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冠動脈バイパス術(CABG)、on-pump対off-pump:ROOBY Study Group

冠動脈バイパス術(CABG)は、体外循環下で施行されてきたが(on-pump CABG)、体外循環を用いないCABG(off-pump CABG)による、人工心肺関連の合併症を減少させる可能性が期待されている。本論は、米国ノースポート退役軍人医療センターのA. Laurie Shroyer氏らの研究グループ(ROOBY Study Group)が行った、約2,200例を対象に両手技を比較検討する無作為化試験からの報告。NEJM誌2009年11月5日号より。2,203例を無作為割り付け、短期・長期エンドポイントで比較ROOBY(Randomized On/Off Bypass)試験では、2002年2月から2008年5月に全米18の退役軍人医療センターから登録された、緊急・待機的CABGが予定されていた患者2,203例を、on-pumpまたはoff-pumpの手技に無作為に割り付け追跡した。短期主要エンドポイントは、退院前または術後30日以内の死亡・合併症(再手術、新規の機械的補助、心停止、昏睡、脳卒中、腎不全)の複合とした。長期主要エンドポイントは、術後1年以内の全死因死亡・再血行再建術・非致死的心筋梗塞の複合とし、2次エンドポイントは、血管再建の完全性、1年時点のグラフト開存率、神経心理学的アウトカム、主要な医療資源の利用とした。複合アウトカム、短期的には有意差なし、1年時点はon-pump群が勝るが……30日後の複合アウトカム発生率は、on-pump群7.0%、off-pump群5.6%で、有意差は認められなかった(P = 0.19)。1年時点の同発生率は、on-pump群7.4%、off-pump群9.9%で、off-pump群の方が高かった(P = 0.04)。しかしoff-pump群の方がon-pump群より、グラフト手技が当初予定より少数で完了した患者の比率が高かった(17.8%対11.1%、P

4062.

腎移植後のEPO製剤投与、ヘモグロビン濃度125g/L超で死亡率が上昇

腎移植後に貧血を呈する患者は40%近くに達し、重症貧血患者の約20%はエリスロポエチン(EPO)製剤の投与を受けている。しかし最近のデータは、EPO製剤投与が一定の条件下で死亡率を増加させる可能性があることを示唆していた。オーストリア・ウィーン医科大学のGeorg Heinze氏らの研究グループは、EPO製剤の安全かつ死亡率上昇を招かないヘモグロビン濃度の最適範囲を調べるため、後向きコホート研究を実施した。BMJ誌2009年10月31日号(オンライン版2009年10月23日号)より。1,800例を対象に、ヘモグロビン濃度の最適範囲を後ろ向きコホートにて調査対象は、オーストリアの移植センターで1992年1月1日から2004年12月31日の間に腎移植を受け、少なくとも3ヵ月間生存したレシピエントで、Austrian Dialysis and Transplant Registryに登録された1,794例。主要評価項目はEPO製剤投与後の生存期間とヘモグロビン濃度とした。調査の結果、過去15年でEPO製剤使用は25%増大していた。140g/L超ではより有意に高まるEPO製剤を投与した患者の10年生存率は57%、非投与患者は78%で、EPO製剤投与の患者の死亡割合がより高いことが示された(P

4063.

