急性非代償性心不全患者へのループ利尿薬の投与戦略

急性非代償性心不全患者へのループ利尿薬投与について、急速静注と持続点滴、低用量と高用量それぞれ比較したが、いずれも全般的な症状改善や腎機能改善の程度に有意差は認められなかったことが示された。米国デューク大学医学校・ハートセンターのG. Michael Felker氏らが、300人超の急性非代償性心不全患者について行った、前向き無作為化二重盲検試験により明らかにしたもので、NEJM誌2011年3月3日号で発表した。急性非代償性心不全への基本となるループ利尿薬の投与法に関して、前向き試験も使用指針もほとんどなかった。
投与後72時間の全般的症状とクレアチニン濃度の変化を比較
研究グループは、急性非代償性心不全の患者308人について、無作為に2群に分け、フロセミドを12時間ごと急速静注または持続点滴を行った。さらにそれぞれの群について無作為に2群に分け、患者の従来の経口投与量と同等の「低用量投与」、あるいは従来用量の2.5倍の「高用量投与」を行った。用量補正はプロトコルに従い48時間後に行ってもよいこことされていた。
主要エンドポイントは、72時間の全般的症状評価の視覚的アナログ尺度の曲線下面積(AUC)と、72時間後の血清クレアチニン濃度の変化の複合だった。
急速静注と持続点滴、低用量と高用量、いずれも症状や腎機能改善に差はなし
結果、全般的症状評価の指標であるAUC平均値は、急速静注が4,236(標準偏差:1,440)で持続点滴が4,373(同:1,404)と、両群に有意差はなかった(p=0.47)。
血清クレアチニン濃度の平均変化幅も、急速静注が0.05(同:0.3)mg/dLで持続点滴が0.07(同:0.3)mg/dLと、両群に有意差はなかった(p=0.45)。
高用量群と低用量群の比較においても、AUC平均値はそれぞれ4,430(標準偏差:1,401)と4,171(同:1,436)と、有意差はなかった(p=0.06)。
高用量群と低用量群の血清クレアチニン濃度の平均変化幅も、それぞれ0.08(同:0.3)mg/dLと0.04(同:0.3)mg/dLと、有意差は認められなかった(p=0.21)。
なお高用量群については、低用量群よりも利尿効果や体重減幅などは大きかったが、事前に規定した腎機能悪化は、低用量群より高率だった。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)
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