デンマークの医療データベースを使用したコホート研究によると、蕁麻疹患者はそうでない人と比較して、診断後1年間でがんに罹患するリスクが49%高く、その後の数年間でも6%のリスク増が見られたという。デンマーク・オーフス大学病院のSissel B. T. Sorensen氏らによる本研究は、British Journal of Dermatology誌オンライン版2024年6月27日号に掲載された。
研究者らは、デンマークの医療登録データを使用して遡及的コホート研究を実施し、蕁麻疹患者のがん罹患リスクと一般集団のリスクを比較した。1980~2022年に病院の外来、救急外来、入院において初診で蕁麻疹と診断された8万7,507例(女性が58%)を特定した。追跡期間中央値は10.1年だった。非黒色腫皮膚がんを含む偶発がんは、デンマークがん登録を使用して特定され、診断時の転移の程度によって分類された。蕁麻疹診断後 1 年内のがん罹患の絶対リスク、およびデンマークの全国がん罹患率で標準化された95%信頼区間(CI)と標準化罹患比(SIR)を計算した。