若者の前十字靱帯損傷は早期に再建術を

提供元:ケアネット

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公開日:2015/02/11

 

 骨格がまだ成熟していない小児・青年期の若年者に対する前十字靱帯(ACL)再建術は議論の的となっている。米国・Tennessee Orthopaedic AllianceのAllen F. Anderson氏らは、ACL再建術の遅れは2次的半月板損傷・軟骨損傷のリスクを増大させることを明らかにした。American Journal of Sports Medicine誌2015年2月号(オンライン版2014年12月12日号)の掲載報告。

 研究グループは、ACL再建術の手術時期と半月板・軟骨損傷との関連を検討する目的で、2000~2012年にACL再建術を受けた16歳以下(中央値14歳)の連続130例135膝についてレトロスペクティブに調査した。

 半月板損傷は国際関節鏡膝スポーツ整形外科学会(ISAKOS)、軟骨損傷は国際軟骨修復学会(ICRS)の基準に基づいて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・受傷から手術までの期間は急性期(6週未満)62膝、亜急性期(6~12週)37膝、慢性期(3ヵ月超)36膝であった。
・半月板損傷は112膝にみられ、70膝が外側半月板断裂、42膝が内側半月板断裂であった。
・外側半月板断裂および内側半月板断裂のどちらも手術までの期間と2変量の関連がみられた(それぞれp=0.016およびp=0.007)。
・外側半月板断裂の独立した危険因子は、低年齢(p=0.028)、手術前のスポーツ復帰(p=0.007)であった。
・不安定性の既往は、外側半月板断裂の重症度と関連した(高グレード vs 低グレードの比例オッズ比:3.15)。同様の関連は亜急性および慢性期の再建でもみられた(同比例オッズ比は、急性期再建を1とした場合、それぞれ1.45および2.82)。
・内側半月板断裂の独立した危険因子は、女性(p=0.03)、高年齢(p=0.01)、不安定性の既往(p=0.01)であった。
・不安定性の既往は既往なしと比較して内側半月板断裂のリスクが高かった(調整オッズ比:4.7、p=0.01)。
・不安定性の既往および手術前のスポーツ復帰は、内側半月板断裂の重症度と関連した(高グレード vs 低グレードの比例オッズ比はそれぞれ5.6および15.2、いずれもp<0.01)。同様の関連は慢性期の再建でもみられた(同比例オッズ比は、急性期再建を1とした場合、4.28、p=0.046)。
・軟骨損傷は17膝23ヵ所にみられ、危険因子は手術までの時間(p=0.005)および不安定性の既往(p=0.001)であった。
・手術までの時間と不安定性の既往は軟骨損傷の重症度と関連した(それぞれp≦0.001およびp=0.003)。

(ケアネット)