市販ダイエット食の無料提供と週1回のカウンセリングが、肥満女性の長期減量に効果があることが、無作為化対照試験の結果、明らかにされた。減量を始めて2年後の体重減少が、対照群と比べて4kg以上の差があったという。米国カリフォルニア大学医学校サンディエゴ校のCheryl L. Rock氏らが、約450人の肥満女性を対象に行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2010年10月27日号(オンライン版2010年10月9日号)で発表した。なおこれまで、市販ダイエット食品の肥満予防効果について、コントロール試験で検証されたことはほとんどなかったという。
対面または電話でスタッフによる週一回のコンタクト、市販ダイエット食の無料提供
Rock氏らは2007年11月~2010年4月にかけて、18~69歳(平均年齢44歳)で、BMI値が25~40の女性442人を対象に2年間の追跡試験を行った。
研究グループは被験者を無作為に3群に分け、そのうち2群には、毎週一回、教育を受けたスタッフによる短時間のコンタクトを、医療センターにおいて対面で、あるいは電話で提供した。また、市販ダイエット食をそれぞれに無料で提供し、加えて、電話や電子メール、ウェブサイトなどを通じたフォローアップも行った。さらに、2年の間に2回のカウンセリングを無料で提供した。
残り1群は対照群として、2年間で2回の減量に関する無料カウンセリングを提供し、毎月フォローアップを行ったのみだった。
24ヵ月後、対面コンタクト群では7.4kg、電話コンタクト群では6.2kgの減量効果
24ヵ月後にデータが得られた被験者数は、407人だった(被験者の92%)。
医療センターで毎週対面によるコンタクトをとった群では、試験開始時点と比べ24ヵ月後の体重減少幅は7.4kg(95%信頼区間:6.1~8.7)で、減少率は7.9%(同:6.5~9.3)だった。
電話で毎週コンタクトをとった群では、同体重減少幅は6.2kg(同:4.9~7.6)、減少率は6.8%(同:5.2~8.4)だった。
一方、対照群の同体重減少幅は2.0kg(同:0.6~3.3)、減少率は2.1%(同:0.7~3.5)と、介入を行ったニつの群に比べ有意に低かった(p<0.001)。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)