第1回「まず、心電図の心構え ! 」
今までと違った角度から心電図にアプローチし、「心電図の細かいところはとりあえず後回し! まず大事なところを押さえるには」という視点から解説。たとえば、“正常な心電図とは?”“ どこからどこまでが正常で、どこからが異常になるのか?” そして、たとえ診断ができたとしても、“何を治療すべきで何を放置すべきなのか? ”このような話題から「いかに開き直って心電図を見るか」の極意を伝授します!
第2回「心拍数が遅かったら?」
「徐脈」について取り上げます。今回のキーポイントもたった1つ! 「徐脈にP波があるか、ないか」。これだけです。徐脈なのにP波があるのは心室の、P波がなければ心房から上の問題。それによって分類されるのは「房室ブロック」か「洞機能不全症候群」か、この2つだけ。さて緊急度はどちらが高いでしょうか? 実際の心電図を見ながら、どう考え、あるいは考える前に緊急にどう動くべきかを伝授します。
第3回「モニター心電図編・心拍数が速かったら ? (1)」
今回の目標は、「心拍数が速くなった場合の基本方針をしっかり立てる」ということ。では脈が速かったら何を見るか? 脈が速い場合、注目すべきはQRS波の幅です。QRS幅が3ミリ未満か3ミリ以上か。なぜこれが重要かというと…
◎QRS幅3ミリ未満の場合は上室性、あるいは心房が原因だと断定できる
◎QRS幅3ミリ以上だと心室性の不整脈だとほぼ断定ができる
さて、そのワケは何か?
第4回「モニター心電図編・心拍数が速かったら ? (2)」
今回登場するのは、心拍数の速いもののうちQRS幅の広いもの。幅が広ければ、これを心室性と考えます。診断名はおのおの期外収縮、頻拍、細動、粗動のパターン。心拍数はそのまま数えればいいだけなので簡単で、心室性期外収縮、心室性頻拍、心室細動、というのが一般的です。心室粗動も概念上はありますが、臨床的には心室細動と同じように考えていいので、使うことはほとんどありません。
不整脈のある心電図を正常心電図に戻すのが、必ずしも正しい医療行為とは限りません。「木を見て森を見ず」にならぬような観点から、実践的に心電図を読み解きます。ついにモニター心電図編の完結です!