中枢神経系リンパ腫、高用量メトトレキサート+シタラビン併用療法が有用

原発性中枢神経系リンパ腫の治療として、高用量メトトレキサート(商品名:メソトレキセート)に高用量シタラビン(同:キロサイド、サイトサール)を併用する方法は、高用量メトトレキサート単剤に比べ予後良好で、有害事象も許容できることが、イタリアSan Raffaele科学研究所腫瘍科リンパ性悪性疾患部のAndres J M Ferreri氏らInternational Extranodal Lymphoma Study Group (IELSG)による無作為化試験で明らかとなった。中枢神経系リンパ腫はまれな疾患であるため無作為化試験の実施が難しく、治療法についても議論が多く無作為化試験を行うにも全体的な戦略や主要エンドポイントに関するコンセンサスが得られにくい状況だという。現時点で、新規診断例に最も頻用されているは高用量メトトレキサート+全脳照射である。Lancet誌2009年10月31日号(オンライン版2009年9月20日号)掲載の報告。6ヵ国24施設が参加した無作為化第II相試験IELSGは、原発性中枢神経系リンパ腫の新規診断例を対象に高用量メトトレキサート+高用量シタラビンの効果を評価する無作為化第II相試験を行った。2004年3月~2007年12月までに、6ヵ国(アルゼンチン、ギリシャ、イタリア、ペルー、ポルトガル、スイス)の24施設から、中枢神経系、脳神経、眼に限局した非ホジキンリンパ腫が見られ、年齢18~75歳、ECOG判定基準で全身状態(PS)が0~3、測定可能病変を有する患者79例が登録された。これらの患者が、メトトレキサート3.5g/m2(第1日)のみを投与する群(40例)あるいはメトトレキサート3.5g/m2(第1日)+シタラビン2g/m2×2回/日(第2、3日)を投与する群(39例)に無作為に割り付けられた。3週を1コースとして4コースの化学療法を施行したのち、全脳照射(180cGy×5回/週)が行われた。奏効率:40% vs. 69%、grade 3~4の血液毒性:15% vs. 92%無作為割り付けされた全例が解析の対象となった。化学療法終了後の完全寛解(CR)率は、単剤療法群の18%(7/40例)に対し併用療法群は46%(18/39例)と有意に優れていた(p=0.006)。部分寛解(PR)率はそれぞれ23%(9/40例)、23%(9/39例)であり、全体の奏効率は40%(16/40例)、69%(27/39例)と有意差を認めた(p=0.009)grade 3~4の血液毒性が、単剤療法群の15%(6/40例)に比べ併用療法群は92%(36/39例)と有意に高頻度に見られた。4例の治療関連死のうち、1例が単剤療法群、3例は併用療法群であった(p=0.35)。著者は、「75歳以下の原発性中枢神経系リンパ腫の治療として、高用量メトトレキサート+高用量シタラビン併用療法は、高用量メトトレキサート単剤療法に比べ予後良好で、有害事象も許容できる」と結論しており、「この併用療法は1次治療の候補であり、本試験はエビデンスレベルが高いため、この併用レジメンは今後の第III相試験の対照群となる可能性がある」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

4064.

人工透析患者の死亡リスクは8倍強、心血管疾患死以外も増加の傾向

人工透析患者の死亡リスクは、心血管疾患死に限らず、透析を受けていない人の8倍強に上ることが明らかにされた。オランダLeiden大学のDinanda J. de Jager氏らが、12万人超の透析患者について調べた結果で、JAMA誌2009年10月28日号で発表した。これまで、人工透析を受けている患者は心血管疾患死のリスクが、10~20倍に増大することは報告されていたが、それ以外の死亡リスクの増大については明らかではなかった。総死亡率は一般12人/1,000人・年に対し、透析患者は192人/1,000人・年Jager氏らは、1994年1月1日~2007年1月1日に、ヨーロッパで透析を受けていた成人患者12万3407人について、平均1.8年(標準偏差1.1年)追跡調査(ERA-EDTA)を行い、その死亡率について、ヨーロッパ一般人口集団(Eurostat)の統計と比較した。その結果、総死亡率は一般群12.055人/1,000人・年(95%信頼区間:12.05~12.06)だったのに対し、透析患者群では192人/1,000人・年(同:190~193)と大幅に高かった。死亡原因が明らかだったのは、一般群99%、透析患者群で90%だった。原因別に死亡率を比較すると、一般群ではその40%が心血管疾患死で、58%が非心血管疾患死だった。一方透析患者群では、同率はそれぞれ39%と51%だった。心血管疾患以外の死亡原因による死亡率も増加透析患者群の心血管疾患による死亡率は、一般群に比べ38.1人/1,000人・年(95%信頼区間:37.2~39.0)高く、非心血管疾患による死亡率は50.1人/1,000人・年(同:48.9~51.2)高かった。透析患者群の心血管疾患による標準化死亡率は、一般群に比べ約8.8倍(95%信頼区間:8.6~9.0)、非心血管疾患の同率は約8.1倍(同:7.9~8.3)だった。透析患者群の死亡率増加に関して、その原因が心血管疾患の場合、非心血管疾患の場合に対しての割合は、1.09(同:1.06~1.12)だった。ただしこの割合は、死亡原因が不明だった被験者について、死亡原因を心血管疾患と仮定した場合は0.90に、非心血管疾患と仮定した場合には1.39と変化した。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

4065.

