サイト内検索|page:208

検索結果 合計:4273件 表示位置:4141 - 4160

4141.

進行前立腺癌の新たな標準治療が確立された:SPCG-7/SFUO-3試験

進行前立腺癌の治療では、内分泌療法に放射線療法を追加すると、内分泌療法単独に比べ前立腺癌による死亡率が半減し、全死亡率も有意に低下することが、北欧で実施された無作為化第III相試験(SPCG-7/SFUO-3試験)で示された。高リスクの前立腺癌では、内分泌療法と放射線療法の併用が有効なことを示唆する報告がいくつかあるが、その効果は確立されていなかった。スウェーデンUmea大学のAnders Widmark氏が、Lancet誌2009年1月24日号(オンライン版2008年12月16日号)で報告した。内分泌療法+放射線療法併用と内分泌療法単独を比較研究グループは、進行前立腺癌に対する放射線療法の効果を評価するために、内分泌療法+放射線療法と内分泌療法単独を比較する第III相試験を行った。病態が進行した症例には去勢術を施行した。対象は、75歳以下、PS良好、臨床病期T1b~T2/G2~G3/T3、WHO grade 1~3、前立腺特異抗原(PSA)<70ng/mL、リンパ節および他臓器への転移のない症例とした。1996年2月~2002年12月までに、ノルウェー、スウェーデン、デンマークの47施設に875例が登録され、内分泌療法+放射線療法併用群に436例が、内分泌療法単独群に439例が割り付けられた。内分泌療法は、アンドロゲン遮断療法を3ヵ月施行したのち、フルタミドの継続投与を行った。1次評価項目は、前立腺癌特異的な死亡率とした。前立腺癌特異的な10年死亡率、全死亡率がともに有意に低下フォローアップ期間中央値7.6年の時点で、前立腺癌が原因で死亡した症例は内分泌療法単独群が79例、放射線療法併用群は37例であった。前立腺癌特異的な10年累積死亡率は、単独群の23.9%に対し併用群は11.9%と有意に良好であった[絶対リスク低下率:12.0%(95%信頼区間:4.9~19.1)、相対リスク:0.44(95%信頼区間:0.30~0.66)、p<0.001]。10年累積全死亡率は、単独群の39.4%に対し併用群は29.6%と有意に優れていた[絶対リスク低下率:9.8%(95%信頼区間:0.8~18.8)、相対リスク:0.68(95%信頼区間:0.52~0.89)、p<0.004]。10年累積PSA再燃率は、単独群では74.7%と高く、併用群の25.9%に比べ実質的に増加していた[絶対リスク低下率:48.8%(95%信頼区間:40.4~57.2)、相対リスク:0.16(95%信頼区間:0.12~0.20)、p<0.001]。5年後の尿路、直腸および性機能の問題の頻度は、併用群でわずかに高かった。SPCG-7/SFUO-3試験の研究グループは、「局所進行あるいは高リスク局所前立腺癌においては、内分泌療法に局所放射線療法を追加すると、内分泌療法単独に比べ前立腺癌特異的な10年累積死亡率が半減し、全死亡率も実質的に低下した。副作用リスクは十分に許容できるものであった」と結論し、「これらのデータをふまえ、内分泌療法+放射線療法は進行前立腺癌に対する新たな標準治療とすべきである」としている。(菅野守:医学ライター)

4142.

就学前小児の上気道ウイルス感染による喘鳴:発作時の経口薬治療

上気道ウイルス感染による喘鳴発作は、就学前児童においてはよく見られ、短期間の経口プレドニゾロン剤投与が広く行われているが、軽症~中等症には有効ではないと結論する無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果が報告された。英国レスター大学小児保健部門のJayachandran Panickar氏らによる報告で、NEJM誌2009年1月22日号にて掲載された。入院期間に有意差はないPanickar氏は本試験の目的について、「この年代の発作の大半は間欠型呼吸器症状や慢性下気道好酸球増加症を有するものではなく、学齢期になれば解消される」とし「ガイドラインでの推奨エビデンスは、この年代以外のエビデンスを基にしたもので、同年代における有効性のエビデンスには矛盾が見られるからだ」と述べている。試験は、英国の3病院で、ウイルス感染による喘鳴発作で受診し入院が必要と診断した、生後10~60ヵ月の小児700例を対象。過去のスタディで矛盾が見られた5日間投与を参考に、経口プレドニゾロンの5日間投与(10~24ヵ月児:1日1回10mg、25ヵ月児以上:1日1回20mg)の有効性を評価する無作為化二重盲検プラセボ対照試験をデザインした。対象児は、入院の診断前にアルブテロールの10パフ噴霧を受けており、定量吸入器またはVolumatic spacerもしくはアルブテロールネブライザーで管理を受けていた(3歳未満2.5mg、3歳以上5.0mg)。主要評価項目は、入院期間。副次評価項目は、呼吸評価スコア(基線値は入院診断後、アルブテロール噴霧5分後に評価した値とした)、アルブテロールの使用、7日間の症状スコア。全例解析は687例(プラセボ群344例、プレドニゾロン例343例)で実行された。主要評価項目の入院期間は、プラセボ群13.9時間、プレドニゾロン群11.0時間、相乗平均0.90(95%信頼区間:0.77~1.05)と有意差はなかった。副次評価項目、また有害事象の発生数についても有意差はなかった。(武藤まき:医療ライター)

4143.

