局所進行直腸がん術前治療におけるctDNA活用に期待/日本臨床腫瘍学会

局所進行直腸がんの術前治療の決定において、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)解析の有用性が示唆された。
局所進行直腸がんでは手術後の再発が問題だったが、直腸間膜全切除(TME)手術や術前化学放射線療法 (CRT)によって局所再発のコントロールが実現した。近年では術前化学療法 (NAC)や、CRTに化学療法を追加するTotal Neoadjuvant Therapy(TNT)が登場し、遠隔再発の抑制が報告されている。一方、すべての患者にTNTを行うべきか明確な基準はなく、一部の患者では過剰治療も懸念されている。
そのような中、術後再発予測因子としてctDNAの役割が期待されている。大阪大学の浜部 敦史氏らは、術前治療後ctDNAの状況が局所進行直腸がんの再発に影響するかを検討したCIRCULATE-Japan GALAXY trialの結果を、第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)で発表した。
GALAXY trialには、術前治療(CRTまたはNAC)を実施したStageII~IIIの直腸腺がん患者が登録された。登録患者には診断時に全エクソームシークエンスを行い、 ベースライン、術前治療終了後、手術後にctDNA検査を行った。
主な結果は以下のとおり。
・2021年10月~2023年9月に200例が登録され、191例が解析対象となった。
・術前治療の内容はCRT89例(46.6%)、NAC102例(53.4%)であった。
・ベースラインctDNA陽性147例中、69例で術前治療後にctDNAが陰性化した (陰性化率 47%)。
・術前治療別の陰性化率はCRT57%(40/70例)、NAC38%(29/77例)で、CRTで高い傾向だった。
・術前治療後のctDNA陽性は、再発予測因子とされる手術後(4週後)のctDNA陽性と相関していた。
・無病生存期間 (DFS)は、術前治療後ctDNA陽性症例に比べ陰性例で有意に良好であった (ハザード比:推定不能、Log-rank検定 p=0.0024)
今回の知見から、ctDNAが局所進行直腸がんにおける個別化術前治療のガイドになるのではないか、と浜部氏は期待感を示した。
(ケアネット 細田 雅之)
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