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ビタミンD単独補充による骨折予防効果については、これまで一貫した結果が得られていない。今回、ビタミンD3が骨折リスクなどに及ぼす影響を評価した無作為化比較試験(FIND試験)により、ビタミンDがおおむね充足している高齢者集団ではビタミンD3補充を5年間行っても骨折リスクは低下しなかったことが、フィンランド・University of Eastern FinlandのToni Rikkonen氏らによって示された。Bone誌2026年12月号掲載の報告。 本試験の対象は、フィンランド在住の心血管疾患やがんの既往歴のない60歳以上の男性および65歳以上の女性であった。ビタミンD3を1,600 IU/日摂取する群、ビタミンD3を3,200 IU/日摂取する群、プラセボを摂取する群に1:1:1に無作為に割り付けられ、それぞれを5年間補充した。骨折はフィンランドの全国医療登録および死亡原因登録から把握した。骨折リスクは、年齢と性別で調整したCox比例ハザード回帰モデルを用いて評価し、プラセボ群を基準としたビタミンD3補充群のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は2,495人で、平均年齢68.2歳、女性42.8%であった。・血清25(OH)D濃度を測定した無作為抽出サブコホート(550人)では、ベースラインの平均血清25(OH)D濃度は74.8nmol/Lで、ビタミンD欠乏者(50nmol/L未満)は9.1%であった。12ヵ月後の平均濃度は、プラセボ群73.0nmol/Lに対し、ビタミンD3 1,600 IU/日群99.7nmol/L、ビタミンD3 3,200 IU/日群120.4nmol/Lに上昇した。・補充期間中に174例(7.0%)で少なくとも1回の骨折が確認された。少なくとも1回骨折した参加者の割合は、ビタミンD3 1,600 IU/日群8.8%、ビタミンD3 3,200 IU/日群6.2%、プラセボ群5.9%であった。・骨折リスクは、プラセボ群と比較して、ビタミンD3 1,600 IU/日群で有意に増加したが、ビタミンD3 3,200 IU/日群では有意な増加は認められなかった。 -ビタミンD3 1,600 IU/日群 HR:1.52、95%CI:1.06~2.18 -ビタミンD3 3,200 IU/日群 HR:1.07、95%CI:0.72~1.58・補充終了後も平均3.2年間追跡した延長追跡を含む7.3年間の解析でも、ビタミンD3 1,600 IU/日群ではプラセボ群と比べて骨折リスクが高かった。 -ビタミンD3 1,600 IU/日群 HR:1.40、95%CI:1.08~1.80 -ビタミンD3 3,200 IU/日群 HR:1.08、95%CI:0.83~1.41・骨折のサブタイプ別・部位別の解析では、いずれの群間比較においても統計学的に有意な差は認められなかった。・年齢、性別、BMI、骨折や転倒の既往、骨粗鬆症の有無などによるサブグループ解析でも、全体としてビタミンD3補充による骨折予防効果を示す結果は得られなかった。 研究グループは、1,600 IU/日群で認められた骨折リスクの増加について、「最も高用量で血清25(OH)D濃度が高かった3,200 IU/日群ではリスク増加がみられていないことから、ビタミンD3補充による直接的な影響であるとは考えにくい」と考察したうえで、「ビタミンD3 1,600 IU/日または3,200 IU/日の5年間の補充は骨折リスクを低下させなかった。これらの結果は、ビタミンDがおおむね充足している高齢者における骨折予防のためのビタミンD3補充を支持するものではない」とまとめた。