心不全患者へのアルドステロン拮抗薬処方、適応患者の3分の1:米国調査結果

アルドステロン拮抗薬(商品名:セララ)が適応となる心不全患者のうち、退院時に同薬の処方を受けていたのは、3分の1にも満たないことが明らかになった。病院間での処方率の格差も大きかった。米国Cleveland ClinicのNancy M. Albert氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年10月21日号で発表されている。これまでの研究から、アルドステロン拮抗薬は、中等度から重度の心不全患者に対して有効であることが明らかになっている。そのため米国心臓協会(AHA)などの臨床ガイドラインでも、投与が勧告されている。アルドステロン拮抗薬処方は適応患者の32.5%、調査期間中やや増加の傾向同研究グループは、臨床ガイドラインに沿った診療の推進を目的とした全米プログラム、「Get With The Guidelines–HF」に参加する、241の病院で観察研究を行った。試験期間は2005年1月~2007年12月で、期間中に心不全で入・退院した人は合わせて4万3,625人に上った。そのうち、アルドステロン拮抗薬が適応だった1万2,565人中、退院時に同薬の処方を受けていたのは、4,087人(32.5%)に留まった。同割合は試験期間中、28%から34%へとわずかに増加傾向は見られてはいる。一方、同割合の病院間格差は、0~90.6%と大きかった。不適切処方は期間を通じて低率アルドステロン拮抗薬の処方増の要因は、アフリカ系アメリカ人(補正後オッズ比:1.17)への処方増加、植え込み型除細動器の病歴のある人(同:1.51)、うつ病(同:1.15)、アルコール摂取(同:1.23)、ペースメーカー挿入(同:1.21)が挙げられた。一方、減少要因は、年齢が若い(同:0.85)、低収縮期血圧(同:0.94)、腎機能不全歴なし(同:0.85)だった。また、血清クレアチン値とカリウム値を基準に用いた場合、アルドステロン拮抗薬の不適切処方の割合は、試験期間中を通じて低く抑えられていた。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

4066.

コナミスポーツクラブ、医療機関と連携し健康管理と運動指導を11月から開始

株式会社コナミスポーツ&ライフ(以下、「KONAMI」)は28日、「東京ミッドタウンクリニック」の運営支援を行う株式会社アドバンスト・メディカル・ケアと連携し、11月2日から、スポーツクラブと医療機関のサービスを融合させた健康管理と運動指導を開始すと発表した。両社は、「東京ミッドタウンクリニック」と、KONAMIが運営する「コナミスポーツクラブ大手町」および「コナミスポーツクラブ青山」(以下、「コナミスポーツクラブ」)を連携させ、プレミアム人間ドックでの有所見者に対する生活習慣の改善をサポートする。今回の連携は、まず、「東京ミッドタウンクリニック」でのプレミアム人間ドック受診者のうち、同クリニックが生活習慣の改善が必要と診断した人などに対して、身体状況にあった適切な運動項目などを提案する。これを受け、「コナミスポーツクラブ」では、6週間という短期間で生活習慣を改善するプログラム『6WEEKS(シックスウィークス)』を用いて、受診者の運動指導や食事指導などを行う。詳細はプレスリリースへhttp://www.konamisportsandlife.co.jp/topics/20091028/?ref=ktop

4067.

タシグナ、慢性骨髄性白血病の一次治療薬として、グリベックとの直接比較試験で主要評価項目を達成

ノバルティス ファーマ株式会社は21日、「タシグナ」(一般名:ニロチニブ塩酸塩水和物)が、同社の画期的な医薬品である「グリベック」(一般名:イマチニブメシル酸塩)との初の直接比較試験で、主要評価項目においてより良好な治療効果を示したことを発表した。新たに慢性期のフィラデルフィア染色体陽性の慢性骨髄性白血病(Ph+CML)と診断された成人患者さんの一次治療薬として投与した場合、タシグナは、グリベックに比べ、より早く、かつ優れた効果が認められ、また良好な忍容性が見られたという。この試験は「ENESTnd」(Evaluating Nilotinib Efficacy and Safety in Clinical Trials of Newly Diagnosed Ph+CML Patients)と呼ばれる第III相試験で、新たにPh+CMLと診断された患者を対象に、2種類の経口治療薬を比較するために行われた、過去最大の国際無作為化比較試験。ENESTndは、治療開始から12ヵ月時点でタシグナとグリベックの分子遺伝学的寛解(MMR)の差を検証するようにデザインされ、MMRを主要評価項目として承認審査を目指した初めての治験である。また、この比較試験では、副次的評価項目である細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)についても「タシグナ」が優位に優れていたという。ENESTndの結果の詳細は12月に米ルイジアナ州ニューオリンズで開催される米国血液学会(ASH)の第51回年次総会に速報として抄録が提出される予定とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20091021.html

4068.

