd line mCRC for patients pretreated with bevacizumab in 1st line」Stefan Kubicka (District Clinic Reutlingen)6: 「LUX-Lung 3: afatinib vs cisplatin and pemetrexed in Japanese patients with adenocarcinoma of the lung harboring an EGFR mutation」Nobuyuki Yamamoto (Thoracic Oncology Division, Shizuoka Cancer Center)7: 「Maintenance pemetrexed (pem) plus best supportive care (BSC) vs placebo plus BSC after pem plus cisplatin for advanced nonsquamous NSCLC」C. K. Obasaju (Eli Lilly and Company, Indianapolis, IN, USA)学会へ行こうプログラム今回は、市民との対話の機会を設けるなど、アカデミックなプログラム以外の活動も企画している。具体的には「学会へ行こうプログラム」を企画。市民の学会への参加を呼びかけるとともに、市民公開講座、ペイシェント・アドボケイト・プログラムなどを実施する。今まで当学会への市民参加は行ったことがなかったが、がん診療のあり方を変える取り組みとして、市民に参加してもらう機会を作りたいという意図から実施に至った。 この中で、最も注目されるイベントは7月26日14時30分から開催される公開シンポジウムである。「がん患者の必要としているがん医療縲恍n域でがん患者を支えるためには縲怐vと題し、司会に田原総一朗氏を招き、学会・マスコミの第一人者を集めて2部構成で開催される。第1部では、がん対策基本法が制定されてから、これまでどのようなことが変わってきたか? 第2部では、政府の新たな指針に対する検証、各方面からの要望などを議論する。教育講演今回の大会の目玉の一つとして、充実した教育講演がある。具体的には、日本の第一人者による32の教育講演を3日間続けて行う。内容は支持療法から臓器各論、標準治療、分子標的治療薬に至るまでさまざまなテーマで開催される。今年は、海外からの参加者も念頭に置き、同時通訳と英語スライドを使用するとのこと。また、7月27日8時からは、JSMO専門医会がケースカンファレンスを行う。乳がん、原発不明がん、大腸がんを取り上げ、どのように専門医が有効に働いていくのかを知る良い機会となる。今回の大会では、今年6月のASCOで発表された注目の演題も数多く取り上げられているが、それだけでなく、日本での臨床応用についてのディスカッションも行われる。これは日本の臨床腫瘍学にとって、非常に有益なことであり、将来はJSMOから世界に発信するということを目標としたい、と中川氏は語った。 (ケアネット細田雅之)

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5大医学専門誌の情報提供の質は改善したか?

論文アブストラクトのミスリードを解消することを目的に、2008年1月にCONSORT(consolidated standards of reporting trials)ステートメントによって発表されたガイドラインの影響について、英国・オックスフォード大学のSally Hopewell氏らが5大医学専門誌(AIM、BMJ、Lancet、JAMA、NEJM)を対象に検討した。結果、媒体によって異なる傾向がみられたという。BMJ誌2012年7月2日号(オンライン版2012年6月22日号)掲載報告より。ガイドライン発表後の、5大誌のアブストラクトに含まれる推奨項目の変化を比較CONSORTガイドラインでは、アブストラクトで無作為化試験の主要な結果を報告する際に示すべき項目を定めている。Sally Hopewell氏らは、影響力の大きい医学専門誌5誌を対象に、ガイドラインに対する各媒体の編集方針、ガイドラインの推奨項目がアブストラクトでどれだけ採用されているかなどを分割時系列分析にて調査した。2006~2009年に発表された無作為化試験に関する主要な報告60題(アブストラクト電子版がPubMedに登録されたもの)を対象とし、電子版のアブストラクトのないもの、2次試験の報告論文や経済分析がなされていない報告は除外した。対象学術誌は、ガイドラインに関する編集方針に即して、「著者に対する指示でガイドラインについて言及していない」(JAMA、NEJM)、「著者に対する指示でガイドラインがあることを紹介はしているが、実行ポリシーは特段に示していない」(BMJ)、「著者に対する指示でガイドラインがあることを紹介し、実行するための積極的なポリシーもある」(AIM、Lancet)の3つに分類され、2人の本分析担当者が各々、CONSORTのアブストラクトチェックリストに基づいてデータを抽出した。主要アウトカムは、CONSORT推奨の9項目(2006年に刊行された医学専門誌5誌に発表されたアブストラクトにおいていずれも50%未満しか報告されていなかった項目)の、選択アブストラクトに含まれる平均項目数とした。BMJ、JAMA、NEJMは、推奨項目採用の増加みられず無作為化試験に関する955件のアブストラクトが選択され評価された。結果、ガイドライン準拠の積極的ポリシーを有する学術誌では、報告された平均項目数の即座の増加がみられた(1.50項目の増加、P=0.0037)。ガイドライン発表後23ヵ月時点で、アブストラクトにみられたガイドライン推奨平均項目数は5.41/9項目で、介入前の傾向を基に推定した期待値より53%増加した。一方、ガイドライン準拠のポリシーが示されていない学術誌(BMJ、JAMA、NEJM)では、項目や傾向の増加がみられなかった。結果を踏まえて研究グループは、「学術誌のCONSORTアブストラクトガイドラインの積極的ポリシーは、無作為化試験に関するアブストラクトの情報提供の改善につながる可能性がある」と結論している。

