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1.

インフルA型、B型それぞれの感染に影響する個人的・環境的要因

 インフルエンザの感染伝搬について、個人的および環境的要因が及ぼす影響について評価したカナダ・マクマスター大学のNushrat Nazia氏らによる研究の結果、高年齢であることはとくにB型インフルエンザ感染において防御的に働く可能性が示された。また環境・地理的要因がインフルエンザ感染に与える影響はウイルスの型ごとに異なっていた。Influenza and Other Respiratory Viruses誌2026年2月号掲載の報告。 本研究は、カナダの厳格なキリスト教徒「フッター派(Hutterite)」のコミュニティを対象に行われた。同コミュニティは外部との接触が少なく、ライフスタイルが共通した単一的で明確な集団構造を持つ。Nazia氏らは、「階層構造を明確に定義できる」という特性を活かすことで、一般的な社会では困難な、集団と個人の各要因が感染リスクに与える影響をより高い精度で推論可能な点が本研究の強みとしている。 2008年のインフルエンザシーズンにおける、カナダの46のフッター派コロニーに属する3,271例のデータが解析された。PCR検査で確定されたインフルエンザA型およびB型の週別症例について、人口統計学的要因、ワクチン接種状況、地理的および気象条件との関連を検討した。解析には、コロニーのクラスタリングと時間的自己相関を考慮したIntegrated Nested Laplace Approximations(INLA法)によるマルチレベル・ベイズ階層モデルが使用された。 主な結果は以下のとおり。・3,271例(平均年齢26歳、女性43.5%、インフルエンザワクチン接種率24.3%)中、239例(7.3%)がPCR検査によりインフルエンザと確定された(A型:128例、B型:111例)。・年齢の高さによる防御的な効果が認められ、インフルエンザB型(相対リスク[RR]:0.93、95%信用区間[CrI]:0.91~0.95)ではインフルエンザA型(RR:0.99、95%CrI:0.98~1.00)よりも強い効果が認められた。・男性は女性と比較してわずかに感染リスクが低かった。・いずれのモデルにおいても、個別ワクチン接種による予防効果は認められなかった。しかし、コロニー単位でのワクチン接種群への割り当ては、すべてのインフルエンザ(RR:0.29、95%CrI:0.10~0.83)およびインフルエンザA(RR:0.17、95%CrI:0.04~0.62)の感染リスクの大幅な低下と関連していたが、インフルエンザBでは関連がみられなかった。・最寄りの都市までの距離と標高は、感染リスク低下と弱い関連を示したが、不確実性が大きく、その関連は限定的であった。・前週の気温の高さは、インフルエンザAの感染リスク低下(RR:0.91、95%CrI:0.86~0.95)およびインフルエンザBの感染リスク上昇(RR:1.19、95%CrI:1.09~1.31)と関連していた。

2.

更年期のホルモン補充療法、死亡は増加せず/BMJ

 45歳以降に初めて更年期ホルモン補充療法を受けた女性は、受けなかった女性と比較して死亡リスクは増加しないことが、デンマーク・Copenhagen University Hospital HerlevのAnders Pretzmann Mikkelsen氏らの調査で示された。これまでの研究では、更年期ホルモン補充療法後の死亡率は減少または変化なしと報告されていたが、方法論的な限界が指摘されていた。BMJ誌2026年2月18日号掲載の報告。デンマークの45歳以上の約88万例について追跡調査 研究グループは、デンマークに在住し、45歳時点で生存している1950~77年生まれのデンマーク人女性を、45歳の誕生日から2023年7月31日まで追跡した。デンマーク処方箋登録から、更年期ホルモン補充療法の情報が収集された。 主要アウトカムは、デンマークの中央個人登録簿(Central Persons Register)に記録された死亡、副次アウトカムは死因登録簿(Cause of Death Register)より特定した死因に基づく死因別死亡率(心血管疾患、がん、その他)であった。 更年期ホルモン補充療法が死亡リスクに及ぼす影響について、年齢、暦年、分娩回数、学歴、所得分類(四分位に基づく)、出生国、糖尿病、高コレステロール血症、高血圧、心房細動、弁膜症、心不全および44~45歳時の3回以上の医療機関利用歴で調整したCox回帰分析によりハザード比(HR)を推定し評価した。 1950~77年に生まれ45歳時点で生存していたデンマーク人女性は96万9,424例で、このうち、追跡開始前にホルモン補充療法の禁忌(血栓症素因、肝疾患、脳卒中や心筋梗塞を含む動脈血栓症、静脈血栓症、乳がん、子宮内膜がん、卵巣がん)を有していた女性、45歳以前の更年期ホルモン補充療法または両側卵巣摘出の既往歴がある9万2,619例が除外され、適格基準を満たした87万6,805例を対象に解析した。更年期ホルモン補充療法非曝露に対する曝露の死亡の補正後HRは0.96 追跡期間中央値14.3年(四分位範囲[IQR]:7.9~21.0)において、87万6,805例のうち追跡終了日までに更年期ホルモン補充療法を少なくとも1回処方された女性は10万4,086例(11.9%)、死亡は4万7,594例(5.4%)であった。 更年期ホルモン補充療法曝露群の死亡発生率は1万人年当たり54.9に対し、非曝露群は35.5で、補正後HRは0.96(95%信頼区間[CI]:0.93~0.98)であった。更年期ホルモン補充療法の累積使用期間で層別化した場合の補正後HRは、1年未満で1.01(95%CI:0.98~1.05)、1~2.9年で0.94(0.89~0.98)、3~4.9年で0.90(0.84~0.95)、5~9.9年で0.89(0.84~0.95)、10年以上で0.98(0.90~1.07)であった。 死因別死亡率(心血管疾患、がん、その他)について、曝露群と非曝露群で明確な差は認められなかった。 45~54歳で両側卵巣摘出術を受け、追跡期間中に死亡した703例においては、更年期ホルモン補充療法曝露は非曝露と比較し死亡の補正後HRが27~34%低く、死亡時年齢の中央値は曝露群60.9歳(IQR:55.3~66.6)vs.非曝露群56.6歳(52.9~62.0)であった。

3.

がん研究、約10%が不正な「ペーパーミル製論文」か/BMJ

 ペーパーミル(論文工場)は、がん研究論文において深刻かつ拡大する問題であり、低インパクトファクターの雑誌に限った問題ではないことが、フランス・L'Institut AgroのBaptiste Scancar氏らが行った機械学習モデルの構築・検証およびスクリーニングの結果で示された。著者は、「ペーパーミルの問題に対処するためには、関係者全体でこの課題を共有し行動を起こすことが不可欠である」とまとめている。BMJ誌2026年1月29日号掲載の報告。ペーパーミル製論文2,202報を用いて機械学習モデルを開発 研究グループは、撤回論文のデータベースであるRetraction Watchにおいて「ペーパーミル」と分類された撤回済み論文2,202報を用い、論文タイトルと抄録を入力したBERT(bidirectional encoder representations from transformers)ベースのテキスト分類モデルを学習させた。内部検証の後、画像整合性に関する専門家が収集した独立データによる外部検証を実施し、PubMedに収載された1999~2024年のがん研究原著論文264万7,471報を対象にスクリーニングを行った。 主要アウトカムはモデルの分類精度で、撤回されたペーパーミル出版物と類似すると判定された論文(フラグ付き論文)の割合とその95%信頼区間(CI)を評価した。また、時系列・国別・出版社別・がん種別・研究領域別の分布、ならびに高インパクトファクターの雑誌(上位10%)における割合も調べた。1999~2024年のがん研究原著論文の約10%がペーパーミル、最も多いのは中国 モデルの精度は内部検証で0.91、外部検証で0.93、感度はいずれも0.87、特異度はそれぞれ0.96、0.99を達成した。 がん研究原著論文に適用したところ、264万7,471報中26万1,245報がフラグ付けされ、この数は全がん研究原著論文の9.87%(95%CI:9.83~9.90)に相当した。 フラグ付き論文数は、1999~2024年に全体およびインパクトファクター上位10%の雑誌の両方で著明かつ急速に増加し、年間フラグ付き論文数は1999~2022年に指数関数的増加傾向を示した。フラグ付き論文の割合は2000年代初頭には約1%で推移したが、2020年代初頭までに年間がん研究論文総数の15%超(2万6,457/17万1,656報)まで増加した。 国別の解析では、フラグ付き論文の割合が最も高かったのは中国で、同国のがん研究論文全体の36%を占めた(17万7,907/49万7,672報)。 出版社別の解析では、フラグ付き論文の割合が最も高かったのは、Verduci Editore発行のEuropean Review for Medical and Pharmacological Sciences誌で約67%(2,834/4,199報)に上った。大手出版社(Springer Nature、Elsevier、John Wiley and Sonsなど)はフラグ付き論文の割合は比較的低い(約10%)ものの、絶対数は多かった。 がん種別・研究領域別では、フラグ付き論文の割合は胃がんが最も多く(22%)、骨がん(21%)、肝がん(20%)の順で続き、研究領域としてはがん生物学・基礎研究分野が13%超と最も高く、治療開発・評価ならびに診断・予後領域で10%を超えていた。

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転移のあるTNおよびHR+/HER2-乳がんへのSG、最大規模のリアルワールドでのOS解析

