果糖を多く含む飲料摂取で女性の痛風リスクが増大、1日1杯で1.74倍に

提供元:ケアネット

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公開日:2010/12/07

 



加糖炭酸飲料やオレンジジュースのような果糖(フルクトース)を多く含む飲料の摂取量が多いと、女性の痛風発症リスクが増大することが報告された。米国ボストン医科大学リウマチ・臨床疫学部門のHyon K. Choi氏らが、大規模前向きコホート試験「Nurses’ Health Study」の中から、8万人弱の女性について調べた結果明らかにしたもので、JAMA誌2010年11月24日号(オンライン版2010年11月10日号)で発表した。果糖を多く含む飲料摂取が尿酸値の増加につながることは知られていたが、痛風発症との関連についての前向き試験データはほとんどなかったという。

1日2杯以上なら痛風リスクは約2.4倍に




研究グループは、Nurses’ Health Studyの被験者のうち、痛風歴がなく、食事に関する必要データが得られた7万8,906人について、1984~2006年まで22年間追跡した。

追跡期間中、痛風を発症したのは778人だった。加糖炭酸飲料の摂取量と痛風発症リスクについてみてみると、1日1杯(serving)摂取する人は、1ヵ月に1杯未満しか摂取しない人に比べ、痛風の発症に関する多変量相対リスクは1.74(95%信頼区間:1.19~2.55)に増加した。1日に2杯以上摂取する人はさらにリスクが増大し、同多変量相対リスクは2.39(同:1.34~4.26)だった(傾向p<0.001)。

オレンジジュースとの関連についてみてみると、1日1杯摂取する人の同多変量相対リスクは、1ヵ月に1杯未満しか摂取しない人に比べ1.41(95%信頼区間:1.03~1.93)、1日2杯以上摂取する人は2.42(95%信頼区間:1.27~4.63)だった(傾向p=0.02)。

ダイエット飲料は痛風リスクを増大せず




痛風発症に関する絶対格差は、加糖炭酸飲料1日1杯摂取では36人/10万人年、1日2杯以上摂取では68人/10万人年だった。オレンジジュースでは、1日1杯摂取では14人/10万人年、1日2杯以上摂取では47人/10万人年だった。

果糖摂取量が多くなるほど痛風発症に関する多変量相対リスクは増大し、摂取量上位五分位範囲の群は、下位五分位範囲の群に比べ、同リスクは1.62(同:1.20~2.19、傾向p=0.004)だった。

なお、ダイエット飲料の摂取は、痛風発症リスクの増大には関与していなかった(傾向p=0.27)。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)