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医学専門誌の別刷部数、医薬品企業からの資金提供と関連

英国・オックスフォード大学のAdam E Handel氏らは、資金提供と研究デザインが医学専門誌の別刷の大量注文とどれだけ関連するかを評価するケースコントロール研究を行った。その結果、医薬品企業による資金提供と大量の別刷注文との関連が認められたという。BMJ誌2012年7月2日号(オンライン版2012年6月28日号)掲載報告より。Lancetグループ3誌とBMJグループ4誌を評価出版された論文の別刷は、情報を広める有益な手段で、論文執筆者自身が別刷を要請する場合もあるが、最大の発注者は医薬品企業で、別刷は贈り物やサンプル品に次いで、医師の間で流通する主要な製薬会社のプロモーション材料となっている。製薬会社が資金提供した論文が掲載された学術誌の別刷を発注する場合もあるため、論文の別刷は利害関係を生む基ともなり、出版バイアスを招く可能性が示唆されている。Handel氏らは、医学専門誌7誌の2002~2009年のトップ論文を評価対象として別刷注文数による比較研究を行った。対象となったのは「Lancet」「Lancet Neurology」「Lancet Oncology」(以上Lancetグループ)、「BMJ」「Gut」「Heart」「Journal of Neurology、Neurosurgery & Psychiatry」(以上BMJグループ)で、別刷大量注文リストになかった同時期掲載の記事と照合した。主要評価項目は、資金提供と無作為化試験デザインまたはその他試験デザインとした。医薬品企業からの資金提供がある論文は大量の別刷注文の傾向7誌の別刷注文数の中央値は3,000部から12万6,350部の範囲に及んだ。大量の別刷注文があった論文は、対照論文と比べて医薬品企業からの資金提供を受けている傾向がみられた。企業資金提供vs. 他の資金提供または提供なしのオッズ比8.64(95%信頼区間:5.09~14.68)、資金提供が複数(mixed funding)vs. 他の資金提供または提供なしのオッズ比3.72(同:2.43~5.70)だった。また、無作為化試験の論文がその他試験の論文よりも、大量の別刷注文が多いという傾向はみられなかった(オッズ比:1.04、95%信頼区間:0.70~1.54)。

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MRSA感染症、市中型も院内型も2005年以降は減少傾向

米国におけるMRSA感染症は、2005年以降は市中型・院内型ともに減少傾向にあることが報告された。MRSA起因の市中型皮膚軟部組織感染症についても、2006年以降は減少しているという。米国・San AntonioMilitary Medical CenterのMichael L. Landrum氏らが、米国国防総省の医療保険受給者を対象に行った観察研究の結果明らかにしたもので、JAMA誌2102年7月4日号で発表した。これまでに、院内型MRSA感染症の発症率の減少傾向は報告されているものの、市中型MRSA感染症の動向については報告がなかった。延べ追跡期間5,600万人・年のうち、MRSA感染症は約2,600人、創部膿瘍感染は8万人超研究グループは、2005~2010年に、米国国防総省の医療保険「TRICARE」受給者について観察研究を行った。主要アウトカムは、10万人・年当たりのMRSAを起因とする感染症罹患率と、2005~2010年の年間罹患率の傾向とした。延べ追跡期間は5,600万人・年で、その間にMRSA感染症は2,643人、MRSAによる創部膿瘍感染は8万281人に、それぞれ発症した。MRSA感染症の年罹患率は3.6~6.0/10万人・年、MRSA皮膚軟部組織感染症は122.7~168.9/10万人・年だった。2010年のMRSA感染症年間罹患率、市中型1.2/10万人・年、院内型0.4/10万人・年追跡期間中の年間罹患率の変化についてみると、市中型MRSA感染症の発症率は、2005年の1.7/10万人・年から、2010年の1.2/10万人・年へと減少した(傾向p=0.005)。院内型MRSA感染症も、同期間に0.7/10万人・年から0.4/10万人・年へと減少した(傾向p=0.005)。また、MRSAが原因の市中型皮膚軟部組織感染症についても、2006年には創部膿瘍の62%を占めたのをピークに、2010年にはその割合は52%へと低下した(傾向p<0.001)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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HIV母子感染、抗レトロウイルス薬28週治療が有効:BAN試験

