脳卒中再発リスク、収縮期血圧120mmHg未満でも増大

提供元:ケアネット

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公開日:2011/11/29

 



非心原性虚血性脳卒中患者の脳卒中再発リスクは、収縮期血圧値が130~140mmHg未満で最も低く、低過ぎても(120mmHg未満)、高過ぎても(140mmHg以上)、再発リスクは増大することが明らかにされた。米国・カリフォルニア大学サン・ディエゴ校のBruce Ovbiagele氏らが、2万人超について行った事後観察研究の結果、明らかにしたもので、JAMA誌2011年11月16日号で発表した。脳卒中再発予防のガイドラインでは、収縮期血圧が低いほどリスクはより低下するとして、120mmHgも正常値としている。

35ヵ国、695ヵ所で最大2.5年追跡




研究グループは、2003年9月~2006年7月にかけて35ヵ国695ヵ所の医療センターを通じ、非心原性虚血性脳卒中を発症して間もない50歳以上、2万330人を対象に、事後観察研究を開始し、2008年2月8日まで、最大2.5年追跡した。

被験者は、平均収縮期血圧値によって正常超低値群(120mmHg未満)、正常低値群(120~130mmHg未満)、正常高値群(130~140mmHg未満)、高値群(140~150mmHg未満)、超高値群(150mmHg以上)の5群に分けられた。

主要アウトカムは、種類を問わないあらゆる脳卒中の再発とした。副次アウトカムは、脳卒中・心筋梗塞・血管疾患による死亡の複合とされた。

130~140mmHg群に比べ、120mmHg未満群の脳卒中再発リスクは約1.3倍




結果、脳卒中再発率は、血圧値の低い群からそれぞれ、8.0%、7.2%、6.8%、8.7%、14.1%だった。

130~140mmHg群を基準にした場合、脳卒中再発に関する補正後ハザード比は、120mmHg未満群が1.29(95%信頼区間:1.07~1.56)、140~150mmHg未満群が1.23(同:1.07~1.41)、150mmHg以上群が2.08(同:1.83~2.37)だった。

また副次アウトカムについては、130~140mmHg群を基準にした場合、120mmHg未満群が1.31(95%信頼区間:1.13~1.52)、120~130mmHg未満群が1.16(同:1.03~1.31)、140~150mmHg未満群が1.24(同:1.11~1.39)、150mmHg以上群が1.94(同:1.74~2.16)だった。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)