医療一般

PHSは過去のもの?それとも現役?/医師1,000人アンケート

 医療現場のICT化による業務効率化が期待される中、厚生労働省も補助金制度を設けるなど、生産性向上を目指す支援策が行われている。しかし、現場の環境整備・活用状況には施設ごとに大きな差がある状況と考えられる。CareNet.comでは会員医師(勤務医)1,025人を対象に、勤務先で実際どのような環境が整えられているか、デバイスの貸与・使用状況とメールの使用状況についてアンケートを実施した(2026年2月19~20日実施)。  勤務先からのパソコン(ノート・デスクトップどちらでも)貸与状況について聞いた結果、「自分専用で貸与あり」と回答したのは23.6%、「共用で貸与あり」と回答したのは9.2%で計32.8%となり、およそ7割の医師は勤務先からのパソコンの貸与はないという結果となった。

胃がん術後の早期経口摂取、ガイドライン記載も実施は2割/日本胃癌学会

 胃がん術後の早期経口摂取は、ガイドラインで提唱されているにもかかわらず、実際に導入している施設は約2割に留まることがわかった。水戸済生会総合病院の丸山 常彦氏らはDPCデータを用いて全国472施設・2万6,097例を解析し、早期経口摂取の実施状況と臨床的意義を検討した。本研究「本邦における胃癌手術後の早期経口摂取の現状と臨床的意義―全国DPCデータ26,097例の解析」は、2026年3月4~6日に行われた第98回日本胃癌学会総会で発表され最優秀演題に選ばれるとともに、Surgical Oncology誌2026年2月号に掲載された。

日本における妊娠および授乳中のブレクスピプラゾール投与、その安全性を評価

 ブレクスピプラゾール(BPZ)は、本邦において2018年に承認された抗精神病薬であり、現在では統合失調症やうつ病、アルツハイマー病に伴うアジテーションに対する適応を取得し、広く臨床応用されている薬剤である。しかし、BPZを使用している母親から生まれた乳児に対する授乳中の影響は、これまでよくわかっていなかった。東北大学の福田 朱理氏らは、授乳中の母親によるBPZ使用の安全性を評価した。Breastfeeding Medicine誌オンライン版2026年2月6日号の報告。

脳外傷後の迅速な神経リハがアルツハイマー病のリスクを抑制する

 外傷性脳損傷(TBI)がアルツハイマー病(AD)や認知症のリスク上昇と関連していることが疫学研究から示されている。一方、TBI後の神経リハビリテーション(神経リハ)がそのリスクを抑制し得ることを示唆する、複数の研究結果が報告されている。ただし、神経リハ開始のタイミングによってAD等のリスクが異なるのかは明らかでない。米ケース・ウェスタン・リザーブ大学のAustin A. Kennemer氏らはこの点について、リアルワールドの医療情報データベースであるTriNetXを用いて、米国内の大規模医療機関69施設の患者データを解析し検証した。結果の詳細は「Journal of Alzheimer's Disease」に10月9日掲載された。

エクソーム解析で家族性高コレステロール血症の遺伝子変異保有者を特定可能

 エクソーム解析により、家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia;FH)の遺伝子変異保有者を特定できるという研究結果が、「Circulation: Genomic and Precision Medicine」に11月12日掲載された。  米メイヨー・クリニックのN. Jewel Samadder氏らは、地理的にも人種的にも多様な米国内の3地域から参加者を募集し、エクソーム解析を用いた生殖細胞系列遺伝子検査によってFH遺伝子変異保有者を特定できるかを検討した。研究には、計8万4,413人が参加した。

身体活動習慣を維持することが中年期の累積ストレスの少なさと関連

 成人期の初期から日常的に運動などで体を使っていないと、中年期に入った時点で累積ストレスによる身体への影響が強く現れるとする研究結果が報告された。オウル大学(フィンランド)のMaija Korpisaari氏らが、累積ストレスの程度を意味する「アロスタティック負荷」をスコア化して過去の身体活動習慣との関連を検討した結果であり、詳細は「Psychoneuroendocrinology」2月号に掲載された。  この研究で検討したアロスタティック負荷とは、慢性的なストレスによって引き起こされる心身の生理学的な消耗を指す。

わが国初の「男性性機能障害診療ガイドライン 2025年版」

 男性の勃起障害(ED)の患者は、約1,130万例と推定されていたが、近年の調査ではそれ以上の患者数と推定されている。また、若者の草食化が昨今言われているなかで「性欲低下」や「射精障害」を訴える人が多いことも、さまざまな調査でわかってきた。そこで、2018年に上梓された『ED診療ガイドライン 第3版』を拡大し、今回『男性性機能障害診療ガイドライン 2025年版』が発刊された。  本稿では、ガイドラインの作成委員長である辻村 晃氏(順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科 教授)にガイドライン作成の経緯や内容、ガイドラインの活用などについて聞いた。