授乳に代わる安全な育児法がない環境においては、HIVに感染した母親あるいは未感染乳児に対する28週の抗レトロウイルス薬予防治療により、乳児へのHIV感染が減少することが、米国疾病対策予防センター(CDC)のDenise J Jamieson氏らの検討で示された。HIVの母子感染は世界的に減少傾向にあるが、医療資源が乏しい地域では解決すべき課題とされる。WHOは、医療資源が限られ、授乳に代わる安全な育児法がない環境では、授乳期間中は母親あるいは乳児のいずれかに対する抗レトロウイルス薬の予防投与を推奨している。Lancet誌2012年6月30日号(オンライン版2012年4月26日号)掲載の報告。母親あるいは乳児に対する予防治療の有効性を無作為化試験で評価BAN(Breastfeeding、 Antiretrovirals、 and Nutrition)試験は、HIV感染母親から子どもへの感染予防における母親あるいは乳児に対する抗レトロウイルス薬の28週投与の有効性を検討する無作為化対照比較試験。2004年4月21日~2010年6月28日まで、アフリカ南東部の国マラウイの首都リロングウェ市で実施された。HIVに感染し、CD4陽性リンパ球細胞数≧250個/1μLの授乳期の母親2,369人とその乳児を対象とし、3つのレジメンのいずれかに無作為に割り付けた。すべての母親と乳児に、ネビラピン(商品名:ビラミューン)(母親:200mg/kg、乳児:2mg/kg)を1回経口投与し、ジドブジン(商品名:レトロビル)(母親:300mg/kg、乳児:2mg/kg)+ラミブジン(商品名:エピビル)(母親:150mg/kg、乳児:4mg/kg)の合剤(母親は錠剤、乳児はシロップ)を1日2回、7日間投与した。対照群(668人)にはこれ以上の治療は行わなかった。母親に対する抗レトロウイルス薬3剤併用療法群(849人)には、ジドブジン+ラミブジン合剤(商品名:コンビビル)を28週投与し、ネビラピンは出産後最初の2週は1日1回、15日~28週は1日2回投与した。乳児に対するネビラピン療法群(852人)は、出生後最初の2週は10mg/kgを、3~18週は20mg/kgを、19~28週は30mg/kgをそれぞれ1日1回投与した。なお、ネビラピンは、その肝毒性に関するFDA勧告に基づき、2005年2月以降はネルフィナビル(商品名:ビラセプト)に、2006年2月以降はロピナビル+リトナビル合剤(商品名:カレトラ)に変更した。母親には産後24~28週の離乳が推奨された。治療割り付け情報は、現地の医療従事者と患者には知らされたが、それ以外の研究者にはマスクされた。主要評価項目は48週時の乳児のHIV感染とした。48週乳児HIV感染率:対照群7%、母親3剤併用群4%、乳児ネビラピン群4%母親3剤併用群の676組、乳児ネビラピン群の680組、対照群の542組が、48週のフォローアップを完遂した。産後28週以降は授乳を中止した母親は2つの介入群を合わせ96%、対照群は88%だった。生後2~48週の間にHIVに感染した乳児は、母親3剤併用群が30人、乳児ネビラピン群が25人、対照群は38人で、そのうち28人(30%)は28週の治療終了以降に感染していた(それぞれ9人、13人、6人)。48週までの乳児HIV感染リスクは、対照群の7%に比し、母親3剤併用群が4%(p=0.0273)、乳児ネビラピン群も4%(p=0.0027)と、いずれも有意に良好だった。乳児における重篤な有害事象の頻度は、治療期間中よりも治療終了後(29~48週)のほうが有意に高く(1.1件/100人・週 vs 0.7件/100人・週、p<0.0001)、下痢、マラリア、発育不良、結核、死亡のリスクが高かった。産後2~48週の間に9人の母親が死亡した(母親3剤併用群:1人、乳児ネビラピン群:2人、対照群:6人)。著者は、「医療資源が限られ、授乳に代わる安全な育児法がない環境では、母親あるいは乳児に対する抗レトロウイルス薬の28週予防投与により乳児のHIV感染が減少するが、6ヵ月での離乳は乳児の罹病率を増加させる可能性がある」と結論している。なお、WHOは現在、本試験を含む知見に基づき、授乳期12ヵ月間の抗レトロウイルス薬予防治療を推奨しているという。(菅野守:医学ライター)

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IBS患者の結腸鏡検査におけるCO2注入は苦痛軽減に有効か?

 過敏性腸症候群(IBS)患者では結腸鏡検査に伴う苦痛が有意に大きく、検査時の二酸化炭素(CO2)注入が苦痛軽減に効果的であることが示唆された。北海道大学の今井氏らがJournal of gastroenterology and hepatology誌オンライン版2012年6月13日号に報告した。 結腸鏡検査には痛み・不快感が伴うが、CO2注入がその痛みと不快感を有意に低下させることが報告されている。しかし、これまでIBS患者の結腸鏡検査について検討した報告はなかった。本試験では、IBS患者における結腸鏡検査に伴う苦痛の重症度と、CO2注入の有効性について検討した。 本試験は、結腸鏡検査の被験者を対象とした無作為化二重盲検比較試験であり、分析対象者はIBS/空気群18例、IBS/CO2群19例、対照/空気群25例、対照/ CO2群26例の計88例であった。患者の症状は、視覚的評価スケール(VAS)により評価された。 主な結果は以下のとおり。・結腸鏡検査後の膨満感と、検査中から検査後1時間の痛みに関する平均重症度はIBS群でより高く、これらの症状はCO2群でより早期に軽減された。・結腸鏡検査のCO2注入は、検査後15分から1時間の間、IBS群でより効果的であった。

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“ヨガ”で精神症状とQOLが改善

Vancampfort氏らは統合失調症患者の精神症状(陽性症状、陰性症状)や健康に関連する生活の質(HRQL)に対し、ヨガセラピーを行うことが補助的治療として有用かを無作為化比較試験(RCT)のシステマティックレビュ―にて検討した。Acta Psychiatr Scand誌7月号(オンライン版2012年4 月6日号)報告。2人の評価者により、統合失調症患者に対するヨガセラピー介入のRCT研究を選定し、データの抽出、質の評価を行い、基準を満たした3件のRCTをもとに解析を行った。精神症状はPANSSトータルスコアおよびサブスケールスコア、HRQLは短縮版WHOQOL-BREFにて評価した。主な結果は以下のとおり。 ・精神症状の改善はエクササイズや待機コントロールと比較し、ヨガセラピー後に認められた。・身体的、心理的、社会的、環境的HRQLも同様に、ヨガセラピー後に、より有意な改善を示した。・いずれのRCTにおいても、有害事象は認められなかった。・統合失調症患者に対する抗精神病薬の補助的治療として、ヨガセラピーは有用であると考えられる。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・厚労省も新制度義務化:精神疾患患者の「社会復帰」へ ・統合失調症の病態にメラトニンが関与?! ・日本人統合失調症患者の認知機能に影響を与える処方パターンとは

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新たな冠動脈疾患の予測モデル、有病率が低い集団でも優れた予測能

