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検索結果 合計:4227件 表示位置:4061 - 4080

4061.

中国における最新の精神疾患有病率の実態が明らかに

2001~2005年の中国の18歳以上人口における精神疾患の有病率は17.5%で、受診率は5%に過ぎず、WHOの世界疾病負担の調査との間に実質的な乖離があることが、北京Hui Long Guan病院自殺予防研究訓練センターWHO共同研究部のMichael R Phillips氏らの検討で明らかとなった。中国などの中所得国では、健康障害の最も重大な原因は男女ともに神経精神病学的な病態であるが、精神疾患の有病率や治療法、関連障害に関する質の高い固有のデータがないことが、精神健康サービス拡充の努力の妨げとなってきたという。Lancet誌2009年6月13日号掲載の報告。約6万人を抽出、1万6,577人をSCID-Iで診断研究グループは、2001~2005年に中国の4つの省で実施された一連の疫学研究に基づき中国における精神疾患の現況について解析した。多段層化無作為抽出法(multistage stratified random sampling method)を用いて1次サンプル地域(都市部96地区、地方267地区)を決定し、18歳以上の1億1,300万人が抽出された。これには中国の成人の12%が含まれる。サンプル地区において単純無作為選択法(simple random selection method)で抽出された6万3千4人が、精神健康調査票(General Health Questionnaire; GHQ)によるスクリーニングを受けた。選ばれた1万6,577人が、精神科医によってDSM-IV 1軸障害の構造化臨床面接法(Structured Clinical Interview for Diagnostic and Statistical Manual (DSM)-IV axis I disorders; SCID-I)の中国版による診断を受けた。その国固有の詳細な精神疾患の状況分析が必要過去1ヵ月における精神疾患の補正後有病率は17.5%(95%信頼区間:16.6~18.5%)であった。気分障害が6.1%(5.7~6.6%)、不安障害が5.6%(5.0~6.3%)、薬物濫用障害が5.9%(5.3~6.5%)、精神病性障害が1.0%(0.8~1.1%)に見られた。気分障害と不安障害の有病率は男性よりも女性で高く、40歳未満よりも40歳以上の年齢で高かった。アルコール使用障害の有病率は男性が女性の48倍も高かった。抑うつ障害やアルコール依存症は都市部よりも地方で多い傾向が見られた。診断が可能であった精神病患者のうち、24%が当該疾患による中等度~重度の身体障害を有していた。専門的な支援を求めたことがあるのは8%、精神科専門医を受診したことがあるのは5%であった。著者は、「今回の結果と、WHOの世界疾病負担(global burden of disease)の解析で推算された中国における精神疾患の有病率、身体障害率、治療を受けている患者の割合には実質的な乖離が見られた」と結論し、「低~中所得国では、精神健康サービスの拡充を図る前に、その国固有の詳細な精神疾患の状況分析を行う必要性に留意すべき」としている。(菅野守:医学ライター)

4062.

認知症患者のビデオを見せながらのIC

患者が自ら選択した治療を尊重することは、人生の終末期の質を高める重要な鍵となる。その選択に際し医師は伝統的に、言葉だけでインフォームド・コンセント(IC)を行ってきた。米国マサチューセッツ総合病院内科のAngelo E Volandes氏らは、実際の末期患者を撮影したビデオを見せながらのICが、患者が望むケアの選択に寄与すると提唱する。ビデオを見せることが、患者が望むケア選択を形作ることができるのか。高齢者を対象に、認知症が進行した場合の治療選択について、ビデオを見せた群と口頭のみの群との選択肢の違いに関する無作為化試験を行った。BMJ誌2009年6月6日号(オンライン版2009年5月28日号)より。認知症患者のビデオを見せ、65歳以上高齢者200例の治療選択を検討試験は2007年9月1日~2008年5月30日の間に、ボストンにある4つの診療所(2つは老人医学専門、2つは成人医学)で、65歳以上200例が参加し行われた。被験者は、認知症になったときの健康ステータスを、口頭のみで説明を受け治療の選択肢を決める群(口頭IC群、106例)と、ビデオ(認知症が進んだ80歳女性が、2人の娘、看護師とともに自宅で撮影されているビデオ)も見て決める群(ビデオIC群、94例)に無作為化された。主要評価項目は、どのようなゴールのケアが選択されたか。すなわち、「延命ケア選択」(心肺蘇生、人工呼吸器装着)、「限定的ケア選択」(入院、抗生剤投与は受け入れるが心肺蘇生は望まない)、「安楽ケア選択」(緩和ケアのみ)のいずれであったかが検討された。また、6週間後にもう一度インタビューを行い、意思の変化も調べられた。ビデオIC群のほうが安楽ケアを選択、時間経過による意思のぶれも小さい結果、口頭のみIC群の選択は、安楽ケア選択68例(64%)、限定的ケア選択20例(19%)、延命ケア選択15例(14%)、不明3例(3%)だった。ビデオIC群はそれぞれ、81例(86%)、8例(9%)、4例(4%)、1例(1%)だった(χ2乗=13.0、df=3、P=0.003)。多変量解析で、口頭IC群よりもビデオIC群のほうが、安楽ケアをより選択する傾向であることが確認されている(補正オッズ比:3.9、95%信頼区間:1.8~8.6)。また全被験者の解析から、安楽ケアを選択する可能性がより大きくなる因子として、「学士(またはそれ以上の学位)を有した者」「健康状態が良好(またはそれ以上)」「健康に関する教養が高い」「白人」および無作為化によるバイアスが確認された。6週間後の再調査では、口頭IC群(94/106例、89%から回答)で意見を変えた人は27例(29%)に上ったが、ビデオIC群(84/94例、89%から回答)では5例(6%)だった(違いのP

4063.