経皮吸収型持続性慢性疼痛治療剤、FDA承認取得

久光製薬株式会社は19日、経皮吸収型持続性慢性疼痛治療剤「Fentanyl Transdermal System(開発コード:HFG-512)」の簡易新薬申請(ANDA)に関して、16日(米国時間)付けで米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得したと発表した。「Fentanyl Transdermal System」は、同社が開発したフェンタニルを含有する中等度から高度の慢性疼痛治療を目的とした貼付剤。本剤の販売については、同社とアポテックスコープ(本社:アメリカ、フロリダ州、以下、アポテックス)との間で締結された独占販売契約を基に、アポテックスが米国内において独占的に実施することになるという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.hisamitsu.co.jp/company/pdf/HFG_091019.pdf

4069.

医薬品の保険収載、イギリス、豪、カナダ間では格差が

イギリス、オーストラリア、カナダでは、公的保険対象の医薬品リストへの収載可否については、いずれも医薬品の効果や費用対効果のエビデンスに基づいて決められているものの、それでも各国の承認状況には格差があることが、カナダCalgary大学のFiona M. Clement氏らの調べで明らかになった。先進国では、医療費の中でも医薬品コストの増大が問題となってきている。JAMA誌2009年10月7日号掲載より。承認率はイギリスNICEが最も高率で87.4%Clement氏らは、イギリス、オーストラリア、カナダ各国の医薬品保険収載に関する審査機関、National Institute for Health and Clinical Excellence(NICE)、Pharmaceutical Benefits Advisory Committee(PBAC)、Common Drug Review(CDR)のデータを元に、調査を行った。データは、2008年12月時点にそれぞれのウェブサイト上で入手可能だったもので、NICEが2001年2月以降、PBACが2005年7月以降、CDRが2004年1月以降のデータだった。調査対象期間中の医薬品の申請件数は、NICEが199件、PBACが282件、CDRが121件だった。そのうち承認率は、NICEが87.4%(174件)と最も高率で、次いでPBACが54.3%(153件)、CDRが49.6%(60件)だった。医薬品の効果について、大きな臨床的不確実性を伴う場合の承認率は、PBACとCDRが、NICEに比べて低かった。大きな臨床的不確実性、CDRとPBACでは申請医薬品の40%を占める申請された医薬品のうち、大きな臨床的不確実性を伴うと判断されていたものは、CDRとPBACで審査申請医薬品のうち40%超を占めたのに対し、NICEでは27.3%(199件中54件)と低率だった(p=0.009)。CDRへの申請件数の21.7%、PBACの28.8%では、裏づけとなるデータが無作為化対照試験ではなかったり、また比較対照が不適切な無作為化対照試験だった。また、費用対効果についての指標である、生活の質を考慮に入れた生存年(QALY)が付されていた医薬品は、NICEが最も高率で申請件数のうち96.5%だったのに対し、CDRでは60.0%、PBACでは72.0%だった。研究グループは、NICE、PBAC、CDRともに、医薬品の承認に関しては、効果や費用対効果に基づく判断をしているものの、それ以外の要因も重要な判断材料となっている場合が少なくないとしている。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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軽度妊娠糖尿病への治療介入

米国オハイオ州立大学産婦人科のMark B. Landon氏らは、軽度の妊娠糖尿病と診断された妊婦への治療介入を行い、妊娠転帰が改善するかを無作為化試験で検証した。米国では全妊娠の1~14%の頻度で生じており、妊娠糖尿病になるとその後糖尿病になるリスクが増すことは認識されている。しかしこれまで妊娠糖尿病の妊娠転帰への臨床上の影響および、治療介入による改善などについては明らかになっていない。NEJM誌2009年10月1日号掲載より。妊婦958例を通常ケア群と治療介入群に無作為割り付けLandon氏らは、妊娠第24~31週に軽度の妊娠糖尿病(経口ブドウ糖負荷試験の結果で異常があっても、空腹時血糖値レベルが95mg/dl[5.3mmol/l]以下)と診断された妊婦958例を、通常の妊婦管理を行う対照群473例と、食事指導、血糖自己測定、さらに必要に応じたインスリン療法を行う治療群485例に無作為に割り付け追跡した。主要評価項目は、死産または周産期死亡と、新生児合併症(高ビリルビン血症、低血糖症、高インスリン血症、出産時外傷を含む)の複合とした。副次転帰項目は、平均出生体重、新生児体脂肪量、巨大児頻度などとした。副次評価項目で有意なリスク低下を確認複合転帰の発生については、両群に有意差は見られなかった(治療群32.4%、対照群37.0%、P = 0.14)。周産期死亡はなかった。しかし副次転帰について、対照群と比較して治療群では、平均出生体重(3,302g対3,408g)、新生児体脂肪量(427g対464g)、妊娠期間に比べて新生児の体重が重くなる割合(7.1%対14.5%)、出生時体重4,000g以上の巨大児の割合(5.9%対14.3%)、肩甲難産(1.5%対4.0%)、帝王切開(26.9%対33.8%)で、有意な減少が認められた。また、治療介入は通常ケアと比較して、子癇前症および妊娠高血圧の発生率低下とも関連していた(2症状の複合発生率、8.6%対13.6%、P = 0.01)。これらの結果から研究グループは、軽度の妊娠糖尿病の治療は、死産または周産期死亡と、新生児合併症を含む複合転帰の頻度を、有意に低下させることはなかったものの、胎児の過成長、肩甲難産、帝王切開出産、高血圧性疾患のリスクを低下させたとまとめている。(医療ライター:朝田哲明)