オランダ・エラスムス大学医療センターのTessa S S Genders氏らが新たに開発した冠動脈疾患の予測モデルは、有病率が低い集団においても優れた予測能を示すことが、同氏らが実施した検証試験で確認された。検査前確率は、患者にとって最も有益な検査法を決めるのに有用とされる。ACC/AHAやESCの現行ガイドラインでは、安定胸痛がみられる患者における冠動脈疾患の検査前確率の評価には、Diamond and ForresterモデルやDuke臨床スコアが推奨されているが、いずれの方法にもいくつか欠点があるという。BMJ誌2012年6月23日号(オンライン版2012年6月12日号)掲載の報告。新規予測モデルの予測能を後ろ向き統合解析で検証研究グループは、有病率の低い集団における冠動脈疾患の検査前確率の評価に有用な予測モデルを開発するために、個々の患者データのレトロスペクティブな統合解析を行った。ヨーロッパおよび米国の18施設から、冠動脈疾患の既往歴のない安定胸痛患者が登録された。CTあるいはカテーテルベースの冠動脈造影所見に基づき、低有病率または高有病率の集団に分類した。主要評価項目は閉塞性冠動脈疾患(カテーテル冠動脈造影で1つ以上の血管に≧50%の狭窄)とした。予測モデルは、基本モデル(年齢、性別、症状、有病率の高低)、臨床モデル(基本モデルの因子、糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙)および拡張モデル(臨床モデルの因子、CT冠動脈造影によるカルシウムスコア)で構成された。低有病率の集団のデータセットを用いて、交差検証法(cross validation)による解析を行い、識別能(C統計量)、キャリブレーション、純再分類改善度(net reclassification improvement; NRI)ついて評価した。冠動脈カルシウムスコアを加えると予測能がさらに改善解析の対象となった5,677例(男性3,283例[平均年齢58歳]、女性2,394例[同:60歳])のうち、5,190例(91%)でCT冠動脈造影が施行され、1,634例(31%)が閉塞性冠動脈疾患と診断された。このうち1,083例(66%)にカテーテル冠動脈造影が施行され、886例(82%)に閉塞性冠動脈疾患が確認された。CT冠動脈造影で閉塞性冠動脈疾患がみられなかった3,556例のうち、526例にカテーテル冠動脈造影が施行され、閉塞性冠動脈疾患が否定されたのは498例(95%)だった。全体として、カテーテル冠動脈血管造影が施行されたのは2,062例(36%)で、そのうち閉塞性冠動脈疾患と診断されたのは1,176例(57%)であった。単変量および多変量解析では、すべての予測因子が疾患の発現と有意に関連した。臨床モデルの予測能は、基本モデルに比べ優れていた(交差検証されたc統計量が0.77から0.79に改善、NRI:35%)。拡張モデルの冠動脈カルシウムスコアは主要な予測因子であった(同:0.79から0.88に改善、102%)。著者は、「年齢、性別、症状、心血管リスクなどから成る新たな予測モデルにより、有病率が低い集団における冠動脈疾患の検査前確率の正確な予測が可能となった。この予測モデルに冠動脈カルシウムスコアを加えると、予測能がさらに改善された」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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双極性障害の再発予防に有効か?「Lam+Div療法」

双極性障害の治療では発現している躁症状やうつ症状を治療することだけでなく、予防することも重要である。現在わが国において「双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制」に適応を有する薬剤にラモトリギン(Lam)がある。Bowden氏らはLamとジバルプロエックス(バルプロ酸とバルプロ酸塩の1:1配合剤:Div)の併用が双極性障害のうつ病相予防に有用であるかを検討した。Acta Psychiatr Scand誌オンライン版2012年6月18日付報告。大うつ病エピソードを有する双極性障害Ⅰ型およびⅡ型患者86例を対象に、Lam+プラセボ(Lam群)またはLam+Div群にランダムに割り付け、8ヵ月の二重盲検比較試験を実施した。なお、患者はオープンフェーズでうつ症状および躁症状がコントロールされていた。分析はカプランマイヤー生存曲線によるカイ二乗検定(Χ[2])を利用した。主な結果は以下のとおり。 ・うつ病エピソードまでの時間に有意差はなかった(Χ[2]=1.82、df=1、p=0.18)。・維持期におけるMADRSスコア15以上が少なくとも1項目認められた患者の割合は、Lam群67%(30/45)、Lam+Div群44%(18/41)であり、有意な差が示された(Χ[2]=4.51、p=0.03)。・とくに、双極性障害Ⅰ型患者においてMADRSスコア15以上が少なくとも1項目認められた患者の割合は、Lam群71.4%(25/35)、Lam+Div群36.7%(11/30)であり、有意な差が示された(Χ[2]=7.89、df=1、p=0.005)。(ケアネット 鷹野 敦夫) 関連医療ニュース ・「双極性障害に対する薬物療法レビュー」WPAでの報告 ・双極性障害患者の「うつ症状」は心血管イベントリスクを高める ・高齢者のてんかん患者が増加!

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脳卒中のrt-PA血栓溶解療法、発症後6時間でも身体機能を改善: IST-3試験