早期関節リウマチへのエンブレルとメトトレキサートの併用による抑制効果について

ワイス・ヨーロッパは12日、デンマーク・コペンハーゲンで開催された欧州リウマチ学会(EULAR)にて、早期活動性関節リウマチ患者を対象としたエタネルセプト(商品名:エンブレル)とメトトレキサートの併用に関する臨床試験(COMET試験)の結果が発表されたと報告した。同試験結果では、活動性が中等度から重度の早期関節リウマチ患者において、エンブレルとメトトレキサートの併用により、関節破壊の進行抑制が2年目も継続していることが明らかになったとのこと。COMET(COmbination of Methotrexate and ETanercept in early rheumatoid arthritis)試験は、早期活動性関節リウマチ患者の疾患活動性および関節破壊の進行に関して、エンブレル(ETN)とメトトレキサート(MTX)併用療法の臨床上の有効性と安全性を、メトトレキサート単独投与と比較し「臨床的寛解」を主要評価項目として用いて公表された初の臨床試験。COMET試験の2年目のデータ結果は主に以下の通り。● 1年目の終わりから2年目の終わりまでの間で、臨床的寛解を達成した患者の割合は、M/M患者群では35%であったのに対し、EM/E患者群では50%に到達した。● 臨床的寛解を達成した患者の割合をみると、ETNを含む治療を受けた患者群(EM/EM患者群、EM/E患者群、およびM/EM患者群)のほうがメトトレキサート単独投与患者群(M/M)より有意に高くなった。(LOCFおよびNRIを使用)● 関節破壊の進行抑制を達成した患者の割合は、併用投与を継続したEM/EM患者群が、他の患者群より有意に高くなった。(P

4064.

新しい抗結核薬TMC207、多剤耐性肺結核の治療薬として有効:第II相第1段階試験

新たな抗結核薬として開発が進められているdiarylquinoline(TMC207)の第II相試験第1段階の結果、多剤耐性肺結核の治療薬として有効であることが確認された。南アフリカUniversity of Stellenboschヘルスサイエンス学部のAndreas H. Diacon氏らによる報告で、NEJM誌2009年6月4日号で発表された。TMC207は、結核菌のATP合成酵素を阻害するというこれまでにない作用機序を有する。in vitroで、薬剤感受性・薬剤耐性結核菌を強力に阻害すること、薬剤感受性の肺結核患者で殺菌作用を示すことが明らかになっていた。多剤耐性肺結核47例を、TMC207群とプラセボ群に無作為化第II相試験は、無作為化プラセボ対照試験が、試験ステージ(8週間)と検証ステージ(24週間)の2ステージにて行われた。本論は、8週間の試験ステージの報告。 試験は、新たに多剤耐性肺結核と診断された47例を、TMC207群(400mg/日を2週間投与、続く6週間は週に3回200mgを投与、23例)と、プラセボ群(24例)に無作為に割り付け行われた。なお全患者に対してセカンドレジメンとして、標準的な5種類の抗結核薬の治療が合わせて行われた。エンドポイントは、液体ブロスでの喀痰培養による、陽性から陰性への転換とされた。有効性を確認結果、TMC207群はプラセボ群に比べ、陰性へ転換するまでの期間が短く(ハザード比:11.8、95%信頼区間:2.3~61.3、COX回帰分析によるP=0.003)、また、陰性に転換した患者の割合が大きかった(48%対9%)。喀痰培養におけるコロニー形成単位の平均値は、TMC207群のほうがプラセボ群に比べ迅速に減じた。TMC207の平均血中濃度は陰性に転換しなかった患者と転換した患者とで有意な差は見られなかった。有害事象の大半は軽度~中等度であったが、吐き気のみTMC207群で有意に頻度が高かった(26%対4%、P=0.04)。(武藤まき:医療ライター)

4065.

うつ病歴のある親を持つ子どもへの認知行動療法

うつ病歴のある親を持ち、同じくうつ病歴、または軽度うつ症状のある子どもに対し、8週間の認知行動療法を行うことで、うつ症状の改善に効果があることがわかった。ただし、親が現在うつ病である場合には、この改善効果は見られなかったという。米国Vanderbilt大学のJudy Garber氏らが明らかにしたもので、JAMA誌2009年6月3日号で発表した。これまでの研究結果から、親がうつ病歴のある子どもは、少年・少女期にうつ症状を発症するリスクが大きいことがわかっている。うつ症状発症率は集団認知行動療法で0.63倍にGarber氏らは2003~2006年にかけて、親が現在または過去にうつ病の診断を受けた13~17歳、合わせて316人について、調査を行った。被験者には、過去にうつ病歴があるか、現在うつ病と診断はできないものの、うつ症状が認められた。被験者を無作為に2群に分け、一方には週1回の90分にわたる集団認知行動療法を8週間行い、その後半年間、毎月セッションを継続して行った。もう一方の群には、通常の治療を行った。その結果、集団認知行動療法の終了後のフォローアップ中に、うつ症状の程度を示すDSRスコア4以上が2週間以上継続するといった状態になった人の割合は、対照群では32.7%だったのに対し、集団認知行動療法群では21.4%に留まった(ハザード比:0.63、95%信頼区間:0.40~0.98)。CES-Dうつ病自己評価尺度でも、集団認知行動療法群では対照群に比べ、有意に大幅な改善が見られた(変動効果回帰分析の結果:係数-1.1、z=-2.2、p=0.03)。親が現在もうつ病だと、集団認知行動療法の効果なしところが、被験者の親が現在もうつ病である場合には、集団認知行動療法の効果に有意差はなく、フォローアップ中のうつ症状の発生率は、対照群で24.3%に対し、治療群で31.2%だった(ハザード比:1.43、95%信頼区間:0.76~2.67)。一方、親が現在うつ病ではない被験者については、同割合は対照群が40.5%に対し治療群では11.7%と、大幅な改善が見られた(ハザード比:0.24、同:0.11~0.50)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

4066.

