2型糖尿病患者、有酸素運動とレジスタンストレーニングの併用でHbA1c値が低下

提供元:ケアネット

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公開日:2010/12/07

 



2型糖尿病患者が、有酸素運動とウエイトトレーニングのようなレジスタンストレーニングの両方の運動を行うことで、HbA1c値が有意に低下することが無作為化対照試験で明らかになった。どちらか一方のみの運動では、HbA1c値の有意な低下は認められなかったという。米国ルイジアナ州立大学ペニントン・バイオメディカルリサーチセンターのTimothy S. Church氏らが、2型糖尿病患者262人を追跡し明らかにしたもので、JAMA誌2010年11月24日号で発表した。2型糖尿病患者に対する運動ガイドラインでは、有酸素運動とレジスタンストレーニングの両方を勧めているが、両運動を行うことによる効果を目的とする研究はこれまでほとんど行われていなかった。

被験者を4群に分け、9ヵ月の運動プログラム実施




研究グループは、2007年4月~2009年8月にかけて、2型糖尿病の患者262人について、9ヵ月の運動プログラムを行った。被験者を無作為に4群に分け、一群(73人)はレジスタンストレーニングのみを週3回、別の群(72人)は有酸素運動(12kcal/kg/週)のみを、また別の群(76人)は有酸素運動(10kcal/kg/週)とレジスタンストレーニングを週2回、さらに残りの一群(41人)は対照群としていずれの運動プログラムも行わなかった。

レジスタンストレーニングの内容は、上体運動(ベンチプレス、シーテッド・ロウイング、ショルダープレス、ラットプルダウン)2セット、足部運動(レッグプレス、レッグエクステンション、スクワット)3セット、腹筋・背筋運動2セットで構成されていた。

被験者の63.0%は女性で、平均年齢は55.8歳、HbA1c値は6.5%以上で平均値は7.7%だった。

併用運動群、対照群に比べHbA1c値が0.34%ポイント低下、最大酸素消費量も改善




その結果、対照群に比べ、併用運動群のみがHbA1c値の絶対平均値が有意に低下していた。対照群との差は-0.34ポイント(95%信頼区間:-0.64~-0.03、p=0.03)だった。レジスタンストレーニング群(-0.16ポイント、p=0.32)、有酸素運動群(-0.24ポイント、p=0.14)ではいずれも、HbA1c値の絶対平均値の有意な低下はみられなかった。

対照群に比べ、最大酸素消費量の有意な改善が認められたのも併用運動群のみで、平均改善幅は1.0mL/kg/分(95%信頼区間:0.5~1.5、p<0.05)だった。

腹囲はすべての運動群で対照群に比べ減少していた(レジスタンストレーニング群:-1.9cm、有酸素運動群:-1.5cm、併用運動群:-2.8cm)。

また体脂肪量は、レジスタンストレーニング群で平均1.4kg、併用運動群で平均1.7kg、それぞれ対照群に比べ有意に減少した(ともにp<0.05)。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)