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検索結果 合計:4227件 表示位置:521 - 540

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母親の認知症歴が子供の認知症リスクに影響

 両親の認知症歴は、子供の認知症リスクを上昇させるともいわれているが、その結果に一貫性は見られていない。韓国・Sungkyunkwan University School of MedicineのDae Jong Oh氏らは、両親の認知症歴と子供の認知症リスクに関して、認知症サブタイプおよび性別の影響を調査するため、本検討を行った。その結果、母親の認知症歴は、男女ともに子供の認知症およびアルツハイマー病(AD)リスクとの関連が認められた。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2023年5月10日号の報告。 8ヵ国、9件の人口ベースコホート研究より抽出された高齢者1万7,194人のデータを用いて、横断的研究を実施した。対象研究では、認知症の診断のため、対面診断、身体検査、神経学的検査、神経心理学的評価が実施された。父親および母親の認知症歴と子供の認知症、認知症サブタイプのリスクとの関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・対象者の平均年齢は72.8±7.9歳、女性の割合は59.2%であった。・両親の認知症歴は、認知症およびADリスク上昇と関連が認められたが、非ADリスクとの関連は認められなかった。 【認知症】オッズ比(OR):1.47、95%信頼区間(CI):1.15~1.86 【AD】OR:1.72、95%CI:1.31~2.26・母親の認知症歴は、子供の認知症およびADリスクとの関連が認められたが、父親では認められなかった。 【認知症】OR:1.51、95%CI:1.15~1.97 【AD】OR:1.80、95%CI:1.33~2.43・子供の性別に分けた分析でも、同様の結果が認められた。 【男性】OR:2.14、95%CI:1.28~3.55 【女性】OR:1.68、95%CI:1.16~2.44・母親の認知症歴は、臨床試験においてADリスクの高い人を特定し、リスク層別化に有用なマーカーである可能性が示唆された。

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重症/治療困難なアトピー性皮膚炎、経口アブロシチニブvs.デュピルマブ

 重症および/または治療困難なアトピー性皮膚炎(AD)患者において、アブロシチニブはプラセボやデュピルマブよりも、迅速かつ大幅な皮疹消失とQOL改善をもたらした。米国・オレゴン健康科学大学のEric L. Simpson氏らが、第III相無作為化試験「JADE COMPARE試験」のサブグループについて行った事後解析の結果を報告した。著者は、「これらの結果は、重症および/または治療困難なADへのアブロシチニブ使用を支持するものである」とまとめている。重症および/または治療困難なADに関するデータはこれまで限定的であった。JADE COMPARE試験では、外用薬治療を受ける中等症~重症ADへのアブロシチニブ併用がプラセボ併用と比べて症状改善が大きいこと、デュピルマブ併用と比べてそう痒の改善が大きいことが示されていた。American Journal of Clinical Dermatology誌オンライン版2023年5月22日号掲載の報告。 研究グループは、JADE COMPARE試験の事後解析において、重症および/または治療困難なAD患者のサブセットにおけるアブロシチニブ、デュピルマブの有効性と安全性を評価した。同試験では、中等症~重症ADの成人患者に対し、1日1回の経口アブロシチニブ200mgまたは100mg、2週ごとのデュピルマブ300mg皮下注、またはプラセボを、外用薬と併用して投与した。 研究グループは、重症および/または治療困難なAD患者サブグループを、ベースライン特性に基づき、以下の7つのサブグループに分類した。1)Investigator’s Global Assessment(IGA)スコア42)Eczema Area and Severity Index(EASI)スコア21超3)全身性薬物治療に失敗または不耐性(コルチコステロイドのみ服用患者は除く)4)体表面積に占めるAD病変の割合(%BSA)50超5)EASIスコア38超(EASIスコア上位25%)6)%BSA 65超7)IGAスコア4の統合サブグループ(EASIスコア21超、%BSA 50超、全身性薬物治療に失敗または不耐性[コルチコステロイドのみ服用患者は除く]をすべて満たす) 評価項目は以下のとおり。・16週時におけるIGAスコアに基づく奏効(0[消失]または1[ほぼ消失]かつベースラインから2ポイント以上改善]・16週時におけるEASI-75達成患者の割合・16週時におけるEASI-90達成患者の割合・16週時におけるPeak Pruritus-Numerical Rating Scaleのベースラインからの4ポイント以上の改善(PP-NRS4)達成患者の割合・PP-NRS4達成までの期間・14日間(15日目に評価)のPP-NRSの変化量(最小二乗平均値[LSM])・16週時におけるPatient-Oriented Eczema Measure(POEM)のベースラインからの変化量(LSM)・16週時におけるDermatology Life Quality Index(DLQI)のベースラインからの変化量(LSM)  主な結果は以下のとおり。・重症および/または治療困難なAD患者のすべてのサブグループにおいて、16週時におけるIGAスコアに基づく奏効、EASI-75、EASI-90を達成した患者の割合が、プラセボ群よりアブロシチニブ200mg群で高率であった(名目上のp<0.05)。・PP-NRS4達成患者の割合は、ほとんどのサブグループにおいて、プラセボ群と比べてアブロシチニブ200mg群で高率であった(名目上のp<0.01)。また達成に要した期間は、アブロシチニブ200mg群(範囲:4.5~6.0日)が、100mg群(5.0~17.0日)、デュピルマブ群(8.0~11.0日)、プラセボ群(3.0~11.5日)より短かった。・POEMとDLQIのベースラインからの変化量(LSM)は、すべてのサブグループにおいて、プラセボ群よりアブロシチニブ200mg群で大きく(名目上のp<0.001)、アブロシチニブ200mg群で改善が認められた。・複数のサブグループ(全身性薬物治療に失敗または不耐性であった患者を含む)において、ほとんどの評価項目について、アブロシチニブ群とデュピルマブ群の間に臨床的に意義のある差が観察された。

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大卒の社会人、ADHD特性レベルが高いのは?

 これまで、成人の注意欠如多動症(ADHD)と社会人口学的特徴を検討した研究の多くは、ADHDと診断された患者を対象としており、一般集団におけるADHD特性について調査した研究は、ほとんどなかった。また、大学在学中には問題がみられず、就職した後にADHD特性を発現するケースが少なくない。国際医療福祉大学の鈴木 知子氏らは、大卒の日本人労働者におけるADHD特性と社会人口学的特徴との関連について、調査を行った。その結果、大学を無事に卒業したにもかかわらず、大卒労働者ではADHD特性レベルは高いことから、ADHD特性レベルを適切に評価し、健康の悪化や予防をサポートする必要性が示唆された。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2023年4月5日号の報告。 日本全国から無作為に抽出された労働者1,240人を対象に、オンラインによる自己記入式調査を実施した。ADHD特性は、成人ADHD自己報告尺度(ASRS)を用いて測定し、DSM-5の基準を反映したスコアリングルールを適用した。性別、年齢、社会経済的地位、労働時間、健康関連行動などの社会人口学的特徴に関する情報を収集した。偏相関分析を用いて傾向の関連性を推定し、共分散分析を用いて調整平均を比較した。本モデルでは、すべての変数に対し調整を行った。 主な結果は以下のとおり。・ADHD特性レベルは、女性よりも男性で高く(p=0.001)、より若いほど高かった(p<0.001)。・低所得者は、高所得者よりもADHD特性レベルが高かった(p=0.009)。・朝食、昼食、夕食の摂取とADHD特性との関連は認められなかったが、夜食をより頻繁に摂取する人ほど、ADHD特性レベルが高かった(p<0.001)。・睡眠により十分な休息が得られなかった人は、ADHD特性レベルが高かった(p=0.007)。

524.