新型インフルエンザの状況をどうみるか? ―第49回日本呼吸器学会学術講演会 緊急報告

第49回日本呼吸器学会学術講演会では6月13日、世界保健機関(WHO)で感染症対策を担当した押谷 仁氏(東北大学大学院医学系研究科微生物学分野 教授)により、「インフルエンザA(H1N1)による新型インフルエンザの各国の状況と日本の課題」と題した新型インフルエンザに関する緊急報告が行われた。まず、押谷氏は日本現在の「今回のインフルエンザA(H1N1)の毒性は弱毒性で、季節性インフルエンザと同程度」、「日本での第1波の流行は終息し、この冬の第2波に備えればよい」との論調に疑問を呈示、WHOでは深刻に捉えていることを話した。わが国でこれまで想定されていた新型インフルエンザでは、罹患率を人口の25%としており、これに基づき、感染者数は約3,000万人とされていた。押谷氏は、新型インフルエンザの病原性を季節性インフルエンザと同程度(致死率0.1~0.2%)とすると、死亡者数は3~6万人、致死率が0.4%と仮定した場合、死亡者数は12万人に上ると推測している。さらに、季節性インフルエンザと異なり、死亡者の多くは子供と20~40歳代の成人であるため、社会的インパクトはきわめて大きいと警告している。今回の新型インフルエンザA(H1N1)の病原性をどう見るべきかについて、押谷氏は、流行がまだ進展している状況では、はっきりとした全体像はよくわからないとした上、米国、特にニューヨーク市の状況について紹介した。米国での死亡者数は、最初の死亡者が出てから1ヵ月半の6月12日時点では、累計45人に達している。ニューヨーク市では、5月1日~20日の電話調査により、罹患率を5%以下と推計。ニューヨーク市の死亡者数は6月2日時点の7人から、6月12日の16人に増加しており、そのうち2人は65歳以上の高齢者だった。さらに、ニューヨーク市では、6月12日時点で、入院者数は567名に達し、そのうち、ICUケアが必要な患者は117人(21%)、人工呼吸器が必要な患者は59人(10%)であった。入院患者・死亡者の約80%はなんらかのリスク因子を持っている。リスク因子の割合は、喘息や他の慢性肺疾患は41%と最も多く、そのほか妊娠女性(妊娠可能女性患者の28%)、2歳未満12%、糖尿病11%などの順であった。なぜ重症化するのかについて、押谷氏は、1)ウイルス側にはこれまでVirulenceを決めるようなMutationは見つかっていない(NS1、PB1、PB2など)、2)おそらく一部の症例では(特に基礎疾患などがある人では)ウイルスの増殖をコントロールできなくなっている、3)ほとんどの人に免疫がないためにこのようなことが起こりうるとしている。わが国では、疫学リンクのない例(感染源が特定されていない例)がかなり見つかっているが、隔離や自宅待機を恐れて名乗り出ていない人もいると思われ、日本での感染拡大が続いている可能性があると押谷氏は指摘した。今後予想されているシナリオとしては、1)このまま日本を含め大規模なパンデミックに突入、2)北半球では今回は「小流行」で終わる、3)いったん北半球では収まっても感染者の流入は続く可能性が指摘されている。日本でも半年以内に大規模な感染拡大は確実に起こる可能性が高いとされる。押谷氏は現時点では感染者の多くは軽症であるとしながらも、感染者が増加すれば日本でも重症化する人が出てくるとし、重症化例への医療体制は大きな課題であると締めくくった。【関連リンク】 ●2009 New York City Department of Health and Mental HygieneHealth Alert ♯22: Novel H1N1 Influenza Update June 12, 2009http://www.nyc.gov/html/doh/downloads/pdf/cd/2009/09md22.pdf ●2009 New York City Department of Health and Mental HygieneHealth Alert ♯21: Novel H1N1 Influenza Update June 2, 2009http://www.nyc.gov/html/doh/downloads/pdf/cd/2009/09md21.pdf(ケアネット 呉 晨/松本佳世子)

4067.