 転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)および転移を有するホルモン受容体陽性/HER2陰性乳がん(HR+/HER2- mBC)の3次治療でのサシツズマブ ゴビテカン(SG)のリアルワールドにおける生存アウトカムを、フランス・National Agency for Medicine and Health Product Safety(ANSM)/National Health Insurance Center(CNAM)のAya Elhusseiny Shaaban氏らが過去最大規模のリアルワールド研究で評価した。本研究では、全生存期間(OS)中央値はmTNBCで11.0ヵ月、HR+/HER2- mBCで11.4ヵ月であった。British Journal of Cancer誌オンライン版2026年2月5日号に掲載。 本研究はフランス国民健康データシステム(National Health Data System)を用いて、2021年7月1日~2023年12月31日にSGを開始した全患者の人口統計学的情報、併存疾患、前治療歴を記録し、2024年6月30日まで追跡調査した。た。OSおよび治療中止までの期間(TTD)はカプランマイヤー法を用いて推定し、多変量Coxモデルを用いてOSの予後因子を調べた。 主な結果は以下のとおり。・3,653例が対象となり、うちmTNBCは2,527例、HR+/HER2- mBCは1,126例で、年齢中央値はそれぞれ58歳、61.5歳であった。・OS中央値は、mTNBCで11.0ヵ月(95%信頼区間[CI]:10.4~11.7)、HR+/HER2- mBCで11.4ヵ月(95%CI:10.7~12.4)であった。・1年生存率はそれぞれ47%、48%、TTD中央値はそれぞれ4.3ヵ月、3.5ヵ月であった。・OSの不良は、入院SG治療および肝/消化管転移と独立して関連していた。mTNBCでは、脳転移、呼吸器疾患、喫煙関連の入院、複数の転移部位、前治療歴が加わった。

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2型糖尿病の病初期にも網膜の微細な変化が生じる

 2型糖尿病の初期段階で、網膜のわずかな菲薄化などの変化が生じることを示唆する研究結果が報告された。コインブラ大学(ポルトガル)のSara Oliveira氏らが行った動物実験の結果であり、詳細は「Eye and Vision」12月号に掲載された。 糖尿病網膜症は、過去20年ほどの間にいくつかの新たな治療オプションが開発されてきたにもかかわらず、依然として成人の失明原因の主要な一角を占めている。その一因として、糖尿病の発症から網膜症の診断までに年単位のタイムラグがあり、その間に網膜の分子・細胞レベルでの不可逆的な変化が生じてしまっており、網膜症診断後の治療では十分に病勢を制御できないことの影響が想定される。しかし、現在の臨床で一般的に使用可能な蛍光眼底造影、光干渉断層撮影(OCT)などの検査では、病初期の網膜の変化を検出できない。 一方、Oliveira氏らの研究グループは以前、1型糖尿病モデル動物を用いて、糖尿病発症初期の網膜テクスチャに変化が生じていることを報告している。同氏らは今回、1型糖尿病よりも網膜病変の進行が緩徐であると考えられる2型糖尿病モデル動物でも同様に、病初期で網膜の変化を捉えることが可能かを検討した。 10週齢のラットを高脂肪食で飼育し、腹腔内にストレプトゾトシンを35mg/kg投与して2型糖尿病を誘発。このプロトコル開始のベースライン、および、4週、8週、12週時点でOCTスキャンを施行するとともに網膜電図のデータを収集。自動OCTセグメンテーション、網膜厚計測、テクスチャ解析を実施するとともに、血液網膜関門の透過性、グリア反応性、神経炎症、ニトロソ化ストレスなどを評価した。 解析の結果、網膜テクスチャは、内網状層および視細胞内節・外節において変化を認めた。8週および12週時点では、自己相関、クラスタープロミネンス、均一性、相関情報量II、正規化逆差分モーメント、およびテクスチャの合計平均などの指標に、有意な増加または減少が観察された。重要な点として、これらの指標のうち多く(7項目)は、Oliveira氏らが以前に報告した1型糖尿病モデルにおいても、変化が確認されていたことが挙げられる。また、今回の2型糖尿病モデルでの検討では、網膜の軽度菲薄化と機能低下が認められ、タイトジャンクション蛋白の免疫反応性の軽度低下を伴っていた。ただし、血液網膜関門の破綻は認められなかった。 この結果について、論文の上席著者である同大学のAntónio Francisco Ambrósio氏は、「OCT画像の微細な構造信号を捉えるというこのアプローチは、2型糖尿病の最初期段階での網膜の変化の過程を解明する新たな手法となり得る。またこのアプローチは、永続的な視力障害が発生する前に高リスク患者を特定し、早期介入を実現し良好な転帰を導くという治療上のサポートとなる」と語っている。

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論文投稿から採択まで 英文校正・カバーレター・査読対応のAI活用術(後編)【誰でも使えるChatGPT】第8回