新生児退院前のパルスオキシメトリー検査は臨床効果も費用効果もある

新生児退院前にパルスオキシメトリー検査を実施することは、動脈管依存性先天性心疾患の早期発見に有効であることが、スウェーデンQueen Silvia小児病院小児心臓病科のAnne de-Wahl Granelli氏らによる前向きスクリーニング研究の結果として報告された。費用対効果についても優れているとのエビデンスが報告されている。BMJ誌1月17日号2009年(オンライン版1月8日号)掲載より。動脈管依存循環の早期発見に有用かを検証Granelli氏らは、スウェーデンの西Gotaland地方で生まれた新生児3万9,821例(2004年7月1日~2007年3月31日)を対象に、パルスオキシメトリー検査の実施が動脈管依存循環の早期発見に有用であるか評価を行った。同地域にある新生児託児所からの退所前に最新型パルスオキシメトリー検査を行う一方、パルスオキシメトリー検査を実施していない他地域とで動脈管依存循環の検出率を比較した。自宅死亡例についても調査に加えられている。動脈管依存循環の新生児が見つかったのは西Gotaland地方では60例、他地域では100例だった。検出率を92%まで改善、長期的費用効果もパルスオキシメトリー検査を実施した西Gotalandの新生児託児所では、29例が退院時検査の前に発見された。そのうち13例は、パルスオキシメトリー検査で酸素飽和度が90%以上を示したため、プロトコルに従い臨床スタッフが報告したことによる。残り16例のうち10例(63%)は身体検査のみで見つかった。パルスオキシメトリー検査と身体検査を組み合わせると検出率の感受性は82.8%(95%信頼区間:64.2%~95.2%)で、管依存肺循環については100%だった。なお見逃しは5例で、いずれも大動脈弓閉塞例だった。パルスオキシメトリー検査による偽陽性率は、身体検査単独と比べると69/39,821(0.17%)対729/38,413(1.90%)で、実質的には低く(P

4144.

早期産児へのDHA投与、高濃度が女児の神経発達に効果

早期産児に対する誕生直後からの高濃度ドコサヘキサエン酸(DHA)の投与は、女児では神経発達に効果があるようだ。男児では、標準濃度DHAを投与した場合との格差は見られなかった。これは、オーストラリアWomen’s and Children’s Hospital and Flinders Medical CentreのMaria Makrides氏らが明らかにしたもので、JAMA誌2009年1月14日号で発表した。妊娠33週未満に生まれた乳児657人を18ヵ月追跡同氏らは、妊娠33週未満に生まれた早期産児657人について、無作為化二重盲検試験を行った。高濃度DHA群には、総脂肪酸の約1%にあたる量のDHAを、生後2~4日から、それぞれ本来の出産予定日まで投与した。一方の標準DHA群には、総脂肪酸の約0.3%量のDHAを、同じく投与した。18ヵ月後に、ベイリー式心理発達指標を用いて、乳児の神経発達の程度を比較した。女児では高濃度DHA群が有意にハイスコアその結果、女児では、高濃度DHA群が標準DHAに比べ、ベイリー式心理発達指標の平均値が有意に高かった(補正前平均値の差:4.7、95%信頼区間:0.5~8.8、補正後平均値の差:4.5、同:0.5~8.5)。一方、性別を問わない両群の同スコア平均値の差は1.9(95%信頼区間:-1.0~4.7)、男児のみの平均値の差は-0.6(同:-4.3~3.1)と、ともに有意差は見られなかった。また、出生時体重が1,250g未満の乳児について見てみると、高濃度DHA群のほうが標準DHAより同スコアが高い傾向が見られた(補正前平均値の差:4.7、95%信頼区間:0.2~9.2)ものの、補正後には有意差は見られなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

4145.