認知症治療の効果を評価する際は、年齢を考慮すべき

ケンブリッジ大学のGeorge M. Savva氏らの研究グループは、神経病理学的所見と認知症との関連について、加齢が及ぼす影響を推定するため、献体を用いた住民ベースの調査を行った。NEJM誌2009年5月28日号より。アルツハイマー病の研究は主に、65歳未満の若年高齢者に焦点を当てているが、より高齢な人を対照に含む研究で、アルツハイマー病と認知症との間の病理学的所見の関連は低いことが報告されてはいる。69~103歳死亡高齢者456例の脳を評価Savva氏らは、Medical Research Council Cognitive Function and Ageing Study(認知機能と老化に関する住民ベースの医学的調査)に献体された69~103歳で死亡した高齢者456例の脳について、アルツハイマー病、脳萎縮、ならびに脳血管障害の病理学的所見の評価を行った。評価に関する尺度には標準的な神経病理学的プロトコルを適用。神経病理学的変数は、病理学的病変の負荷が「なし、軽度」「中程度、高度」によって2群に分類した。その上で、ロジスティック回帰分析にて、神経病理学的所見と認知症との関連について、加齢が及ぼす影響を推定評価した。大脳新皮質の萎縮と認知症との関連、加齢と相関「中等度、高度」のアルツハイマー病型の病理学的変化の出現率は、加齢とともに減少した。大脳新皮質の神経突起プラーク(神経炎性斑)と認知症との関連は75歳で強く(オッズ比:8.63、95%信頼区間:3.81~19.60)、95歳で低下した(2.48、0.92~4.14)。同様に、アルツハイマー病と認知症に関連する他の病理学的な差異の関連性が、年齢が進むにつれて、脳の全領域で低下するのが観察された。対照的に、大脳新皮質の萎縮と認知症との関連においては、75歳ではオッズ比5.11(95%信頼区間:1.94~13.46)、95歳ではオッズ比6.10(2.80~13.28)で、加齢との相関が認められた。これらから研究グループは、集団への認知症介入効果を評価する際は、年齢を考慮する必要があると結論づけている。(朝田哲明:医療ライター)

4068.

進行性消化管間質腫瘍の二次選択薬に 英国NICEがスーテントの償還を推奨

米国ファイザー社は、英国の国立臨床研究所(NICE: National Institute for Health and Clinical Excellence)が最終評価書(FAD: final appraisal document)を発行して「スーテント」(一般名:スニチニブリンゴ酸塩)を進行性の消化管間質腫瘍(GIST: gastrointestinal stromal tumor)の患者を治療するための二次選択薬として償還対象とするよう推奨されたことを発表した。NICEは最近、スーテントを進行性腎臓がんの一次選択薬として償還対象とするよう推奨するガイダンスを発行していたが、今回の推奨はそれに続くもの。今回のガイダンスでは、イマチニブメシル酸塩に対して無効または不忍容で、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)の全身状態評価(performance status)が0または1の進行性GISTの患者を対象とした治療の選択肢として、スーテントの償還が推奨されている。NICEは、腫瘍進行までの期間ならびに無増悪生存期間において有効性が見られたことから、スニチニブ治療によって全生存期間においても相当な改善が期待できるとしている。NICEの決定は、進行性GISTの患者において「スーテント」をプラセボと比較したフェーズIII試験のデータに基づいて下され、スーテントは同試験において腫瘍進行までの期間を5ヵ月近く延長させた(プラセボ6.4週間に対してスーテント27.3週間、P

4069.

非ST上昇型急性冠症候群への抗血小板薬投与は、血管造影12時間以上前ではリスク増大

非ST上昇型急性冠動脈症候群の患者への、血管造影前の、抗血小板薬、糖蛋白IIb/IIIa阻害剤の投与は、12時間以上前では、血管造影後の投与(PCI前)と有効性が変わらないばかりか、安全性の面で、非致死的出血リスクの上昇および輸血の必要性が増加することが明らかになった。これまで、同剤投与の開始時期については明らかにされていなかった。報告は、アメリカ・Brigham and Women’s病院TIMI(Thrombolysis in Myocardial Infarction)研究グループのRobert P. Giugliano氏らによるもので、早期投与はハイリスク患者の虚血性合併症予防に有効であるとの仮説を立て行われたEARLY ACS(Early Glycoprotein IIb/IIIa Inhibition in Non.ST-Segment Elevation Acute Coronary Syndrome)試験の結果。NEJM誌2009年5月21日号(オンライン版2009年3月30日号)で発表された。患者9,492例を早期投与群と待機的投与群に無作為化EARLY ACS試験には、2004年3月~2008年8月の間に、29ヵ国440施設から、非ST上昇型急性冠動脈症候群で侵襲的治療適応とされた患者9,492例が参加した。被験者は、ルーチンのeptifibatide早期投与群(血管造影12時間以上前に、180μg/kg体重のボーラス投与を10分間隔で2回と、標準注入)と、待機的投与群(造影前はマッチするプラセボを投与し、造影後PCI実施までに所見に基づき投与)とに無作為に割り付けられた。有効性の主要エンドポイントのオッズ比は0.92有効性の主要エンドポイント[96時間時点での以下の複合:死亡、心筋梗塞、緊急血行再建術を要した虚血の再発、最初の割り付けとは反対のボーラス投与を必要としたPCI中の血栓性合併症(血栓性の緊急処置)]の発生は、早期投与群9.3%、待機的投与群10.0%で、オッズ比は0.92(95%信頼区間:0.80~1.06、P=0.23)だった。また、主な副次エンドポイント(無作為化後30日以内における死亡と心筋梗塞の複合)の発生は、早期投与群11.2%、待機的投与群12.3%で、オッズ比は0.89(0.79~1.01、P=0.08)だった。安全性のエンドポイント(無作為化後120時間以内の出血と輸血の必要性)については、早期投与群で出血率と赤血球輸血率が、有意に高かった。なお、重度の出血、非出血性の重篤な有害事象については、両群で有意差は見られなかった。これらからGiugliano氏は、「eptifibatideの早期投与(血管造影12時間以上前)は、造影後投与より優れていることは確認できなかった。また、リスクに関して、早期投与と非致死的出血リスクの上昇と輸血の必要性の増加との関連が認められた」と報告をまとめた。(武藤まき:医療ライター)

4070.