4071.

手根管症候群に対する手術と非手術的治療、どちらが有効?

手根管症候群の治療では、手術、非手術的治療のいずれもが症状の改善効果を示すが、機能の改善効果は手術が優れ、全体としてより良好な転帰をもたらすことが、アメリカWashington大学医学部放射線科のJeffrey G Jarvik氏らが行った無作為化試験で明らかとなった。手根管症候群は最もよくみられる絞扼性末梢神経障害であり、労働不能の主要原因だという。4つの試験の系統的レビューでは、手術のほうが固定法よりも症状の改善効果が高いことが示されているが、特に軽症例においてさらなる検討が望まれていた。Lancet誌2009年9月26日号掲載の報告。1年後の手の機能、症状を評価研究グループは、手術のほうが機能および症状の転帰をより改善するとの仮説の下で、脱神経のない手根管症候群患者を対象に手術と集学的な非手術的治療の有用性を比較するパラレルグループ無作為化対照比較試験を行った。2002年10月~2007年5月までに、8つの施設から116例が登録され、手根管手術を施行する群(57例)あるいはhand therapyや超音波などからなる確立された非手術的治療を行う群(59例)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、治療12ヵ月の時点において手根管症候群評価質問票(CTSAQ)で評価された手の機能とし、副次評価項目は手の症状などとした。治療の割り付け情報を知らされていない研究者が評価し、intention-to-treat解析が行われた。機能、症状とも手術群が有意に改善したが、その差の臨床的な意義は大きくない手術群のうち実際に手術を受けたのは44例(77%)であった。治療12ヵ月の時点で、フォローアップが完遂されたのは101例(87%)であり、手術群が49例、非手術群は52例であった。治療12ヵ月における手の機能は、手術群でCTSAQスコアの補正アドバンテージが有意に優れた(CTSAQ機能スコア:Δ-0.40、p=0.0081)。症状についても手術群が有意に優れた(CTSAQ機能スコア:0.34、p=0.0357)が、労働への影響、疼痛、QOLは両群間に差を認めなかった。臨床的に重篤な有害事象は両群ともに見られず、手術に関連した合併症も認めなかった。著者は、「いずれの治療群でも症状改善効果が認められ、手術群のほうが非手術群に比べ転帰が良好であったが、両群間の差の臨床的意義はそれほど大きくなかった。全体としては、脱神経のない手根管症候群の治療では手術が有用であった」とまとめている。また、「3ヵ月後には機能、症状ともに手術群の有意な改善効果が確認され1年後まで継続したが、手術群のなかには症状が持続する患者もいた。最終的に、非手術群の61%が手術を受けなかった」としている。(菅野守:医学ライター)

4072.

