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ドネペジル+メマンチン、アルツハイマー病への効果はどの程度?

 アルツハイマー病(AD)において、メマンチンとコリンエステラーゼ阻害薬との併用はどの程度のベネフィットが期待できるのか。米国・マサチューセッツ総合病院のAlireza Atri 氏らは、AD患者におけるドネペジルとメマンチンの併用療法の有効性と安全性について検討を行った。その結果、両薬剤の併用は統計学的有意かつ臨床的に意義のある効果をもたらし、忍容性も良好であることを報告した。Alzheimer's Research & Therapy誌オンライン版2013年1月21日号の掲載報告。

抗うつ薬を使いこなす! 種類、性、年齢を考慮

 抗うつ薬の血中濃度は種類ごとに、性および年齢の影響を有意に受けている。このことが、ドイツ・ヴュルツブルク大学病院のS. Unterecker氏らによる自然条件下にて評価した治療薬物モニタリング(TDM)の結果、明らかにされた。抗うつ薬のTDMデータの評価は多くの場合、精神疾患の既往や身体的合併症のない均一サンプルを選択して行われており、日常診療では限界を有する可能性があることから、研究グループは自然条件下にての評価を行った。Journal of Neural Transmission誌オンライン版2012年12月20日号の掲載報告。

検証!統合失調症患者の睡眠状態とは

 統合失調症患者では、睡眠状態に問題を抱えることがしばしば見られる。また、睡眠状態が統合失調症の各症状に影響を及ぼす可能性もある。ポルトガル・リスボン精神病院センターのPedro Afonso氏らは、睡眠パターンや睡眠の質、QOLに関して、統合失調症患者と健常者で違いがあるかを検討した。The world journal of biological psychiatry : the official journal of the World Federation of Societies of Biological Psychiatry誌オンライン版2013年1月15日号の報告。

難治性双極性障害患者への併用療法は?

 双極性障害に適応を有する薬剤はいくつか承認されているが、薬物治療に奏功しないケースも少なくない。A González Isasi氏らは、難治性双極性障害患者に対し、標準的薬物治療に心理教育や認知行動療法を併用することの有用性に関して、5年間の追跡調査を行い評価した。European psychiatry : the journal of the Association of European Psychiatrists誌オンライン版2012年12月28日号の報告。

アリピプラゾールの聴覚認知機能改善に対する影響は?

 これまでに、認知障害は統合失調症の中心的な症状とみなされ、認知機能は症状レベルよりも機能性アウトカムの、より良好な予測因子であることは明らかであった。また、聴覚に関する認知機能の早期異常には、ミスマッチ陰性電位(MMN)が関連することがわかっていた。中国・南京医科大学のZhenhe Zhou氏らは、これまで明らかになっていなかった統合失調症患者におけるMMNへのアリピプラゾールの効果について検討した。PLoS Oneオンライン版2013年1月号の掲載報告。

高齢者介護ロボット、認知症対応でも効果を発揮できる?

 ニュージーランド・オークランド大学のHayley Robinson氏らは、新たに開発されている高齢者介護ロボット「Guide robot」について、すでに介護ロボットとして成功しているアザラシ型「パロ」との比較で、認知症高齢者および介護スタッフへの適合性について調査した。その結果、認知症高齢者介護ロボットはシンプルかつ刺激的で楽しさをもたらしてくれるものでなければならないなど、改善のための示唆が得られたことを報告した。また本検討では、「パロ」の改善すべき点も明らかになったという。Journal of American Medical Directors Association誌2013年1月14日号の掲載報告。

新規抗うつ薬「ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬」その実力とは?

 新規抗うつ薬として注目されるノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬(NDDI)であるアゴメラチン。オーストリア・ウィーン医科大学のSiegfried Kasper氏らは、アゴメラチンの有効性および忍容性を評価するため、SSRIやSNRIとの各種比較試験より解析を行った。International clinical psychopharmacology誌2013年1月号の報告。

抗精神病薬誘発性の体重増加に「NRI+ベタヒスチン」

 統合失調症患者では体重増加がしばしば問題となる。中枢神経系経路における食欲や体重を調節する薬剤としてレボキセチン(選択的ノルエピネフリン再取り込み阻害薬)、ベタヒスチン(ヒスタミンH1受容体アゴニスト/H3受容体アンタゴニスト)が補完的薬剤として期待されている。Michael Poyurovsky氏らは、プラセボ対照二重盲検比較試験においてレボキセチンとベタヒスチンの併用が統合失調症患者のオランザピン誘発性体重増加を減弱させるかどうかを検討した。Psychopharmacology誌オンライン版2012年12月13日号の報告。

抗てんかん薬、神経膠腫術後患者の言語記憶を改善

 抗てんかん薬投与を受ける悪性度の高い神経膠腫(high-grade glioma、HGG)の患者について、認知機能の低下などさまざまな有害事象が報告されている。しかし従来薬、新薬ともに抗てんかん薬の認知機能への影響について、これまで大部分が不明であった。オランダ・VU University Medical CenterのMarjolein de Groot氏らは、HGG術後患者に対する抗てんかん薬の認知機能への影響を調べた。Neuro Oncology誌オンライン版2012年12月11日号の掲載報告。

EPA/DHAはADHD様行動を改善する可能性あり?