高次脳機能障害者支援法成立で期待される当事者へのメリット/サンバイオ

 2026年2月に行われたサンバイオのメディアラウンドテーブルにて、日本高次脳機能障害友の会理事長の片岡保憲氏とサンバイオ代表取締役の森敬太氏が、高次脳機能障害者が置かれた現状と、昨年(2025年)に成立した同支援法に対する期待について発表した。  高次脳機能障害として国内で診断を受けている当事者数は約23万人だが、未診断者を合わせると30万〜50万人に達する可能性もあるとされる。原因の8割は脳卒中などの脳血管疾患である。高次脳機能障害では、主に注意障害(1つのことが続けられないなど)、記憶障害(新しい記憶が覚えられないなど)、遂行機能障害(計画が立てられないなど)、社会行動障害(些細なことでイライラしたり興奮するなど)などが現れる。

片頭痛に対するCGRP関連抗体薬、2年間の長期治療継続の有用性評価

 スペイン・バルセロナ自治大学のEdoardo Caronna氏らは、片頭痛におけるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連抗体の長期的有効性と治療持続性および2年間の治療継続に関連するベースライン特性を明らかにするため、プロスペクティブコホート観察多施設レジストリ研究を実施した。Neurology誌2026年2月24日号の報告。  治療期間が24ヵ月に到達した群(ON群)における1ヵ月当たりの頭痛日数(MHD)の変化をベースラインと比較した。6、12、18、24ヵ月の4つの時点における治療反応パターンを解析した。持続的効果の定義は、4つの時点のうち3つ以上でMHDが50%以上減少した場合とした。ON群と、効果不十分のため中止した群(OFF群)のベースライン特性を比較した。

季節性インフルエンザとニパウイルス感染症の現状/感染症クォータリーレポート

 ケアネットライブにて4半期に1回実施している感染症クォータリーレポート。2026年第1クォーターの報告を期間限定で公開する。  感染症クォータリーレポートでは感染症専門医である国立国際医療研究センター 国際感染症センターの石金正裕氏が、世界の病原微生物の流行状況を4半期ごとにレポートしている。  本年(2026年)の第1クォーターでは、季節性インフルエンザ(25/26)とニパウイルスを取り上げる。  前編は第2波が報告されている季節性インフルエンザの状況についての紹介。

介護施設心停止の救急搬送で救命できる条件は/新潟医療福祉大

 介護施設における院外心停止では、「心停止前通報(pre-arrest call)」と「心停止後通報(post-arrest call)」の違いが、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による心肺蘇生や生存率が、生存にどのように影響するのか不明なことが多い。このテーマについて、新潟医療福祉大学大学院救急救命学分野の外山 元氏らの研究グループは、介護施設で発生した院外心停止約2万例を解析した。その結果、介護施設では通報の「タイミング」や「夜間帯」が救命に影響する可能性が示された。この結果はScientific Reports誌2026年2月9日に掲載された。

抗菌薬・PPI、NSCLCの術前ICI+化学療法への影響は?(CReGYT-04 Neo-Venus副次解析)

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)において、抗菌薬やプロトンポンプ阻害薬(PPI)の使用は、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の有効性の低下と関連する可能性が指摘されている。しかし、術前ICI+化学療法などの周術期治療に及ぼす影響は明らかになっていない。そこで、切除可能NSCLCに対する術前ICI+化学療法について、抗菌薬やPPIが及ぼす影響を多施設共同後ろ向き観察研究「CReGYT-04 Neo-Venus」の副次解析で評価した。その結果、抗菌薬やPPIの使用は、術前ICI+化学療法の奏効と有意な関連がみられなかった。本研究結果は、戸田 道仁氏(関西労災病院 呼吸器外科)らによって、Lung Cancer誌オンライン版2026年2月26日号で報告された。

CKDの早期診断・早期介入の重要性と「協力医」への期待/ベーリンガーインゲルハイム

 腎臓病の早期発見と治療の重要性を啓発することを目的として、毎年3月の第2木曜日は「世界腎臓デー(World Kidney Day)」に制定されている。3月12日の本年の世界腎臓デーに先立ち、日本ベーリンガーインゲルハイムは3月5日に慢性腎臓病(CKD)の啓発を目的としたプレスセミナーを開催した。柏原 直樹氏(川崎医科大学 高齢者医療センター/日本腎臓病協会 理事長)が登壇し、CKDの早期診断・早期介入の意義について解説した。  わが国には約2,000万例のCKD患者がいると推定されており、新たな国民病ともいわれている。腎機能が低下しても自覚症状が乏しいため、多くの患者は気付かないまま生活している。