米国での成人を対象としたインフルエンザA 型(H1N1)ワクチン単回接種後の臨床試験結果を発表

仏サノフィ・アベンティス社は1日(現地時間)、サノフィ・アベンティスグループ(EURONEXT:SANおよびNYSE:SNY)のワクチン事業部門であるサノフィパスツールが同日、18歳から64歳、また65歳以上の成人を対象として、米国ですでに承認されている2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンの臨床試験データの中間報告を発表したと公表した。報告では、サノフィパスツールの2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチン15μgを高齢の被験者を含め、健康な成人に単回接種し、接種後21日で予防効果が期待できる抗体反応が誘導されたという。この成人849人によるプラセボ対照試験結果は、先に国立衛生研究所(NIH)の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が実施した試験でのH1N1ワクチン接種10日後の結果を裏付けるものとのこと。サノフィパスツールは、2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンの免疫原性と安全性を検討するために、8月6日に米国で臨床試験を開始。臨床試験は、65歳以上を含めた18歳以上の成人、また6ヵ月齢から9歳の乳幼児を対象に行われている。今後追加接種を含めた臨床試験の最終結果が報告され、これらの結果を参考にして、上記2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンの最適な用量、接種回数、接種スケジュールが決められるとのこと。なお、上記2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンは、サノフィパスツールの既承認の季節性インフルエンザワクチンのひとつのウイルス株変更として、9月15日に米国食品医薬局(FDA:Food and Drug Administration)より承認されている。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/F3CFA269-E095-4D4D-A319-61504415DE6F.pdf

4073.

心房細動患者へのdabigatran vs.ワルファリン:RE-LY試験

脳卒中および死亡リスクを増大する心房細動に対し、ワルファリン(商品名:ワーファリンなど)は、脳卒中リスクを低下する効果がある。しかし出血リスクを増すため、実際に使用されるケースは少なく、中断例も多い。そこで、心房細動患者を対象とした試験で静脈血栓塞栓症予防効果の評価が得られている、新規経口直接トロンビン阻害薬dabigatranと、ワルファリンとを比較する第3相臨床試験(RE-LY試験)が、カナダ・マクマスター大学のStuart J. Connolly氏らによって行われた。試験は2種の用量(110mgまたは150mgを1日2回)について検討され、結果はNEJM誌2009年9月17日号(オンライン版2009年8月30日号)に掲載された。dabigatran 110mg投与群、同150mg投与群、ワルファリン投与群で比較RE-LY(Randomized Evaluation of Long-Term Anticoagulation Therapy)試験は非劣性試験で、心房細動患者(6ヵ月以内に心電図で確定診断)で脳卒中リスクがある(脳卒中かTIA歴あり、LVEF<40%、NYHA分類≧II、6ヵ月以内に心不全、75歳以上など)18,113例を対象に行われた。患者は、日本を含む44ヵ国951医療機関から集められた。被験者は次の3群に無作為化された。盲検下で、dabigatranの1日2回110mg投与する群と、同1日2回150mg投与する群。非盲検下で、INR2~3を目標に用量調整(1~5mg錠)されたワルファリン投与群。主要転帰は、脳卒中または全身性塞栓症とされた。110mg群は、脳卒中リスク低下がワルファリン群と同等、出血リスクは低い追跡期間中央値は2.0年。主要転帰発生は、ワルファリン群1.69%/年だったのに対し、dabigatran 110mg投与群は1.53%/年で、相対リスクは0.91(非劣性P

4074.

新型インフルエンザH1N1ワクチン「Pandemrix」にCHMPが肯定的見解 承認勧告も

英国グラクソ・スミスクラインplcは29日、2009年9月25日にGSKの新型インフルエンザ(H1N1)候補ワクチンであるアジュバント(免疫増強剤)添加ワクチン「Pandemrix」の認可に向けた肯定的見解と承認勧告を欧州医薬品委員会(CHMP)より受けたことを発表した。同ワクチンの適応症は2009年新型インフルエンザ(H1N1)の予防。同ワクチンの1回分の接種には2009年新型インフルエンザ(H1N1)ウイルス株の抗体が3.75μg(マイクログラム)とGSKのアジュバントAS03が含まれており、2回の接種を3週間以上の間隔で接種する必要がある。今回の肯定的見解は、2008年5月に欧州で承認され、H5N1抗体を使用した「Pandemrix」のモックアップ承認申請に基づいているという。このモックアップ申請には、忍容性、副反応の面、また免疫原性や交差免疫などについて検証された様々な臨床および前臨床試験のデータが含まれている。H5N1型ワクチンは、概ね良好な忍容性を示し、一般的な副作用として頭痛、関節痛、筋肉痛、注射部位の副反応(痛み・発赤)、発熱と倦怠感(疲労感)であった。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2009_07/P1000579.html

4075.

