10代でBMIが30以上の肥満者、30代早期までに重度肥満になるリスクは16倍

提供元:ケアネット

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公開日:2010/11/23

 



青年期に肥満の人は、そうでなかった人に比べ、成人期早期に重度肥満になるリスクが16倍に増大するという。米国ノースカロライナ大学のNatalie S. The氏らが、9,000人弱について約13年間追跡したコホート試験の結果明らかになったもので、JAMA誌2010年11月10日号で発表した。米国で肥満の罹患率は増加傾向にあるが、青年期の肥満と成人期の重度肥満の関連について、経年調査はほとんど行われておらず、重度肥満への回避やリスクを減らすための効果的な介入が限られているという。

青年期の肥満はBMIが30以上、成人期の重度肥満は同40以上として追跡




研究グループは、「US National Longitudinal Study of Adolescent Health」のデータから、1996年に12~21歳だった8,834人について、2007~2009年まで追跡した。

青年期肥満の定義は、年齢が20歳未満、BMIが30以上もしくは性別のBMI年齢成長曲線で95パーセンタイル以上とした。成人期重度肥満の定義は、年齢が20歳以上、BMIが40以上とした。両定義はさらに、人種や年齢などによって補正が行われた。

青年期に肥満だった女性は半数以上が、男性は3分の1以上が、成人期で重度肥満に




1996年に、青年期で重度肥満だった人は79例(1.0%:95%信頼区間:0.7~1.4)で、そのうち60例(70.5%:同:57.2~83.9)は成人期になっても重度肥満だった。

一方、2009年までに成人期重度肥満になっていたのは、703人(7.9%、95%信頼区間:7.4~8.5)だった。

青年期に肥満だった人で、成人期に重度肥満になった人の割合は、男性が37.1%(同:30.6~43.6)、女性が51.3%(同:44.8~57.8)で、最も高率だったのは黒人女性の52.4%だった。

多変量離散ハザードモデル分析の結果、青年期に肥満だった人は、そうでない人に比べ、成人期に重度肥満になるリスクは、16.0倍(同:12.4~20.5)に増大した。

一方で、青年期に肥満ではなかった人で、成人期に重度肥満になった人の割合は、性別や人種にかかわらず5%未満だった。

研究グループは、「本集団において、青年期の肥満は、成人期の重度肥満のリスク増大と有意に関連していた。またリスク増大は、性、人種による関連も認められた」と結論している。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)