脳卒中患者に対する遺伝子組み換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(rt-PA)による静脈内血栓溶解療法は、発症から6時間まで適応を拡大しても、6ヵ月後の身体機能アウトカムを改善することが、英国オックスフォード大学のColin Baigent氏らIST-3 collaborative groupが進めるIST-3試験(http://www.dcn.ed.ac.uk/ist3/)で示された。rt-PAによる血栓溶解療法は、欧州では発症後3時間以内、80歳未満の急性虚血性脳卒中患者に対し承認されている。一方、11試験(3,977例)に関するコクランレビューでは、rt-PAは早期の致死的脳出血を3%増加させるものの身体機能障害のない生存を有意に改善することが示され、発症後6時間まで有効な可能性が示唆されている。Lancet誌2012年6月23日号(オンライン版2012年5月23日号)掲載の報告。rt-PA 6時間以内投与の有用性を無作為化試験で評価IST-3(Third International Stroke Trial)試験は、より広範な脳卒中患者(発症後6時間まで、80歳以上)に対するrt-PAによる静脈内血栓溶解療法の有用性を評価する国際的な多施設共同非盲検無作為化試験。患者は、rt-PA 0.9mg/kgを静脈内投与する群または対照群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、6ヵ月後の自立した生存例の割合とした。自立はOxford Handicap Score(OHS)で評価し、OHS 0~2点を自立と定義した(0:身体機能の障害がなく、日常生活に変化なし、1:軽度の症状があるが、日常生活に支障なし、2:軽度の身体機能障害があり、日常生活にもある程度制限があるが、自立している)。早期の死亡率や脳出血の頻度は高いが、6ヵ月後のOHSが改善2000年5月~2011年7月までに、12ヵ国156施設から3,035例が登録され、このうち1,617例(53%)が80歳以上だった。rt-PA群に1,515例が、対照群には1,520例が割り付けられた。6ヵ月の時点における自立した生存率はrt-PA群が37%(554/1,515例)、対照群は35%(534/1,520例)で、両群間に有意な差はなかった[調整オッズ比(OR):1.13、95%信頼区間(CI):0.95~1.35、p=0.181]。OHSの改善率はrt-PA群で有意に高かった(OR:1.27、95%CI:1.10~1.47、p=0.001)。7日以内に発現した致死的/非致死的な症候性脳出血はrt-PA群が7%(104/1,515例)と、対照群の1%(16/1,520例)に比べ有意に高頻度であった(調整OR:6.94、95%CI:4.07~11.8、p<0.0001)。7日以内の死亡率はrt-PA群が11%(163/1,515例)と、対照群の7%(107/1,520例)に比べ有意に高かった(調整OR:1.60、95%CI:1.22~2.08、p=0.001)が、7日~6ヵ月の死亡率はrt-PA群で有意に低く[rt-PA群16%(245/1,515例) vs 対照群20%(300/1,520例)、調整OR:0.73、95%CI:0.59~0.89、p=0.002]、6ヵ月までの全体の死亡率は両群で同等だった[rt-PA群27%(408/1,515例) vs 対照群27%(407/1,520例)、調整OR:0.96、95%CI:0.80~1.15、p=0.672]。著者は、「約4分の3の患者が発症から3時間以降に無作為割り付けされ、半数以上が80歳を超える集団において、rt-PAは6ヵ月後の身体機能アウトカムを改善することを示すエビデンスが得られた」と結論し、「これらの知見は、rt-PAの80歳以上の患者に対する適応拡大を正当化し、脳卒中の重症度やベースラインの画像診断における早期の虚血性変化にかかわらず有用なことを示す。今後は、発症後4.5時間以降の患者を対象とした無作為化試験を行う必要がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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日本人対象のテリパラチド週1回皮下注射の有用性(TOWER試験)

テリパラチドは骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者に対し使用することで、骨形成と骨量増加を促す薬剤である。産業医科大学などの研究グループにより、テリパラチド56.5μg、週1回皮下注射によって骨折リスクが低下することが報告された。The Journal of clinical endocrinology and metabolism誌オンライン版2012年6月20日報告。この国内第III相試験は骨粗鬆症患者における椎体骨折の発生率の減少を目的として、多施設二重盲検プラセボ対照試験として行われた。対象は既存の椎体骨折を有する65歳から95歳までの日本人骨粗鬆症患者578例。被験者は無作為にテリパラチド56.5μg週1回皮下注射群(テリパラチド週1回群)とプラセボ群に割り付けられ、72週間投与された。プライマリエンドポイントは新規椎体骨折の発生率で、X線写真よって評価された主な結果は以下のとおり。 ・テリパラチド週1回群は新規椎体骨折の累積発生率を減少させた(テリパラチド週1回群3.1%、プラセボ群14.5%、P

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乾癬とアトピー性皮膚炎患者に対する教育プログラムは治療に影響を与えるのか?

標準治療に加えて、治療に何らかの影響を与えるような患者教育の実施は、皮膚科領域では比較的新しい概念である。ベルギーのゲント大学病院のBostoen氏らは、乾癬またはアトピー性皮膚炎患者の重症度やQOLに対して12週間の教育プログラムがどのような影響を与えるかを調べるため、無作為化試験(RCT)を実施した。単独施設におけるRCTではあるが、今回実施したような教育プログラムは長期にわたる乾癬治療において付加価値をもたらすことが示唆された。British Journal of Dermatology誌オンライン版2012年6月18日号の報告。本試験では、ゲント大学病院で治療中の乾癬患者(n=29)およびアトピー性皮膚炎患者(n=21)の計50例を治療介入群またはコントロール群に1:1の割合で無作為に割り付け、乾癬の面積と重症度の指標であるPASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコア、またはアトピー性皮膚炎の重症度の指標であるSCORAD(Scoring Atopic Dermatitis)やEASI(Eczema Area and Severity Index)を用いて盲検化された観察者によって重症度を測定した。QOLに関しては、皮膚科領域に特化したQOL指標 であるDLQI(Dermatology Life Quality Index)やPDI(Psoriasis Disability Index)などを用いて測定した。フォローアップ期間は9ヵ月間であった。主な結果は以下の通り。 ・試験開始3ヵ月の時点で、乾癬患者には重症度とQOLの有意な改善が見られたが、アトピー性皮膚炎患者には見られなかった。・試験開始3ヵ月の時点で、PASI平均値、DLQI平均値、PDI平均値は、治療介入群においてコントロール群と比較して有意に改善した。(各p=0.036、 p=0.019、 p=0.015)・この改善は、少なくとも6ヶ月間は持続した。(教育プログラム終了後3ヵ月間は改善が継続していたが、試験開始から9ヵ月後には見られなかった)(ケアネット 藤井 美佳) ========================================関連コンテンツ【レポート】第111回皮膚科学会総会

