局所NSAIDsのほうが経口NSAIDsよりも有用?

提供元:ケアネット

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公開日:2008/02/01

 

高齢者に多い慢性膝痛に対し、局所NSAIDs、経口NSAIDsのいずれを用いることを推奨すべきか。有害事象発現に着目した無作為化試験および患者選択試験が、ロンドン大学健康科学センターMartin Underwood氏らによって行われた。BMJ誌オンライン版2007年12月4日付け、本誌2008年1月19日号で報告されている。

50歳代の膝痛患者585例対象




本試験は、一般医26人の協力を得て、50歳代の膝痛を有する患者585例の参加のもと行われた(無作為化試験参加282例、患者選択試験303例)。

局所もしくは経口の非ステロイド系消炎鎮痛薬イブプロフェン(NSAIDs)を医師のアドバイスに基づき投与。主要評価項目は、変形性関節症指標WOMAC(Western Ontario and McMaster Universities)および大小の有害事象とした。

経口NSAIDsのほうがやや不利?




12ヵ月時点における全体的なWOMACスコアの変化は、局所投与も経口投与もほとんど変わらなかった。試験別にみると、無作為化試験での局所投与と経口投与の差異は2ポイント(95%信頼区間:-2~6)、患者選択試験では1ポイント(同-4~6)。

有害事象発現に関する両試験の違いも特に見られなかった。

有意差がみられたのは無作為化試験の副次評価項目で、「呼吸器障害」について局所群7%に対し経口群17%(差異の95%信頼区間:-17%~-2%)、「血清クレアチニン値の変化」について経口群のほうが3.7mmoL/L(0.9μmol/lから6.5μmol/l)不利との結果が得られている。その結果、有害事象を理由とする治療を変更した参加者がより多く存在した(経口群16%に対し局所群1%、95%信頼区間:-16%~-5%)。

局在群で途中で治療を変更したのは、慢性痛グレードがIIIまたはIVの患者で3ヵ月時点で無効だった患者だった。

以上からUnderwood氏は、副作用発現に関して両者に違いは見られなかったが、副次評価項目でみられたように経口NSAIDsのほうがやや不利だったことを踏まえ、「局所NSAIDsのほうが、経口NSAIDsよりも有用かもしれない」と結論づけている。