BRAF V600E変異メラノーマに対するvemurafenib vs. ダカルバジン

BRAF V600E変異を有するメラノーマで無治療の患者を対象とする、BRAFキナーゼ阻害薬vemurafenib(PLX4032)とダカルバジン(商品名:ダカルバジン注)を比較する第3相試験「BRIM-3」の結果、vemurafenibがダカルバジンと比べて全生存率および無増悪生存率を改善したことが報告された。米国・Sloan-Kettering記念がんセンターのPaul B. Chapman氏らによる。メラノーマ患者では、約40~60%にBRAF変異が認められ、その90%がBRAF V600Eという。vemurafenibは、BRAF V600E変異に顕著な抗腫瘍効果を有し、第2相試験で、治療歴のあるBRAF V600E変異進行性メラノーマ患者において奏効期間中央値6.7ヵ月、奏効率53%が示されていた。NEJM誌2011年6月30日号(オンライン版2011年6月5日号)掲載より。
全生存率と無増悪生存率を主要エンドポイントに
本試験は、2010年1~12月の間に、12ヵ国104施設で2,107例がスクリーニングを受け、そのうち675例を、vemurafenib群(960mgを1日2回経口投与、337例)かダカルバジン群(1000mg/m2体表面積を3週ごとに静脈投与、338例)に無作為に割り付け行われた。主要エンドポイントは、全生存率と無増悪生存率の2つとし、副次エンドポイントは、奏効率、奏効期間、安全性などとした。
最終解析は、死亡196例後に、中間解析は同98例後に行うよう計画された。
結果、中間解析時の死亡は118例であった。この時点でデータ安全モニタリング委員会は、2つのエンドポイントについて事前規定されたvemurafenib群の統計的有意性が満たされたと判定し、そのうえで、ダカルバジン群からvemurafenib群へのクロスオーバーを勧告した。
中間解析は、vemurafenib群が追跡期間中央値3.8ヵ月、ダカルバジン群2.3ヵ月に行われた。
6ヵ月時点の全生存率、vemurafenib群84%、ダカルバジン群64%
6ヵ月時点の全生存率は、vemurafenib群84%(95%信頼区間:78~89)、ダカルバジン群64%(同:56~73)であった。推定無増悪生存期間中央値は、vemurafenib群5.3ヵ月、ダカルバジン群1.6ヵ月であった。
全生存率の中間解析および無増悪生存率の最終解析から、vemurafenibがダカルバジンと比べて相対的に、死亡リスクを63%減少、死亡あるいは疾患進行リスクを74%減少したことが認められた(いずれの群間比較ともP<0.001)。
奏効率は、vemurafenib群48%、ダカルバジン群5%であった。
vemurafenib群でよくみられた有害事象は、関節痛、発疹、疲労、脱毛、角化棘細胞腫または扁平上皮がん、光線過敏、悪心、下痢であった。なお同群患者の38%が毒性のため、服用量の調節を要した。
Chapman氏は、「治療歴のないBRAF V600E変異メラノーマ患者において、vemurafenibが全生存率および無増悪生存率を改善したことが認められた」と結論。また報告の最後で、「本結果は、今後の併用療法開発の強力な基盤となるものだ」と展望している。
(武藤まき:医療ライター)
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