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医師が抱く、「インスリン使用」への抵抗感  ~DAWN JAPAN Study~

インスリン療法は2型糖尿病において良好な血糖コントロールを実現する手段だが、一般的にインスリンの導入開始時期は遅れがちであると言われる。今回、天理よろづ相談所病院の石井氏らの研究で、「医師が抱くインスリン治療に対する心理的障壁」についての検討結果が明らかになった。2012年6月14日、PLoS One誌で公開された報告。本研究は、2004 年から2005年にかけて日本国内で実施された、インスリン療法に対する心理的障壁についての実態調査DAWN JAPAN研究(Diabetes Attitudes,Wishes, and Needs study-JAPAN)の結果をもとに行われた。対象は、日本糖尿病学会認定専門医師(n=77)、日本糖尿病学会会員医師(n=30)、日本糖尿病学会非会員医師(n=27)の計134名の医師 。新たに開発された27の質問項目から成る調査票を用いて実施された。この結果、医師側がインスリン療法に何らかの不安を抱いていることが示された。この不安がインスリンの導入開始時期の遅れにもつながっている可能性が考えられると著者は考察している。主な結果は以下のとおり。 ・参加医師によって治療されている患者は合計11,656名・患者の平均年齢は64.1歳、糖尿病罹病期間は平均121.6ヵ月、平均HbA1c(NGSP)値は7.5%で、全患者の27.4%でインスリンが使用されていた。・医師が抱く、インスリン治療に対する心理的障壁のうち、JDS認定専門医師群とJDS非会員医師群とで有意差のあった項目は、「インスリン療法の支援が可能な医療スタッフ(看護師・薬剤師)がいない」 (1.3% vs 55.5%)、「高齢者に対するインスリン療法に何らかの懸念がある」(38.1% vs 81.5%)、「インスリン導入のための患者指導や教育を行うことが困難」(16.9% vs 55.5%) であった。・医師がインスリン導入を患者に勧める際の平均HbA1c(NGSP)値は8.7%であった。しかし、自分自身にインスリン導入が必要になると仮定した場合には、その数値は8.2%まで減少した。(ケアネット 佐藤 寿美)〔関連情報〕 動画による糖尿病セミナー (インスリンなど)

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糖尿病管理への質改善戦略の導入、治療効果の向上に寄与

糖尿病管理への質改善(quality improvement:QI)戦略の導入によって治療効果が向上することが、カナダSt Michael病院Li Ka Shing Knowledge InstituteのAndrea C Tricco氏らの検討で示された。糖尿病の管理は複雑なため、プライマリ・ケア医と他の医療従事者の連携が必要であり、患者の行動変容や健康的な生活習慣の奨励なども重要な課題とされる。糖尿病治療におけるQI戦略の効果に関する以前の系統的レビューでは、HbA1c以外の要素は検討されていないという。Lancet誌2012年6月16日号(オンライン版6月9日号)掲載の報告。QI戦略の有効性をメタ解析で評価研究グループは、糖尿病患者におけるHbA1c、血管リスク管理、細小血管合併症のモニタリング、禁煙に対するQI戦略の有効性を評価するために系統的なレビューとメタ解析を行った。Medline、Cochrane Effective Practice and Organisation of Care databaseおよび無作為化試験の文献を検索して、成人糖尿病外来患者を対象に11のQI戦略(医療組織、医療従事者、患者を対象としたQI戦略から成る)について検討した試験を抽出した。2名の研究者が別個に、抽出されたデータをレビューし、バイアスのリスク評価を行った。患者に対するQI戦略とともに医療組織への介入が重要48のクラスター無作為化試験(2,538クラスター、8万4,865例)と94の無作為化試験(3万8,664例)が解析の対象となった。ランダム効果モデルによるメタ解析では、標準治療に比べQI戦略では、HbA1cが0.37%(95%信頼区間[CI]:0.28~0.45、120試験)、LDLコレステロールが0.10mmol/L(95%CI:0.05~0.14[=3.87mg/dL、95%CI:1.935~5.418]、47試験)、収縮期血圧が3.13mmHg(95%CI:2.19~4.06、65試験)、拡張期血圧が1.55mmHg(95%CI:0.95~2.15、61試験)それぞれ低下した。ベースラインのHbA1cが8.0%以上、LDLコレステロールが2.59mmol/L(=100.233mg/dL)以上、拡張期血圧が80mmHg以上、収縮期血圧が140mmHg以上の場合にQI戦略の効果が大きかった。また、ベースラインのHbA1cのコントロール状況によってQI戦略の効果にばらつきがみられた。QI戦略では、標準治療に比べアスピリン(相対リスク[RR]:1.33、95%CI:1.21~1.45、11試験)や降圧薬(RR:1.17、95%CI:1.01~1.37、10試験)の使用が増加し、網膜(RR:1.22、95%CI:1.13~1.32、23試験)、腎症(RR:1.28、95%CI:1.13~1.44、14試験)、足の異常(RR:1.27、95%CI:1.16~1.39、22試験)のスクリーニングが増加した。一方、QI戦略はスタチンの使用(RR:1.12、95%CI:0.99~1.28、10試験)、降圧コントロール(RR:1.01、95%CI:0.96~1.07、18試験)、禁煙(RR:1.13、95%CI:0.99~1.29、13試験)には有意な影響を示さなかった。著者は、「多くの試験において、QI戦略による糖尿病治療の改善効果が示された」と結論し、「糖尿病管理の改善を目指した介入では、患者に対するQI戦略とともに医療組織への介入を行うことが重要である。医療従事者に限定した介入は、ベースラインのHbA1cコントロールが不良な場合にのみ有用と考えられる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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要注意…論文のアブストラクトと本文の結語の不一致:肺がん全身療法のRCTを分析

