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第3回 COVID-19対策、全国の病院の医療提供状況を公開
2020/04/13 まとめる月曜日
<先週の動き>1.COVID-19対策、全国の病院の医療提供状況を公開2.COVID-19軽症患者の病院以外での療養が開始3.BCGの接種ミスによる健康被害発生4.国内の病院で相次ぐ新型コロナウイルスの院内感染事例5.医療と介護の連結解析データ、10月から第三者提供される見通し1.COVID-19対策、全国の病院の医療提供状況を公開新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月8日、政府が全国の入院病床を有する病院(20床以上)の医療体制を毎日把握するシステムをβ版として公開した。全国各地の医療機関が、外来・入院・救急・透析・化学療法での受け入れ制限などを行っているか否かが開示され、地図上で確認できる。5月からは本格稼働を開始予定で、今後さらに、空床情報、人工呼吸器の稼働数、PCR検査の判定の状況、医師・看護師と事務職員の数など、届け出をもとに、各医療機関の緊急患者の受け入れや入院の余裕があるかを把握できるようになる見込み。(参考)新型コロナウイルス感染症対策関係:全国医療機関の医療提供体制の状況を公開しました(β版)(政府CIOポータル)政府、8000病院一元把握 医療崩壊防止へ自治体に情報(日本経済新聞)2.COVID-19軽症患者の病院以外での療養が開始新型コロナウイルス感染者の増加に伴い、4月に入って救急医療現場での医療崩壊が危惧されており、東京、神奈川、大阪、愛知など全国の10都県で、新型コロナウイルス入院患者のうち、軽症・無症状の患者向けに施設を確保している。東京都では4月7日から患者受け入れが開始され、大阪府でも13日からホテルなどの宿泊施設への受け入れが開始される見通し。軽症者や無症状の人の療養のために、看護師2人が24時間常駐し、日中は医師が待機して、患者の健康管理を行う。今回の対策は、医療機関における重症患者の治療を優先し、軽症者についてはホテルなど療養先を振り分けて、医療崩壊を防ぐ狙いで行われる。(参考)軽症者受け入れ4600室止まり 10都県 感染爆発の備えに懸念(日本経済新聞)3.BCGの接種ミスによる健康被害発生BCGの接種実施国では新型コロナウイルス関連肺炎の発生件数が少ないという報道により、BCGがCOVID-19に有効だとする説が浮上し、日本でも接種を求める動きが増えている。しかし先日、わが国の医療機関において、成人に対してBCGの予防接種を皮下注射で行ない、発熱や蕁麻疹、血尿といった健康被害が生じている。BCGは管針法による経皮接種が絶対であり、通常のワクチンと同様に皮下注射を行なってはならない。BCGワクチンの添付文書には、「本剤は、経皮接種用の濃厚なワクチンであり、もし皮内等に注射すると強い局所反応を呈するので、絶対に注射してはならない」との記載があり、当然これに従って接種を行うべきである。ちなみにメーカーによると、3月末には通常の3倍出荷され、新型コロナウイルス関連報道により、これまでとは異なった出荷動向だという。なお、BCGの新型コロナウイルスへの効果は検証中であり、現時点では定期予防接種の対象外患者に対して接種した場合、健康被害が発生したとしても、PMDAによる医薬品副作用被害救済制度の給付対象とならないので注意が必要だ。(参考)乾燥BCGワクチン(経皮用・1人用)添付文書(PMDA)新型コロナ予防しようと…BCGワクチン接種ミス 成人に“絶対禁止”の皮下注射(毎日新聞)最近の BCG ワクチンと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する報道に関連して ~乳児へのBCGワクチンの優先接種のお願い~(日本小児科学会)4.国内の病院で相次ぐ新型コロナウイルスの院内感染事例4月に入ってから、大学病院を含む急性期病院だけでなく、介護施設を含め、複数の医療機関において、院内感染事例の報告が相次いでいる。多くは患者を介しての感染と考えられるが、送別会などの開催により、医療従事者間でのクラスター発生報告もあり、残念でならない。介護施設などから救急搬送を受け入れる病院側としては、警戒態勢をとっていても完全に防ぐのは困難なので、対応するスタッフを媒介する院内での感染を水際で対策していくしかない。当然だが、院内感染が発生した場合は、外来・救急の受け入れ中止、予定手術の延期など、地域医療や患者への影響が甚大だ。すでに多くの医療機関や介護施設では面会禁止などの対処をとっており、医療従事者はこれまで以上に感染防止策を徹底すべきだ。海外では、介護施設で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、適切な対応をしなかった場合、入所者の3分の1が死亡したという報告(NEJM)もあり、注意が必要である。(参考)新型コロナ 医療者153人感染 「院内」複数で 10都道府県集計(毎日新聞)コロナ院内感染疑い、全体の1割 検査徹底で封じ込めを(日経新聞)McMichael TM, et al. N Engl J Med. 2020 Mar 27. [Epub ahead of print]5.医療と介護の連結解析データ、10月から第三者提供される見通し厚生労働省では、介護保険法の改正、医療医保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」(以下、「改正法」と表記)が、第198回通常国会において成立し、10月1日の施行に向けて、データベースの供の準備に入った。改正介護保険法にも、匿名データの第三者提供について規定を設けており、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)と介護保険総合データベース(介護DB)の連結解析データの提供開始のために、必要な事項(提供対象者の範囲、データ利用者側の講ずべき安全管理措置義務、利用料など)の規定整備が進む。従来は、大学教員や行政関係者など、一部の研究目的でしかデータが得られなかったが、今後、医療・介護連結データを利用して、医療・介護サービスの質の向上やアウトカムの検証などが可能になると考えられる。また、2022年4月にはDPCデータベースについても、NDB・介護DBと連結することが目標となっており、今後、このデータベースから医薬品の研究開発、疫学研究、医療経済研究などが進むことが予見される。(参考)要介護認定情報・介護レセプト等情報の提供に関する有識者会議(第8回)資料(厚労省)「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」の施行に向けた検討について(報告)(厚労省 老健局老人保健課)「要介護認定情報・介護レセプト等情報の提供に関するガイドライン」改正について(同)
https://www.carenet.com/hihyo/mon/cg002631_index.html