18~30歳の青年期から20年間にわたり身体活動を活発に維持した人は、体重・ウエスト周囲の増加が、そうでない人に比べ有意に抑制されていることが明らかになった。この傾向は特に、女性で顕著だったという。米国ノースウェスタン大学Feinberg校予防医学部門のArlene L. Hankinson氏らが、約3,500人について20年間追跡した「Coronary Artery Risk Development in Young Adults」(CARDIA)試験の結果から報告したもので、JAMA誌2010年12月15日号で発表した。これまでに、体重増リスクの最も高い時期についての身体活動と長期体重増予防との関連を調べた研究はほとんどないという。
身体活動レベルが高い人の体重増加量は低い人に比べ、男性2.6kg、女性は6.1kg少ない
Hankinson氏らは、1985~86年に18~30歳であった3,554人について調査を開始し、その後2年、5年、7年、10年、15年と20年まで追跡した。身体活動レベルについては、調査時点の前年の活動について調べスコア化し、体重増とウエスト周囲増との関連について分析した。
その結果、人種、調査開始時点のBMI、年齢、教育レベル、喫煙の有無、アルコール摂取、エネルギー摂取量について補正を行った後、身体活動レベルが高い三分位範囲の男性は、低い三分位範囲の男性に比べ、体重増加量は2.6kg少なかった。BMI単位の年間増加幅は、活動レベルが高い三分位範囲は0.15 BMI単位/年(95%信頼区間:0.11~0.18)だったのに対し、低い三分位範囲は0.20 BMI単位/年(同:0.17~0.23)だった。
女性については、活動レベルが高い三分位範囲の体重増加量は、低い三分位範囲に比べ6.1kgも少なかった。またBMI単位の増加幅も、活動レベルが高い三分位範囲は0.17 BMI単位/年(95%信頼区間:0.12~0.21)だったのに対し、低い三分位範囲は0.30 BMI単位/年(同:0.25~0.34)だった。
ウエスト周囲増加量は、男性3.1cm、女性3.8cm少ない
また、ウエスト周囲についても、男性では活動レベルが高い三分位範囲の人は、低い三分位範囲の人に比べ、増加量が3.1cm少なかった。年間増加量では、高い三分位範囲が0.52cm/年(95%信頼区間:0.43~0.61)に対し、低い三分位範囲は同0.67cm/年(同:0.60~0.75)だった。
女性についても、活動レベルが高い三分位範囲の人は、低い三分位範囲の人に比べ、ウエスト周囲増加量が3.8cm少なかった。年間増加量では、高い三分位範囲が0.49cm/年(95%信頼区間:0.39~0.58)に対し、低い三分位範囲が同0.67cm/年(同:0.60~0.75)だった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)