経口rivaroxaban 1日1回投与が、人工膝関節全置換術後の新たな静脈血栓予防法に

人工膝関節全置換術後の静脈血栓塞栓症の予防法として、rivaroxaban 10mgの経口投与(1日1回)がエノキサパリン(商品名:クレキサン)30mgの皮下注(1日2回)よりも有意に優れることが、カナダMcMaster大学のAlexander G G Turpie氏らが実施した無作為化試験(RECORD 4)によって確認された。American College of Chest Physicians(ACCP)の勧告によれば、人工膝関節全置換術施行後は少なくとも10日間の静脈血栓塞栓症の予防治療が必要とされる。術式の進歩による入院期間の短縮化に伴い、簡便で有効な外来ベースの経口抗凝固薬の開発が強く望まれているという。Lancet誌2009年5月16日号(オンライン版2009年5月5日号)掲載の報告。非劣性が示されない場合は、優位性を評価RECORD 4の研究グループは、人工膝関節全置換術後の静脈血栓塞栓症の予防法としてのrivaroxabanの有効性および安全性について検討する二重盲検無作為化第III相試験を実施した。人工膝関節全置換術を受けた3,148例が、術後6~8時間にrivaroxaban 10mg/日の経口投与を開始する群(1,584例)あるいは術後12~24時間にエノキサパリン30mg/12時間ごとの皮下注を開始する群(1,564例)に無作為に割り付けられた。術後11~15日の間に両側静脈造影による血栓の評価を行った。有効性に関する主要評価項目は、術後17日までに発症した深部静脈血栓、非致死的肺塞栓、死亡の複合エンドポイントとし、rivaroxabanのエノキサパリンに対する非劣性をper-protocol解析で検証した。非劣性が示されなかった場合は、rivaroxabanの効果の優位性をintention-to-treat変法にて解析することとした。安全性に関する主要評価項目は大出血とした。有効性が有意に優れ、安全性は同等有効性に関する複合エンドポイントの発生率は、エノキサパリン群の10.1%(97/959例)に対しrivaroxaban群は6.9%(67/965例)と有意に優れていた(絶対リスク低減率:3.19%、95%信頼区間:0.71~5.67、p=0.0118)。大出血の発生率は、エノキサパリン群が0.3%(4/1,508例)、rivaroxaban群は0.7%(10/1,526例)と両群で同等であった(p=0.1096)。著者は、「人工膝関節全置換術後の静脈血栓塞栓症の予防法として、rivaroxaban 10mg/日の10~14日間の経口投与はエノキサパリン30mg/12時間ごとの皮下注よりも有意に優れる」と結論し、「経口rivaroxabanの1日1回投与法は、新たな予防的抗凝固療法として確立された」としている。(菅野守:医学ライター)

4071.

早期乳がん術後補助化学療法におけるドセタキセル逐次投与の検討

早期乳がんの術後補助化学療法では、アンスラサイクリン系抗がん剤を含む標準治療にドセタキセルを逐次的に追加投与しても、標準治療のみに比べて生存ベネフィットの改善効果は得られないことが、イギリスGuy’s and St Thomas’ NHS TrustのPaul Ellis氏らが行った第III相試験(TACT)で明らかとなった。アンスラサイクリン系抗がん剤による術後補助化学療法は、1990年代に早期乳がんの切除術後の標準的化学療法として確立されたが、タキサン系抗がん剤の併用によってさらなる改善効果が得られるものと期待されていた。Lancet誌2009年5月16日掲載の報告。FEC→D群と標準治療(FEC群、E→CMF群)を比較TACTの研究グループは、18歳以上のリンパ節転移陽性あるいは高リスクのリンパ節転移陰性の切除可能早期乳がんを対象に、イギリスの103施設とベルギーの1施設の参加のもとで無作為化対照比較第III相試験を実施した。登録された4,162例のうち2,073例が、FEC(フルオロウラシル+エピルビシン+シクロホスファミド)を4コース施行後にドセタキセル単剤を4コース施行する群(FEC→D群)に割り付けられた。対照群としては、FECを8コース施行する群(FEC群)に1,265例が、またエピルビシン単剤を4コース施行後にCMF(シクロホスファミド+メトトレキサート+フルオロウラシル)を4コース施行する群(E→CMF群)に824例が割り付けられた。主要評価項目は無病生存率(DFS)であった。生存ベネフィットは同等、重篤な有害事象はFEC→D群で高頻度フォローアップ期間中央値62週の時点で無病生存が得られていなかった症例数は、FEC→D群が2,073例中517例、標準治療群は2,089例中539例であり(ハザード比:0.95、95%信頼区間:0.85~1.08、p=0.44)、5年DFSはそれぞれ75.6%、74.3%と同等であった。 5年生存率はFEC→D群82.5%、標準治療群83.0%であり、やはり差を認めなかった(ハザード比:0.99、95%信頼区間:0.86~1.14、p=0.91)。乳がんの再発以外の原因で51例が死亡した(FEC→D群:29例、標準治療群:22例)。grade 3/4の急性の有害事象の発現率は、FEC→D群が標準治療群よりも有意に高かった(FEC群との比較でp<0.0001、E→CMF群との比較でp<0.0001)。最も高頻度に見られたのは好中球減少(FEC→D群:937例、標準治療群:797例)、白血球減少(507例、362例)、倦怠感(456例、272例)であった。著者は、「早期乳がんの術後補助化学療法では、アンスラサイクリン系抗がん剤を含む標準治療にドセタキセルを逐次的に追加投与しても、生存ベネフィットの改善効果はない」と結論し、「予後予測因子としてバイオマーカーを使用して探索的なサブグループ解析を行えば、タキサン系抗がん剤ベースの治療法が有効な症例を見いだすことが可能かもしれない」と考察している。(菅野守:医学ライター)

4072.