さて、前回から引き続き、論文投稿から採択までのプロセスにおいて、上手なChatGPTの使い方を解説します。STEP 2:カバーレター作成カバーレターは論文の「顔」です。Editor(編集者)が最初に目にする文書であり、査読に回すかどうかの判断材料になります。しかし、「何を書けばいいのかわからない」という声をよく聞きます。カバーレターに含めるべき要素1.投稿する論文のタイトルと種類2.なぜこの雑誌を選んだか3.論文の新規性・重要性(2〜3文で簡潔に)4.類似論文との違い(該当する場合)5.倫理的配慮の確認6.利益相反の開示7.著者全員の同意確認カバーレター作成あなたは医学論文投稿の専門家です。以下の論文について、Editor宛のカバーレターを作成してください。【論文情報】-タイトル:Vitiligo-like depigmentation following Stevens-Johnson syndrome induced by allopurinol: A case report-投稿先:Journal of Dermatology(日本皮膚科学会誌・英文)-論文種類:Case Report-著者:Atsushi Otsuka, et al.-所属:Department of Dermatology, Kindai University【論文のポイント】-アロプリノールによるSJS後に白斑化したまれな症例-SJS後の色素変化の多様性を示す貴重な報告-長期経過観察(6ヵ月)で白斑化を確認【含めるべき内容】-この症例の学術的価値-Journal of Dermatologyの読者にとっての relevance-倫理審査承認済み、患者同意取得済みの記載-利益相反なしの記載-全著者が投稿に同意している旨【形式】-英語で作成-フォーマルだが簡潔に-300〜400語程度ChatGPTからの回答例 Dear Editor,We are pleased to submit our manuscript entitled "Vitiligo-like depigmentation following Stevens-Johnson syndrome induced by allopurinol: A case report" for consideration for publication in the Journal of Dermatology.This case report describes an unusual clinical course of a 67-year-old woman who developed vitiligo-like depigmentation following Stevens-Johnson syndrome (SJS) induced by allopurinol.While post-inflammatory hyperpigmentation is a well-recognized sequela of SJS, the transition from hyperpigmentation to depigmentation over a 6-month period, as observed in our case, is exceptionally rare and has significant implications for understanding the pathophysiology of pigmentary changes following severe cutaneous adverse reactions.We believe this case report is well-suited for the Journal of Dermatology for the following reasons: (1) it documents a rare clinical phenomenon that has not been extensively reported in the literature, (2) it provides insights into the complex mechanisms underlying post-SJS pigmentary changes, and (3) it offers valuable information for clinicians managing patients with drug-induced SJS regarding long-term pigmentary outcomes.This study was approved by the Institutional Review Board of Kindai University (approval number: XXX). Written informed consent was obtained from the patient for publication of this case report and accompanying images.All authors have no conflicts of interest to declare.All authors have read and approved the final manuscript and agree to its submission to the Journal of Dermatology.This manuscript has not been published previously and is not under consideration for publication elsewhere.We thank you for considering our manuscript and look forward to your response.Sincerely,Atsushi Otsuka, MD, PhDDepartment of DermatologyKindai University Faculty of Medicineカバーレター作成のコツChatGPTが生成したカバーレターは、そのまま使わず、必ず以下を確認・修正してください。【必ず確認すべき点】-倫理審査の承認番号(実際の番号に置き換え)-著者名・所属の正確性-論文タイトルの一致-投稿規定で求められている記載事項の網羅【カスタマイズすべき点】-なぜその雑誌を選んだかの理由をより具体的に-その雑誌の最近の掲載論文に言及すると効果的-自分の言葉で「この論文の一番の売り」を強調STEP 4:査読結果への対応(Revision)ここが最も重要で、最も難しいステップです。査読者からのコメントにどう対応するかで、採択されるかRejectされるかが決まります。査読結果のパターン-Accept:そのまま採択(まれ)-Minor Revision:軽微な修正で採択見込み-Major Revision:大幅な修正が必要、再査読あり-Reject with Resubmission:却下だが再投稿は歓迎-Reject:却下Minor RevisionやMajor Revisionの場合、査読者のコメントに1つずつ丁寧に回答する「Response to Reviewers(Point-by-Point Response)」を作成する必要があります。査読コメントへの回答作成あなたは医学論文の査読対応の専門家です。以下の査読者コメントに対する回答を作成してください。【査読者コメント】Reviewer #1, Comment 3:"The authors claim that vitiligo-like depigmentation following SJS is rare, but they do not provide a comprehensive literature review.How many similar cases have been reported? Please provide a more thorough review of the literature."【対応方針】-文献検索を追加で実施した-PubMed検索で3例の類似報告を発見-Discussionに文献レビューを追加した【回答の形式】-丁寧で建設的なトーン-査読者への感謝を示す-具体的に何を修正したか明記-修正箇所を原稿のどこで確認できるか示すChatGPTからの回答例 Response to Reviewer #1, Comment 3:We thank the reviewer for this valuable suggestion. We agree that a more comprehensive literature review strengthens our manuscript significantly.In response to this comment, we conducted an extensive literature search using PubMed with the following search terms: "Stevens-Johnson syndrome" AND ("vitiligo" OR "depigmentation" OR "hypopigmentation").Our search identified three previously reported cases of vitiligo-like depigmentation following SJS (References XX, XX, and XX).We have now added a detailed discussion of these cases in the revised manuscript (Discussion, page X, lines XX-XX).Specifically, we compare our case with these reported casesin terms of:-Causative drugs-Time course of pigmentary changes-Distribution of depigmentation-Proposed mechanismsThis comparison highlights the unique features of our case, particularly the well-documented transition from post-inflammatory hyperpigmentation to depigmentation, which was not clearly described in previous reports.We believe this addition significantly improves the manuscript and provides readers with a more comprehensive understanding of this rare phenomenon.査読対応の重要原則【原則1:すべてのコメントに回答する】たとえ「それは違う」と思うコメントでも、無視してはいけません。反論する場合も、丁寧に理由を説明します。【原則2:感謝と謙虚さを示す】批判的なコメントであっても、「ご指摘ありがとうございます」から始めるのが基本です。【原則3:修正箇所を明確に示す】「Discussionを修正しました」ではなく、「Discussion, page 8, lines 15-23」のように具体的に示します。【原則4:できないことは理由を説明する】追加実験や追加データの要求に応じられない場合は、なぜできないのかを説明し、代替案を提示します。批判的コメントへの丁寧な反論以下の査読者コメントに対して、丁寧に反論する回答を作成してください。【査読者コメント】Reviewer #2, Comment 1:"This is just a single case report with no mechanistic data.The clinical significance is limited. I recommend rejection."【私の見解】-症例報告の価値は機序解明だけではない-まれな臨床経過の記録自体に価値がある-ただし、可能な範囲で病理所見を追加した【回答の方針】-査読者の懸念を正面から受け止める-症例報告の学術的価値を丁寧に説明-追加した内容を具体的に示す-論文の限界は認めつつ、価値を主張するRejection(却下)された場合残念ながらRejectされた場合でも、ChatGPTは次のステップで役立ちます。別雑誌への再投稿準備以下の論文がJournal Aから却下されました。別の雑誌に再投稿するための準備を手伝ってください。【却下理由(Editor's comment)】"While the case is interesting, it does not meet the threshold of novelty for our journal.We receive many case reports and can only accept those with exceptional educational value."【質問】1.この却下理由から学べること2.論文をどう改善すべきか3.より適切な投稿先の候補4.カバーレターで強調すべき新たなポイント■ChatGPT活用の注意点まとめ絶対にやってはいけないこと1.査読者への攻撃的な回答を生成させる感情的になりそうなときこそ、冷静に。ChatGPTに「この査読者は間違っている」と言わせても、採択にはつながりません。2.存在しない文献を引用させるChatGPTは架空の論文を生成することがあります。すべての引用は自分で確認を。3.未発表データや患者情報を入力する守秘義務に反する可能性があります。4.ChatGPTの出力をそのまま投稿する必ず自分の目で確認し、修正を加えてください。推奨される使い方1.下書き・たたき台として使うゼロから書くより、ChatGPTの出力を修正するほうが効率的です。2.表現の選択肢を得る「この文をもっとフォーマルに」「別の言い方は?」と聞くと、選択肢が広がります。3.チェックリストとして使う「カバーレターに含めるべき要素は?」と確認に使うのも有効です。4.英語の勉強として使う修正理由を日本語で説明させると、英語力向上にもつながります。AI使用の開示について第5回でもお伝えしましたが、論文執筆過程でAIを使用した場合は、適切に開示することが求められています。カバーレターへの記載例:We used ChatGPT (OpenAI, GPT-4) for English language editing and proofreading of this manuscript.All AI-generated content was reviewed and verified by the authors, who take full responsibility for the final content.Take-Home Message論文投稿から採択までのプロセスは、論文執筆と同じくらい重要です。ChatGPTを「投稿支援アシスタント」として活用することで、このプロセスを効率化できます。【本日のポイント】英文校正はChatGPT+DeepL逆翻訳で確認ChatGPTで校正した英文をDeepLで日本語に戻し、意図した内容になっているか確認します。この二段階チェックで、英文校正サービスなしでも十分な品質を確保できます。カバーレターは「たたき台」を生成必要な要素を含んだ下書きを作成し、自分の言葉でカスタマイズすることで、説得力のあるカバーレターが完成します。査読対応は「丁寧さ」が命批判的なコメントにも感謝と謙虚さを示しながら、論理的に回答することが採択への近道です。ChatGPTに丁寧な表現を提案させましょう。すべてのAI出力は必ず確認引用文献の存在確認、医学的正確性のチェック、投稿規定との整合性など、最終確認は必ず自分で行ってください。論文投稿は時間と根気のいる作業ですが、ChatGPTという強力なアシスタントを得ることで、そのハードルは確実に下がります。ぜひ活用して、研究成果を世界に発信してください。

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第307回 小児科医由来の抗体が強力にRSウイルスを阻止

およそひっきりなしに呼吸器ウイルスに接することがいわば宿命の小児科医の血液由来の抗体が、承認済みの抗体より25倍も強力に呼吸器合胞体ウイルス(RSV)を阻止し、しかもより多種のウイルス株を相手にできることが示されました1,2)。ニューモウイルス科に属するRSVやヒトメタニューモウイルス(hMPV)は世界の健康を蝕む主因の1つで、高齢者、免疫不全者、2歳以下の小児、とくに生後6ヵ月までの乳児の急な下気道感染症を引き起こします。RSVの融合前Fタンパク質抗原やその抗原を作るmRNA入りのワクチンの高齢者への接種は承認されていますが、小児向けの開発は難航しています。たとえば高齢者への使用が承認済みのモデルナのmRNAワクチンmRESVIAの生後8~23ヵ月の乳幼児への接種試験では、期待とは裏腹に重度/要入院の下気道感染症がより多く発生しており3)、試験中断を余儀なくされています。RSVとhMPVの両方を相手するワクチンmRNA-1365でもやはりRSVによる重度/要入院の下気道感染症がより多く発生しました。成人へのRSVワクチン接種でも心配事があります。RSVワクチンの普及は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が変異株を次々に発生させているように、網の目を潜る変異株の発生を促す恐れがあります。一方、ウイルスの不変領域に取り付く抗体であれば変異株を発生し難くできそうですが、そういう抗体はウイルス阻止効果がいまひとつという弱みがあります。では弱みのない抗体を見つけるにはどうしたらよいか? 小児のさまざまな感染症に日々取り組む仕事柄、RSVやhMPVに繰り返し接する小児科医の自然免疫は実は宝の山で、ウイルスとの歴戦で鍛え上げられた強力な抗体を備えているかもしれません。中国の重慶医科大学小児病院のHui Zhai氏らはそう考え、同病院で10年を超えて働く小児科医10人の血液を調べてみました。すると、それら小児科医の抗体のRSV阻止活性は、仕事でRSVやhMPVに接することのない健康な成人14人を3倍超上回りました。阻止活性が高かった小児科医3人の血液中の抗体をふるいに掛けところ、調べた57の抗体のほぼすべての56がRSVの融合前Fタンパク質にしかと結合しました。続いてそれらの抗体の人工品を作って研究室で検討したところ、CNR2056とCNR2053という呼び名の2つがRSV株のより多くに対してとくに活性を示しました。CNR2047という名称のもう1つの抗体はRSVとhMPVの両方を手広く阻止する交差活性がありました。CNR2056、CNR2053、CNR2047を単独または組み合わせてマウスやラットに投与したところ、RSVやhMPV感染症状を防げました。ウイルス阻止活性は強力で、既存のRSV阻止抗体のニルセビマブ(商品名:ベイフォータス)やclesrovimabを最大25倍上回りました。ニルセビマブやclesrovimabにせよRSVワクチンにせよ今のところ相手しうるRSV株の種類は限られます。小児科医がその職業人生で身に着けた自然免疫から見つかった今回の抗体の組み合わせは、多用途でより手広く感染を防ぐ手段となりうるとZhai氏らは示唆しています1)。参考1)Antibody cocktails based on the occupationally acquired immunity of pediatricians neutralize and confer protection against RSV and hMPV / Science Translational Medicine2)Paediatricians’ blood used to make new treatments for RSV and colds / NewScientist(MSN)3)Snape MD, et al. Safety and Immunogenicity of an mRNA-Based Rsv Vaccine and an Rsv/hMPV Combination Vaccine in Children 5 to 23 Months of Age. Preprints. 2024 Dec 11.

