外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:6

転移膵がんへの新規汎RAS阻害薬daraxonrasib、OS・PFSを2倍に(RASolute 302)/ASCO2026

 転移のある膵がんは有効な治療が限られ、きわめて予後が悪いことで知られるが、ここに有望な薬剤が登場した。新規経口RAS(ON)阻害薬daraxonrasibは、KRAS G12D/V/Rを含む汎RASを阻害することが特徴で、膵管腺がんの90%以上でRAS経路異常が認められる。daraxonrasibの有用性を検討したRASolute 302試験の結果が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)のプレナリーセッションで発表され、米国・ダナファーバーがん研究所のBrian M. Wolpin氏による発表後にはスタンディングオベーションが起こり、結果はNEJM誌オンライン版2026年5月31日号に同時掲載された。

HER2+転移乳がん1次治療、T-DXd+PによるCR/deep PRが長期PFS改善と関連(DESTINY-Breast09)/ASCO2026

 HER2+の進行または転移を有する乳がん患者の1次治療として、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)+ペルツズマブ併用療法の有用性を評価した第III相DESTINY-Breast09試験の探索的解析の結果、半数以上の患者が完全奏効(CR)または腫瘍縮小率の高い部分奏効(deep PR)を達成し、CRおよびdeep PRの達成は長期的なアウトカムの改善と関連していたことを、韓国・成均館大学校のYeon H. Park氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。  DESTINY-Breast09試験のこれまでの解析において、T-DXd+ペルツズマブ併用療法はタキサン+トラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法(THP群)と比較してCR率がほぼ倍増し、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長したことが報告されている。

高リスクER+/HER2-早期乳がん、Prosignaで化学療法省略を判断できるか/ASCO2026

 エストロゲン受容体陽性/HER2陰性(ER+/HER2-)でリンパ節転移陽性例を中心とした早期乳がんに対し、Prosigna(PAM50)による再発リスク(Risk of Recurrence:ROR)スコアを用いることで化学療法の必要性を判断できるかどうかを検討した第III相OPTIMA試験の結果を、英国・NIHR University College London Hospitals Biomedical Research CentreのRobert C. Stein氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。本試験により、RORスコアが低い患者では化学療法を安全に省略できる可能性が示された。

日本のがん死亡率低下も、大腸がん・膵がん・子宮頸がんは依然高水準

 日本では全がんの年齢調整死亡率(ASR)が着実に低下している一方で、大腸がん、膵がん、子宮頸がんなど一部のがん種では依然として国際的に高い死亡率が続いていることが明らかになった。胃がんと肝がんでは大幅な改善が認められたものの、予防や検診による死亡率低下が期待されるがん種において十分な成果が得られていない実態が浮き彫りとなった。国立がん研究センターの片野田 耕太氏らによる本研究の結果はJapanese Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年3月5日号に掲載された。

HR+/HER2+早期乳がん、de-escalation術前療法でも良好な長期予後(WSG TP-II)/JCO

 HR+/HER2+の早期乳がんにおいて、術前療法としてトラスツズマブ+ペルツズマブにパクリタキセルまたは内分泌療法(ET)を併用した第II相WSG TP-II試験の結果、ET併用群でも良好な長期生存アウトカムが得られたことが、ドイツ・Evangelisches Krankenhaus Bethesda KlinikのOleg Gluz氏らにより示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年5月18日号掲載の報告。  本試験は、手術可能なHR+/HER2+乳がん患者を対象に、トラスツズマブ+ペルツズマブの術前療法(12週間)に加え、パクリタキセル(週1回)またはETの併用が、病理学的完全奏効(pCR)や全生存期間(OS)などに及ぼす影響を評価した第II相多施設共同無作為化非盲検試験。

医師のランチ事情、ベテランは「時短」、若手は「節約」を優先/医師1,000人アンケート

 日々の外来や手術、急患対応などに追われる医師の勤務環境において、「昼食(ランチ)」は貴重な休息とエネルギー補給の時間である。しかし、急な呼び出しや処置の延長など、業務の都合に左右されやすい。今回、CareNet.comでは「医師のランチ事情」と題したアンケートを実施し、勤務日の昼食時間や内容、仕事による中断の頻度、ランチ選びの優先事項などを聞いた。対象はケアネット会員医師1,012人で、20代以上の各年代層から回答を得た。

T2D合併肥満患者、セマグルチドvs.減量手術

 糖尿病(T2D)と肥満を合併する患者が多いことはよく知られている。こうした患者では、肥満治療薬と減量手術のどちらを利用し、その医療費、臨床転帰はどのようになるだろう。このテーマについて、米国のニューヨーク大学グロスマン医学部公衆衛生学科のKaran R. Chhabra氏らの研究グループは、T2Dと肥満を合併する患者におけるセマグルチドと減量手術の費用と臨床転帰の比較を検討した。その結果、減量手術は3年間の自己負担額が少なく、総医療費は同程度であり、長期的な主要心血管イベント(MACE)発生率も低いことが示された。Obesity誌オンライン版2026年5月6日に掲載。

プレハビリテーションにより術後合併症が減少

 手術前に、運動や栄養管理をベースにしたプレハビリテーションを実施することで、術後合併症のリスクが大幅に低下することが、新たな研究で明らかになった。そのようなプレハビリテーションを実施した患者では、術後の入院期間も半日程度短縮したという。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デヴィッド・ゲフィン医科大学のJustine Lee氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American College of Surgeons」に4月29日掲載された。Lee氏は、「今回の結果は、特に合併症リスクの高い患者や、手術前に追加のサポートが有益と考えられる患者に対するプレハビリテーションプログラムの有用性を裏付けるものだ」と述べている。

1回の大腸内視鏡検査、長期の罹患率と死亡率を改善するか/Lancet

 1回の大腸内視鏡スクリーニングは、13年にわたり大腸がんの罹患率を有意に抑制するが、死亡率には影響を及ぼさないことが、ポーランド・Maria Sklodowska-Curie National Research InstituteのMichal F. Kaminski氏らが実施した「NordICC試験」の長期追跡調査で示された。研究の成果は、Lancet誌2026年5月9日号で報告された。  NordICC試験は、欧州4ヵ国(ノルウェー、ポーランド、スウェーデン、オランダ)で実施した住民ベースの無作為化対照比較試験(Norwegian Research Councilなどの助成を受けた)。  2009年6月~2014年6月に、各国レジストリから55~64歳の8万4,583例を抽出した(今回の解析にはオランダのデータは含まなかった)。