「レッドツェッペリン病」?:やっぱりヘビメタは脳によくない

ヘッドバンギングはヘビーメタルやハードロック音楽の一般的なダンス形式で、ビートにあわせて頭部を激しく振る行為を繰り返す。そのテンポが激しいと頭頸部傷害のリスクが増大することが、オーストラリアNew South Wales大学Risk and Safety ScienceのDeclan Patton氏らの調査で明らかとなった。同氏は、この知見に基づいて、ヘビメタファンが普段ぼんやりしていたり、でたらめなことを口にする原因を説明できるとし、脳傷害のリスクを最小限にする対策を提言している。BMJ誌2008年12月20日号(クリスマス特集号)掲載(オンライン版2008年12月17日号)の報告。理論モデルを構築、首振り角度とテンポで傷害リスクを評価ヘッドバンギングの起源は、1968年、イギリスのハードロックバンド・レッドツェッペリンが行った初のアメリカツアーだという。ボストンの会場で最前列の聴衆が音楽に合わせて頭を振ったとき、「ヘッドバンガー」ということばが生まれた。これまでに、ヘッドバンギングが頭頸部傷害の原因となる可能性を示唆する症例がいくつか報告されている。研究グループは、ヘッドバンギングによる軽度の外傷性脳傷害および頸部傷害のリスクを評価するために、ヘッドバンガーを対象とした観察研究および生体力学的な解析を行った。頭部傷害度(HIC)および頸部傷害度(NIC)を算定する理論モデルを構築した。ヘッドバンガーに一般的なヘビメタ曲とイージーリスニング曲(対照)を聴いてもらい、首振りの角度別にHIC、NICと首振りのテンポ(ビート/分)によって頭頸部傷害のリスクがどう変化するかを評価した。AC/DCに“Moon River”をリクエストしようヘッドバンギング曲による首振りのテンポの平均値は146ビート/分であった。モデル解析では、146ビート/分のテンポで首振りの角度が75度以上になると軽度の脳傷害の症状が現れると予測された。頸部傷害は、146ビート/分で首振りの角度が105度以上となった場合に発生することが示唆された。著者は、「損傷を最小限にするには、ヘッドバングするときは1)首振りの角度を小さくする、2)ヘビメタの代わりにAOR(大人向けロック)などテンポの遅い曲にする、3)1ビート毎ではなく2ビートに1回にする、4)保護具を装着するなどの対策をとるべき」と結論している。具体的には、代表的なヘビメタバンドであるAC/DCに“Highway to Hell”の代わりに“Moon River”を演奏してもらうという、あまり現実的とは思えない案のほか、タバコのパッケージのようにCDなどにヘッドバンギングの危険性を訴える警告文を載せる案も提言している。(菅野守:医学ライター)

4146.

3種混合ワクチン接種の公式報告は実態反映せず

小児に対する3種混合ワクチンの実施状況は、実態調査に基づくデータと各国の公式報告の間に乖離が見られ、目的志向型かつ業績志向型のグローバル イニシアチブが過大な公式報告を助長している可能性があることが、ワシントン大学(アメリカ)健康基準/評価研究所のStephen S Lim氏らが行った系統的な解析で明らかとなった。Lancet誌2008年12月13日号掲載の報告。長年の懸案事項を検証子どものおもな死因を、ワクチンで予防可能な疾患が占める国は多い。それゆえ、小児予防接種の実現は保健システムの最重要事項とされ、「ミレニアム開発目標」にもMDG4として含まれる。小児予防接種の実施率向上を目指し、これまでにUniversal Childhood Immunisation(UCI)キャンペーンやGlobal Alliance on Vaccines and Immunisations(GAVI)などのグローバル イニシアチブを通じて多額の資金が投じられてきた。しかし、UCIやGAVIの予防接種サービス支援(ISS)のような目的志向型かつ業績志向型のイニシアチブは過大な報告を助長する可能性があるとの懸案が、長きにわたり存在するという。研究グループはこの懸案の検証を行った。193ヵ国における1986~2006年の入手可能な全データを用いてジフテリア/破傷風/百日咳3種混合ワクチン(DTP3)の粗実施率の傾向を系統的に検討した。また、各国の公式なDTP3実施報告と、実態調査に基づく実施率のずれを解析することで、UCIやGAVI ISSなどのグローバル ヘルス イニシアチブがDTP3実施の過大な報告を助長しているか否かを評価した。DTP3の粗実施率は段階的に改善、公式報告は実態とは異なる実態調査に基づくDTP3の粗実施率は、1986年の59%から1990年には65%、2000年には70%、2006年には74%にまで増加した。UCI期間中のDTP3実施の公式報告と、調査に基づく実施率には実質的な乖離が認められた。また、CAVI ISSによって、DTP3実施の公式報告と調査による実施率の差が有意に拡大した。2006年までに、公式報告によるDTP3接種小児の推定人数1,390万人に加えて、GAVI ISSの資金提供を受けた51ヵ国で新たに740万人の小児がDTP3の接種を受けた。調査で判明したDTP3接種を受けた小児の増加人数に基づいて解析を行ったところ、これに必要なGAVI ISSの提供資金は1億5,000万ドルと推算されたが、実際の支出額は2億9,000ドルに達していた。著者は、「実態調査に基づくDTP3予防接種の施行率は段階的に改善したが、各国の公式報告やWHO/UNICEFの推定から示唆されるレベルには達していなかった」と総括し、「小児予防接種が目的志向型のグローバル イニシアチブの主導で推進され、実績に基づいて資金提供が行われる時代においては、健康指標の独立かつ競争可能な(contestable)モニタリング法を確立することが急務である」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

4147.