心臓死後の臓器提供、米国小児病院の約7割で独自方針あるが内容にばらつき

心臓死後の臓器提供に関して、調査を行った米国小児病院のおよそ7割で、独自の方針が整備されているものの、その内容にはかなりのばらつきがあることがわかった。また2割の病院では、調査時点で同方針を整備中だった。米国Utah大学小児科学部のArmand H. Matheny Antommaria氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年5月13日号で発表した。回答を得た施設の72%で整備、方針がなく整備中でもないのは7%同氏らは、全米小児病院の組織であるNational Association of Children’s Hospitals and Related Institutions(NACHRI)に所属する医療機関で、移植ネットワークUNOSの移植センターとして登録されている124ヵ所の医療機関を対象に、調査を行った。そのうち回答が得られた105ヵ所の医療機関の72%(95%信頼区間:64%~82%)にあたる76施設で、心臓死後の臓器提供に関する独自の方針を整備していた。また、方針を整備中だったのは19%(12%~28%)にあたる20施設、方針がなく整備中でもなかったのは7%(3%~14%)の7施設だった。84%が心臓死の基準を明示73施設の独自方針の内容について見てみたところ、死亡を決定するための基準や検査について特定していたのは、84%(73%~91%)の61施設だった。また4施設の独自方針では、心臓死から臓器摘出までの待機時間について、ガイドラインで定めた2分以上5分未満とは異なる設定を行っており、1施設では待機時間を2分未満、3施設では5分超にしていた。さらに64施設では、死亡決定に関して移植チームを排除し、37施設では死亡前管理への同チームの関与を禁止していた。生命維持治療を中止する場所についての記述があったのは68施設で、そのうち37施設では手術室を指定していたが、3施設では集中治療室(ICU)を指定していた。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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ホクナリンテープにスピリーバへの追加効果が実証される

マルホ株式会社とアボット ジャパン株式会社は20日、ホクナリンテープ(一般名:ツロブテロール)が慢性閉塞性肺疾患の臨床診断基準を満たす安定期の慢性気管支炎や肺気腫に伴う閉塞性気道障害(以下COPD と略)を対象とした臨床研究で「スピリーバ吸入用カプセル18μg」(一般名:チオトロピウム)への追加効果を持つことが示されたと発表した。ホクナリンテープは、気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎および肺気腫にともなう気道閉塞性障害治療のための貼付型の長時間作用性β2刺激薬。アボット ジャパンと日東電工株式会社によって開発され、マルホを含めた3社で共同で販売されている。この臨床研究は、チオトロピウム単独またはホクナリンテープとチオトロピウム併用で、COPD患者に8週間にわたり投与した場合の有効性および安全性を比較したもの。試験は、合計103例の40歳以上のCOPD患者を対象に、無作為にチオトロピウム単独群(チオトロピウム18μg/日)またはチオトロピウムとホクナリンテープの併用群(チオトロピウム18μg/日+ツロブテロール2mg/日)に割り付けて行われた。患者の背景(平均年齢、喫煙比率、他の気管支拡張剤の併用率)は2群間に有意差はなかったという。BAREC(Beta-2 Agonist Research and Evaluation committee in COPD)研究会の和歌山県立医科大学内科学第三講座 教授 一ノ瀬正和氏らによる本試験の結果は、現地時間5月19日、サンディエゴで開催された米国胸部学会議(ATS)において発表された。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.maruho.co.jp/pdf/200905/0905hokunarintape_pr_jpn.pdf

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メタボに朗報! お酢の継続摂取が内臓脂肪を減らす

ミツカングループは14日、お酢を継続的に摂取することで、内臓脂肪が有意に低下することを臨床試験で実証したと発表した。同時に、血中中性脂肪、体重、BMIおよび腹囲を有意に下げる作用があることも確認したという。試験対象者は、BMIが25~30kg/m2、血中中性脂肪が100~250mg/dL、年齢が25~60歳の男女175名(男性111名、女性64名)。対象者を、1日あたり食酢を15mL摂取する群、食酢を30mL摂取する群、プラセボ(擬似食品)を摂取する群の3群に分け、二重盲検試験として行われた。各量の食酢は500mLの飲料に含まれており、朝・夕食後に250mLずつ摂取した。試験期間は摂取前の症状観察期間(3週間)、摂取期間(12週間)、摂取後の症状観察期間(4週間)の計19週間。その結果、 内臓脂肪と総脂肪(内臓脂肪+皮下脂肪)は、1日あたり食酢15mLの継続摂取によりプラセボ摂取に対して有意な減少量が認められたという。試験の結果は、5月21日に長崎市で開催される「第63回日本栄養・食糧学会大会」で発表予定で、日本農芸化学会の英文誌「Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry」(2009 Vol.73 No.未定)にも掲載される予定だという。詳細はこちらhttp://www.mizkan.co.jp/company/newsrelease/2009news/090514.html