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蛋白尿の進行が認知機能低下と独立して関連

 慢性腎臓病(CKD)患者を対象とした前向きコホート研究により、CKDの重症度が認知機能障害の発症リスク上昇と関連し、とくに蛋白尿の進行が注意力・処理速度および実行機能の低下と独立して関連することが、米国・Tulane University School of Public Health and Tropical MedicineのZhijie Huang氏らにより示された。JAMA Network Open誌2026年2月17日号掲載の報告。 これまでの研究により、CKDが認知症や認知機能低下のリスク因子となる可能性が指摘されているが、CKD患者のみを対象に前向きに検討した研究は限られている。そこで研究グループは、推算糸球体濾過量(eGFR)の低下と尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)の上昇が認知機能障害の発症率上昇と関連するという仮説を立て、eGFRおよびUPCRに基づくCKD重症度と認知機能障害の発症との関連を検討した。 対象は、Chronic Renal Insufficiency Cohort(CRIC)研究に2003~08年および2013~15年に登録された21~79歳のCKD患者5,607例であった。ベースラインで認知機能障害を有する患者は除外した。統計分析は2024年8月~2025年12月に実施した。 認知機能は、全般的認知機能をModified Mini-Mental State Examination、言語記憶・遅延再生をBuschke Selective Reminding Test、注意力・処理速度をTrail Making Test A、実行機能をTrail Making Test Bで年1回または2年ごとに評価した。各検査において、ベースライン時のコホート全体平均から1SD以上低い値を示した場合を認知機能障害の発症と定義した。Cox比例ハザードモデルを用い、人口統計学的因子や生活習慣、臨床因子を段階的に調整して解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・参加者5,607例のうち、男性は3,159例(56.3%)、平均年齢は59.6歳(SD 10.8)、追跡期間中央値は各検査で4~6年であった。・対数変換したUPCRが1SD上昇するごとに、注意力・処理速度障害のリスクは21%増加し(ハザード比[HR]:1.21、95%信頼区間[CI]:1.05~1.41、p=0.01)、実行機能障害のリスクは16%増加した(HR:1.16、95%CI:1.02~1.31、p=0.02)。・eGFRが1SD低下するごとに、注意力・処理速度障害のリスクは21%増加した(HR:1.21、95%CI:1.05~1.38、p=0.006)。・CKDステージ別では、G4~5はG1~2と比較して、注意力・処理速度障害リスクが54%増加した(HR:1.54、95%CI:1.05~2.27、線形傾向のp=0.03)。・UPCRと認知機能障害との関連はeGFRで調整した後も維持された一方、eGFRと注意力・処理速度との関連はUPCRで調整した後に大きく減弱した。・eGFRとUPCRを組み合わせた統合解析では、両方が最も進行した群(eGFRが60mL/分/1.73m2未満かつUPCRが150mg/g以上)は、基準群(eGFRが60mL/分/1.73m2以上かつUPCRが150mg/g未満)と比較して、全般的認知機能障害のリスクが38%増加し(HR:1.38、95%CI:1.05~1.82、p=0.003)、言語記憶・遅延再生障害のリスクが54%(HR:1.54、95%CI:1.08~2.19、p=0.02)増加した。・これらの関連は、年齢、性別、人種、糖尿病の有無にかかわらず一貫して認められた。 これらの結果より、研究グループは「CKDの重症度が認知機能障害の発症率増加と前向きに関連することが示された。これらの知見は、CKDの重症度が認知機能低下の危険因子であることを強調するものである」とまとめた。

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成人の肥満、重症感染症リスクが1.7倍/Lancet

 成人肥満は、病原体の種類、集団および患者背景を問わず感染症による入院および死亡のリスク因子であり、世界中の感染症による死亡の約10例に1例が肥満に起因する可能性があることを、フィンランド・ヘルシンキ大学のSolja T. Nyberg氏らが、同国の前向きコホート研究および英国のUK Biobankのデータを解析した結果で示した。これまで成人肥満は、特定の感染症との関連は示されているが、感染症全体に及ぼす影響に関するエビデンスはほとんどなかった。Lancet誌オンライン版2026年2月9日号掲載の報告。フィンランドの2つのコホート約6万8千例と、英国の約47万9千例のデータを解析 研究グループは、フィンランドの2つの前向きコホート研究であるFinnish Public Sector(FPS)試験(ベースライン2000~02年)とHealth and Social Support(HeSSup)試験(ベースライン1998年)の統合データを用いて解析を行い、UK Biobank(ベースライン2006~10年)の独立した集団で再現性を検証した。 ベースラインでBMI値を評価し、健康体重(BMI 18.5~24.9)、過体重(BMI 25.0~29.9)、肥満(クラスI:BMI 30.0~34.9、クラスII:35.0~39.9、クラスIII:≧40.0)に分類した。 主要アウトカムは、非致死的感染症による入院または致死的感染症(重症感染症)の初回発生で、入院・死亡登録を通じて特定した。追跡調査期間は、FPS試験では2016年まで、HeSSup試験では2012年まで、UK Biobankでは2022年までであった。ベースラインまたはそれ以前に、入院登録に感染症の記録のある参加者は除外した。 肥満と重症感染症との関連についてハザード比(HR)を算出するとともに、世界疾病負担研究(GBD)のデータベースの肥満有病率推定値を用いて、2018年(COVID-19パンデミック前)、2021年(パンデミック中)、2023年(パンデミック後)における肥満に起因する致死的感染症の割合を世界全体、地域別および国別に推定した。 解析対象は、フィンランドコホートが計6万7,766例(平均年齢42.1歳[SD 10.8]、女性4万9,516例[73.1%]、男性1万8,250例[26.9%])、UK Biobankが47万9,498例(平均年齢57.0歳[SD 8.1]、女性26万1,084例[54.4%]、男性21万8,414例[45.6%])であった。重症感染症リスクは1.7倍、感染症死亡例の約10例中1例は肥満に起因 フィンランドコホートでは、追跡期間(平均±SD)14.1±3.1年において新規重症感染症が8,230例に発生した(平均年齢50.7歳)。UK Biobankでは、同様に12.6±3.2年において8万1,945例に発生した(平均年齢67.0歳)。 肥満は新規重症感染症リスクと関連し、すべてのコホートにおいてBMI値カテゴリーが上がるに従いHRも上昇した。健康体重者と比較し、クラスIII肥満者は非致死的重症感染症のリスクが3倍高く(フィンランドコホートのHR:2.75[95%信頼区間[CI]:2.24~3.37]、UK BiobankのHR:3.07[95%CI:2.95~3.19])、致死的重症感染症も同様であり(フィンランドコホートのHR:3.06[95%CI:1.25~7.49]、UK BiobankのHR:3.54[3.15~3.98])、両者の統合HR(いずれかのアウトカムに至るリスク)は、フィンランドコホートが2.69(95%CI:2.19~3.30)、UK Biobankが3.07(2.95~3.19)であった。 クラスI~IIIいずれかの肥満を有する場合、健康体重者に対する非致死的または致死的重症感染症の統合HRは1.7(95%CI:1.7~1.8)であった。この関連は、肥満の指標(BMI、腹囲、腹囲身長比)、ベースラインの人口統計学的・臨床的サブグループ、および感染症のタイプ(細菌、ウイルス、寄生虫、真菌、急性、持続性など)で一貫していた。 これらのリスク推定値をGBDのデータに適用すると、肥満に起因する感染症関連死亡の人口寄与割合は、2018年で8.6%(95%CI:6.6~11.1)、2021年で15.0%(12.8~17.4)、2023年で10.8%(8.6~13.6)と推定された。

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孫の世話は祖父母の脳に良い?

 孫の世話をすることは脳の老化に良い影響を与え、認知機能の低下を防ぐ可能性があるようだ。新たな研究で、孫の世話をする高齢者は、世話をしていない高齢者と比べて、記憶力や言語能力のテストのスコアが高いことが示された。興味深いことに、このような効果は、孫の世話をする頻度とは関係していなかったという。ティルブルフ大学(オランダ)のFlavia Chereches氏らによるこの研究結果は、「Psychology and Aging」に1月26日掲載された。 Chereches氏は、「われわれにとって最も印象的だったのは、孫の世話をすること自体が、どのくらい頻繁に世話をしたか、あるいは具体的にどのような活動を一緒に行ったかよりも、認知機能に影響を与えるように見えたことだ」とニュースリリースで述べている。 この研究では、英国の高齢者を対象とした長期研究(English Longitudinal Study of Ageing;ELSA)に参加した50歳以上の祖父母2,887人(平均年齢67.46歳、祖母56.70%)のデータを用いて、祖父母による孫の世話と認知機能との関連を検討した。試験参加者は、2016年から2022年の間に3回、アンケートに回答し、認知機能(言語流暢性、エピソード記憶)の評価を受けた。アンケートでは、過去1年間に、親のいない状態で孫の世話をしたかどうか、どのくらいの頻度で世話をしたか、どのような活動を行ったかが尋ねられた。 その結果、世話の頻度にかかわらず、孫の世話をしている祖父母はいずれも、世話をしていない祖父母に比べて、言語流暢性とエピソード記憶のレベルが高く、世話をすること自体が高齢者の脳に良い影響を与える可能性が示された。ただし、経時的に見た場合に認知機能低下が抑えられていたのは祖母のみであった。また、世話をする頻度と認知機能との関連を検討したところ、有意な関連は認められず、頻繁に世話をしているからといって影響が大きくなるわけではないことが示唆された。一方、世話の内容別に検討すると、孫との余暇活動や宿題の手伝いを頻繁に行っている祖父母では、頻度が低い祖父母に比べて言語流暢性とエピソード記憶のレベルが高かった。さらに、孫の食事の準備や学校への送迎を行う頻度が高い祖父母では、言語流暢性が高い傾向が見られた。 Chereches氏は、「さらなる研究によりこの結果が再現されるか確認する必要はあるが、もし祖父母による孫の世話に何らかの利点があるとすれば、それは、世話の頻度や具体的な活動内容よりも、孫の世話に関わる経験そのものに起因する可能性がある」と述べている。 Chereches氏はさらに、「支援的な家族環境の中で自発的に孫の世話をする場合と、世話が自発的ではなく負担に感じられるような、よりストレスの多い環境で世話をする場合とでは、祖父母に及ぶ影響は異なる可能性がある」と指摘し、祖父母の認知機能にもたらされ得る利点が、家族関係により影響されるのかを検討する必要があると述べている。