末期心不全への補助人工心臓治療、1年生存率は3~5割程度

米国の末期心不全に対する補助人工心臓治療は、1年生存率が3~5割程度に留まることがわかった。米Duke大学のAdrian F. Hernandez氏らが、メディケア(米国の公的高齢者向け医療保険)の被保険者データを調べ、明らかにしたもので、JAMA誌2008年11月26日号で発表した。米国では2003年から、末期心不全に対し、補助人工心臓治療をメディケアの支払い対象にしている。補助人工心臓治療を行った約3,000人を追跡Hernandez氏らは、2000~2006年にかけて、補助人工心臓治療のみを行った1,476人と、心臓切開術の後30日以内に補助人工心臓治療を行った1,467人について、それぞれ生存率や再入院率などについて調べた。平均年齢は、補助人工心臓のみ群が63歳、心臓切開術群は69歳だった。退院時生存率は約34~55%と低率1年生存率は、補助人工心臓のみ群が51.6%(669人)、心臓切開術群は30.8%(424人)だった。また補助人工心臓のみ群の退院時生存率は55.2%(815人)に留まり、そのうち55.6%(450人)が6ヵ月以内に再入院している。心臓切開術群でもまた、退院時生存率は33.6%(493人)と低く、そのうち48.3%(237人)が6ヵ月以内に再入院した。なお、2000~2005年のデータで、メディケアが支払った1人当たり医療費の平均は、補助人工心臓のみ群が17万8,714ドル(標準偏差14万2,549ドル)で、心臓切開術群は11万1,769ドル(標準偏差9万5,413ドル)だった。研究グループは、メディケア被保険者への補助人工心臓治療については、早期死亡率や早期合併症発症率が高く、またコストも高いことから、治療対象となる患者を選択することで、アウトカムを改善することが不可欠だとしている。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

4148.

非心臓手術周術期のβ遮断薬投与は不要?

米国心臓学会/米国心臓協会(ACC/AHA)のガイドラインの推奨にもかかわらず、非心臓手術時の周術期における心血管死や脳卒中の予防を目的としたβ遮断薬の使用を支持する確固たるエビデンスはないことが、米Brigham and Women's病院循環器科のSripal Bangalore氏らが実施したメタ解析で明らかとなった。Lancet誌2008年12月6日号(オンライン版2008年11月11日号)掲載の報告。33試験に参加した1万2,306例を対象とするメタ解析実施周術期患者評価に関するACC/AHAのガイドラインでは非心臓手術時の周術期におけるβ遮断薬の使用が推奨されている。しかし、最近報告されたPOISE試験などこれを支持しない臨床試験もいくつかあるという。研究グループは、非心臓手術を受けた患者に対する周術期のβ遮断薬投与を評価したエビデンスについて厳格なレビューを行った。PubmedおよびEmbaseを用いて、非心臓手術時のβ遮断薬の使用について調査した無作為化対照比較試験のデータを検索した。30日全死亡率、心血管死亡率、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全、心筋虚血、および周術期の徐脈、低血圧、気管支攣縮に関する安全性アウトカムのデータを抽出した。33試験に参加した1万2,306例が対象となった。ACC/AHAガイドライン委員会は周術期β遮断薬使用の見解を緩和すべきβ遮断薬を投与しても、全死亡率、心血管死亡率、心不全のリスクは低下しなかった。また、β遮断薬投与により非致死的心筋梗塞および心筋虚血が低下した(オッズ比:それぞれ0.65、0.36)が、その代償として非致死的脳卒中が増加した(オッズ比:2.01)。β遮断薬の効果が高いとする試験の多くが、バイアスのリスクの高い試験であった。安全性については、周術期にβ遮断薬を使用すると治療を要する徐脈および低血圧のリスクが上昇した。気管支攣縮のリスク上昇は見られなかった。著者は、「非心臓手術を受けた患者では、周術期の心血管死や脳卒中などの臨床アウトカムの予防にβ遮断薬を使用することを支持するエビデンスは確認されなかった」と結論し、「ACC/AHAガイドライン委員会は、結論的なエビデンスが提出されるまで周術期β遮断薬使用の見解を緩和すべき」としている。(菅野守:医学ライター)

4149.