CKDに対する集学的治療で腎機能低下が抑制される

 慢性腎臓病(CKD)に対する集学的治療(MDC)の有効性を示すエビデンスが報告された。MDC介入後には腎機能(eGFR)低下速度が有意に抑制されるという。国内多施設共同研究の結果であり、日本大学医学部腎臓高血圧内分泌内科の阿部雅紀氏らによる論文が「Clinical and Experimental Nephrology」に3月31日掲載された。MDCに携わるスタッフの職種数や介入回数が多いほど、腎代替療法や全死亡のリスクが低下するというデータも示されている。 CKDが進行すると生命維持のために腎代替療法(透析または腎移植)が必要となるなど、患者本人のQOLが低下するだけでなく医療経済的な負担も大きくなる。日本は人口当たりの透析患者数が台湾に次いで世界2位であり、CKDの進行を抑える治療戦略の確立が喫緊の課題となっている。CKDの進行抑制には、薬物療法に加えて食事療法や運動療法が重要で、それらをサポートする看護師、管理栄養士、薬剤師や理学療法士などを含む多職種によるMDCが有効と考えられる。国内では2017年に腎臓病療養指導士制度がスタートするなど、MDCを積極的に行う環境が整ってきた。阿部氏らは、国内24施設の多施設共同後方視的コホート研究として、MDCがどのように行われているかという実態の把握と、その有効性を評価した。 2015~2020年に本研究参加施設でMDCが行われたCKD患者のうち、MDC介入前の12カ月と介入後24カ月のeGFRのデータがあり、除外基準(20歳未満、eGFR60mL/分/1.73m2以上、活動性の悪性腫瘍、観察開始時点で腎代替療法が施行または予定されていたなど)に該当しない3,015人を解析対象とした。主要評価項目は、MDC前後でのeGFR低下率の変化であり、そのほかに腎代替療法と全死亡で構成される複合エンドポイントの発生率に関連のある因子などが検討された。 解析対象者のMDC介入時点(ベースライン)の主な特徴は、平均年齢70.5±11.6歳、男性74.2%、eGFRは中央値23.5mL/分/1.73m2(四分位範囲15.1~34.4)、尿タンパクは同1.13g/gCr(0.24~3.1)であり、CKDステージは3が34.5%、4が41.4%、5が24.1%だった。 MDC介入は58.7%が入院で行われ、41.3%は外来で行われていた。入院日数または介入回数(外来)は、入院の場合は中央値7日(四分位範囲6~12)、外来では4回(1~11)で、関与していたスタッフの職種は4職種(3~5)であり、医師以外のスタッフでは管理栄養士(90.4%)、看護師(86.2%)、薬剤師(62.3%)、理学療法士(25.9%)、臨床検査技師(5.9%)、ソーシャルワーカー(2.3%)などが関与していた。 MDC介入前の1年当たりのeGFR低下速度(mL/分/1.73m2/年)は平均-6.02だった。それに対してMDC介入後の6カ月は-0.34、12カ月では-1.40、24カ月では-1.45であり、いずれの時点でも介入前より低下速度が有意に抑制されていた。CKDの原因(糖尿病と糖尿病以外)やベースライン時のCKDステージで層別化した解析でも、全てのサブグループでMDC介入後にeGFR低下速度が有意に抑制されていた。副次的評価項目として設定されていた尿タンパク(g/gCr)も、MDC介入時点で中央値1.13であったものが、介入6カ月後は0.96、12カ月後は0.82、24カ月後は0.78と、いずれの時点でも有意に改善を示していた。 中央値35カ月(20~50)の観察期間中に、24.8%に腎代替療法が行われ、4.9%が死亡していた。それら両者を複合エンドポイントとしたCox比例ハザードモデルによる解析の結果、MDCに関与するスタッフの職種〔1職種多いごとにハザード比(HR)0.85(95%信頼区間0.80~0.89)〕や、介入回数〔1回多いごとにHR0.97(同0.96~0.98)〕の多さが、エンドポイント発生リスクの低さと関連していた。また、MDCに栄養士〔HR0.49(0.36~0.66)〕、理学療法士〔HR0.46(0.22~0.93)〕が関与している場合は、それらのスタッフが関与していない場合よりもエンドポイント発生リスクが有意に低いことが分かった。 以上より著者らは、「CKD患者に対するMDCは、原疾患にかかわりなく効果的であり、また比較的初期の段階での介入も有効と考えられる」と結論付けている。

525.