臨床医は、新たなRCT(Randomized Control Study)の情報に乗り遅れないよう、論文のアブストラクトだけを読むことがある。しかし、論文の結語(conclusion)は、アブストラクトと本文中で記載内容が一致していないことがある。このアブストラクトの不一致についてカナダQueen’s UniversityのAltwairgi氏らが分析し、その結果がJournal of Clinical Oncologyオンライン版2012年5月29日に掲載された。分析対象となったのは2004年~2009年の間に発表された肺がん全身療法のRCTである。アブストラクト中と本文中の結語は、7段階のリッカート尺度を用いて階層化された(スコア1は対照群を強く支持、4は双方に中立、7は試験群を強く支持)。双方の点数差が2以上の場合、不一致と判定された。また、不一致関連因子の特定にはχ2検定とロジスティック回帰分析が用いられた。結果、114件のRCT(非小細胞肺がん90件、小細胞肺がん24件)が選出され、そのうち11件(10%)の論文で、結語の不一致が示された。不一致は、実験群がアブストラクト中の結語で強く支持されるケースで最も多かった(9/11 件、82%)。また、不一致の要因を分析したところ、掲載誌のインパクトファクター、肺がん進行度、スポンサーシップの有無など試験関連因子からは独立したものであることがわかった。Altwairgi氏らは、実臨床において、RCTに関する論文のアブストラクトだけを確認して診療変更を検討するような場合は、注意を払うべきであると、結語で述べている。(ケアネット 細田 雅之)

