循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:252

日本初のARB/CCB/利尿薬の3剤合剤降圧薬を発売

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野 吉晃、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)とアステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は2016年11月18日、「ミカルディス錠」(AT1受容体拮抗薬(ARB)、持続性カルシウム拮抗薬(CCB)アムロジピンベシル酸塩およびチアジド系利尿薬ヒドロクロロチアジド(HCTZ)の3剤合剤「ミカトリオ配合錠」の発売を発表した。

日本初のDOAC中和剤発売、迅速・完全・持続的な効果

 経口抗凝固薬ダビガトランに対する特異的中和剤であるイダルシズマブ(商品名:プリズバインド、日本ベーリンガーインゲルハイム)が、7ヵ月という短い審査期間で今年9月に承認され、11月18日に発売された。11月15日の発売記者説明会では、国立病院機構九州医療センター脳血管センター脳血管・神経内科の矢坂正弘氏が、抗凝固薬による出血リスク、イダルシズマブの効果や意義について紹介し、「迅速・完全・持続的に効果を示すイダルシズマブは臨床現場で有用な薬剤になるだろう」と述べた。

皮下植込み型ICDの長期成績―経静脈植込み型ICDとの比較

 経静脈植込み型除細動器(TV-ICD)は、心臓突然死のリスクがある患者の予後を改善するが、合併症の問題が残っている。一方、皮下植込み型除細動器(S-ICD)は、リードに関連した合併症を克服するために開発された。これら2つのICDをめぐっては、それぞれの患者特性が異なるため、これまでの研究では臨床成績の比較が難しかった。そこで、オランダの2施設の研究グループが、プロペンシティスコアによるマッチングによって、S-ICDとTV-ICDの長期臨床成績を後ろ向きに比較検討した。Journal of the American College of Cardiology誌2016年11月号に掲載。

エボロクマブのプラーク退縮、AHAで発表:アムジェン

 アムジェン社は2016年11月15日、冠動脈疾患(CAD)患者に対して最適用量のスタチン療法にエボロクマブ(商品名:レパーサ)を上乗せした結果、統計学的に有意なアテローム性動脈硬化の退縮が確認されたことを発表した。この第III相プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験(GLAGOV試験)の結果は、2016年米国心臓学会議(AHA)学術集会での発表と同時に、Journal of the American Medical Association(JAMA)誌にも掲載された。

左冠動脈主幹部病変、PCIよりCABGが予後良好/Lancet

 左冠動脈主幹部病変の治療では、冠動脈バイパス術(CABG)が経皮的冠動脈インターベンション(PCI)よりも良好な予後をもたらす可能性があることが、フィンランド・オウル大学病院のTimo Makikallio氏らが行ったNOBLE試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年10月31日号に掲載された。欧州では、従来、非保護左主幹部病変の標準的な血行再建術はCABGであるが、最近はPCIの使用が急増している。欧州心臓病学会(ESC)の現行ガイドラインでは、左主幹部病変や非複雑病変、非びまん性病変にはPCIが推奨されているが、その論拠とされる試験は症例数が少なく、最良の治療を決めるには検出力が十分でないという。

生体吸収性スキャフォールド、3年で血管運動は回復したのか/Lancet

 冠動脈狭窄患者の治療において、エベロリムス溶出生体吸収性スキャフォールド(Absorb)はエベロリムス溶出金属ステント(Xience)と比較して、力学特性の指標である、血管運動の回復の結果としての内腔径の増加に寄与しないことが、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのPatrick W Serruys氏らが進めるABSORB II試験の中期的な検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年10月30日号に掲載された。循環器インターベンション医にとって、務めを終えたら消え去る一過性のスキャフォールドは、長い間の夢だという。生理学的には、固い金属製のケージがなければ、血管運動の堅調さや適応性のあるずり応力、遠隔期の内腔拡張などの回復が促進される可能性がある。

左冠動脈主幹部病変、エベロリムス溶出ステント vs.CABG/NEJM

 左冠動脈主幹部病変の治療について、SYNTAXスコアが低~中スコアの患者ではエベロリムス溶出ステント留置を伴う冠動脈インターベンション(PCI)が、冠動脈バイパス術(CABG)に対し非劣性であることが、米国・コロンビア大学のGregg W Stone氏らが行った大規模無作為化試験「EXCEL」の3年追跡評価の結果、示された。閉塞性の左冠動脈主幹部病変に対しては通常、CABGが行われるが、先行の無作為化試験で、選択的な患者でPCI/薬剤溶出ステント留置が、CABGに代わりうる可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2016年10月31日号掲載の報告より。

CABG手術時のトラネキサム酸投与は、術後出血リスクを半減する(解説:許 俊鋭 氏)-608

トラネキサム酸投与は開心術に伴う術後の出血傾向を抑制し、再手術を必要とした大出血または心タンポナーデの合併症を半減(1.4% vs.2.8%)させるという結論がこのRCTで証明され、逆にトラネキサム酸により血栓形成促進による非致死的心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓症、腎不全、または腸梗塞を増加させないことが証明された。今後、手術成績を向上させるうえでトラネキサム酸投与は有効である可能性が示唆された。