急性大腸がん閉塞には、従来、外科的減圧術が実施されているが、近年、閉塞の緩和に内視鏡的大腸ステント留置術が使用されている。これらを比較するためにメタアナリシスにより解析したところ、内視鏡的大腸ステント留置術はいくつかの治療成績(1次吻合、ストーマ形成、永久的ストーマ造設など)を改善する一方、死亡率と罹患率の改善は認められなかった。イタリアVincenzo Cennamo氏らによる報告(International journal of colorectal disease誌オンライン版2012年11月15日号掲載)。
著者らは、数種類のデータベースにおける包括的な検索を行い、可能性の高い321報の抄録とタイトルを確認し、そのうち、353例を含む8件の無作為化試験の全文を検索した。
主な結果は以下のとおり。
・プール分析では、外科的減圧術群(以下、手術群)と内視鏡的大腸ステント留置群(以下、ステント群)で、死亡率(オッズ比[OR]:0.91)と罹患率(OR:2.05)に有意な差はなかった。
・永久的ストーマ造設率は、ステント群より手術群で有意に高かった(OR:3.12)。
・「手術への橋渡し」としてのステント使用を解析した研究において、手術群と大腸ステント群をプール分析で比較したところ、1次吻合は手術群よりステント群で多く(OR:0.42)、ストーマ造設はステント群より手術群で多かった(OR:2.36)。
(ケアネット 金沢 浩子)