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「医の倫理」と弁護士に関する論考

健保連 大阪中央病院顧問 平岡 諦 2012年6月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 ●弁護士とは何する人ぞ  弁護士とは「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」ことを目指す専門家です。日本弁護士連合会(日弁連)の会則にはつぎのように記載されています。 第二条;本会は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現する源泉である。第十条;弁護士は、人権の擁護者であり、社会正義を顕現するものであることを自覚しなければならない。日弁連のホームページにはつぎに様にも書かれています。「弁護士がその使命である人権擁護と社会正義を実現するためには、いかなる権力にも屈することなく、自由独立でなければなりません。そのため、日弁連には、完全な自治権が認められています。弁護士の資格審査、登録手続は日弁連自身が行い、日弁連の組織・運営に関する会則を自ら定めることができ、弁護士に対する懲戒は、弁護士会と日弁連によって行われます。弁護士会と日弁連の財政は、そのほとんど全てを会員の会費によって賄っています。このように、弁護士に対する指導監督は、日弁連と弁護士会のみが行うことから、弁護士になると、各地にあるいずれかの弁護士会の会員となり、かつ当然に日弁連の会員にもなることとされているのです。」●弁護士と日弁連との関係弁護士と弁護士集団である日弁連の関係を社会の側から見ると次のようになります。現在の社会は「人権を擁護し、社会正義を実現することを目指す専門職」を必要としています。それが現在の弁護士です。「人権を擁護し、社会正義を実現する」ためには、「いかなる権力にも屈することなく、自由独立でなければなりません」。これが社会の求めている「個々の弁護士としてのあり方」です。弁護士も人間です。人間とは時に過ちを犯すものです。個々の弁護士の努力に任せているだけでは、時に「個々の弁護士としてのあり方」を踏み外してしまいます。とくに権力からの「under the threat(脅迫の下)」では個々の弁護士の努力だけでは弱すぎます。弁護士集団に個々の弁護士をバックアップさせる必要があります。そこで社会は「完全な自治権」を弁護士集団に与えて、日弁連を作っているのです。全員加入を強制しているのは、「人権を擁護し、社会正義を実現する」という目的をすべての弁護士に強制する必要があるからです。日弁連は「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する源泉である」ことを宣言しています(上記第二条)。この宣言は日弁連自体が「いかなる権力にも屈することなく、自由独立」であること、すなわち日弁連のindependence(自立)を宣言していることになります。宣言は個々の弁護士を後押しすることになります。また、日弁連は、宣言した内容に違反する会員弁護士に対する懲戒、指導監督のシステムを持っています。これは集団としてのself-regulation(自己規制)になります。違反した弁護士を求められている「あり方」に向かわせることになります。このようにして、完全な自治権を持つ、すなわち「自律」した日弁連が個々の弁護士をバックアップすることになるのです。カントは、絶えざる反省(self-regulation)による、本能からの自立(independence)を自律(autonomy)と呼びました。self-regulation(自己規制)によりindependence(自立)を得ている日弁連のあり方は、カントのAutonomy(自律)の概念に一致するものです。そしてまた、世界医師会(WMA)が各国医師会に勧める「医師集団としての自律(Professional autonomy)」とも一致するものです(次項)。なお、専門家集団の自律を考える時に、強制加入か否かは本質的な問題ではありません。●WMAが勧める「医師集団としての自律(Professional autonomy)」とはドイツ・ナチス政権下で行われた「合法的だが、非人道的な人体実験」の悲劇を二度と起こさないように、WMAは新しい「医の倫理」を形成し、各国医師会に受け入れを奨励してきました。法という時の権力の意向よりも(何よりも)患者の意向(自己決定、人権、権利)を優先すること、すなわち「患者の権利(人権)を最優先する医療」を目指すことを「個々の医師としてのあり方」としたのです。WMAはこれをClinical autonomyあるいはClinical independenceと呼んでいます。「患者第一;To put the patient first」の医療を実践するということです。医師も人間です。人間とは時に過ちを犯すものです。個々の医師の努力に任せているだけでは、時に「個々の医師としてのあり方」を踏み外してしまいます。とくに権力からの「under the threat(脅迫の下)」では個々の医師の努力だけでは弱すぎます。医師集団に個々の医師をバックアップさせる必要があります。そこでWMAが考えたのが「医師集団としての自律(Professional autonomy)」です。医師集団としての宣言(権力からのindependence)、そして過ちを犯した医師に対する自己規制システム(self-regulation)を作ることです。すなわち自律した医師会になることを各国医師会に勧めているのです。過去の「医の倫理」は患者・医師間の関係を規定するだけで良かったのです。そこに「悪法」という第三者の問題が出てきたため、患者・医師・第三者の関係を扱う「医の倫理」が必要になったのです。新しい「医の倫理」の第一目的が「患者の権利(人権)を最優先する」ことになりました。そして、その遵守のために医師集団のバックアップが必要になったということです。(注:片仮名の「プロフェッショナル・オートノミー」は日本医師会の造語です。「個々の医師としてのあり方」を指すことばですので、WMAのProfessional autonomyとは全く別物です。)なお、WMAは患者の権利(人権)を守るための「患者としてのあり方」をPatient autonomyと呼んできます。自己決定(self-regulation)により、実験の道具にされないために医師からの自立(independence)を図りなさいということです。WMAは、医師、医師集団、患者としての「あり方」がカントのAutonomyの概念に一致するため、それぞれをClinical autonomy、Professional autonomy、Patient autonomyと呼んでいるのです。●法と医師との関係「患者の権利(人権)を最優先する医療」を実践するためには、「時には、医師に非倫理的行為を求める法には従わないことを要求します」。すなわち医師には「遵法」とともに時には「法への非服従」が求められているのです。「法への非服従」とは「悪法であると主張して変化を求めること」です。その例がアメリカ医師会の倫理綱領(A physician shall respect the law and also recognize a responsibility to seek changes in those requirements which are contrary to the best interests of the patient.)です。詳しくは拙稿「日本医師会は「医の倫理」を法律家(弁護士)に任せてはいけない」(MRIC. vol. 496. 497)を参照ください。最後に述べる「岩田健太郎先生への反論」も参照ください。●法と弁護士との関係日弁連の会則を見ると次のように記載されています。第十一条;弁護士は、常に法令が適正に運用されているかどうかを注意し、いやしくも非違不正を発見したときは、その是正に努めなければならない。すなわち、弁護士が現行法に対してとる態度はあくまでも「遵法」です。「かれ(法律家)の職務とするところは、たんに現行法を適用することで、現行法そのものが改善の必要がないかどうかを探求することではない」(カント著「永遠の平和のために」、宇都宮芳明訳、岩波文庫、74頁)のです。多くの弁護士が現行法の改善や新たな法制定への行動を起こしています。それは「社会正義の実現」のためです。弁護士が「法への非服従」や「違法」を目指すことは決してありません。●日本医師会・参与の畔柳達雄弁護士の働き日本医師会にあって、WMAの「医の倫理」を日本に紹介している中心人物は畔柳達雄氏(日本医師会・参与、弁護士)です。しかし、氏は(意図的に)誤って日本へ紹介しています。例えばジュネーブ宣言や国際医の倫理綱領についての解説の中で、最も重要な「法」を含む第三者との関係についての解説が無いのです。「患者の権利(人権)」を守るための「法への非服従」の問題についての解説が無いのです。なぜ氏はこのようなことをするのでしょうか。それは日本医師会の意向を慮ってのことだと思われます。詳しくは拙稿「日本医師会は「医の倫理」を法律家(弁護士)に任せてはいけない」(MRIC. vol. 496. 497)を参照ください。「患者の権利(人権)」に関する重要な解説をせず、クライアントである日本医師会の意向に従っている、これが日本医師会・参与である、弁護士の畔柳達雄氏の行っていることです。問題は無いのでしょうか。極悪非道な人間にも弁護士が付きます。これは単に「クライアントの最大限の利益を擁護する」というよりも「極悪非道な人間にもある人権を、法が侵害しないように見守る」ということではないでしょうか。「クライアントの立場を斟酌して、翻訳に際して『意訳も加えて多少の手直し』をすることは有り得ると思われる」かも知れません。その通りです。決して違法をしている訳ではありません。ただ、弁護士としての倫理性はいかがかということが問われるのです。●岩田健太郎先生への反論(「医師と『法への不服従』に関する論考」;MRIC Vol.516への反論)第一に、「法への不服従」は決して「現行法を悪法だと無視して進んで違法行為を行う」ことではありません。本稿「法と医師との関係」の項を参照ください。第二に、アメリカ医師会の倫理綱領の文章と日医の『医師の職業倫理指針』にある文章について「主張はそう変わりがないのだ」と言われますが、読解力を疑います。「A physician shall respect the law and also recognize a responsibility to seek changes in those requirements which are contrary to the best interests of the patient.」と「法律の不備についてその改善を求めることは医師の責務であるが、現行法に違反すれば処罰を免れないということもあって、医師は現在の司法の考えを熟知しておくことも必要である」とでは、主張すべき点はまったく反対です。前者は「法への非服従」を、後者は「遵法」を強調していることになります。また、日医の文章では何に対する法律の不備であるかが不明瞭です。第三に、ジュネーブ宣言の原文「even under threat」に「いかなる」は含まれていないとするご指摘はその通りです。ただ、WMA医の倫理マニュアルの中のジュネーブ宣言では、「even under threat」の日本医師会訳は「いかなる脅迫があっても」となっています。どちらでも良いのではないでしょうか。

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