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蘇生処置を受けた新生児はIQ低下のリスクが増大

蘇生処置を受けた新生児は、その後の小児期を健康に過ごした場合でも、知能指数(IQ)低下のリスクが増大していることが、イギリスBristol大学のDavid E Odd氏らが実施したコホート研究で明らかとなった。低酸素状態など出生時の軽度の脳損傷によって、小児が成長してからようやく検出し得るような、わずかな認知機能障害の可能性が高まるという。Lancet誌2009年5月9日号(オンライン版2009年4月21日号)掲載の報告。ALSPACコホートの3つの群を比較研究グループは、出生時に蘇生処置を受けたが脳症の症状は見られなかった新生児において、小児期のIQスコアの低下ついて評価した。1991年4月1日~1992年12月31日の間にBristol市で生まれた小児が80%以上を占めるAvon Longitudinal Study of Parents and Children(ALSPAC)のコホートから、以下の3つの群に属する小児を選択した。出生時に蘇生処置を受けたが脳症の症状はなく、それ以上の治療は受けなかった群(815例)、蘇生処置を受け脳症の症状が見られたため新生児治療を受けた群(58例)、蘇生治療を受けず脳症の症状もないため新生児治療は受けなかったレファランス群(1万609例)。認知機能の評価は平均年齢8.6(SD 0.33)歳時に行い、IQのスコアが80未満の場合を「低IQ」と定義した。5,953人の小児で、WISC-III(Weschler intelligence scale for children)によるIQスコアが得られた。IQの全検定を完遂できたのは5,887人であった。蘇生処置を受けた新生児は、無症状、有症状とも8歳時の低IQリスクが増大8歳時の解析(5,887例)では、蘇生処置を受け脳症の症状のない小児(オッズ比:1.65、95%信頼区間:1.13~2.43)および症状が見られたため新生児治療を受けた小児(同6.22、同1.57~24.65)の双方において、低IQのリスクが増大していた。一方、無症状小児は有症状小児よりも人数が多かったことから、低IQのリスク増大が、出生時に蘇生処置を要する原因となった病態に起因すると考えられる小児は、無症状群が3.4%(96%信頼区間:0.5~6.3)、有症状群は1.2%(同0.2~2.2)であった。著者は、「蘇生処置を受けた新生児は、その後の小児期を健康に過ごした場合でも、IQ低下のリスクが増大していた」と結論し、「蘇生処置時に無症状の新生児は、脳症の神経症状を呈した新生児に比べ、成人期に低IQをきたす確率が高い可能性がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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米国CDC暫定ガイダンス、豚インフルエンザで1歳未満にもオセルタミビルを推奨

米疾病対策センター(CDC)は米東部時間28日午後7時、豚由来インフルエンザウイルス感染の確定例や疑い例の小児を診る米国の臨床医に向けて暫定ガイダンスを発表、1歳以上の幼児の豚由来インフルエンザの治療と予防にオセルタミビルとザナミビルの投与を推奨している。 注:ガイダンスは暫定的なものであり、今後、データの蓄積により変更もありえる ●Interim Guidance for Clinicians on the Prevention and Treatment of Swine-Origin Influenza Virus Infection in Young Childrenhttp://www.cdc.gov/swineflu/childrentreatment.htm 

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米国CDC暫定ガイダンス、豚インフルエンザで妊婦の治療・予防にも抗ウイルス薬を推奨

米疾病対策センター(CDC)は米東部時間28日午後1時45分、豚由来インフルエンザウイルスの妊婦に対する治療や感染予防に関する暫定ガイダンスを発表、妊婦であっても抗インフルエンザ薬による治療、予防を推奨している。 注:ガイダンスは暫定的なものであり、今後、データの蓄積により変更もありえる ●Interim Guidance—Pregnant Women and Swine Influenza: Considerations for Clinicianshttp://www.cdc.gov/swineflu/clinician_pregnant.htm 

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ICUでの投薬ミスは日常的に起きている、報告・チェック体制がミスを防ぐ最大の武器

非経口の投薬ミスは、ICUでは日常的に起きており、深刻な医療安全の問題であることが、ESICM(European Society of Intensive Care Medicine)の質改善研究グループによって行われた、27ヵ国113施設のICUを対象とした多国籍前向き研究の結果、明らかになった。BMJ誌2009年4月18日号(オンライン版2009年3月12日号)掲載より。27ヵ国113施設1,328例のICU患者に起きた投薬ミスを解析本研究はICUでの非経口投薬ミスの、国際レベルでの傾向、特徴、寄与因子、予防措置について評価をすることを目的とし、スタッフの自己申告に基づく観察前向き24時間横断研究にて行われた。解析対象となった参加症例数は1,328例。主要評価項目は、ミスによる影響の度合い、特徴分布、寄与因子分布、予防因子分布とされた。臓器への障害は少なくとも1投薬ごとに起きている投薬ミスは、患者441例に関わる861件、患者100人・日当たり74.5件が報告された。このうち4分の3は、「不作為の過誤(errors of omission)」だった。投薬治療ステージで被った投薬過誤による永続的な有害事象例および死亡例は、合わせて12例(対象全患者の0.9%)だった。多変量ロジスティック解析の結果、臓器への障害は少なくとも1投薬ごとに起きている(オッズ比:1.19)、静脈注射時に起きている(yes対no:2.73倍)、非経口投薬の数が多いほど起きている(1非経口投薬増当たりオッズ比:1.06)、ICUでの定型的介入時(yes対no:1.50倍)、施設規模が大きいほど起きている(1ベッド増当たりオッズ比:1.01)、看護師が受け持つ患者が多いほど起きている(患者1人増当たりオッズ比:1.30)、ICU稼働率が増すほど起きている(10%増当たりオッズ比:1.03)ことが明らかになった。一方で、投薬ミスは基本的なモニタリングが行われている場合は低かった(yes対no:0.19倍)。また、クリティカルなインシデントの報告システムがある場合(0.69倍)、看護師の交代時のルーチンチェックが確立している場合(0.68倍)、回転率が高い場合(1患者増当たりオッズ比:0.73倍)も、ミスは少なかった。本報告を行ったウィーン大学救急部門のAndreas Valentin氏は、「重症患者のケアが複雑になるほど、ミスを報告するシステムやチェック体制を組織的に整えることが、ミスを防ぐ最大の因子である」とまとめている。

