在胎週数が短いと、早期小児期と若年成人期で死亡率が増加

提供元:ケアネット

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公開日:2011/10/04

 



在胎週数の短さは、5歳以下の早期小児期と、18~36歳の若年成人期の死亡増大の独立した因子であることが明らかにされた。米国・スタンフォード大学のCasey Crump氏らが、スウェーデンの単生児約2万8,000人を対象に行ったコホート試験で明らかにしたもので、JAMA誌2011年9月21日号で発表した。これまで先進国において、早産は乳児死亡の大きな原因であることは知られていたが、成人期の死亡リスクとの関連については明らかにされていなかった。

早期小児期の死亡リスク、在胎週数が1週増すごとに約8%減




研究グループは、スウェーデン出生レジストリ67万4,820人の記録から、1973~1979年に生まれた単生児の早産児(在胎37週未満)で、生後1年以上生存した2万7,979人について追跡し、全死因死亡および死因特異的死亡について評価を行った。追跡期間は2008年末までで、被験者年齢は29~36歳だった。

結果、追跡期間中に死亡したのは7,095人/2,080万人・年だった。1~5歳までの早期小児期における死亡リスクは、在胎週数が少ないほど高く、同週数が1週増加することによるハザード比は0.92(95%信頼区間:0.89~0.94、p<0.001)だった。

しかし、6~12歳の後期小児期と13~17歳の青年期では、同傾向はみられなくなり、在胎週数が1週増えることによる死亡に関するハザード比はそれぞれ、0.99(同:0.95~1.03、p=0.61)と0.99(同:0.95~1.03、p=0.64)だった。

若年成人期、在胎週数34週以降の早産でも死亡リスクは満期産の1.3倍に




その後、18~36歳の若年成人期では、再び在胎週数と死亡率の関与が認められ、同週数が1週増えることによる死亡に関するハザード比は、0.96(同:094~0.97、p<0.001)だった。

また若年成人期では、在胎週数34週以降の早産でも死亡リスクは増加し、死亡に関する満期産に対するハザード比は、1.31(同:1.13~1.50、p<0.001)だった。

若年成人期の死亡の原因についてみてみると、なかでも先天異常、呼吸や内分泌、心血管の障害による死亡と在胎週数とが関連していた。一方で、神経学的異常やがん、外傷による死亡とは関連が認められなかった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)