お知らせがあります

2024/06/27
7月10日より「Web講演会」「CARENQ」の送信元メールアドレスを変更いたします。
■変更前:seminar@carenet.co.jp、enquete@carenet.co.jp
■変更後:seminar@www.carenet.com、enquete@www.carenet.com
メールアドレスまたはドメインによる受信拒否や振り分けなどを設定されている方は、設定の変更をお願いいたします。

高齢ICU生存者の約4割が、3年以内に死亡

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2010/03/16

 



米国の65歳以上で入院中に集中治療室(ICU)での治療を受け生存退院した人のうち、約4割が3年以内に死亡していたことが報告された。年齢や性別などをマッチした対照群に比べ、そのリスクは約2.4倍だったという。米国コロンビア大学救急部門のHannah Wunsch氏らが、3万5,000人超のICU生存者とその対照群について後ろ向きに調べ明らかにしたもので、JAMA誌2010年3月3日号で発表した。

非ICU・入院の対照群、入院の有無を問わない対照群を抽出、3年追跡




同研究グループは、米国の高齢者向け公的医療保険「メディケア」加入者のうち、入院中ICUで治療を受け、2003年に生存退院した、3万5,308人を抽出した。その対照群として、年齢・性別・人種などをマッチした、(1)2003年に入院し、ICUでの治療は受けず、生存退院した人(入院対照群)、(2)2003年に最低1回はメディケア支払いによる医療を受けたが、ICUでの治療は受けず、入院の有無も問わない人(一般対照群)――の2つの対照群を抽出した。

人工呼吸器を受けたICU生存者、退院後6ヵ月以内の死亡率増大が顕著




退院後3年以内の死亡率について比較したところ、ICU群が最も高率で39.5%(1万3,950人)、次いで入院対照群34.5%(1万2,173人)で、補正後ハザード比は1.07(95%信頼区間:1.04~1.10、p<0.001)だった。一般対照群の同率は14.9%(5,266人)で、ICU群の一般対照群に対する補正後ハザード比は2.39(同:2.31~2.48、p<0.001)だった。

ICU群の中でも、人工呼吸器による治療を受けなかった人の3年死亡率は38.3%と、入院対照群の34.6%との差は少なかった(補正後ハザード比:1.04、95%信頼区間:1.02~1.07)。

一方、ICU群の中で人工呼吸器による治療を受けた人の同死亡率は57.6%と、入院対照群の32.8%に比べ、大幅に高率だった(補正後ハザード比:1.56、95%信頼区間:1.40~1.73)。特に、退院後6ヵ月以内の両群の差は著しく、死亡率はそれぞれ30.1%に対し9.6%と、同補正後ハザード比は2.26に上った(同:1.90~2.69)。

また、ICU群・入院対照群で退院先が施設だった人の6ヵ月以内死亡率も高率だった。同死亡率は24.1%で、退院先が自宅だった人の7.5%と比べ、大幅に高かった(補正後ハザード比:2.62、95%信頼区間:2.50~2.74、ICU群+入院対照群p<0.001)。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)