男性の70%が「EDが命に関わる疾患の前兆と知っていたら、もっと早く受診した」

 バイエル薬品株式会社の9日の発表によると、バイエル・シエーリング・ファーマ社が、国際調査「EDと基礎疾患を有する男性(Men with ED and underlying conditions)」を行い、その結果をを公表した。 この調査は、同社がED(勃起不全)治療を希望する男性、または治療中の男性の実生活をより正しく把握するために行ったもの。調査結果は、ブリュッセルで開催された欧州性機能学会(ESSM)国際性機能学会(ISSM)合同学術会議において発表された。 調査によると、「ED患者のうち半数近くがEDと基礎疾患との関連を知らない一方で、早期治療に何が重要であるかについては、もっとよく知りたい」と思っており、また70%の男性が「EDが命に関わるような疾患と関連があることを知っていれば、もっと早く受診した」と回答しているという。さらに、ED患者のうち80%が医師に相談したことがあり、これはEDが男性にとって、もはやタブーではないことを示している。EDの原因が他の疾患にあるかもしれないという不安は、患者が医師に相談する重要なきっかけとなるという。 EDは加齢とともに見られる症状と誤解されがちだが、糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満など他の疾患を合併しているかもしれないという、警告もしくは前兆と考える必要があるという。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2008%2Fnews2008-12-09.html

4150.

アメリカ医療研究品質機構のノウハウを活用して患者安全指標はつくれそうだ

患者安全は国際的な問題だが、その指標づくりは容易ではない。アメリカには、医療研究品質機構(AHRQ:Agency for Healthcare Research and Quality:http://www.ahrq.gov/)が病院診療データを基に開発した患者安全の指標があり、数ヵ国がその指標を自国の患者安全指標づくりに活用しているがイギリスでも活用できないか。Healthcare Commission(ロンドン)のVeena S Raleigh氏らが、29あるAHRQの指標のうち9つについて症例対照試験を行い有用性を検証した。BMJ誌2008年11月22日号(オンライン版2008年10月17日号)掲載より。「病院エピソード統計」から症例群、対照群を引き出し入院期間、死亡率を比較試験はAHRQの9つの指標で、イギリスの全NHS(国民医療保健サービス)トラストを対象とする「病院エピソード統計」(2003-2004、2004-2005、2005-2006)から患者安全の指標、有害転帰の指標を引き出せるか検証された。9つの指針は、「死亡率が低い疾患医療での死亡数」「医原性気胸」「褥瘡」「医療処置が必要となった待機感染症」「術後股関節骨折」「術後敗血症」、および産科的外傷についての3指針(後産期分娩時器具あり・なし、帝王切開時)。指標を経験していると判定された患者症例群と、対照照合症例群(2005-2006データから、年齢、性、同一医療サービス受療群、主要専門科目、NHSトラストで照合)との入院期間、死亡率を比較し、アメリカのデータ(2000年版)との比較も行われた。コーディング、制度、サービス供給パターンの違いはなお考慮すべき入院期間は、1指標(帝王切開時の外傷)を除き、対照群よりも症例群のほうが長かった(各指標値:0.2~17.1日、P

4151.

ボーナス付きP4Pが住民健康格差を解消

イギリスでは2004年に、開業医に対して新たにQOF(quality and outcomes framework)という診療報酬支払制度(P4P:pay for performance)が導入された。プライマリ・ケアの構成、プロセス、予後を135のパフォーマンス指標(現在)で評価し、指標の目標値達成の場合ボーナスが支給されるというもので、契約開業医の年収は30%強増したと言われている。指標の大半は健康保持・増進、疾病予防に関するもので、慢性疾患を有する45歳以上の全患者については血圧モニタリングが毎年義務づけられている。この制度導入には、生活レベルの異なる地域住民間の健康格差解消も期待されていた。ロンドン大学医療・社会・ケア調査部門/一般診療・プライマリ・ケア部門のMark Ashworth氏らが、導入後3ヵ年(2005~2007年)の推移について調査をしたところ、ねらいどおりの変化が起きていることが報告された。BMJ誌2008年11月22日号(オンライン版2008年10月17日号)掲載より。最低所得層と最高所得層とにあった平均血圧値の差異1.7%が3年後には0.2%に調査は、各年受診患者の診療データから、血圧値と慢性疾患の有病率を評価し行われた。評価には、QOFデータ、2001年国勢調査に基づく所得スコア(5段階)・民族データ、一般診療特性データを含む。2004-2005年8,515例(全診療データの99.3%)、2005-2006年8,264例(98.3%)、2006-2007年8,192例(97.8%)の診療データが解析された。2005年に血圧値が記録された成年者は82.3%(n=52.8 million)だったが、2007年までにこの比率は88.3%(n=53.2 million)まで上昇した。また当初、最低所得層と最高所得層との間に1.7%の平均血圧値の差異があったが、3年後には0.2%に狭まっていた。目標血圧値達成率も差異が解消2005年の糖尿病、虚血性心疾患における目標血圧値達成率は、最高所得層ではそれぞれ71.0%(95%信頼区間:70.4%~71.6%)、85.1%(84.7%~85.6%)だったのに対し、最低所得層では68.9%(68.4%~69.5%)、81.8%(81.3%~82.3%)であった。それが3年後には、最高所得層で78.6%(78.1%~79.1%)、89.4%(89.1%~89.7%)に上昇する一方、最低所得層も同様に上昇し79.2%(78.8%~79.6%)、88.4%(88.2%~88.7%)の達成率となっていた。同様の変化は、高血圧、脳血管疾患、慢性腎疾患でも観察された。このためAshworth氏は「2004年に導入されたP4Pは、血圧モニタリングおよびコントロールの大幅な改善に結びついている。所得間であった差異の解消ももたらされた」と結論している。

4152.

