高血圧診断・管理には日中自由行動下血圧

提供元:ケアネット

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公開日:2010/04/30

 



軽度高血圧の診断に24時間自由行動下血圧が基準値とされているが、その治療や、あるいは中等度~重度の高血圧診断には用いられていない。オーストラリアのベーカーIDI心臓・糖尿病研究所のGeoffrey A Head氏らは、高血圧の診断と治療のための、年齢・性別24時間自由行動下血圧基準値作成を、診察室血圧値と検討しながら試みた。BMJ誌2010年4月17日号(オンライン版2010年4月14日号)掲載の報告。

8,529件分の24時間自由行動下血圧測定データを照合




Head氏らは、オーストラリア6州、11の医療センターから、熟練スタッフにより測定された24時間自由行動下血圧のデータを有する8,529件分のデータを照合し、診察室血圧との比較検討が行われた。診察室血圧の評価では、被験者のうち医師測定データを有する1,593件分との比較検討も行われた。

被験者8,529例は、4626例(54%)は女性、平均年齢56歳(SD:15)、BMIは28.9(同5.5)、診察室血圧(収縮期/拡張期)142/82mmHg(同19/12)だった。

医師測定の診察室血圧は高すぎて、診断・管理指標として不適当




熟練スタッフ測定の診察室血圧の平均血圧は、日中(7~23時)自由行動下血圧より6/3mmHg高く、また24時間自由行動下血圧より10/5mmHg高かった。一方で、医師測定の診察室血圧よりは9/7mmHg低かった。

熟練スタッフ測定の日中自由行動下血圧は、診察室血圧の基準値140/90mmHgより4/3mmHg低くⅠ度(軽度)高血圧の基準値を下回り、正常血圧上限値130/80mmHgよりも2/2mmHg低く、蛋白尿を伴う場合の降圧目標値125/75mmHg値より1/1mmHg低かった。

また自由行動下血圧は、男性よりも女性の方が1/2mmHg低く、若い人より65歳以上の高齢の人の方が3/1mmHg低かった。

Head氏は「我々が行った試験の結果、日中自由行動下血圧の方が診察室血圧より有意に低かった。医師測定の診察室血圧は、その他熟練スタッフ測定の同値と比べて、かなり高値で、基準値として採用するのはふさわしくなかった」と述べ、「これら結果は、高血圧の診断や管理には、日中自由行動下血圧を用いることが適切であることを示すものである」と結論している。