米国レストランで行っている料理のカロリー表示は、実際の測定値とほぼ同等であることが、米国・タフツ大学のLorien E. Urban氏らが行った米国の飲食店42店を対象とする調査で明らかになった。米国人のカロリー摂取の約35%は飲食店の食事からだが、飲食店のカロリー表示の正確性については、これまで明らかになっていなかったという。JAMA誌2011年7月20日号掲載より。
表示値と実測値の差、1人前当たり平均10kcal程度
研究グループは、2010年1~6月にかけて、米国飲食店チェーンで、マサチューセッツ州、アーカンソー州、インディアナ州にある店の中から、各地域14店、合わせて42店を選び調査を行った。調査対象となった食事品目は269品目だった。
結果、全体として、飲食店のカロリー表示は実際の測定値と有意な差はなかった(平均格差:10kcal/1人前、95%信頼区間:-15~34kcal/1人前、p=0.52)。
一方で、個々の品目についてみると、カロリー表示とカロリー実測値にはばらつきがあり、50品目(19%)の実測値が表示値よりも1人前当たり100kcal上回っていた。
高カロリー食品は実測値が表示値を上回り、低いものは下回る傾向
初回測定で1人前当たりのカロリー摂取量が最も高いほうから10%内の17品目のうち、13品目については再測定が可能だった。その結果、初回測定では測定値が表示値を1人前当たり289kcal上回り、再測定では同258kcal上回っていた(表示と実測値の差が0kcal/ポーションに対するP<0.001)。
さらに、表示カロリーが低い品目では表示値よりも実測値が高く、表示カロリーが高い品目では実測値が低い傾向が認められた(P<0.001)。
(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)