植物性食品を豊富に含む家族向けの食料支援サービスは、その家庭の子どもの肥満予防に有用な方策となる可能性が、「Preventing Chronic Disease」に6月22日掲載された研究から示唆された。
米ボストン小児病院のAllison J. Wu氏らは、2021年1月から2022年2月の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下において、米マサチューセッツ総合病院のリビア・フードパントリー(Revere Food Pantry;食料配給所)からの、植物性食品を中心とする家庭向けの食料支援が、その家庭の子どものBMIの変化に与える影響について検討した。対象とされた家庭には、新鮮な野菜と果物、ナッツ類、全粒穀物を含む食料品を、家族全員が1日3回摂取できるように毎週配給した。食料支援を受けた93世帯の子ども107人のうち、2~18歳の若年者計35人を対象に分析した。分析には線形回帰を使用した。
その結果、平均19カ月の追跡期間中に、解析対象とした35人の若年者において、年齢および性別で調整したBMIは平均で0.31kg/m2増加した。しかし、過体重または肥満と判定された者の割合は、ベースライン時には20人(57%)だったのが、追跡時には17人(49%)にまで低下した。また、ベースラインからフォローアップ時まで、食料支援の受け取り1回当たりのBMIの変化を推定したところ、年齢や性別、期間とは関係なく、0.04kg/m2(95%信頼区間-0.08~-0.01kg/m2)の減少と計算された。
著者らは、「今回のケーススタディから、植物性食品を中心とした食料の供給は、その家庭の子どものBMI増加を予防できるだけでなく、減少させることも可能な有効な方策だと考えられる」とし、「若年者の体重を健康的なレベルに維持するためには、他の対策と連携して、植物性食品を豊富に含む食料配給を検討すべきだ」と述べている。
[2023年6月23日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら