CD55欠損症(CHAPLE症候群)、pozelimabが有効/Lancet
補体因子C5に対する完全ヒト型IgG4P抗体であるpozelimabの皮下投与は、補体の過剰活性化を阻害し、CD55欠損症(CHAPLE症候群)の臨床症状および検査所見を消失させたことが、トルコ・マルマラ大学のAhmet Ozen氏らによる第II相および第III相多施設共同非盲検単群ヒストリカル対照試験の結果で示された。CD55欠損症は、CHAPLE(CD55 deficiency with hyperactivation of complement, angiopathic thrombosis, and protein-losing enteropathy)症候群とも呼ばれ、補体の過剰な活性化による腸管のリンパ管障害、リンパ管拡張症および蛋白漏出性胃腸症を特徴とするきわめてまれな生命を脅かす遺伝性疾患である。この希少遺伝性疾患であるCHAPLE症候群に対して、pozelimabは現時点での最初で唯一の治療薬として見いだされ、有効性と安全性の評価が行われた。著者は、「既知の原因が除外された蛋白漏出性胃腸症の患者では、CD55欠損症の検査を考慮し、CHAPLE症候群と診断された場合は早期にpozelimabによる治療を検討すべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2024年1月23日号掲載の報告。