Long COVIDは5タイプに分類できる

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急性期を過ぎた後に何らかの症状が遷延する、いわゆる「long COVID」は、5タイプに分類可能であるとする論文が「Clinical and Experimental Medicine」に4月7日掲載された。聖マリアンナ医科大学総合診療内科の土田知也氏らによる研究によるもので、就労に影響が生じやすいタイプも特定された。 Long COVIDは長期間にわたり生活の質(QOL)を低下させ、就労にも影響が及ぶことがある。現在、治療法の確立が急がれているものの、long COVIDの病態の複雑さや多彩な症状を評価することの困難さなどのために、新規治療法の有効性を検討する臨床試験の実施にも高いハードルがある。そのため、まずlong COVIDをいくつかのタイプに分類して、それぞれのタイプを特徴付けるという試みが始まっており、海外発のそのような研究報告も存在する。ただし、QOL低下につながりやすい就労への影響という点を勘案した分類は、まだ提案されていない。土田氏らの研究は、以上を背景として行われた。 2021年1月18日~2022年5月30日に同院のCOVID-19後外来を受診した患者のうち、PCR検査陽性の記録があり、感染後に症状が2カ月以上続いている15歳以上の患者497人(平均年齢41.6歳、男性43.1%)を解析対象とした。対象者の中には甲状腺機能低下症やうつ病が疑われる患者も含まれていたが、症状にlong COVIDの影響はないと明確には判断できないことから、除外せずに解析した。 対象者には、23項目から成る自覚症状のアンケート(該当するものを○、強く該当するものを◎で回答する)と、慢性疲労症候群の評価に使われている9項目から成るパフォーマンスステータス(PS)質問票に答えてもらった。就労状況については、罹患前と同様に勤務継続、職務内容の変更、休職、退職という四つに分類した。 結果について、まず自覚症状に着目すると、○または◎のいずれかが最も多かった症状は倦怠感(59.8%)で、次いで不安(42.3%)、嗅覚障害(41.9%)、抑うつ(40.2%)、頭痛(38.6%)などだった。◎が最も多かったのは同じく倦怠感(40.2%)で、次いで嗅覚障害(26.6%)、味覚障害(18.1%)、脱毛(14.9%)、呼吸困難(13.7%)、頭痛(11.1%)などだった。 次に、特徴の似ているデータをグループ化するクラスター分析という手法により、long COVIDのタイプ分類を行った結果、以下の5タイプに分けられることが分かった。 タイプ1は倦怠感が強いことが特徴で全体の21.8%が該当。タイプ2は倦怠感のほかにも呼吸困難、胸痛、動悸、物忘れを訴える群で14.9%が該当。タイプ3は倦怠感、物忘れ、頭痛、不安、抑うつ、不眠症、モチベーション低下を訴える群で20.8%が該当。タイプ4は倦怠感が少なく脱毛を主症状とする群で19.8%が該当。タイプ5も倦怠感が少なく味覚障害や嗅覚障害が主体の群で22.8%が該当。 これらの群を比較すると、タイプ4は他群より高齢で、タイプ2や4は女性が多く、タイプ2はCOVID-19急性期に肺炎合併症を来していた割合が高いといった有意差が認められた。外来初診時のPSスコア(点数が高いほど生活の支障が強い)は、タイプ2が最も高く中央値4点(四分位範囲2~6)、続いてタイプ3が3点(同2~5)、タイプ1が2点(1~5)であり、タイプ4と5は0点(0~1)だった。症状発現から受診までの期間はタイプ5が最も長く、BMIについてはタイプによる有意差がなかった。 就労状況に関しては、発症以前と変更なしの割合がタイプ1から順番に50.0%、41.9%、43.7%、77.6%、84.1%、職務内容の変更を要した割合は、24.1%、13.5%、9.7%、2.0%、7.1%、休職中は20.4%、36.5%、39.8%、16.3%、7.1%、退職に至った割合は5.6%、8.1%、6.8%、4.1%、1.8%であり、タイプ2や3で休職中の割合が高く、タイプ4や5はその割合が低いという差が認められた。 このほか、自律神経機能検査によって体位性起立性頻拍症候群〔POTS(立ち上がると脈拍が大きく変化する)〕と診断された割合が、自覚症状に倦怠感が含まれているタイプ1~3で高く、特にタイプ2では33.8%と3人に1人が該当することが分かった。 以上を基に著者らは、「long COVIDはその臨床症状から5タイプに分類可能」と結論付け、また倦怠感を訴えるタイプにはPOTSが多く、POTSは治療により改善も認められるケースがあることから、「タイプ1~3に該当する患者では自律神経機能の評価が重要ではないか」と付け加えている。なお、研究の限界点としては、単施設の外来患者を対象としたものであり、外来通院も困難な重症long COVID患者が含まれていないこと、解析対象期間が異なれば異なる変異株の感染患者が含まれるため、クラスター分析の結果も変わってくる可能性のあることなどを挙げている。

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英語で「患者を椅子に座らせる」は?【1分★医療英語】第83回

第83回 英語で「患者を椅子に座らせる」は?Would you be able to get the patient up on the chair ?(患者さんを[ベッドから]椅子に座らせることはできますか?)Definitely.(もちろんです)《例文1》医師Let’s get the patient up and walking today.(今日は患者さんに立って歩いてもらいましょう)看護師Understood.(わかりました)《例文2》医師No worries. We will get you ready for the surgery.(手術に臨めるように手配します)患者Thank you so much.(ありがとうございます)《解説》この表現は、日々の診療の中で患者さんの状態について話すときに非常によく使われます。“get”の後に目的語である“the patient”(この患者さん)、その後に状態を表す形容詞や動名詞を続けることで、「この患者さんを~の状態にする」という意味になります。《例文》のように、治療の過程で状態変化を伴うときによく使われます。日常会話でも“get”の後にさまざまな名詞と形容詞を付けることでいろんな使い方ができます。たとえば、“get you dressed”だと「服を着てきなさい」という意味になります。非常に使いやすいのでぜひマスターしてください。講師紹介

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第166回 現金給付と死亡率低下が関連

世界銀行の推定によると2019年には世界人口の10人に1人近く(8.4%)が極度の貧困の指標である1日当たり2.15ドル未満での暮らしを強いられていました1)。また、今や世界人口の70%を占める“中の上”(upper middle-income)所得国の人々の貧困の指標である1日当たり6.85ドル未満での生活を強いられている人の割合は世界の半数ほどの47%にも上ります。新型コロナウイルス感染症(以下「コロナ」)の流行で貧困層は拡大し、世界の極度の貧困者数は2020年に1億人近く(9,700万人超)増えたと推定されています。貧困を減らして治安を守る取り組みの1つとして100を超える低~中所得国が過去20年間に個人や家庭への現金給付を行いました。コロナ流行中に現金給付の裾野はさらに広がりました。世界銀行の昨年(2022年)2月の報告によると203ヵ国での962種類の現金給付のうち672の取り組みはコロナ流行中に新たに導入されたものであり、世界人口の実に17%に相当する13.6億人がコロナ流行中に現金給付を受け取ったと推定されています。政府が運営する大規模な現金給付は貧困の減少に成功し、受給者の経済的自立、就学、小児の栄養、女性の地位向上、保健サービス使用の改善をもたらしています。また、現金給付の導入で新たな感染症が減ったこともいくつかの試験で示されています。現金給付のそういった数々の効果が明らかになっている一方で究極の転帰である死亡率への効果はあまりはっきりしていません。そこで米国・ペンシルバニア大学のチームは低~中所得の37ヵ国の2000~19年の小児や成人700万人超の記録を使って現金給付の死亡率への影響を検討しました2,3)。それら37ヵ国のうち29ヵ国はサハラ以南のアフリカ、3ヵ国はラテンアメリカとカリブ諸国、4ヵ国はアジアパシフィック地域、1ヵ国は北アフリカに位置します。調査期間に成人約433万人(432万5,484人)と小児約287万人(286万7,940人)のうちそれぞれ約13万人(12万6,714人)と約16万人(16万2,488人)が死亡し、解析の結果、現金給付は成人女性の死亡率の20%低下、5歳未満小児の死亡率の8%低下と関連しました。現金をよりあまねく給付することやより高額を給付することは死亡率の一層の低下をもたらしました。現金給付と死亡率低下の関連が男性に認められず女性に限られたのは妊娠関連死亡の大幅な低下が主な要因でした。今回の解析で認められた幼い小児の死亡率低下も加味すると現金給付による貧困の減少は若い家族をとりわけ助けるのでしょう。現金給付などの貧困防止の取り組みで世間の人々の健康を改善して死亡を減らしうることを今回の解析は裏付けています。参考1)Half of the global population lives on less than US$6.85 per person per day / World Bank2)Richterman A et al. Nature. 2023 May 31. [Epub ahead of print]3)Social science: Cash transfer programmes reduce risk of death in low- and middle-income countries / Nature

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日本人2型糖尿病の100人に1人が寛解、達成しやすい人は?/新潟大

