主要医学雑誌発表の薬剤試験論文、有効性検証比較(CE)試験は約3分の1

提供元:ケアネット

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公開日:2010/03/23

 



代表的な医学雑誌で発表された薬剤に関する試験論文のうち、「有効性を検証するための比較(comparative effectiveness:CE)試験」が占める割合は、約3分の1であることが報告された。CE試験とは、異なる治療法について、効果や安全性、コストなどの比較を行う試験のこと。米国・南カリフォルニア大学のMichael Hochman氏らが、代表的な医学雑誌6誌に発表された無作為化試験などについて調べ、JAMA誌2010年3月10日号で発表した。

CE試験のうち2種以上の薬剤を比較した試験は43%




Hochman氏らは、2008年6月1日~2009年9月30日の間に、NEJM、BMJ、Lancet、JAMA、Annals of Internal Medicine、Archives of Internal Medicineの6誌で発表された試験について調査を行った。薬剤に関する無作為化試験、観察研究、メタ解析は、合わせて328件あり、そのうちCE試験は約3分の1の104件だった。

CE試験のうち、2種以上の薬剤について比較したものは45試験(43%)、薬物治療と非薬物治療の比較が行われていたものが11試験(11%)、異なる薬理作用間の比較が行われていたものが32試験(31%)、投与量についての比較が行われていたものは16試験(15%)だった。

CE試験の9割が非営利組織からの資金援助で実行




また、安全性に焦点を当てていたものは20試験(19%)で、費用対効果について言及していたのは、わずか2試験(2%)に留まった。

さらに資金援助の状況について、営利組織からのみ資金援助を受けていた割合は、非CE試験は45%だったのに対し、CE試験は13%と有意に低率だった(p<0.001)。

大部分のCE試験(90試験・87%)は、資金援助を非営利組織から受けており、なかでも政府からの援助を受けていた試験が最も多く66試験(63%)だった。

なお、無作為化試験212試験のうち、97試験(46%)が市販薬を用いた試験で、それら試験の方が、非市販薬試験よりも有効性を示す結果報告が少ない(44%対66%)傾向がみられた。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)