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膀胱でアルコールを醸造していた男性【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第300回

膀胱でアルコールを醸造していた男性飲酒していないにもかかわらず、体内でエタノールが産生され酩酊状態に陥る「自家醸造症候群(Auto-brewery syndrome)」をご存じでしょうか。一般的には、本連載でも取り上げた腸内細菌叢の異常による消化管内発酵が知られていますが、実は尿路においても同様の現象が起こり得ます。A Alduraywish A. Case Report: Diabetic urinary auto-brewery and review of literature. F1000Res. 2021 May 20;10:407.今回紹介する症例は、85歳の男性で、20年来の2型糖尿病があり、過去5年間はインスリン療法を受けていました。重要な点として、この患者は生涯にわたり飲酒歴がありませんでした。てんかんの既往があり、抗てんかん薬(ガバペンチン)を服用中で、慢性便秘も認めていました。発症の契機は、介護者である妻の体調不良により、約1週間にわたって食事管理と服薬が乱れたことでした。患者はめまいと意識変容から始まり、次第に尿便失禁、興奮、暴言、介助拒否といった症状が出現しました。血液検査では、HbA1cが7.25%と中等度のコントロール不良を示していましたが、肝機能・腎機能は正常範囲内でした。衝撃的だったのは、禁酒者であるにもかかわらず、血中エタノール濃度が110mg/dL、尿中エタノール濃度が580mg/dLという高値を記録したことでした。これらの数値は、多くの国で飲酒運転の基準値を大きく上回るレベルでした。アムホテリシンBの静注を5日間行い、治療開始5日後には血中・尿中エタノールは検出されなくなり、尿からカンジダも消失しました。患者の意識状態は改善し、見当識も回復して、日常生活に復帰することができました。これまでの研究の多くは腸管発酵に焦点を当てており、尿路における発酵という視点が見過ごされてきました。糖尿病患者では高血糖に伴う尿糖排泄が増加し、カンジダ属の増殖に有利な環境が形成されます。実際、2型糖尿病患者におけるカンジダ尿症の有病率は2.7〜30%と報告されており、HbA1cが7%を超える患者、尿pHが酸性(5〜6)の患者、尿糖が強陽性の患者でその頻度が高くなります。膀胱でアルコールが醸造されるという病態があること、知っておくと何かの役に立つかもしれません。

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第49回 コーヒー好きの脳は老けにくい!? 13万人・40年の調査で判明した「理想の飲み方」

あなたは、コーヒーや紅茶を毎日飲む習慣がありますか? 何を隠そう、著者の私は1日3~4杯、あるいはそれ以上飲む日も珍しくありません。そんなコーヒー好きのあなたには、心躍るニュースになるかもしれません。もしコーヒーを飲んでいるだけで、認知症のリスクが下がるとしたら…? とくにコーヒーを愛してやまない私のような人間にとっては、豆を挽く手がいつもの2倍速になってしまうような話です。しかし、先走ってはいけません。物事には、常に「適量」や「条件」が伴います。それではここから、膨大なデータが指し示した、脳を守るための「理想的な飲み方」やその背景にあるメカニズムを、ひもといていきましょう。40年以上の追跡が明かした「一杯」の長期的メリット今回ご紹介する研究1)の特筆すべき点は、その調査期間の長さにあります。1980年代から2023年までという、人生の半分以上にも及ぶ歳月をかけて、看護師や医師といった医療従事者たち約13万人の食習慣と健康状態を克明に記録し続けてきました。それほど長い期間、多くの人を追いかけたからこそ、短期的な話ではない「本物の傾向」が見えてきたのです。分析の結果、カフェイン入りのコーヒーや紅茶を習慣的に飲んでいる人は、ほとんど飲まない人に比べて、将来的に認知症を発症するリスクが有意に低いことが示されました。最も多くコーヒーを飲んでいたグループ(1日4杯以上)では、ほとんど飲まないグループに比べて認知症のリスクが18%低下していたのです。これは単に「目が覚める」といった一時的な刺激の効果ではなく、数十年にわたる習慣が脳の構造的な老化に対して、何らかの保護的な役割を果たしたことを示唆するものだと思います。脳の若さを保つ「理想のライン」とカフェインの正体では、飲めば飲むほど脳は若返るのでしょうか。今回のデータが示唆したのは、必ずしもそうではなく、リスクの低下効果が最大化される「ちょうどよい量」が存在するかもしれないということです。研究チームの詳細な分析によれば、認知症リスクが最も低くみられていたのは、カフェイン入りコーヒーであれば1日に2~3杯程度、紅茶であれば1~2杯程度を嗜む層でした。それ以上たくさん飲んでもリスクは低いままでしたが、さらなる低下はみられず、効果は頭打ちになっていました。画像を拡大するまた、ここで注目したいのは、カフェインを除去した「デカフェ」のコーヒーでは、こうした明確なリスク低下との関連が認められなかった点です。このことから、脳を守る立役者の一人はやはりカフェインであると推察されています。カフェインには、アルツハイマー病の原因の一つとされるゴミ(アミロイドβ)が脳に溜まるのを防いだり、脳内の炎症を鎮めたりする働きがあることが以前から指摘されてきました。また、コーヒーに含まれるポリフェノールなどの成分が、血管の健康を保つことで間接的に脳を守っている可能性もあります。自身の感覚とテストが一致する、認知の衰えへの防御策今回の研究がさらに踏み込んだのは、医師に診断される「認知症」という段階に至る前の、より日常的な変化についても調査している点です。参加者本人が感じる「最近、以前より物忘れが気になるようになった」という主観的な衰えの感覚についても、コーヒーを飲む習慣がある人ほど、その不安を感じる割合が15%も低いという結果が示されています。さらに、電話を通じた客観的な知能テストにおいても、コーヒーや紅茶を好むグループは高いスコアを維持しており、その差は加齢による衰えを約0.6年分押し戻している計算になりました。わずかな時間に思えるかもしれませんが、1年近くも「聡明な自分」でいられる時間が延びる可能性があると考えれば、その積み重ねは計り知れません。私たちコーヒー愛好家が、一杯の香りに包まれて「頭がさえる」と感じるあの感覚は、単なる気のせいではなく、実際に脳のパフォーマンスを支える一助となっている証なのかもしれません。期待しすぎは禁物? 賢い付き合い方コーヒー好きにはたまらないこの結果ですが、冷静に受け止めるべきポイントも忘れてはなりません。この研究はあくまで「観察」に基づいたものであり、コーヒーが直接的に認知症を治したり完全に防いだりすることを証明した「因果関係」とは言い切れない部分があります。たとえば、もともと脳が健康的で活動的な生活を送っている人だからこそ、毎日コーヒーを楽しむ余裕があるという、原因と結果が逆転している可能性もゼロではないからです。また、カフェインへの耐性は体質によって大きく異なります。「健康に良いから」といって無理に飲み、睡眠の質を下げてしまったりしては、かえって健康を損なうことになりかねません。私たちはこの研究結果を、毎日の楽しみをより肯定するための材料にするのがいいでしょう。何気ない日常の習慣が、数十年後の自分を支える大切な「脳の習慣」になっている。そんな風に考えながら、今日も最高の一杯をお楽しみください。1)Zhang Y, et al. Coffee and Tea Intake, Dementia Risk, and Cognitive Function. JAMA. 2026 Feb 6. [Epub ahead of print]