 従来、糖尿病を発症すると、一生にわたって治療が必要といわれてきた。しかし、実際には2型糖尿病と診断され、治療を開始した患者のうち、血糖値が正常値近くまで改善し、薬物治療が不要な状態となる患者が存在する。そこで、2021年に米国糖尿病学会(ADA)を中心とする専門家グループは、「薬物療法を行っていない状態でHbA1c値6.5%未満が3ヵ月以上持続している状態」を糖尿病の「寛解」と定義した1)。しかし、日本人2型糖尿病患者において、寛解を達成する割合や、達成する患者の特徴、寛解の持続状況は明らかになっていない。そこで、藤原 和哉氏(新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野 特任准教授)らの研究グループは、全国の糖尿病専門施設に通院中の2型糖尿病患者4万8,320例を対象として、臨床データを後ろ向きに解析した。その結果、約100人に1人が寛解を達成していたことが明らかになった。本研究結果は、Diabetes, Obesity and Metabolism誌オンライン版2023年5月8日号に掲載された。 研究グループは、糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)が保有する日本全国の糖尿病専門施設に継続して通院している2型糖尿病患者4万8,320例の1989~2022年の臨床データを後ろ向きに解析した。寛解の発生率、寛解後の再発(1年間寛解を維持できない状態)の発生率、寛解と再発に関連する因子などを検討した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間(中央値:5.3年)において、3,677例が寛解を達成し、寛解の発生率は10.5/1,000人年であった。・HbA1c値が6.5~6.9%、ベースライン時の薬物治療なし、BMIが1年間で5~9.9%低下、10%以上低下の群で寛解の発生率が高く、それぞれ27.8/1,000人年、21.7/1,000人年、25.0/1,000人年、48.2/1,000人年であった。・寛解の関連因子を検討した結果、以下の7つの因子が特定された。 -男性 -ベースライン時の年齢が40歳未満 -糖尿病罹病期間1年未満 -ベースライン時のHbA1c値7.0%未満 -ベースライン時のBMI高値 -BMIが1年間で5%以上低下 -ベースライン時の薬物治療なし・寛解を達成した3,677例のうち、2,490例(67.7%)が再発した。・再発の関連因子を検討した結果、以下の3つの因子が特定された。 -糖尿病罹病期間が長い(1年以上) -ベースライン時のBMI低値 -BMIが1年間で0.1%以上増加 本研究結果について、著者らは「これまで、糖尿病は治らないといわれていたが、糖尿病と診断されても、早期から生活習慣改善や薬物治療に取り組み、減量を行うことで2型糖尿病の寛解は可能だということが示された。また、一度寛解に至った場合でも、体重を適正に管理し、定期的に診察を受けることが、寛解後の再発予防に重要である可能性が示された。なお、今回の研究は観察研究であることから、原因と結果の関係を示したものではなく、今後、生活指導や薬物による介入研究を行うことで実際にどの程度の人が寛解し、寛解の状態が持続するかを確認する必要がある」とまとめた。

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肺炎への抗菌薬、静注から経口に早期切り替えで入院期間短縮か

 肺炎により入院した患者は、通常、状態が安定するまで静脈注射(IV)用の抗菌薬(以下、IV抗菌薬)を投与される。しかし、市中肺炎に罹患した患者の多くでは、もっと早い段階でIV抗菌薬から経口抗菌薬に切り替えた方が早期退院につながる可能性のあることが新たな研究で示された。米クリーブランドクリニック・コミュニティーケアのAbhishek Deshpande氏らによるこの研究結果は、「Clinical Infectious Diseases」に4月3日掲載された。 米国での肺炎による入院患者数は毎年100万人以上に上り、5万人以上が肺炎により死亡している。Deshpande氏によると、市中肺炎は、入院と抗菌薬使用の主要な原因であるという。同氏は、「長期にわたる抗菌薬の投与は、薬剤耐性菌の増加と医療関連感染(院内感染)につながる可能性があるため、抗菌薬投与を最適化することは重要だ」と述べる。 今回の研究では、2010年から2015年の間に米国の642カ所の病院で市中肺炎により入院した37万8,041人の成人患者のデータが分析された。これらの患者は、最初にIV抗菌薬による治療を受けていた。入院3日目までにIV抗菌薬から経口抗菌薬に切り替えられた場合を、「早期切り替え患者」として対象患者を分類し、入院期間、14日間での院内死亡率、症状悪化によるICU(集中治療室)入室率、入院費を比較した。 37万8,041人のうち2万1,784人(6%)が「早期切り替え患者」に該当し、切り替えられた経口抗菌薬で最も多かったのはフルオロキノロン系薬剤であった。「早期切り替え患者」では、それ以外の患者に比べて、IV抗菌薬による治療日数、入院中の抗菌薬による治療期間、および入院期間が短く、入院費が低かった。しかし、両群間で、14日間での院内死亡率とICU入室率に有意差は認められなかった。死亡リスクの高い患者では、経口抗菌薬への切り替えが行われにくかった。しかし、経口抗菌薬への切り替え率が比較的高かった医療機関においてでさえ、死亡リスクの低い患者のうち実際に経口抗菌薬に切り替えられた患者の割合は15%に満たなかった。 米国胸部学会(ATS)/米国感染症学会(IDSA)の現行のガイドラインでは、患者が臨床的に安定した時点で、IV抗菌薬投与から経口抗菌薬投与に切り替えることを推奨している。このガイドラインに従うと、IV抗菌薬を3日間ほど投与した後に、経口抗菌薬に切り替えることになるが、実際にそのような治療が行われることは少ないという。 研究グループは、「医療機関は、臨床的に安定している市中肺炎患者に対する治療法を変更するよう臨床医を促すことで、抗菌薬の使用によりもたらされるさまざまな弊害を軽減することができる」と述べている。

530.

大腸がんを予防するコーヒーの摂取量は?~アンブレラレビュー

 1日5杯以上のコーヒー摂取により、大腸がんのリスクが有意に低減することが、米国・Cleveland Clinic FloridaのSameh Hany Emile氏らのアンブレラレビューによって明らかになった。Techniques in Coloproctology誌オンライン版2023年5月2日掲載の報告。 コーヒーの摂取によって、全死亡リスクおよび心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患による死亡リスクの低減が報告されている。また、大腸がんや一部のがん種を予防する可能性も示唆されている。しかし、コーヒー摂取が大腸がんのリスク低減と関連するエビデンスは十分ではない。 そこで研究グループは、過去のシステマティックレビューを対象とするアンブレラレビューによって、コーヒー摂取と大腸がんリスクとの関連を評価した。研究の方法論的質の評価にはAMSTAR-2ツールを用いた。主要アウトカムとして、コーヒー摂取と大腸がん、結腸がん、直腸がんとの関連を個別に評価した。 主な結果は以下のとおり。・本アンブレラレビューには、14件のシステマティックレビューが含まれた。・コーヒー摂取により大腸がんのリスクが11~24%低減し(報告数5件)、結腸がんは9~21%の低減(2件)、直腸がんは25%の低減(1件)であった。・1件のレビューでは1日6杯以上のコーヒー摂取で大腸がんのリスクが7%低減し、別のレビューでは1日5杯で8%、1日6杯で12%低減していた。・カフェインレスコーヒーは、3件のレビューで有意なリスク低減と関連していた。 これらの結果より、研究グループは「カフェイン入りコーヒー摂取と大腸がんリスク低減のエビデンスは一貫していないが、用量依存関係分析によると、コーヒー摂取による大腸がんのリスク低減効果は1日5杯以上の摂取で生じると考えられる」とまとめた。