子宮頸がん予防ワクチンのCervarixがオランダの国民予防接種プログラムに組み入れ

グラクソ・スミスクライン株式会社は11月28日、オランダのNetherlands Vaccine Institute (NVI)が、オランダ国民に対する子宮頸がん予防接種プログラムのためのワクチンとして、英グラクソ・スミスクラインplc(GSK)の子宮頸がん予防ワクチンCervarixを選択したと発表した。この予防接種プログラムは、12歳の女児全員の接種を目的としており2009年9月より開始されているもの。このプログラムのためのCervarixはGSKが供給する。また、オランダのより幅広い女児においてヒトパピローマウイルス(HPV)感染と子宮頸がんのリスクを減少させることを目的としたキャッチアップ・プログラムも2009年の前半中に13歳から16歳までの女児全員を対象に実施される。12歳の女児を対象とする予防接種プログラムでは、初年度に合計35万人の女児がCervarixを接種することが推定されているという。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2008_07/P1000511.html

4153.

多発性硬化症はアジア人患者の認知機能に影響するのか

バイエル薬品株式会社は2日、多発性硬化症(MS)が欧米人患者と同様に、アジア人患者の認知機能に大きな影響を与えることが新たに示されたと発表した。 このデータは、11月21、22日にクアラルンプール(マレーシア)で開催された、第1回パンアジア多発性硬化症治療研究学術会議(PACTRIMS: Pan-Asian Committee for Treatment and Research in Multiple Sclerosis)にて発表されたもの。これまでMS患者の認知機能に関する研究のほとんどは、欧米の患者さんを対象としたものであったが、PACTRIMSで発表されたCogniMS試験(アジア人早期MS患者の神経心理学的特性に関する初めての報告)の最新データでは、PASAT(Paced Auditory Serial Addition Test:知的機能と認知機能を評価するツール)によると、アジアでは20%に近いMS患者が認知機能障害を有する可能性があることがわかったという。また、韓国、台湾、タイで111名が参加したこの試験では、55%の患者さんが倦怠感を、25%が鬱を疑われるスコアが示された。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2008%2Fnews2008-12-02.html

4154.

イチョウ葉エキスに認知症予防効果なし

イチョウ葉エキス(学術名:ギンコウ・ビロバ)サプリメントには、認知症の発症予防効果はないようだ。米National Center for Complementary and Alternative MedicineのSteven T. DeKosky氏らが、5ヵ所の医療施設で行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験で明らかにしたもので、JAMA誌2008年11月19日号で発表された。ギンコウは、認知力や記憶力の温存に効果があるとして広く使われているものの、これまで、その効果の有無を示す適切な研究は少なかった。3,000人超を約6年間追跡DeKosky氏らは、2000~2008年にかけて、75歳以上で、認知度が正常(2,587人)または軽度認知機能障害(482人)の合計3,069人を、無作為に2群に分け、一方にはギンコウ・ビロバ120mgを1日2回、もう一方にはプラセボを投与した。追跡期間の中央値は、6.1年。試験期間中、認知症を発症したのは、ギンコウ群で277人、プラセボ群で246人だった。そのうち92%が、アルツハイマー性認知症の可能性、または脳血管疾患を伴うアルツハイマー性認知症だった。認知症、アルツハイマー性認知症の発症率ともに有意差なしギンコウ群とプラセボ群の原因を問わない認知症発症率はそれぞれ、3.3人/100患者年と2.9人/100患者年で、両群に有意差はなかった(ハザード比:1.12、95%信頼区間:0.94~1.33、p=0.21)。また、アルツハイマー性認知症の同ハザード比も、1.16(95%信頼区間:0.97~1.39、p=0.11)と、両群で有意差は見られなかった。試験開始時に軽度認知機能障害のあった人の認知症発症について見てみたが、同じく両群に有意差はなかった(ハザード比:1.13、95%信頼区間:0.85~1.50、p=0.39)。一方、出血性脳卒中の発症件数が、ギンコウ群で16件とプラセボ群8件の2倍だったが、両群に有意差はなかった。その他、出血や冠動脈性心疾患、脳卒中などといった有害事象についても、有意差は見られなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

4155.

4価HPVワクチンGARDASILに、男性に対する外性器病変の予防効果

万有製薬株式会社は25日、子宮頸がんを予防する4価HPVワクチンARDASILの男性に対するG臨床試験結果から、16~26歳の男性に対して、HPV6、11、16、18型に起因する外性器病変の90%を予防する効果が示されたと発表した。この試験は、世界で初めてHPVワクチンの男性に対する疾患予防効果を評価したもので、結果は、フランスのニースで開催されたEUROGIN(European Research Organization on Genital Infection and Neoplasia)学会で発表された。詳細はプレスリリースへhttp://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2008/merck_1125.html

4156.