50歳以下のCOPD患者の経年的な呼吸機能低下を有意に抑制

ベーリンガーインゲルハイムとファイザーは17日、大規模臨床試験UPLIFT(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)データのpost-hoc解析の結果、スピリーバ(一般名:チオトロピウム)が50歳以下のCOPD患者で、呼吸機能の経年的な低下を有意に抑制し、また健康関連QOLを有意に改善したことが、欧州呼吸器学会(ERS)年次総会で発表されたと報告した。4年間の試験期間を通じ、スピリーバの投与を受けた50歳以下のCOPD患者の呼吸機能の経年的な低下量は、同年代のコントロール群の患者に比べ34%改善した(気管支拡張薬投与後FEV1〔ピークFEV1〕の低下量:スピリーバ群が38mL/年、コントロール群が58mL/年, P=0.01)。UPLIFTは、COPD患者に長時間作用型吸入抗コリン薬スピリーバの有用性を検討する最大規模の無作為化二重盲検プラセボ対照試験。この解析は、50歳以下のCOPD患者356名を対象とした。スピリーバ群ではコントロール群に対し、増悪の発症リスクを27%有意に軽減させた〔95%信頼区間, 相対危険度0.73(0.56, 0.95), P=0.02〕。増悪は、疾患の臨床経過を悪化させることから、COPDの増悪回数を著しく減らすスピリーバによる治療は、COPDの疾患予後を改善し、臨床経過に良好な影響をもたらす可能性が示されたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.boehringer-ingelheim.co.jp/com/Home/Newscentre/pressrelease/news_detail.jsp?paramOid=5479

4076.

HIV感染患者における、S/GSK1265744の安全性について

塩野義製薬株式会社は15日、米国SHIONOGI-GlaxoSmithKline Pharmaceuticals、LLCを通じて開発中の次世代インテグレース阻害薬「S/GSK1265744(塩野義製薬 開発番号:S-265744)」について、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催されている第49回Annual Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy(ICAAC)において第1相および前期第2相臨床試験結果を公表した。試験では、S/GSK1265744は、HIV感染患者を対象とした試験においてウイルス量の有意な減少および、健常人およびHIV感染患者における良好な体内動態と短期間における安全性を示したという。第1相、前期第2相試験はプラセボをコントロールとして、被験者を、健常人48名を対象とした単回経口投与(パートA)または反復経口投与(パートB)、およびHIV感染患者11名を対象とした反復経口投与(パートC)3つのパートに無作為割付した二重盲検試験として行われた。被験者には、血圧、心拍数、心電図といった検査に加え、体内動態用の血液試料の採取を行った。試験結果からは、S/GSK1265744がS/GSK1349572と同様に、代謝酵素阻害剤の助けを必要とせず、1日1回投与による強力な抗ウイルス活性を示すとともに、体内動態の変動が小さいことを示すものであり、HIVの長期に渡る治療を行うにあたって重要な結果であることが示唆されたという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/090915.pdf

4077.

「フルバスタチン徐放製剤」血管手術後の心疾患転帰を改善

スイス・ノバルティス社は3日、「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)」に掲載されたDECREASE (Dutch Echocardiographic Cardiac Risk Evaluation Applying Stress Echocardiography)III試験の結果によると、周術期にフルバスタチン徐放製剤(海外での製品名:Lescol XL)を投与し血管手術を行った患者において、術後30日以内の術後心疾患の転帰がプラセボ群に比べ有意に改善したことが示されたと発表した。エラスムスメディカルセンター(オランダ・ロッテルダム)で実施されたこの試験では、フルバスタチンを投与すると、総コレステロール値、LDLコレステロール(LDL-C)値が有意に低下し、高感度CRP値とインターロイキン-6濃度の低下によって反映される炎症の低下も有意に認められたとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090911.html#fn1

4078.

ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤 リフレックス(ミルタザピン)新発売

明治製菓株式会社は7日、ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤「リフレックス錠15㎎」(一般名:ミルタザピン)を発売した。本製品は、9月4日に薬価収載された。リフレックスは、N.V.オルガノン社(現シェリング・プラウコーポレーション)が創製したうつ病治療薬で、1994年にオランダで発売されて以来、世界90ヵ国以上で承認されている。また、その特徴的な作用メカニズムによって、海外では『ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA:Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant)』というカテゴリーに分類され、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)とは異なる作用機序を持つ薬剤として知られている。1日1回就寝前服用の簡便な用法で、服用開始1週目から、うつ病・うつ状態にある患者の不眠や不安・焦燥感といった症状を速やかにしっかりと改善するなど、うつ病・うつ状態に対する効果の早期発現と優れた有効性を合わせ持つ。同社は、「うつ病の寛解(REmission)、そしてその先の回復(REcovery)をかなえ、患者さんの人生をしなやかで柔軟(FLEXibility)なものにする」という思いを込めて、「リフレックス(REFLEX)」と名付けたという。また、発売に備えて中枢神経系領域専任医薬情報担当者を100名体制に拡充し、市場への早期浸透を図っていくとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.meiji.co.jp/corp/news/2009/0907.html

4079.