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医学生は感染症専門医に興味がない【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第235回

医学生は感染症専門医に興味がないUnsplashより使用私は一応感染症専門医ですが、どちらかといえば抗酸菌感染症をたくさん診療しているので、性感染症や小児感染症については疎いです。オールラウンダーであるべき資格だとは思いますが…。コロナ禍で非常に重宝されましたが、全国には2023年4月10日時点で1,770人しかいないレアな資格でございまして。Hagiya H, et al.Interest in Infectious Diseases specialty among Japanese medical students amidst theCOVID-19 pandemic: A web-based, cross-sectional study.PLoS One. 2022 Apr 21;17(4):e0267587.もともと感染症専門医の数は、適正数と比べて非常に少ないことが指摘されていますが、COVID-19のパンデミックによってこの意向がどうなったか、ウェブアンケートを用いて調査されました。2021年3月に岡山大学医学部医学科に在学している医学生717名を対象に実施されました。回収率は45.7%と高く、解析対象者は328名でした。感染症専門医を認識している学生227名(69.2%)のうち、「パンデミック後に知った」が99名(43.6%)でした。低学年と高学年を比較すると、クリニカルクラークシップの経験がある医学生では、感染症専門医の認知度が高かったようです(19.5% vs. 57.4%、p <0.001)。やはり、現場をみてもらえれば、感染症専門医ってきっとカッコイイと思ってもらえるはず!さて、COVID-19パンデミックによって感染症専門医への興味が生じた人が多いとありがたいわけですが、「感染症専門医への興味が生じた」が12名(3.7%)、「むしろ感染症専門医にはなりたくない」が36名(11.0%)という残念な結果でした。(´・ω・`) ショボン以上のことから、現時点では日本の感染症専門医への関心度が非常に低いことが示されてしまいました。

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境界性パーソナリティ障害に有効な治療は~リアルワールドデータより

 境界性パーソナリティ障害(BPD)患者の多くは精神薬理学的治療を受けているが、BPDに関する臨床ガイドラインには、薬物療法の役割についてのコンセンサスはない。東フィンランド大学のJohannes Lieslehto氏らは、BPDに対する薬物療法の有効性について比較検討を行った。その結果、注意欠如多動症(ADHD)の治療薬が、BPD患者の精神科再入院、すべての原因による入院または死亡のリスク低下と関連していることが示唆された。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2023年4月24日号の報告。 2006~18年に治療を行ったBPD患者をスウェーデンの全国レジストリデータベースより抽出した。選択バイアスを排除するため、個別(within-individual)デザインを用いて、薬物療法の有効性を比較した。各薬剤に関して、精神科入院、すべての原因による入院または死亡に対するハザード比(HR)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・対象は、BPD患者1万7,532例(男性:2,649例、平均年齢:29.8±9.9歳)。・精神科再入院リスクの増加と関連した治療は、ベンゾジアゼピン(HR:1.38、95%信頼区間[CI]:1.32~1.43)、抗精神病薬(HR:1.19、95%CI:1.14~1.24)、抗うつ薬(HR:1.18、95%CI:1.13~1.23)による治療であった。・同様に、すべての原因による入院または死亡リスクにおいても、ベンゾジアゼピン(HR:1.37、95%CI:1.33~1.42)、抗精神病薬(HR:1.21、95%CI:1.17~1.26)、抗うつ薬(HR:1.17、95%CI:1.14~1.21)による治療で増加が認められた。・気分安定薬による治療は、両アウトカムと統計学的に有意な関連が認められなかった。・ADHD治療薬による治療は、精神科入院リスクの減少(HR:0.88、95%CI:0.83~0.94)およびすべての原因による入院または死亡リスクの減少(HR:0.86、95%CI:0.82~0.91)との関連が認められた。・精神科再入院リスクの低下と関連した薬剤は、クロザピン(HR:0.54、95%CI:0.32~0.91)、リスデキサンフェタミン(HR:0.79、95%CI:0.69~0.91)、bupropion(HR:0.84、95%CI:0.74~0.96)、メチルフェニデート(HR:0.90、95%CI:0.84~0.96)であった。

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ウパダシチニブ、中等~重症クローン病に有効/NEJM

 中等症~重症のクローン病患者において、ウパダシチニブによる寛解導入療法および維持療法はプラセボと比較し優れることが、43ヵ国277施設で実施された第III相臨床開発プログラム(2件の寛解導入療法試験「U-EXCEL試験」「U-EXCEED試験」と1件の維持療法試験「U-ENDURE試験」)の結果で示された。米国・Mayo Clinic College of Medicine and ScienceのEdward V. Loftus氏らが報告した。ウパダシチニブは経口JAK阻害薬で、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、関節症性乾癬、アトピー性皮膚炎および強直性脊椎炎に対して承認されており、クローン病治療薬としても開発中であった。NEJM誌2023年5月25日号掲載の報告。ウパダシチニブvs.プラセボ、寛解導入療法と維持療法の有効性および安全性を比較 研究グループは、中等症~重症のクローン病で18~75歳の患者を対象とし、「U-EXCEL試験」では1剤以上の既存治療または生物学的製剤で効果不十分または不耐容の患者を、「U-EXCEED試験」では1剤以上の生物学的製剤で効果不十分または不耐容の患者を、ウパダシチニブ45mg群またはプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付け、1日1回12週間投与する寛解導入療法試験を行った(二重盲検期)。さらに、両試験において臨床的奏効が認められた患者は、維持療法試験「U-ENDURE試験」に移行し、ウパダシチニブ15mg、同30mgまたはプラセボ群に1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、1日1回52週間の投与を受けた。 主要エンドポイントは、寛解導入療法(12週)、維持療法(52週)のいずれにおいても、臨床的寛解および内視鏡的改善とした。臨床的寛解は、クローン病活動指数(CDAI、スコア範囲:0~600、高スコアほど疾患活動性が重症であることを示す)のスコアが150点未満と定義した。内視鏡的改善は、中央判定による簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD、スコア範囲:0~56、高スコアほど重症度が高いことを示す)が、ベースラインから50%超減少(ベースラインのSES-CDが4点の患者ではベースラインから2点以上の減少)と定義した。 U-EXCEL試験では526例、U-EXCEED試験では495例、U-ENDURE試験では502例が各群に無作為に割り付けられた。臨床的寛解、内視鏡的改善ともにウパダシチニブが有意に優れる 臨床的寛解を達成した患者の割合(ウパダシチニブ45mg群vs.プラセボ群)は、U-EXCEL試験で49.5% vs.29.1%、U-EXCEED試験で38.9% vs.21.1%、同じく内視鏡的改善は、U-EXCEL試験で45.5% vs.13.1%、U-EXCEED試験で34.6% vs.3.5%であり、プラセボ群と比較してウパダシチニブ45mg群で有意に高かった(すべての比較でp<0.001)。 また、U-ENDURE試験の52週時において、臨床的寛解を達成した患者の割合はウパダシチニブ15mg群37.3%、同30mg群47.6%、プラセボ群15.1%、同じく内視鏡的改善はそれぞれ27.6%、40.1%、7.3%であり、いずれもウパダシチニブの両用量群がプラセボ群より有意に高かった(すべての比較でp<0.001)。 安全性については、帯状疱疹の発現率は、ウパダシチニブ45mg群および30mg群がプラセボ群より高く、肝障害ならびに好中球減少症の発現率は、ウパダシチニブ30mg群が他の維持療法群より高かった。消化管穿孔が、ウパダシチニブ45mg群で4例、ウパダシチニブ30mg群ならびに15mg群で各1例に発現した。

