見た目年齢――臨床家が患者の健康状態を測る指標として一般的に広く用いている――は、身体・認知機能および老化の分子レベルの表現型と相関しており、老化の強力なバイオマーカーであり、70歳以上の人の寿命を予測しうることが明らかになったとする報告が、BMJ誌年末恒例の「クリスマス特集号」(2009年12月19日号)で発表された。南デンマーク大学公衆衛生研究所デンマーク双生児登録・老化研究センターのKaare Christensen氏らが、70歳以上の双生児1,800組余を対象に行ったコホート研究による。
見た目年齢と、身体・認知機能、バイオマーカーとが相関するかを専門・非専門家が評価
Christensen氏らは、デンマークに住む70歳以上の同性の双生児1,826例の追跡調査を行った。被験者はパスポートタイプの顔写真を撮影され、2001年春から2008年1月31日まで経過観察された。調査終了時点で死亡が確認されたのは675例(37%)。被験者は、身体・認知機能検査と老化のバイオマーカー(白血球のテロメアの長さ)の評価を受けた。
一方、Christensen氏らは、看護師20人(女性25~46歳)・若者10人(男性22~37歳)・高齢者11人(女性70~87歳)の評価者グループを構成し、被験者の顔写真を見せ年齢を推定してもらった。
双子間でより見た目が老けているほうが先に死亡?
結果、評価者の専門性や年齢、性別を問わず評価者による見た目年齢と、被験者の寿命との間には有意な相関が認められた。暦年齢、性、成育環境で補正後も、さらに身体・認知機能で補正後も、その関連性は変わらなかった。
双子間の見た目年齢が実年齢とかけ離れているほど、双子のうち、より年老いて見えるほうが先に死亡する可能性が大きいようだった。
双子解析からは、見た目年齢と寿命には一般的な遺伝的要因が影響することが示された。
暦年齢、性でコントロールされても、見た目年齢と身体・認知機能、また白血球のテロメアの長さとの間にそれぞれ有意な相関が認められた。