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喘息の気道炎症に新知見、擬似ロイコトリエンが関与か

 喘息における気道の炎症は、主に気道が刺激された際に白血球が放出するシステイニイルロイコトリエン(CysLT)により引き起こされると考えられてきた。そのため、多くの喘息治療薬は、その作用を阻害するよう設計されている。しかし新たな研究で、炎症を引き起こしているのは、CysLTと構造は似ているものの、全く異なる経路で産生される擬似ロイコトリエンである可能性が示された。研究グループは、この発見が今後の治療法を変える可能性があるとの見方を示している。米国国立衛生研究所(NIH)の支援を受け、米ケース・ウェスタン・リザーブ大学のRobert Salomon氏らが実施したこの研究の詳細は、「The Journal of Allergy and Clinical Immunology」1月号に掲載された。 Salomon氏は、「われわれは以前、構造は似ているものの、体内で全く異なる化学経路を通じて作られる分子を発見していた。『擬似ロイコトリエン』と名付けたこれらの分子こそ、喘息を引き起こす炎症カスケードの主役である可能性があると考えている」と述べている。 研究グループは過去(2023年)の研究で、擬似ロイコトリエンは、CysLTとは全く異なる仕組みで作られることを明らかにしていた。酵素で作られるCysLTとは異なり、擬似ロイコトリエンは活性酸素種、特にフリーラジカルが脂質に酸素を付加する(酸化)ことで生成される。フリーラジカルは非常に反応性が高く、制御されないまま放置すると有害となり得る。Salomon氏は、「フリーラジカルの働きは、いわば爆発や火事のようなものだ。酸素が燃料と反応すると炎が出るのと同じで、簡単に制御不能に陥る」と言う。 今回、Salomon氏らは、喘息患者では擬似ロイコトリエンの量が増加しており、それらが気道の上皮細胞でCysLT受容体依存性の炎症シグナルを誘導しているとの仮説を立てた。その上で、ヒト尿検体およびダニアレルゲンに曝露させたマウスの肺組織を用いて擬似ロイコトリエンの量を測定するとともに、ヒト気道上皮細胞上での擬似ロイコトリエンとCysLTによる炎症シグナルの誘導作用を比較した。尿検体は、18〜79歳の35人(健康な対照5人、中等度喘息患者と重度喘息患者がそれぞれ15人ずつ)から採取された。 その結果、重度喘息患者では健康な対照と比較して、擬似ロイコトリエンが4〜5倍増加しており、その濃度が高いほど疾患の重症度も高くなることが明らかになった。また、マウスの肺でも、アレルゲン曝露後には擬似ロイコトリエンの量が2倍に増加した。さらに、擬似ロイコトリエンは実際に気道上皮細胞で炎症シグナルを引き起こすが、この反応はロイコトリエン受容体拮抗薬によって抑制されることも示された。 研究グループは、喘息患者は、通常、フリーラジカルの作用を抑えるはずの酵素や抗酸化物質が少ない可能性があると考えている。CysLTと擬似ロイコトリエンは、どちらも同じ受容体を活性化し炎症を引き起こす点では共通している。その結果、気道が狭まり、呼吸が苦しくなる。現在使われている喘息治療薬は、この受容体をブロックすることで作用する。しかし、研究グループは、将来的には、フリーラジカルそのものの働きを抑えることをターゲットにする治療薬が開発される可能性があると考えている。Salomon氏は、「今回の発見の本当の重要性は、受容体を遮断するのではなく、フリーラジカルによる脂質酸化を抑制し、擬似ロイコトリエンの産生を制御する薬によって喘息を治療できる可能性があるという点だ」と述べている。 次の段階の研究でSalomon氏らは、擬似ロイコトリエンがRSウイルス感染症、乳児の細気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、他の呼吸器疾患にも関わっているかどうかを調べる予定だとしている。

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リードレスペースメーカと愉快なパラダイムシフトの話【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第93回

止まらない「言わずにおれない症候群」おやじギャグは寒い、寒いと言われますが、なぜか思いつくと口にしてしまうものです。私は周囲から「言わずにおれない症候群」と揶揄されています。頭に浮かぶと止まらないのは、単なる「悪ふざけ」ではなく、脳の構造や心理的なメカニズムが関わっているらしいのです。ダジャレは、右脳で言葉の響きを連想し、左脳で意味をつなげるという作業だといわれています。思い付いた瞬間、脳内では快楽物質であるドーパミンが分泌されます。この快感が強すぎて、理性のブレーキ役である前頭葉が「あ、これ言ったらスベるな」と判断する前に、口が動いてしまうのです。ダジャレは音の重なりを見つける、いわばパズルを解くような知的快感でもあります。「布団が吹っ飛んだ」といった低レベルな古典から新作まで、その「完璧な一致」を自分一人の中にとどめておくのは、もったいないと感じてしまうのが人間の性(さが)なのでしょう。私の最近の傑作を紹介します。「リードレスが、ペースメーカ治療をリードする」初めてこの言葉を口にしたとき、われながら少し寒いダジャレだなと思いました。しかし不思議なことに、この言葉遊びは考えれば考えるほど、本質を突いているように思えてきます。「リードレス」とは文字どおりリードがないという意味です。それなのに「リードしている」とはこれいかに。医学の世界は、しばしばこうした逆説に満ちています。これは単なる語呂合わせではありません。長年当然とされてきた構造を一度疑い、「本当にそれは必要なのか」というシンプルな問いに立ち返った結果が、医療を前進させることを示しています。「完成された治療」に潜んでいた死角ペースメーカは、循環器治療の中でも完成度の高い医療技術の一つであり、長らく「ほぼ完成された治療」と考えられてきました。植込み手技は確立され、長期成績も良好で、多くの患者の生活を劇的に改善してきました。「もう大きな進歩はないだろう」そう感じていた医師は、決して少なくなかったはずです。しかし、その完成度の裏側で、私たち医療者は問題を抱え続けてきました。リード断線、静脈閉塞、ポケット感染、そしてリード抜去の困難さです。ペースメーカ治療の合併症の多くは、本体ではなく“リード”に起因していました。完成された治療であるがゆえに、その弱点は長年、半ば受け入れられてきたともいえるでしょう。「リードをなくす」という発想の大胆さその常識を真正面から疑ったのが、「リードレス」という発想でした。皮下ポケットを作成せず、静脈リードも用いず、デバイスそのものを心臓内に留置する。言葉にすれば簡単ですが、そこには技術的にも概念的にも大きな飛躍がありました。初期のリードレスペースメーカはVVIペーシングに限られ、適応も限定的でした。当時は、「特殊な症例向けのデバイス」「補助的、あるいは一時的な選択肢」と見られていたのが正直なところです。しかし、“リードをなくす”という一点の変革は、想像以上に大きな波紋を広げていきました。失ったものは小さく、得たものは大きかったのです。ポケット感染という概念からの解放、感染症時代における異物量の最小化、透析患者における静脈アクセスの温存、そしてデバイスを意識せずに生活できる患者のQOL向上など、その恩恵は枚挙にいとまがありません。ただし、手技時の心タンポナーデなど特有のリスクや、電池寿命後の扱いなどが課題として残っており、すべての患者に最適というわけではありません。しかし、その臨床的恩恵は十分に示されています。エビデンスが証明した「非常識」の正体普及までの足取りを振り返ってみましょう。ヒトへの初植込みは2012年12月、チェコでJ. W. Spickler氏らによって施行されました。2016年には New England Journal of Medicine誌 に、Micra Transcatheter Pacing Study が報告され、決定的なエビデンスが示されました1)。19ヵ国56施設で実施された国際多施設単群試験で、725例中99.2%で植込みに成功し、6ヵ月時点の主要合併症回避率は96%でした。安全性・有効性が従来型ペースメーカに劣らないことが明確に示されたのです。日本人症例も36例含まれ、小柄な体格においても安全に植込み可能であることが確認されました。2015年4月に欧州でCEマークを取得し、2016年4月に米国FDA承認、2017年2月に日本で薬事承認されました。2017年9月の保険償還開始は、日本においてリードレスペースメーカが日常診療へと踏み出した節目といえるでしょう。さらに近年では、加速度センサーなどを用いて心房収縮を検知し、リードなしで房室同期を実現するデュアルチャンバ相当のリードレスペーシングも登場し、治療の幅は着実に広がっています。画像を拡大するパラダイムシフトとは何かパラダイムシフトとは、「それまで疑いなく共有されていた前提や枠組みが、根本から入れ替わること」を指します。「地球は宇宙の中心である」から「地球は回っている」へ、「胃潰瘍はストレスが原因」から「ピロリ菌が原因」へ。科学史は、パラダイムシフトの連続です。新しい考え方が登場した瞬間、それはたいてい非常識に見えます。リードレスペースメーカが登場したときの違和感は、まさにこのパラダイムシフト前夜の空気に似ていました。医療の世界でのパラダイムシフトは、実はとても静かに起こります。「革命だ!」という掛け声と共に訪れることは、ほとんどありません。最初は、「まあ、そういう選択肢もあるよね」という控えめな居場所から始まります。そしてある日ふと、「あれ? これ、前提が変わっていないか」と気付くのです。ペースメーカ治療は今や、「リードレスがリードする」という言葉遊びを超え、治療戦略の中心的な選択肢の一つになりつつあります。医療の進歩は、技術の問題である以前に、発想の問題なのだということを、この小さなデバイスは教えてくれます。医療は、まだまだ前に進めるのかもしれません。医療の進歩は、何かを足すことで起こるとは限りません。時にそれは、「当たり前だと思っていた1本のリードを、思い切って引き算すること」から始まります。どうやら私は、ダジャレだけでなく、パラダイムシフトについても、言わずにおれない性分だったようです。1)Reynolds D, et al. N Engl J Med. 2016;374:533-541.

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BRCA1/2病的バリアント保持者におけるリスク低減乳房切除術、生存率を改善するか/JCO

 BRCA1およびBRCA2遺伝子の病的バリアント(pvBRCA1/2)を保持する女性において、両側リスク低減乳房切除術(BRRM)により生存率は改善するのだろうか。今回、英国・マンチェスター大学のAshu Gandhi氏らが、pvBRCA1/2保持女性においてBRRMを選択した群と画像検査によるサーベイランスを選択した群の長期アウトカムを前向きコホート研究で比較したところ、生存率に差はなかったが、乳がん発症率はBRRM選択群が有意に低かったことが示された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年2月4日号に掲載。 本研究は、地域の家族歴・遺伝学サービスを受診しpvBRCA1/2遺伝子検査を受け、pvBRCA1/2を保持していた女性を対象とした前向きコホート研究である。参加者は英国のガイドラインに基づき、BRRMまたはサーベイランスのいずれかを選択した。評価項目は全生存期間、乳がん死亡率、乳がん発症率であった。 主な結果は以下のとおり。・460例がBRRM、745例がサーベイランスを選択し(年齢中央値:37.2歳/38.5歳、p=0.06)、BRRM後の追跡期間は計4,652人年であった。・乳がん年間発症率は全体で2.4%であったが、BRRM後は0.15%に減少し、サーベイランス単独と比較して94%低かった(log-rank検定 χ2=86.1、p<0.001)。・BRRMで診断された潜在性乳がんは9例(2%)であった。・乳がん死亡率はBRRM群とサーベイランス群で同等であった(死亡:2例/4例、p=0.36、追跡期間:4,634人年/5,419人年)。・両群において、乳がん死亡率は卵巣がん死亡率と同程度であった。 著者らは「本結果は、サーベイランスを選択した女性において生存期間が損なわれる可能性が低いことを示唆し、安心感を与えるかもしれない。ただし、BRRM群の乳がん発症率がサーベイランス群より有意に低いことは、BRRMを検討する女性に重要な情報となりうる」としている。

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入浴中の死亡、年間で最もハイリスクな日は?