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新型インフルエンザに関する情報サイト

新型インフルエンザに関する情報サイトのリンクです。 ●MLインフルエンザ流行前線情報DBhttp://ml-flu.children.jp/ ●日本感染症学会緊急提言「一般医療機関における新型インフルエンザへの対応について」http://www.kansensho.or.jp/ ●日本予防医学リスクマネージメント学会「新型インフルエンザ A(N1H1) 情報」http://www.jsrmpm.org/JSwineinfo.html ●国立感染症研究所感染症情報センター「国内医療機関における新型インフルエンザA(H1N1)診断の流れ Ver.1」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/pdf09/090506_diagnosis.pdf ●国立感染症研究所感染症情報センター「国内医療機関における新型インフルエンザA(H1N1)抗ウイルス薬による治療・予防投薬の流れ Ver.1」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/pdf09/090506_treatment-chemoprophylaxis.pdf ●UP-TO-DATE「Epidemiology, clinical manifestations, and diagnosis of swine H1N1 influenza A」http://www.utdol.com/home/content/topic.do?topicKey=pulm_inf/18836 ●新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)に係る症例定義及び届出様式についてhttp://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090429-03.html  ●首相官邸「海外における新型インフルエンザの発生に関する政府の対応状況」http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/flu/swineflu/index.html ●厚生労働省「新型インフルエンザ対策関連情報」http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html ●厚生労働省「ブタインフルエンザに対する対応について」http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090426-02.html ●WHO「Swine influenza」http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/index.html ●CDC「Swine Influenza (Flu)」http://www.cdc.gov/swineflu/ ●国立感染症研究所感染症情報センター「ブタインフルエンザ」http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html ●青木眞先生のブログにCDCの一般向けの翻訳が掲載されていますhttp://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/b60eb34d09d10229a171a400faf59300 ●新型インフルエンザ・ウォッチング日記http://blog.goo.ne.jp/tabibito12 

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ニコチン補充療法、禁煙したくない・できそうもない人にも効果

ニコチン補充療法は、禁煙したくない・できそうもないと考えている人にも、有効かつ安全に禁煙できる方法だという。英国バーミンガム大学Health and Population Sciences校のDavid Moore氏らが行ったシステマティックレビューのメタ解析の結果で、BMJ誌2009年4月11日号(オンライン版2009年4月2日号)で報告された。介入開始から6ヵ月時点での禁煙状況など評価Cochrane Library、Medlineなど6ソースで行われたシステマティックレビューは、発表・未発表を問わず、短期的に禁煙する意志はないことを断言した喫煙者も登録されており、ニコチン補充療法(動機付け支援あるなしにかかわらず)との比較が、プラセボ、未治療、その他薬物療法、あるいは動機付け支援のような心理的介入とで行われている無作為化試験で(現在進行中の試験、参照リストに登録されている試験、スポンサーが製薬会社のもの、臨床専門医のものいずれも含む)、喫煙率が報告されていることが適格条件とされた。解析の主要評価項目は、介入開始から6ヵ月時点での禁煙状況。また、追跡終了時点での禁煙状況もしくは減煙状況、および有害事象についても評価された。6ヵ月間禁煙できた割合は、プラセボ群の2倍適格条件を満たしたプラセボ対照無作為化試験は7試験(4試験はニコチンガム、2試験はニコチン吸入器、1試験はガム・吸入器・パッチから自由に選択)。いずれも禁煙については副次評価項目だった。被験者総計2,767例が、6~18ヵ月にわたり介入が行われ、12~26ヵ月間追跡されていた。6ヵ月間禁煙できていた人は、ニコチン置換療法群は6.75%で、プラセボ群3.28%の約2倍の達成率だった。また追跡終了時点で、禁煙できていた人(介入後6週目以降持続して)は、ニコチン置換療法群は1.6%、プラセボ群は0.4%。減煙できていた人は、ニコチン置換療法群は21.8%、プラセボ群は16.5%(持続的に減煙できていた人は、各6.3%、1.6%)。すべての評価項目で、ニコチン置換療法の有効性が認められた。有害事象に関しては、死亡(オッズ比:1.00)、重篤な有害事象(1.16)、有害事象による介入中断(1.25)について有意差はなかったが、悪心がニコチン置換療法群で有意に多かった(1.69)。これらからMoore氏は、ニコチン置換療法は効果的な介入であると結論したが、「今回得られたエビデンスは、定期的な行動支援とモニタリングが前提となっており、定期的支援がなくてもニコチン置換療法が効果的なものかどうかは不明である」とも述べている。

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