前立腺がん診断、高リスクを検出しやすい生検法/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2015/02/13

 

 前立腺がんの診断能について、標準的な6分割法の超音波ガイド下生検と比較して、標的MR/超音波融合ガイド下生検は、高リスクの前立腺がんの検出を増大し、低リスクの検出を減少することが明らかにされた。米国立がん研究所(NCI)のM. Minhaj Siddiqui氏らが、前立腺がん疑いの男性1,003例を対象に行った前向きコホート研究の結果、報告した。今回の結果を踏まえて著者は、さらなる検討を行い、標的生検の臨床的適用を明らかにする必要があると述べている。JAMA誌2015年1月27日号掲載の報告より。

1,003例について、リスク分類能を比較
 試験は2007~2014年にNCIで行われた。被験者は、PSA値上昇またはデジタル直腸診の異常で紹介されてきた前立腺がんが疑われる患者1,003例で、陰性の既往生検を有する者も含まれていた。

 患者は、MP-MRIにより前立腺がん病変部位を特定された後、標的MR/超音波融合生検と同時に標準生検を受けた。

 可能な限り前立腺切除後の全病理をゴールドスタンダードとして、標的生検と標準生検のリスク分類能を比較した。

 試験の主要目的は、高リスク前立腺がん(グリーソン分類スコア4+3以上)の検出に関する、標的生検vs.標準生検の比較であった。副次エンドポイントは、低リスク前立腺がん(同スコア3+3または3+4)の検出、生検の切除時全前立腺病理の予測能とした。

標的生検は高リスク検出と切除時全前立腺病理の予測能に優れる
 標的生検と標準生検の病理リスク分類の一致評価は、生検を受けた患者のうち690例(69%)で行われた。

 標的生検は461例の前立腺がんを、標準生検は469例を診断し、診断能は同等であった。

 しかし、標的生検のほうが標準生検と比べて、高リスク前立腺がんを検出した割合が30%高かった(173 vs.122例、p<0.001)。一方で、低リスクの検出割合は17%低かった(213 vs. 258例、p<0.001)。

 両者の生検法を合わせる検討を行ったところ、さらに103例(22%)にリスク分類ができた。それらの大半は低リスクであった(低リスク83%、中リスク12%、高リスク5%)。

 対象170例で評価がされた切除時全前立腺病理の予測能は、標的生検(AUC値0.73)が、標準生検(同0.59)および両者の組み合わせ(同0.67)よりも有意に優れることが示された(全比較のp<0.05)。

(武藤まき:医療ライター)