 日本は世界的にみて高齢者の溺死率がきわめて高く、その主な要因は家庭での入浴習慣にある。とくに入浴中の死亡は冬場にピークを迎えるが、全国規模での外気温の影響や、特定の「ハイリスク日」については十分に検討されていなかった。奈良県立医科大学の田井 義彬氏らの研究グループは、全国の26年間のデータを解析した結果、浴槽内溺死リスクの季節性の影響のうち約80%が外気温の影響であり、元日や大晦日にとくにリスクが上昇することを明らかにした。Environmental Health and Preventive Medicine誌2025年号に掲載。 本研究では、1995〜2020年の死亡診断書に基づく住宅での浴槽内溺死データ(ICD-10コードW65)9万9,930件を用いて、全国47都道府県を対象とした時系列解析を実施した。季節性と外気温の寄与分画(AF)の推定には、1年周期の変動を制御するスプライン回帰と、気温の遅延効果を考慮した分布ラグ非線形モデル(DLNM)を組み合わせた手法を用いた。また、特定日のリスク評価には準ポアソン回帰分析を、2060年代までの将来予測には人口動態および気候変動シナリオ(SSP)を統合した予測モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・浴槽内溺死は顕著な季節性を示し、リスクが最小となる8月(219日目)に対し、ピークである1月上旬(9日目)のリスクは9.26倍(95%信頼区間[CI]:8.42~10.19)であった。・溺死リスクの季節性AFは77.8%であったが、外気温の影響を調整すると15.3%まで減少した。これは、外気温が季節性AFの80.3%を占めていることを示している。・外気温の中央値16.2℃と比較して、浴槽内溺死の相対リスク(RR)は、0℃で2.40(95%CI:2.15~2.69)、30℃で0.23(95%CI:0.19~0.27)であり、低温ほどリスクが増大した。・季節性と気温の調整後、平日と比較して、浴槽内溺死のRRは、祝日で1.12(95%CI:1.08~1.16)と有意に高く、とくに元日(RR:1.72、95%CI:1.61~1.84)と大晦日(RR:1.63、95%CI:1.52~1.74)で突出していた。・日曜日は平日(金曜日)と比較して、RR:1.16(95%CI:1.12~1.20)であった。・将来予測では、人口減少に伴い浴槽内溺死の総死亡者数は2040年代から減少に転じるが、高齢化の影響により、温暖化が進んでも人口当たりの浴槽内溺死率は、2060年代まで2020年代と同等以上の高水準が維持されると予測された。 著者らは、日曜日や祝日にリスクが高まる要因として、入浴介助サービスの休止や、正月期間中の飲酒習慣、医療機関への受診の遅れなどが関連している可能性を指摘している。また、外気温そのものは制御できないが、脱衣所や浴室の暖房による室内温度の管理や、個人の寒冷曝露を避ける対策を講じることで、入浴関連死を予防できる可能性があると結論付けている。

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第48回 世界のがんの4割は予防可能。しかし日本には「欧米とは異なる」決定的なリスク構造がある

今月、Nature Medicine誌に非常に示唆に富む研究結果が報告されました1)。この研究は、世界185ヵ国のがん罹患データ(GLOBOCAN 2022)をもとに、修正可能なリスク要因が、どのがんの負担にどれほど寄与しているかを包括的に解析したものです。日々の診療で私たちが接するがん患者さんの中には、「なぜ自分が」と運命を呪う方も少なくありません。しかし今回のデータは、世界で新たに診断されたがんの約37.8%、実に4割近くが、理論上は「防ぐことのできたがん」であることを示唆しています。今回はこの論文の要点と、日本を含む東アジア特有の事情、そして解釈上の限界について、共有したいと思います。潜伏期間まで考慮した、より「リアル」な推計これまでもGlobal Burden of Disease研究などで同様の解析は行われてきましたが、今回の研究にはいくつかのユニークな強みがあります。まず、評価対象とするリスク要因の包括性です。喫煙やアルコール、BMIといった代謝・行動要因だけでなく、これまでの研究では除外されがちだった「感染症(ピロリ菌、HPV、肝炎ウイルス等)」や「紫外線」を含む30もの要因を網羅しています。さらに特筆すべきは、曝露から発がんまでのタイムラグ、いわゆる「潜伏期間」をモデルに組み込んでいる点です。多くのがんにおいて、現在の罹患率は「今」ではなく「過去」の生活習慣の結果です。そこで研究チームは、10年前の曝露状況などのデータを用いることで、因果関係の推定精度をより高めようと試みています。世界と異なる「東アジア」のリスク構造解析の結果、世界全体ではがんの約4割が予防可能なリスク要因に起因しており、とくに男性ではその割合が約半数(45.4%)に達することがわかりました。女性は約3割(29.7%)です。この性差は、主に喫煙率とアルコール摂取量の男女差を反映していると考えられます。ここで、私たち日本人の医療者がとくに注目すべきデータがあります。地域別の解析を見ると、高所得国グループの中でも、欧米と東アジアではリスクの顔ぶれが大きく異なるのです。欧米諸国では、喫煙、高BMI(肥満)、アルコールが主要なリスク要因となっています。一方で、日本を含む東アジア地域では、依然として「感染因子」による疾病負担がきわめて高い水準にあります。具体的には、胃がんの主因であるヘリコバクター・ピロリ、肝細胞がんの主因である肝炎ウイルス(HBV/HCV)、そして子宮頸がん等に関与するヒトパピローマウイルス(HPV)です。これらががん負担の大きな部分を占めているという事実は、日本の臨床現場における感染症対策(具体的には、ピロリ菌の除菌、肝炎ウイルスの拾い上げ、そしてHPVワクチンの普及)が、がん予防において依然として重要であることを如実に物語っています。もちろん、食の欧米化に伴い、高BMIによるリスクも年々増加傾向にあります。感染症対策の手を緩めず、同時に肥満などの代謝リスクへも介入していくという、「二刀流」が私たちには求められているといえるでしょう。研究データの解釈における「限界」非常に精緻な研究ではありますが、解釈にあたっては、いくつかの限界も念頭に置く必要があります。まず挙げられるのが、データの質の地域差です。世界185ヵ国すべてにおいて高品質なリスク曝露データが揃っているわけではなく、一部の国や地域では推計モデルに依存しているため、数値の精度にはばらつきがある可能性があります。また、潜伏期間の設定についても課題が残ります。本研究では多くの要因で一律に「10年」という潜伏期間を設定して解析していますが、実際の発がんプロセスはがん種や要因によって千差万別です。10年という期間設定が、必ずしもすべての病態を正確に反映しているとは限らない点には注意が必要です。さらに、今回は各リスク要因の影響を足し合わせるモデルを基本としています。しかし実際の生体反応では、たとえば「喫煙」と「アスベスト曝露」が組み合わさることでリスクが跳ね上がるといった相互作用が起こりえます。こうした複合的なシナジー効果については、今回の数値には十分に反映されていない可能性があり、実際のリスクはさらに高いかもしれません。臨床現場への示唆こうした限界はあるものの、この研究が私たちに提供してくれているものの価値は揺らぎません。がんの4割は、運ではなく、対策可能なリスクによって引き起こされているのです。患者さんへの生活指導において、禁煙や節酒の重要性を伝えることはもちろんですが、東アジア特有のリスクである感染症への介入を徹底することが、将来のがんを減らす価値のある投資になります。私たち医療従事者が、このエビデンスを日々の診療や啓発活動に落とし込んでいくことが、10年後、20年後の日本の「がんの風景」を変えることにつながるのかもしれません。 1) Fink H, et al. Global and regional cancer burden attributable to modifiable risk factors to inform prevention. Nat Med. 2026 Feb 3. [Epub ahead of print]