薬剤性パーキンソニズムリスク、8つの抗精神病薬比較

 薬剤性パーキンソニズムは、主に抗精神病薬によるドパミンD2受容体阻害により引き起こされる。しかし、in vitro試験では、実臨床における臨床転帰の変動性を十分に反映できないケースが多くみられる。韓国・Gachon UniversityのWoo-Taek Lim氏らは、in vitroの薬理学的指標が抗精神病薬使用に伴う薬剤性パーキンソニズムの実臨床リスクと一致するかどうかを評価するため、本研究を実施した。JMIR Public Health and Surveillance誌2026年1月28日号の報告。

HFpEF診療で期待のフィネレノン、適格患者と注意点とは/バイエル

 非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)フィネレノン(商品名:ケレンディア)は、これまで2型糖尿病かつ慢性腎臓病患者の心不全発生予防に対し有効性が示されていたが、2025年12月22日、新たに「慢性心不全」の適応を取得した。  これを受け、バイエル薬品は2月19日にプレセミナーを開催。昨年の第89回日本循環器学会学術集会で本剤の研究結果や日本人サブ解析データを発表した絹川 弘一郎氏(富山大学第二内科 教授/日本心不全学会理事長)と佐藤 直樹氏(かわぐち心臓呼吸器病院 副院長/循環器内科)が登壇し、心不全治療の課題やフィネレノン処方時の注意点などについて解説した。

インフルへのバロキサビル、感受性低下の割合は?

 キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬バロキサビル マルボキシル(商品名:ゾフルーザ、以下バロキサビル)は2018年2月に承認され、臨床で使用されている。国立感染症研究所の高下 恵美氏らの研究グループは、最初の7シーズン(2017/18~2023/24シーズン)におけるインフルエンザウイルスのバロキサビル感受性を調査した。その結果、感受性低下の割合は1.7%であった。本研究結果は、Eurosurveillance誌2026年1月8日号に掲載された。  研究グループは、WHOのFluNetに報告された国内のインフルエンザウイルス3万7,137件のうち、約500の定点医療機関から収集した検体から週ごとに加重無作為抽出した3,671件について、インフルエンザウイルスの表現型および遺伝子型の解析を実施した。

地中海食が女性の脳卒中予防に有効か

 地中海食の実践は、脳卒中リスクの低下と関係している可能性があるようだ。新たな研究で、食生活が地中海食に最も近い女性では、あらゆる種類の脳卒中のリスクが18%低いことが示された。米City of Hope総合がんセンターのSophia Wang氏らによるこの研究の詳細は、「Neurology Open Access」に2月4日掲載された。Wang氏は、「今回の結果は、健康的な食生活が脳卒中予防に極めて重要であるという、増え続けているエビデンスを支持するものだ」と話している。

超加工食品の大量摂取でがんサバイバーの死亡リスクが上昇か

 がんを克服することは容易ではないが、超加工食品を多く含む食事は、がんサバイバーの将来的な健康を損なう可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。超加工食品の摂取量が最も多いがんサバイバーは、最も少ないがんサバイバーに比べて、がんによる死亡リスクが57%高いことが示されたという。IRCCS Neuromed(イタリア)の疫学・予防研究者であるMarialaura Bonaccio氏らによるこの研究結果は、「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」に2月4日掲載された。  Bonaccio氏は、「がんと診断された後に何を食べるかは生存に影響を与える可能性があるが、これまでの研究は主に栄養素に焦点を当てており、食品の加工度には注目していなかった。食品の工業的加工に関わる物質は代謝プロセスに干渉し、腸内細菌叢を乱し、炎症を促進する可能性がある。

性格は仕事のやる気より“燃え尽きやすさ”に関係か

 仕事への「やる気」や「燃え尽き」は、個人の性格によってどの程度左右されるのか。今回、日本の企業で働く正社員を1年間追跡した研究から、性格特性はワーク・エンゲージメント(やる気)とは関連しなかった一方で、バーンアウト(燃え尽き)とは有意に関連することが示された。研究は、鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座の福崎俊貴氏、獨協医科大学大学院看護学研究科の岩田昇氏によるもので、詳細は1月7日付で「PLOS One」に掲載された。  近年、労働者のメンタルヘルスでは、仕事への前向きさを高め、健康障害を防ぐ「ポジティブな心理状態」が重視されており、その理論的枠組みとして仕事の要求度-資源モデル(JD-Rモデル)が用いられている。

アミバンタマブ・ラゼルチニブ併用時のアピキサバン、使用上の注意改訂/厚労省

 厚生労働省は2026年3月6日、アミバンタマブ、アミバンタマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ、ラゼルチニブメシル酸塩水和物、アピキサバンの添付文書について、改訂を指示した。改訂内容は、アミバンタマブとラゼルチニブの併用投与時において、静脈血栓塞栓症の発症抑制を目的としてアピキサバンを投与する場合の腎機能障害患者に対する注意喚起の追加である。アピキサバンは、腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の患者には禁忌であることから、使用上の注意の改訂が適切と判断された。