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米CDCが今夏のサル痘再流行の可能性について警告

 米疾病対策センター(CDC)は5月15日、ヘルス・アラート・ネットワークを通して、サル痘ウイルスに感染するリスクのある人にワクチンを接種するよう呼びかけた。背景には、2022年夏にピークに達して以降、徐々に減少していたサル痘(2023年2月にエムポックスに名称変更)の罹患者数が再び増加に転じる可能性に対する危惧がある。CDCは、「人々が集うフェスティバルやその他のイベントを通して、2023年の春から夏にかけてサル痘が再び流行する可能性がある」と述べている。 米ワイル・コーネル大学医学部パンデミック予防・対策センターのディレクターであるJay Varma氏はCNNに対し、「今後数カ月の間にサル痘患者が急増する可能性がある。しかし、リスクのある人の多くはすでに感染したか、あるいはワクチンが普及してきたため、おそらく昨年ほどの規模にはならないだろう」と語った。ただ、同氏によると、過去の感染歴やワクチン接種による保護がどの程度続くかについては不明だという。 CDCは目下、2023年4月17日から5月5日の間に、米シカゴで確認された12例のサル痘確定症例と1例のサル痘疑い症例について調査を進めている。これらの症例は、全て男性(24〜46歳)である。13人中9人は、サル痘のワクチンとして承認された天然痘ワクチンの「ジンネオス」を2回接種済みであった。また、4人は直近で、ニューヨーク、ニューオリンズ、メキシコへ旅行していた。 過去のサル痘のアウトブレイクのほとんどは海外旅行と関連していたが、2022年の春には、人と人との接触によってウイルスは世界中に急速に広まった。CDCは、感染者はゲイやバイセクシュアルの男性、MSM(男性と性行為をする男性)、トランスジェンダーの人に偏っていたと述べている。このアウトブレイクがきっかけとなり、感染リスクのある人々にワクチン接種を呼びかける活動が行われた。CDCによると、ワクチンを接種してもブレイクスルー感染は起こり得るが、重症度を下げることは可能だという。 CNNによると、サル痘リスクが高いと考えられる人のうち、ワクチンの2回接種を完了したのはわずか23%だという。米National Association of County and City Health Officialsの最高経営責任者であるLori Tremmel Freeman氏はCNNに対し、「最もリスクの高い人々のワクチン接種が必要なレベルに達していないことが大きな懸念だ。現在、米国中西部で新たな感染例が発生しているが、ワクチン接種済みの人では症状が軽いようだ」とワクチン接種の有効性に言及している。Varma氏も、「ワクチンは安全で効果的だ。昨年は、感染を抑えるのに役立った。ワクチンの有効率や効果の持続期間に不明な点があるにせよ、接種しないよりは接種した方が良いのは確実だ」と主張する。 サル痘の主な症状は、水疱のような発疹、発熱、悪寒、リンパ節腫脹、痛み、倦怠感など。免疫力が低下している人が罹患すると、致命的になることもある。世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は5月11日、「WHOはサル痘の緊急事態宣言終了を宣言したが、これは、われわれの仕事が終わったことを意味するものではない。サル痘は、あらゆる地域のコミュニティーに今も影響を与え続けている」と語った。 米National Coalition of STD Directorのエグゼクティブ・ディレクターであるDavid Harvey氏は、サル痘は依然として「重大な懸念」であり、地域社会や医療提供者は監視を続ける必要があると語った。同氏は、「予想されたこととはいえ、シカゴの症例は気にかかる」と話しつつも、「ただ、昨年と違って、われわれは今や、何がサル痘に対して有効なのかを知っているし、再びサル痘患者が発生した際には、感染者の増加を抑制するための手段も持っている。ワクチンは安全で効果的であり、症例を減らし、症状の重症度を軽減するのにも役立つ」と話している。

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抗菌薬の長期使用で肺がんリスクが増加

 近年の研究で、抗菌薬によるマイクロバイオーム異常および腸と肺の相互作用が肺がん発症の引き金になる可能性が指摘されている。今回、韓国・ソウル国立大学のMinseo Kim氏らが抗菌薬の長期使用と肺がんリスクの関連を調べたところ、抗菌薬の累積使用日数および種類の数が肺がんリスク増加と関連することが示された。Journal of Infection and Public Health誌2023年7月号に掲載。 本研究は後ろ向きコホート研究で、韓国国民健康保険サービスのデータベースから2005~06年に健康診断を受けた40歳以上の621万4,926人について調査した。抗菌薬の処方累積日数と種類数で層別し、多変量Cox比例ハザード回帰を用いて、抗菌薬使用に対する肺がんリスクの調整ハザード比(aHR)および95%信頼区間(CI)を評価した。 主な結果は以下のとおり。・抗菌薬処方累積日数が365日以上の参加者の肺がんリスクは、抗菌薬非使用者より有意に高く(aHR:1.21、95%CI:1.16~1.26)、1~14日の参加者よりも有意に高かった(aHR:1.21、95%CI:1.17~1.24)。・5種類以上の抗菌薬を処方されていた参加者の肺がんリスクは、抗菌薬非使用者より有意に高かった(aHR:1.15、95%CI:1.10~1.21)。

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せっけん手洗いで、低中所得国の急性呼吸器感染症が減少/Lancet