注射薬の使用状況とHIV有病率に関連はあるか?

最近10年で注射薬の使用国が増加しており、注射薬使用者はHIV有病率が高く、これは実質的に世界規模の保健課題であることが、Bradley M Mathers氏ら国連の委託によるHIVおよび注射薬使用に関する研究グループ(Reference Group to the UN on HIV and Injecting Drug Use)の系統的なレビューで明らかとなった。Lancet誌2008年11月15日号(オンライン版2008年9月24日号)掲載の報告。注射薬使用国148ヵ国、使用者1,590万人のうちHIV陽性者約300万人注射薬はほとんどの国でHIV感染の原因としての重要性が増大している。研究グループは、15~64歳の人々の注射薬の使用状況および注射薬使用者のHIV有病率の調査を行った。審査論文データベース(Medline、EmBase、PubMed/BioMed Central)、インターネット、限定配布論文(grey literature)のデータベースを系統的に検索し、国連機関および国際的な専門家にデータの提供を要請した。1万1,022文献をレビューし、重要度を評価してカテゴリー別に分類した。注射薬を使用していたのは148ヵ国であった。アフリカ、中東、ラテンアメリカ諸国の多くからは注射薬の使用量に関するデータは得られなかった。注射薬使用者のHIV感染のデータは120ヵ国が報告していた。61ヵ国で注射薬の推定使用量が確定され、これは世界の15~64歳の全人口の77%に相当した。外挿による推定では、世界で1,590万(1,100~2,120万)人が注射薬を使用していることが示唆された。注射薬使用者が最も多いのは中国、アメリカ、ロシアであり、そのHIV有病率の推定値はそれぞれ12%、16%、37%であった。注射薬使用者のHIV有病率が20~40%の国は5ヵ国、40%以上の国は9ヵ国であった。使用者のうち約300万(80万~660万)人がHIV陽性であった。著者は、「最近10年で注射薬の使用国が増加しており、注射薬使用者はHIV有病率が高く、これは実質的に世界規模の保健課題である」と結論したうえで、「しかし、既存のデータは質・量ともに決して十分ではない。特に、HIV感染様式としての注射薬使用の重要性が多くの地域で増大している現状では、まったくもって不十分といえる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

4157.

社会政策の寛容性が、幼児死亡率、高齢者超過死亡率を改善

 保健医療においては、社会政策をいかに制度設計するかとともに、どの程度の寛容性をもたせるかが重要なことが、北欧で実施されたNEWS(Nordic experience of welfare states and public health)プロジェクトの解析結果により明らかとなった。保健医療に関する重要な社会的決定要因の多くは社会政策の中心をなすものでもある。高所得国はいずれも社会保障プログラムを持つが、その制度設計や寛容性には国によって明確な違いが見られ、これらの差は特に子どもや高齢者の貧困率の各国間のばらつきにおいて明らかだという。スウェーデン・Stockholm 大学/カロリンスカ研究所医療公平化研究センターのOlle Lundberg氏が、Lancet誌2008年11月8日号で報告した。夫婦共働き家庭支援の寛容性増大により子どもの死亡率が低下 研究グループは、家族政策や年金政策の各国間の違いがどの程度になれば幼児死亡率や高齢者の超過死亡率に差が生じるかについて調査した。 幼児死亡率、高齢者の超過死亡率が、社会政策の特徴や寛容性といかに関連するかを解析した。経済協力開発機構(OECD)加盟18ヵ国における1970~2000年の家族政策および1950~2000年の年金政策について横断的で時系列的なプール解析を行った。 夫婦共働き家庭を支援する家族政策の寛容性が増大するほど子どもの死亡率が低下したのに対し、旧来の就業男性と専業主婦女性の家族を支援する家族政策の寛容性が増大しても幼児死亡率は改善しなかった。夫婦共働き家庭の支援を1%増大させると、幼児死亡率が1,000出生当たり0.04低下した。 基本保障型の年金の寛容性が増大すると高齢者の超過死亡率が低下したのに対し、所得額に比例して支給される所得保障年金の寛容性が増大してもそのような効果は得られなかった。基本保障年金を1%増大させると、高齢者の超過死亡率が男女ともに0.02低下した。 著者は、「保健医療においては、社会政策をいかに制度設計するかとともに、どの程度の寛容性をもたせるかが重要である」と結論し、「それゆえ、保健医療の社会的決定要因への取り組みには、社会政策がきわめて重要となる」と指摘する。

4158.

