循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:295

チカグレロル、心筋梗塞後1年超での効果は?/NEJM

 心筋梗塞の既往歴(1~3年前)を有する患者について、P2Y12受容体拮抗薬チカグレロル(国内未承認)の有効性と安全性を検討したPEGASUS-TIMI 54試験の結果、心血管系死亡、心筋梗塞、脳卒中のリスクを有意に低下し、重大出血リスクは増大することが示された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMarc P. Bonaca氏らが報告した。これまでに、P2Y12受容体拮抗薬の心筋梗塞後1年間超の長期にわたる2次予防効果については明らかにされていなかった。NEJM誌オンライン版2015年3月14日号掲載の報告より。

PROMISE試験:冠動脈疾患に対する解剖的評価と機能評価検査の予後比較(解説:近森 大志郎 氏)-328

 安定した胸部症状を主訴とする患者に対する診断アプローチとして、まず非侵襲的検査によって冠動脈疾患を鑑別することが重要である。従来は運動負荷心電図が日常診療で用いられてきたが、その後、負荷心筋シンチグラフィ(SPECT)検査、負荷心エコー図検査が臨床に応用され、近年では冠動脈CT(CTCA)も広く実施されるようになっている。しかしながら、これらの検査の中でいずれを用いればよいか、という検査アプローチを実証する大規模臨床試験は実施されてはいなかった。

心房細動へのジゴキシン、死亡増大/Lancet

 心房細動(AF)患者へのジゴキシン(商品名:ジゴシンほか)治療は、全死因死亡、血管系による死亡、および突然死の有意な増大と関係していることが、Jeffrey B Washam氏らが行ったROCKET AF被験者データの後ろ向き分析で示された。関連は、他の予後因子とは独立しており、著者は「残余交絡の影響の可能性も示唆されたが、ジゴキシンの影響の可能性が示された。心不全あり・なしのAF患者で、ジゴキシン治療の無作為化試験を行う必要がある」と報告している。ジゴキシンは、無作為化試験のデータが不足しているにもかかわらずAF患者に広く使われている。Lancet誌オンライン版2015年3月5日号掲載の報告。

臨床開発中止で患者2万超例分のデータが未公表/BMJ

 カナダ・マギル大学のAmanda Hakala氏らは、臨床開発中止となった薬物(stalled drugs)の試験報告へのアクセシビリティについて、登録試験を系統的に評価して定量化を行った。その結果、開発に成功し承認された薬物(licensed drugs)の試験公表率は75%に対し、開発が中止となった薬物については37%で、公表について両者に大きな差があることを明らかにした。著者は、「開発が遅れている薬物試験で収集された情報の大半が、研究や臨床に生かされてない」と述べ、「臨床研究における透明性、倫理性、説明責任を促進するポリシー改善を行うべきことが実証された」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年3月9日号掲載の報告。

エドキサバン、臨床的特徴で減量しても有効?/Lancet

 心房細動患者に対し、エドキサバン(商品名:リクシアナ)の投与量を、臨床的特徴に応じて半減しても、脳卒中・全身性塞栓症の予防効果は維持され、大出血リスクは低下することが明らかにされた。米国ハーバード・メディカル・スクールのChristian T Ruff氏らが、2万人超を対象に行った二重盲検無作為化試験「ENGAGE AF-TIMI 48」のデータを分析し報告した。Lancet誌オンライン版2015年3月10日号掲載の報告より。

アログリプチン、心不全リスク増大せず:EXAMINE試験の事後解析結果/Lancet

 2型糖尿病で直近に急性冠症候群(ACS)を発症した患者について、DPP-4阻害薬アログリプチン(商品名:ネシーナ)は心不全リスクを増大しないことが示された。フランス・ロレーヌ大学のFaiez Zannad氏らがEXAMINE試験の事後解析を行い明らかにした。同試験では、2型糖尿病で直近にACSを発症した患者の主要有害心血管イベント(MACE)について、アログリプチンがプラセボに対して非劣性であることが示された。しかし、他のDPP-4阻害薬試験で院内心不全の過剰な発生に対する懸念が報告され、研究グループは本検討を行った。Lancet誌オンライン版2015年3月9日号掲載の報告より。  EXAMINEは、2009年10月~2013年3月に49ヵ国898施設から被験者を登録して行われた多施設共同無作為化二重盲検試験であった。被験者は、2型糖尿病と直近15~90日以内にACSイベントを経験した患者で、糖尿病と心血管疾患予防のためアログリプチンまたはプラセボ+標準治療に無作為に割り付けられた。