 低中所得国において、せっけんによる手洗い励行の介入は急性呼吸器感染症(ARI)を減少可能であることが示された。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のIan Ross氏らが、システマティックレビューとメタ解析の結果を報告した。ARIは、世界的に罹患および死亡の主な原因で、ARIによる死亡の83%は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック以前の低中所得国で発生していたという。結果を踏まえて著者は、「低中所得国においてせっけんによる手洗いはARIによる大負荷を防ぐのに役立つと考えられる」とまとめている。Lancet誌2023年5月20日号掲載の報告。低中所得国におけるせっけん手洗いに関する研究26件についてメタ解析 研究グループは、MEDLINE、Embase、Web of Science、Scopus、Cochrane Library、Global Health、Global Index Medicusを用いて、2021年5月25日までに発表された低中所得国におけるせっけんによる手洗いに関する研究を検索し、家庭、学校または保育の場で実施された介入の無作為化および非無作為化比較研究を特定し、システマティックレビューとメタ解析を行った。せっけんによる手洗い以外の手指衛生励行の介入、および医療施設や職場における介入は除外された。 主要アウトカムは、あらゆる病原体に起因するARI罹患率。副次アウトカムは、下気道感染症、上気道感染症、診断検査で確認されたインフルエンザ、診断検査で確認されたCOVID-19、および全死因死亡であった。 研究結果の統合にはランダム効果メタ解析を、異質性の評価にはメタ回帰を用い、相対リスク(RR)を算出した。個々の研究のバイアスリスクはNewcastle-Ottawaスケールを用いて評価し、GRADE(Grading of Recommendations, Assessment, Development, and Evaluation)を用いてエビデンスの確実性を評価した。 適格基準を満たした26件の研究(合計16万1,659例)から、27件の比較(無作為化比較は21件)が解析に組み込まれた。せっけん手洗い励行で、急性呼吸器感染症罹患率は低下 せっけんによる手洗い励行の介入は、手洗いなしと比較してARIを減少させた(RR:0.83、95%信頼区間[CI]:0.76~0.90、I2:88%、27件)。 副次アウトカムについては、下気道感染症(RR:0.78、95%CI:0.64~0.94、I2:64%、12件)および上気道感染症(0.74、0.59~0.93、91%、7件)は減少したが、インフルエンザ(0.94、0.42~2.11、90%、3件)、COVID-19(比較なし)および全死亡(死亡率比:0.95、95%CI:0.71~1.27、1件)は抑制しなかった。 ARIの異質性共変量に有意性は認められなかった(p<0.1)。GRADE評価によるエビデンスの質は「中」であった。

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頭の中の思考を文章化する新たなデコーダーを開発

 何らかの話を頭の中で想像したり聞いたりしている人の脳の機能的MRI(fMRI)のデータから、その人が考えている内容を文章に置き換えることができるデコーダーの開発に成功したことを、米テキサス大学オースティン校のJerry Tang氏らが報告した。研究グループは、このシステムが、脳卒中などで意識はあるものの話すための身体的な能力を失った人に有益な可能性があると見ている。研究の詳細は、「Nature Neuroscience」に5月1日掲載された。 Tang氏らが開発した新しいデコーダーは、脳に電極を埋め込む必要がない、非侵襲的なアプローチを採用している点で、これまでのシステムとは異なる。デコーダーの開発ではまず、3人の試験参加者に16時間にわたってさまざまな話を聞かせ、その間の脳のfMRIデータを取得。このデータを用いて、単語の連なりに対する脳の反応を予測するためのエンコーディングモデルのトレーニングを行った。次いで、このエンコーディングモデルが予測した脳の反応を基に、ニューラルネットワーク言語モデルと探索アルゴリズムを用いたデコーダーが、最適な単語の連なりを生成するようにした。 Tang氏らは、試験参加者に新しい話を聞かせて、このデコーダーの精度を調べた。その結果、デコーダーはfMRIで記録された試験参加者の脳活動から、新しい話の意味を捉えた単語の連なりを生成することができ、また、話に出てくるいくつかの単語やフレーズを正確に再現できることが示された。以下はその一例だ。 実際の話:「I got up from the air mattress and pressed my face against the glass of the bedroom window expecting to see eyes staring back at me but instead finding only darkness.(私はエアマットから起き上がり、寝室の窓ガラスに顔を押し当てた。そこに自分を見つめ返す目が見えるかと思ったが、暗闇があるだけだった。)」 デコーダーが生成した話:「I just continued to walk up to the window and open the glass I stood on my toes and peered out I didn't see anything and looked up again I saw nothing.(私はそのまま窓に近づき、窓ガラスを開け、つま先立ちで外をのぞき込んだが何も見えなかった。もう一度見上げても、何も見えなかった。)」 次に、このデコーダーが、話されている言葉ではなく思考を捉えているのかを確認するため、試験参加者にサイレントムービーを見てもらい、fMRIで脳波を取得した。このfMRIデータをデコーダーに解読させた結果について、研究論文の上席著者である同大学のAlxander Huth氏は、「この映画に音声は一切出てこない。試験参加者は、これらの映画を見ている間、何かを行うよう指示されることはなかった。しかし、fMRIデータをデコーダーにかけると、映像の中で起きていることを説明するような文章が生成された」と説明している。さらに、試験参加者に、頭の中で何らかの話を想像してもらい、その間のfMRIデータをデコーダーにかけると、想像したその話の意味を予測できることも確認された。 Huth氏は、「今回の研究での出力フォーマットは言語であるが、われわれが得ようとしているのは、必ずしも言語そのものではない。このデコーダーは、言語よりももっと深いところにあるものを捉えて、それを言語に変換しているのだ。これは、非常に高いレベルで言語が果たしている役割だと言えるだろう」と話す。 ただし、このデコーダーにはまだ多くの不備があり、実用化に移せる段階にはない。例えば、デコーダーは代名詞が「ひどく苦手」であり、適切な単語やフレーズを正確に再現するためには、微調整やさらなるテストが必要だという。また、脳波を測定するために大型のMRI装置が必要な点も実用的とはいえないとTang氏らは指摘している。同氏らは目下、脳波計や機能的近赤外分光法のような、より安価で持ち運び可能な装置を使って、fMRIと同程度の脳活動を把握することができるかどうかを検討しているとのことだ。 さらに研究グループは、このデコーダーが想像以上にうまく機能したことに衝撃を受け、脳のプライバシーに関する懸念が生じたことを認めている。Tang氏は、「この技術はまだ発展途上だが、脳のデータに関して規制を設けることは非常に重要だと考えている。いつか本人の協力を得ることなく正確に頭の中の思考を解読できるようになったときには、その規制を新たな規制の基盤にすることができるだろう」と話している。

