女性における非喫煙、1日30分以上の運動、BMI<25といった健康的な生活習慣について、実行項目が多い人ほど心臓突然死リスクが低下することが、大規模前向きコホート試験の結果、示された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院不整脈予防センターのStephanie E. Chiuve氏らが、8万人超の女性看護師を対象とするNurses’ Health Studyのデータを分析し明らかにしたもので、JAMA誌2011年7月6日号で発表した。
非喫煙、BMI、運動、地中海式ダイエット、いずれも心臓突然死の独立リスク低減因子
研究グループは、Nurses’ Health Studyの被験者に対し、1984年6月から生活習慣に関する調査を行い、2010年6月までの26年間追跡し、心臓突然死リスクとの関連を調べた。
健康的な低リスク生活習慣の定義は、非喫煙、BMI<25、1日30分以上の運動、地中海式ダイエット(野菜、果物、ナッツ、豆、全粒穀物、魚、適度なアルコール)スコア上位40%の4点とし、十分な回答が得られた8万1,722人について、結果を分析した。被験者の試験開始時点の平均年齢は50~51歳だった。
結果、追跡期間中の心臓突然死は321人で、発症時の平均年齢は72(標準偏差:8)歳だった。
また定義した低リスク生活習慣の4点いずれもが、心臓突然死の独立リスク低減因子であることが認められた。
心臓突然死リスク、低リスク生活習慣実行1点で0.54倍に、4点では0.08倍に
低リスク生活習慣にまったく該当しない人の心臓突然死の絶対リスクは22人/10万人・年、同習慣1点の人は17人/10万人・年、同習慣2点では18人/10万人・年、同習慣3点では13人10万人・年、同習慣4点すべてを行う人は16人/10万人・年だった。
低リスク生活習慣にまったく該当しない人に対する、同習慣を1点行う人の、心臓突然死発症に関する多変量相対リスクは0.54(95%信頼区間:0.34~0.86)とおよそ半分近くに減少し、また、同習慣2点の人では0.41(同:0.25~0.65)、同習慣3点では0.33(同:0.20~0.54)と準じ低下し、同習慣4点の人では0.08(同:0.03~0.23)と大幅に低下が認められた。
低リスク生活習慣の死亡に対する寄与を試算した結果、被験者全員が4点すべてを行っていた場合は心臓突然死の81%が予防可能だったと試算され、冠動脈心疾患が未診断の人では79%が予防可能と試算された。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)