新規作用メカニズムの抗うつ剤 レメロン(ミルタザピン)発売

シェリング・プラウ株式会社は7日、約10年ぶりに登場する新規作用メカニズムを持つ抗うつ剤「レメロン錠15mg」(一般名:ミルタザピン)を新発売した。レメロン錠は10年ぶりに登場する特徴的な作用メカニズムである『NaSSA(Noradrenergic and Specific Serotonergic Antidepressant):ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤』と称される新規のカテゴリーに属し、既存の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI:Selective Serotonin Reuptake Inhibitor)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI:Serotonin Noradrenaline Reuptake Inhibitor)とは全く異なるタイプの新しいうつ病治療剤となる。日本における臨床試験では、この領域では実施することが難しいとされているプラセボ対照比較試験において、投与1週目から有意な改善効果が示され、日本で初めてプラセボに対して抗うつ効果における優越性が検証された。さらに、長期投与試験においては、52週まで抗うつ効果が維持されることも示されたという。これらの結果で示されている通り、レメロン錠は、投与1週目からの早い効果の発現と長期にわたる効果の維持という特長を持ち合わせた薬剤といえる。レメロン錠はN.V.オルガノン社(2007年11月19日、シェリング・プラウ・コーポレーションと統合)が創製したうつ病治療薬で、1994年に製品名『REMERON』としてオランダで発売されて以来、現在では世界90ヵ国以上で販売されており、日本では明治製菓株式会社と共同開発を行い、本年7月7日に製造販売承認を取得していた。詳細はプレスリリースへhttp://www.schering-plough.co.jp/press/index.html

4080.

プライマリ・ケアにおけるCOPDの予後評価に有用な指標を開発

プライマリ・ケアにおける慢性閉塞性肺疾患(COPD)の予後評価では、改訂BODEインデックス(BMI、気道閉塞、呼吸困難、運動能)およびその簡略版であるADOインデックス(年齢、呼吸困難、気道閉塞)が有用であることが、アメリカJohns Hopkins Bloomberg公共健康医学部疫学科のMilo A Puhan氏らが実施した2つのコホートを対象とした検討で判明した。BODEインデックスはCOPDの予後評価にさかんに活用されているが、このインデックスで予測された死亡リスクが実際の死亡率と一致するか否かを検討した試験はないという。Lancet誌2009年8月29日号掲載の報告。Swissコホートに基づく改訂および簡略インデックスをSpanishコホートで検証研究グループは、BODEインデックスのキャリブレーション(リスクスコアを用いて予測された絶対リスクを、他の集団における実際のリスクと比較すること)の評価を行い、プライマリ・ケアで用いる簡略版の妥当性について検討した。Swiss Barmelweidコホート(罹病期間が長期にわたる重症COPD患者)から232例が、Spanish Phenotype and Course of COPDコホート(中等症~重症COPDで初回入院中の患者)から342例が登録された。両コホートにおいて、実際の3年全原因死亡リスクとBODEインデックスで予測されたリスクの比較を行った。次いで、Swissコホートのデータに基づきBODEインデックスを改訂して、年齢、呼吸困難、気道閉塞から成る簡略なADOインデックスを策定し、さらにこれらのインデックスの妥当性をSpanishコホートのデータを用いて検証した。オリジナルBODEの正確度は低いが、改訂BODEとADOは良好BODEインデックスのキャリブレーションは不良であり、3年死亡リスクの相対的予測値はSwissコホートで36%、有意に低く(予測リスク中央値:21.7%、実際のリスク34.1%、p=0.013)、Spanishコホートでは39%有意に高かった(予測リスク中央値:16.7%、実際のリスク12.0%、p=0.035)。改訂されたBODEインデックスによる予測3年死亡リスクは10.7%、簡略化されたADOインデックスでは11.8%であり、いずれもSpanishコホートにおける実際の死亡率とよくマッチした(それぞれp=0.99、p=0.98)。著者は、「オリジナルのBODEインデックスは、スイスとスペインの2つのコホートにおけるCOPDによる死亡率を正確に予測しなかったが、改訂BODEインデックスとADOインデックスはいずれも高い正確度を示した。これらの指標は、プライマリ・ケアにおけるCOPD患者の予後評価に有用な可能性があり、この予後評価によって個々の患者の治療ターゲットが明確になる」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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