長期追跡試験PETRO-Exの結果が米国心臓病協会で発表される

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は17日、発作性・持続性・慢性(永続性)心房細動(AF)患者における血栓塞栓症イベント発症予防に関するプラダキサ(ダビガトラン エテキシラート)の長期臨床試験データが、米国心臓協会(AHA)第80回年次総会で発表されたと伝えた。発表されたPETRO-Ex試験は、PETRO試験(the Prevention of Embolic and Thrombotic Events Study in Patients with AF Randamised to dabigatran)の延長試験として、ダビガトラン投与患者を非盲検で追跡したもの。デンマーク、オランダ、スウェーデン、米国などからの53施設で登録された、心房細動(AF)およびその他少なくとも1つ以上の脳卒中発症危険因子を持つ患者361人を対象としている。追跡期間は平均29ヵ月間、最長では51ヵ月にわたり、新規経口抗凝固剤の試験として最も長いものとなる。PETRO試験およびPETRO-Ex試験では、ダビガトラン150mgおよび300mg 1日2回投与群での血栓塞栓症イベント発症率は低く、大出血は300㎎1日2回投与群で増加傾向が見られ、ダビガトラン投与群で臨床的に問題となる肝機能異常は見られなかったという。詳細はプレスリリースへhttp://www.boehringer-ingelheim.co.jp/news/p-release/08_1117.html

4159.

6歳未満の血友病A患者を対象としたアドベイトの臨床試験の結果が発表される

バクスター株式会社は、10月29日に米国本社が治療歴のある6歳未満の重症中等症および重症血友病A患者(PTPs)を対象とした、アドベイト(プラズマ/アルブミンフリー製法による遺伝子組換え型抗血友病因子)の臨床試験の結果を発表した。アドベイトは、世界で唯一の血液由来成分を添加しない完全長の遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤。この試験は、治療歴のある重症中等症および重症血友病Aの小児患者(PTPs)53人を対象として実施された。アドベイトを1回または2回投与することにより、出血症状の90%以上を管理でき、94%近くの出血エピソードの止血効果は、「著効」または「有効」と判定されたという。 試験結果は、8月号のJournal of Thrombosis and Haemostasis(国際血栓止血学会誌)に掲載されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.baxter.co.jp/about_baxter/news_room/news_releases/2008/081029.html

4160.

ビタミンEには心血管イベントの予防効果はない

 アスピリン、抗酸化サプリメントを、単独もしくは組み合わせて服用しても、心血管イベントの減少には結びつかないことが報告された。スコットランドの16病院・188開業医グループが参加して行われたPOPADAD試験(prevention of progression of arterial disease and diabetes trial)からの報告。BMJ誌2008年11月1日号(オンライン版2008年10月16日号)にて掲載された。糖尿病患者1,276例を2×2無作為化 POPADAD試験は多施設共同無作為化二重盲検2×2プラセボ対照試験で、「1型もしくは2型糖尿病」「40歳以上」「上腕血流比0.99未満」「無症候性末梢動脈疾患」に該当する患者1,276例が参加し行われた。 被験者は、「アスピリン100mg/日+抗酸化サプリ」(320例)、「アスピリン100mg/日+プラセボ」(318例)、「プラセボ+抗酸化サプリ」(320例)、「プラセボ+プラセボ」(318例)のいずれかに割り付けられ、プライマリエンドポイントは(1)虚血性心疾患あるいは脳卒中による死亡、無症候性心筋梗塞あるいは脳卒中、虚血による上下肢切断、(2)虚血性心疾患あるいは脳卒中による死亡、の2階層を指標に評価が行われた。 投与された抗酸化サプリメントは、ビタミンE 200mg、ビタミンC 100mg、ビタミンB6 25mg、亜鉛10mg、ニコチンアミド10mg、脂質9.4mg、ナトリウム0.8mgを成分とする。アスピリン、抗酸化サプリの単独・組み合わせいずれも効果を見いだせず 主要イベントの発生は、アスピリン投与群で18.2%(116/638例)、非アスピリン投与群では18.3%(117/638)、両群間のハザード比は0.98倍(95%信頼区間:0.76~1.26)だった。虚血性心疾患あるいは脳卒中による死亡は、アスピリン投与群6.7%(43/638例)、非アスピリン投与群5.5%(35/638)、ハザード比は1.23倍(0.79~1.93)。 一方、抗酸化サプリ投与群間では、投与群18.3%(117/640例)、非投与群18.2%(116/636例)で、ハザード比は1.03倍(95%信頼区間:0.79~1.33)。虚血性心疾患あるいは脳卒中による死亡は、投与群6.6%(42/640例)、非投与群5.7%(36/636例)で、ハザード比は1.21倍(0.78~1.89)であった。 本試験では、アスピリンと抗酸化サプリの相互作用を示すエビデンスを見出すこともできなかった。研究グループは、「糖尿病患者の心血管イベント発症および死亡の一次予防としてのアスピリン、抗酸化サプリ服用を推奨するエビデンスを本試験では得られなかった」と結論している。

検索結果 合計:4273件 表示位置:4141 - 4160