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発症前のアバタセプト投与により関節リウマチの発症が遅延

 長年使用されてきた生物学的製剤を事前に投与することで、関節リウマチ(RA)の発症を数年間遅らせることができる可能性のあることが、新たな研究で示された。アバタセプト(商品名オレンシア)を週1回、52週間にわたり投与された人では、RAの発症が最大で4年遅延したという。アバタセプトは、免疫細胞の活性化を抑えることでRAの原因となる免疫反応を低下させる薬剤であり、2005年末に米食品医薬品局(FDA)によりRA治療薬として承認された。英キングス・カレッジ・ロンドン、リウマチ性疾患センター長のAndrew Cope氏らによるこの研究の詳細は、「The Lancet Rheumatology」に1月20日掲載された。 現在、RAを予防できる承認済みの治療法は存在しない。しかし研究グループは、今回の結果は、RA発症リスクの高い患者にアバタセプトを用いた治療を行うことで、疾患とともに生きる期間を短縮できる可能性があることを示していると述べている。論文の筆頭著者であるCope氏は、「RA高リスク者への早期介入が長期的な利益をもたらし得ることが示された。このアプローチは安全で、治療期間中はRAの発症を防ぐだけでなく症状を大きく緩和し、さらに治療終了後も数年間にわたりRAの発症を遅らせることが確認された。これにより、症状や合併症とともに生きる期間が短縮され、生活の質(QOL)は大きく改善される可能性がある」と述べている。 アバタセプトに関する臨床試験の一つであるAPIPPRAは、ACPA(抗シトルリン化蛋白抗体)陽性の213人を対象に英国とオランダで実施された第2b相ランダム化比較試験である。試験参加者は、週1回、52週間にわたりアバタセプトを皮下注射する群(110人)とプラセボを投与する群(103人)に割り付けられ、その後52週間追跡された。今回の解析では、APIPPRA参加者のうちアバタセプト群71人、プラセボ群72人の計143人(平均年齢48.2歳、女性78%)を対象に、4〜8年間の長期追跡を行い、アバタセプトの長期的効果が検討された。 その結果、ランダム化から2年時点で認められたRA発症までの期間の群間差は4年時点でも有意に維持されていた(差4.9カ月、95%信頼区間0.1〜9.6、P=0.044)。アバタセプトによる52週間の治療効果は、治療終了後も長期間にわたり持続することが明らかになったが、時間とともに群間差は縮小した。RA発症までの期間をカプラン・マイヤー曲線で検討すると、ランダム化から4年目まではアバタセプト群でRAへの進行割合が低かったものの、4年以降では群間差が認められなくなった。 アバタセプトの効果は、ACPA力価が高い人で顕著であった。これは、これらの高リスク者はRA発症リスクが高い一方で、早期治療から得られる利益も大きいことを意味する。一方、症状に関しては、関節痛や疲労感などの症状は、アバタセプト投与中には改善したが、1年間の治療終了後には通常のレベルに戻った。 研究グループは、「治療の中止後は、アバタセプトはRAの発症を遅らせるものの、完全に予防するわけではない。患者報告アウトカムに対する効果は短期間で、治療期間中に限られていたことから、疲労、疼痛、身体的・精神的健康障害などの症状を抑制するには継続治療が必要である」と述べている。 なお、本研究は、アバタセプトの製造元であるブリストル・マイヤーズ スクイブ社の資金提供を受けて実施された。

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男性アスリート、競技前の禁欲はパフォーマンスに影響するか

 運動前の性的活動が運動パフォーマンスに及ぼす影響については、いまだに議論がされている。このテーマについて、スペインのバリャドリッド大学医学部神経生物学研究グループのDiego Fernandez-Lazaro氏の研究グループは、男性アスリートを対象に運動前のマスターベーションが、その後の運動に影響するかどうかを検討した。その結果、運動前のマスターベーションは、運動パフォーマンスにネガティブな影響を及ぼさないことがわかった。この結果は、Physiology&Behavior誌2026年4月号に掲載された。 競技前の性的活動はその後の運動に影響せず 研究グループは、21人の十分にトレーニングを受けた男性アスリート(年齢22±1歳)を対象に、運動試験30分前に実施したマスターベーションによるオルガスムと性行為禁止の急性効果を比較する無作為化クロスオーバー研究を実施した。各参加者は両条件下で漸増性サイクリングテストおよび等尺性握力テスト行った。血液サンプルを分析し、筋損傷(CK、LDH、Mb)、炎症(CRP、IL-6)、ホルモン(テストステロン、コルチゾール、LH)マーカーを測定した。 主な結果は以下のとおり。・禁欲状態と比較し、マスターベーション後の状態では運動持続時間が3.2%延長(p<0.01)、心拍数上昇(p<0.001)が認められた。・平均握力もわずかに増加(p<0.05)した。・血漿LDH値の低下(p<0.001)は筋ストレスの軽減を示唆した。・テストステロンとコルチゾール濃度は有意に上昇(いずれもp<0.001)したが、炎症マーカー(CRP、IL-6)に有意な変化は認められなかった。 以上の結果から、「運動30分前のマスターベーションは、パフォーマンスや筋肉損傷に悪影響を及ぼさず、軽度の交感神経・ホルモン活性化を誘発した。これらの知見は、競技前の性的活動がトレーニングを受けた男性の運動パフォーマンスを損なわないことを示唆し、競技前の性的活動の禁止が必須であるという長年の通説に異議を唱えるものとなる」と結論付けている。

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認知症予防に「エビデンス」はあるか? Lancetの14の危険因子を読み解く(前編)【外来で役立つ!認知症Topics】第38回

認知症を「予防」できるのか?認知症基本法の2つの軸は、予防と共生だとされる。この法律の成立過程では「認知症を予防できるのか? できもしないものを法律の目玉にするのはいかがなものか」という厳しい意見が相次いだ。背景には、家族が懸命に予防に努めながらも発症を防げなかったという、切実なケースが少なくなかったからだ。「主人はアルツハイマー病予防に良いとされる運動も脳トレも十分やった。睡眠もしっかり取り、栄養面では私が地中海式の食事作りに励んだ。だけどアルツハイマー病になり、最後は何もわからなくなって亡くなった。私たちが予防を怠けていたからこうなったと言うの?」確かに臨床の場においてこのような例は少なくない。血管性認知症なら血圧や血糖管理に一定の予防効果が期待できるだろう。しかし、アルツハイマー型認知症については、少なくとも近年までは「これ!」という手応えのある予防法はなかった。だからこそLancet誌では、2017年からGill Livingston氏を中心に認知症の真の危険因子を特定する試みを始め、2020年、2024年に改訂版が出された1,2,3)。最新の2024年版では「14の因子」が示され、これらに対応することで認知症発症を45%抑制できると述べられている。危険因子の定義と分類そもそも「危険因子(リスクファクター)」とは何か? どんな疾患も、とくに認知症のような生活習慣病においては、科学的根拠に基づき、疾患の発生と関連するとされる個々の因子を指す。科学的根拠があるとは因果関係が証明されていることである。危険因子は以下の5つのカテゴリーに分類される。1)行動危険因子:喫煙・飲酒、運動習慣などライフスタイル。2)生理学的危険因子:高血圧、肥満など主に生活習慣病に関連するもの。3)人口統計学的危険因子:年齢や性別など基本属性。4)環境危険因子:大気汚染や温暖化など。5)遺伝的危険因子:アルツハイマー病ならAPOE遺伝子など。Lancet誌が示したリスク因子は、これら5つのうち、1)行動危険因子、2)生理学的危険因子、4)環境危険因子に関わるものである。3)人口統計学的危険因子と5)遺伝的危険因子といった、個人の努力で修正不可能な因子は除外されている。画像を拡大するLancet誌のリスク因子は、1)として教育、運動、肥満、飲酒、喫煙、孤独、うつ、2)では糖尿病、高血圧、高LDL、難聴、視力低下、頭部外傷、4)として大気汚染に分けられる。アルツハイマー病理の変遷と「リスク」の正体アルツハイマー病研究の源流は、老人斑の主成分アミロイドβ、神経原線維の主成分タウにある。ところが、近年の抗アミロイドβ抗体薬の治験等を通じて、これらを減らしてもアルツハイマー型認知症は進行することが明らかになった。そこで近年では、神経炎症、酸化ストレス、さらに血液脳関門(BBB)などを介して病勢が進むと考えられ、その方向に沿った新薬も開発されつつある。ある要因をアルツハイマー病など認知症の「リスク」と呼ぶ以上、その要因がなぜ認知症の病理を生じさせるのか合理的説明が必要だ。その考え方に沿って、報告されたリスクに関する文献をたどってみた。ほとんどの要因について、アミロイドβやタウといった「伝統的」なものに働きかけるメカニズムだけでなく、神経炎症、酸化ストレス、さらにBBBを介する「新顔」のメカニズムにも言及されていた。以上の、いわばリスク総論に基づいて、これから14の危険因子の特徴を簡潔にまとめていく。今回は、これらのうち発症への寄与率がいずれも7%と最も高い「中年期からの難聴」と「高LDL」について、その具体的なメカニズムを整理したい。1.難聴がもたらす影響難聴については、「社会的孤立」「認知負荷の増大」「脳の構造的変化」という3つの考え方が主流になっている。まず「社会的孤立」は、聞こえにくくなると他人との交わりを避けるようになり、それが脳への刺激を減らし認知機能の低下を招く。次に「認知負荷の増大」は、難聴になると会話を理解するうえで大きな処理能力が必要になり、その負担が本来なら記憶や思考に使われるべき脳のリソースを損なうとする、いわばエネルギー保存の法則である。さらに「脳の構造的変化」は、長期間にわたる聴覚刺激の減少により、脳の聴覚野が萎縮し始め、この変化が脳全体の萎縮や神経回路の変性を促進する。2.高LDLが脳に与えるダメージ高LDLについては、まず「脳血管障害説」がある。脂質プラークが血管壁に蓄積し、血管を狭窄させて脳への血液灌流を減少させるという。またこれは、脳内でアミロイド前駆体タンパク質の分解酵素を活性化してアミロイドβ生成を高める。さらに、高LDLに関連する酸化LDL(Ox-LDL)がミクログリアを活性化することでサイトカイン放出を増加させ、脳内の慢性的な炎症状態が続き、神経細胞死を促進させる。残りの危険因子については、次回に取り上げる。参考文献1)Livingston G, et al. Dementia prevention, intervention, and care. Lancet. 2017;390:2673-2734.2)Livingston G, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2020 report of the Lancet Commission. Lancet. 2020;396:413-446.3)Livingston G, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet standing Commission. Lancet. 2024;404:572-628.

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