米国がんセンターの約8割以上で緩和ケアプログラムを提供

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2010/03/30

 



米国のがんセンターの約8割以上で、緩和ケアプログラムを設置・提供していることが、米国テキサス大学緩和ケア・リハビリ部門のDavid Hui氏らが行った、全米約140ヵ所のがんセンターに対する調査で明らかになった。なかでも、米国国立がんセンター(National Cancer Institute:NCI)認定のがんセンターでは、緩和ケアプログラムの設置率は98%に上っているという。JAMA誌2010年3月17日号掲載より。

緩和ケア専門医はNCI認定センター92%、非指定は74%に




同研究グループは、2009年6~10月にかけて、全米71ヵ所のNCI認定がんセンターと、無作為に抽出した全米71ヵ所のNCI非認定がんセンターに対し、調査を行った。調査票は、センター管理職や緩和ケア臨床プログラムの責任者に対し送付され、回収率はそれぞれ71%と82%だった。

その結果、緩和ケアプログラムを設置していたのは、認定センター51ヵ所中50(98%)に対し、非認定センターでは50ヵ所中39(78%)だった(p=0.002)。また最低1人以上の緩和ケア専門の医師がいたのは、認定センターが92%、非認定センターは74%(p=0.04)、入院患者向け緩和ケア・コンサルテーション・チームを設置していたのは、それぞれ92%と56%(p<0.001)、外来患者向け緩和ケア・クリニックの設置は、それぞれ59%と22%(p<0.001)だった。

なお、緩和ケア病床やセンターが運営するホスピスを備えていたセンターは少なく、それぞれ23%(23/101ヵ所)と37%(37/101ヵ所)だった。

緩和ケアの研究プログラムやフェローシップは少数




緩和ケア部門に患者が紹介を受けてから死亡までの期間の中央値は、入院患者向け緩和ケア・コンサルテーション・チームが7日、緩和ケア病床が7日、外来クリニックが90日だった。

なお、緩和ケアに関する研究プログラムやフェローシップ、またがん専門医フェローに対するローテーションの義務付けなどを行っているセンターは少なかった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)