統合失調症患者の再発を予測することは可能か?

提供元:ケアネット

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公開日:2013/01/25

 

 統合失調症は再発を繰り返すことで重症化する。もし、再発を予期することができれば、重症化を防ぐことが可能かもしれない。フランス・エクス=マルセイユ大学のLaurent Boyer氏らは、自己報告式健康状態調査票(SF36)やQOLI(Quality of Life Interview)により評価したQOLで統合失調症患者の再発を予測できるかどうかを検討した。BMC psychiatry誌2013年1月9日号の報告。

 フランス、ドイツ、イギリス(European Schizophrenia Cohort:EuroSC)で実施した多施設コホート研究のデータを利用した。Cox比例ハザードモデルを実施し、ベースラインのQOLと24ヵ月間の再発との関連を推定した(年齢、性別、PANSS、GAF、薬物治療、副作用、コンプライアンスの程度で調整)。

 主な結果は以下のとおり。

・1,024例中、期間中に少なくとも1回の再発が認められた患者は540例(53%)、再発が認められなかった患者484例(47%)であった。
・QOLレベルは再発を予測する最も重要な特徴であった。
・QOLレベルが高いと24ヵ月後の再発率が低下することが予測できた。SF36身体関連スコア:HR=0.82(0.74~0.91)、p<0.001、SF36精神関連スコア:HR=0.88(0.81~0.96)、p=0.002。
・これらの結果はQOLIでは確認できなかった [HR=0.91(0.81~1.01)、p=0.083]。
・程度は少ないが、高齢、より良好な機能、より高いコンプライアンススコアは24ヵ月後の再発率低下を予測していた(HRs:0.97~0.98、p<0.05)。
・SF36 で評価したQOLは、統合失調症患者の24ヵ月後の再発を予測する独立した因子であった。

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(ケアネット 鷹野 敦夫)