 ノルウェー・オスロ大学のKine S Dervola氏らが行ったラット試験の結果、ADHDに対し、ω3(n-3系)多価不飽和脂肪酸(PUFA)のサプリメントを投与することにより、挙動や神経伝達物質代謝について、性特異的な変化をもたらすことが示された。先行研究において、n-3系PUFAサプリメントがADHD様行動を減じる可能性が示唆されていた。Behavioral and Brain Functions誌オンライン版2012年12月10日号の掲載報告。

オキシトシン鼻腔内投与は、統合失調症患者の症状を改善

 統合失調症患者に対して、オキシトシンを投与することで症状改善につながるとの先行研究がある。しかし、それらは短期間の研究にとどまっており、統合失調症患者に対するオキシトシン投与について、3週間超のエビデンスは存在しなかった。イラン・テヘラン医科大学Roozbeh精神病院のAmirhossein Modabbernia氏らは、リスペリドンによる治療を受けている統合失調症患者にオキシトシン鼻腔内スプレーを8週間併用し、有効性と忍容性についてプラセボと比較検討した。その結果、オキシトシン鼻腔内投与により統合失調症患者の症状、なかでも陽性症状が著明に改善されることを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2012年12月12日号の掲載報告。

双極性障害の再発予防に対し、認知療法は有効か?

 双極性障害患者は薬物療法を継続してもなお、再発するケースが少なくない。再発抑制を目指し、近年注目されているのがマインドフルネス認知療法(MBCT)である。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のT Perich氏らは、12ヵ月間のフォローアップを行ったランダム化比較試験により、双極性障害患者の治療におけるMBCTの有用性を検証した。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2012年12月9日号の報告。

第一世代 vs 第二世代抗精神病薬、初回エピソード統合失調症患者に対するメタ解析

 初回エピソードの統合失調症スペクトラム障害の治療では、早期治療の選択が重要である。米国・ザッカーヒルサイド病院のJian-Ping Zhang氏らは統合失調症スペクトラム障害患者における第一世代抗精神病薬(FGAs)と第二世代抗精神病薬(SGAs)の有効性および忍容性をメタアナリシスにより比較検討を行った。The international journal of neuropsychopharmacology / official scientific journal of the Collegium Internationale Neuropsychopharmacologicum (CINP)誌オンライン版2012年12月3日号の報告。

長時間作用型注射製剤は、統合失調症患者の入院減少と入院期間短縮に寄与

 大塚アメリカファーマシューティカル社のSteve Offord氏らは、長時間作用型注射製剤または経口の抗精神病薬による治療を開始した統合失調症患者について、入院と再発の状況を評価した。その結果、長時間作用型注射製剤による治療は入院回数、入院日数とも著明に減少させることを報告した。Journal of Medical Economics誌オンライン版2012年11月28日号の掲載報告。

鎮静目的のハロペリドール単独使用のエビデンスは蓄積されたのか?

 ハロペリドール単独での精神疾患による攻撃性や興奮症状に対する鎮静効果に関するレビューの結果、他のあらゆる選択肢がない場合に筋注投与は救命手段になりうるが、副作用を相殺する併用薬が入手可能であるにもかかわらず単独投与する場合は、極限の非常事態であっても非倫理的とみなされる可能性があることなどが明らかにされた。英国・マンチェスター大学のMelanie J Powney氏らにより報告された。Cochrane Library 2012年11月14日の発表報告。

統合失調症患者の脳組織喪失に関わる脂肪酸、薬剤間でも違いが

ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)は脳内の細胞シグナルカスケードにおいて重要な役割を持つ脂肪酸である。通常の老化における脳組織の喪失は、多価不飽和脂肪酸(PUFA)の膜異常が関連していると言われている。また、統合失調症患者ではPUFAの膜異常が報告されている。van der Kemp氏らは、統合失調症患者の脳組織の喪失にPUFAが関連しているかについて、システマティックレビューおよびメタアナリシスを行った。その結果、統合失調症患者では赤血球膜におけるPUFA濃度の減少が認められ、使用する薬剤によっても違いがあることが明らかとなった。Schizophr Res誌2012年11月号の報告。

統合失調症の遂行機能改善に有望!グルタミン酸を介した「L-カルノシン」

統合失調症における遂行機能障害を改善するグルタミン酸を介した補助的治療として、抗酸化・抗糖化剤L-カルノシンは検討に値する可能性があることが明らかになった。米国・ピッツバーグ大学医学校のChengappa氏らが予備的な無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。Schizophr Res誌オンライン版2012年10月22日号の報告。

CKD患者の血圧管理:ARBで降圧不十分な場合、増量か?併用か?

 CKD患者の血圧管理においてARB単剤で降圧目標130/80mmHg未満に到達することは難しい。今回、熊本大学の光山氏らは、日本人対象の無作為化比較試験のサブ解析の結果、ARB単剤で降圧不十分時にARBを増量するより、Ca拮抗薬を併用したほうが心血管系イベントや死亡といったリスクを回避しやすいことを示唆した(Kidney International誌オンライン版10月10日号掲載報告)。