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小児喘息の罹患率や症状、居住環境が影響/JAMA

 米国都市部の貧困地域に居住する子供たちにおける、不釣り合いに高い喘息罹患率には、構造的人種主義が関与しているとされる。米国・ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のCraig Evan Pollack氏らは、MAP研究において、住宅券(housing voucher)と低貧困地域への移住支援を提供する住宅移動プログラムへの参加が、小児の喘息罹患率や症状日数の低下をもたらすことを示した。研究の成果は、JAMA誌2023年5月16日号で報告された。ボルチモア郡の前向きコホート研究 MAP研究は、2016~20年に家族がBaltimore Regional Housing Partnership(BRHP)の住宅移動プログラムに参加した、持続型喘息を有する5~17歳の小児123例を対象とする前向きコホート研究である(米国国立環境健康科学研究所[NIEHS]の助成を受けた)。 ボルチモア郡の低貧困地域への引っ越しが、小児の喘息の増悪および症状に及ぼす影響を評価した。また、傾向スコアを用いて、Urban Environment and Childhood Asthma(URECA)の出生コホートに登録された小児とマッチングした解析も行われた。 123例の年齢中央値は8.4歳、58例(47.2%)が女児、120例(97.6%)が黒人であった。81%(89/110例)が引っ越し前は高貧困地域(貧困線を下回る家族が20%以上の地域)に居住しており、引っ越し後のデータが得られた小児のうち高貧困地域に住んでいたのは0.9%(1/106例)のみだった。傾向スコアマッチング解析でも、有意差を保持 このコホートにおいては、引っ越し前の3ヵ月間に、少なくとも1回の喘息の増悪がみられた患児は15.1%であったのに対し、引っ越し後は8.5%に低下し、補正後の引っ越し前後の差は-6.8ポイント(95%信頼区間[CI]:-11.9~1.7、p=0.009)と、有意な改善が認められた。 また、過去2週間の最大症状日数(患児が全身症状、活動性低下、夜間覚醒を訴えた最大の日数)は、引っ越し前が5.1日であったのに対し、引っ越し後は2.7日に減少し、補正後の引っ越し前後の差は-2.37日(95%CI:-3.14~-1.59、p<0.001)であり、有意な改善がみられた。 これらの結果と同様に、URECAデータを用いた傾向スコアマッチング解析でも、有意差が保たれていた。 さらに、社会的結束(social cohesion)、日中および夜間の近隣の安全性、都市のストレスなどのストレス指標は、いずれも引っ越しによって改善し、引っ越しと喘息増悪との関連の29~35%、引っ越しと症状発現の減少との関連の13~34%を、これらの指標が媒介すると推定された。 著者は、「政策立案者や臨床医が、1世紀以上に及ぶ住宅差別(housing discrimination)の遺産を抱える地域の家族を支援するプログラムを開発し検証する際に、これらの知見は子供の健康に有益な可能性を示唆するエビデンスとなる」としている。

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歯科治療の中断が全身性疾患の悪化と有意に関連

 歯科治療の中断と、糖尿病や高血圧症、脂質異常症、心・脳血管疾患、喘息という全身性慢性疾患の病状の悪化が有意に関連しているとする研究結果が報告された。近畿大学医学部歯科口腔外科の榎本明史氏らの研究によるもので、詳細は「British Dental Journal」に4月11日掲載された。 近年、口腔疾患、特に歯周病が糖尿病と互いに悪影響を及ぼしあうことが注目されている。その対策のために、歯科と内科の診療連携が進められている。また、糖尿病との関連に比べるとエビデンスは少ないながら、心・脳血管疾患や高血圧症なども、歯周病と関連のあることが報告されている。歯周病とそれらの全身性疾患は、どちらも治療の継続が大切な疾患であり、通院治療の中断が状態の悪化(歯周病の進行、血糖値や血圧などのコントロール不良)につながりやすい。榎本氏らは、歯科治療を中断することが全身性疾患の病状に影響を及ぼす可能性を想定して、以下の横断的研究を行った。 研究には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの社会・医療への影響を把握するために実施された大規模Web調査「JACSIS(Japan COVID-19 and Society Internet Survey)研究」のデータが用いられた。パンデミック第5波に当たる2021年9月27日~10月30日に、Web調査登録者パネルを利用して、年齢、性別、居住都道府県を人口構成にマッチさせた上で無作為に抽出した3万3,081人に回答協力を依頼。2万7,185人(年齢範囲15~79歳、男性49.7%)から有効回答を得た。 このトピックに関する質問は、「過去2カ月間に、全身性疾患の病状は悪化したか」、「過去2カ月間に、歯科治療を受けることができたか」という二つで構成されていた。前者は「はい」か「いいえ」、後者は歯科治療を「継続していた」、「中断した」、および「該当しない(以前から継続的な歯科治療は受けていない)」から選んでもらった。 全身性疾患の検討対象者は、もともと内科疾患を放置している人やコロナ禍のもと内科疾患の通院を中断した人は除外。最終的には、糖尿病1,719人、高血圧症5,130人、脂質異常症2,998人、心・脳血管疾患833人、喘息677人、アトピー性皮膚炎792人、うつ病などの精神疾患1,638人を対象者とした。これら各疾患の患者のうち、50~60%は歯科治療を継続しており、4~8%は中断していた。いずれの疾患においても、歯科治療継続群より中断群の方が、病状が悪化したとの回答が多かった。 糖尿病患者を例にとると、1,719人のうち88人が歯科治療を中断しており、そのうち16人(18.2%)が糖尿病の悪化を報告。歯科治療を継続していた1,043人ではその割合が5.6%だった。年齢、性別、喫煙習慣、教育歴、収入、居住環境(独居か否か、持ち家か否か)を共変量として調整した解析でも、病状悪化率の群間差は有意だった(P=0.0006)。 同様の解析で、高血圧症(P=0.0003)、脂質異常症(P=0.0036)、心・脳血管疾患(P=0.0007)、喘息(P=0.0094)も、歯科治療を中断した群の病状悪化率の方が有意に高かった。アトピー性皮膚炎とうつ病などの精神疾患に関しては、有意差が見られなかった。 著者らは「本研究は横断研究であるために因果関係は不明」とした上で、「歯科治療の中断がいくつかの全身性疾患の状態を悪化させる可能性が示された。つまり、歯科治療の継続が全身性疾患の進展を抑制し得るのではないか。また、全身の内科的疾患の症状悪化によって、将来的に医療において必要となる人的労力や経済的負担が、口腔の健康の維持のための比較的軽度な負担によって抑制可能かもしれない。この結果はわが国における医歯学連携の推進を後押しする、有意義な知見と考えられる」と結論付けている。

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英語で「服用禁忌」は?【1分★医療英語】第82回

第82回 英語で「服用禁忌」は?Hi Dr. Smith, the patient has a history of angioedema and ACE are contraindicated.(スミス先生、患者さんは血管浮腫の病歴があるのでACE剤は服用禁忌です)Oh okay, let’s change the med then.(そうか、では、処方を変えましょう)《例文1》A bleeding disorder is a contraindication for taking aspirin.(出血性疾患はアスピリンの服用禁忌です)《例文2》Are steroids contraindicated in cancer?(ステロイドはがん患者に服用禁忌でしょうか?)《解説》薬剤を処方するときにお馴染みの「適応」という表現。英語では“indication”で表現します。これに「反対、逆」の接頭語である“contra”を付けた“contraindication”が「禁忌」という意味になります。形容詞的に“contraindicated”として使う場合もあります。米国の場合、添付文書に記載されている警告は3段階あります。注意warnings and precautions禁忌contraindications最大級の警告boxed warning(black box warning)“black box warning”とは文字どおり「黒枠で囲まれた警告」であり、添付文書の一番初めに強調して記載されている、特筆すべき警告です。ちなみに、添付文書は“package insert”といいます。これも文字どおりで、「パッケージに挿入(insert)されたもの」だからですね。医薬品情報収集はスピードが命。私も多岐にわたる医薬品情報については、スマホからでもすぐに見つけられるよう、普段から準備をしています。講師紹介

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